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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】
[665]森崎名無しさん:2015/08/15(土) 18:37:19 ID:??? まあジュニアユース直後の森崎のセービング値は明らかにおかしいからなw
[666]森崎名無しさん:2015/08/15(土) 18:50:36 ID:??? 一人だけ別世界に足を突っ込んでた状態だったからなぁ・・・
[667]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/16(日) 01:59:30 ID:??? 更新を再開します。 >>665-666 流石にJr.ユースそのままだったら無理ゲーですので、 あれよりは弱くなってますが、それでもこれまでのGKと比べて規格外な強さになってます。
[668]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/16(日) 02:01:44 ID:??? ワッ……ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!? 観客席から戸惑いも籠った絶叫が鳴り響く。しかし、これも無理のある事では無かった。 ――燃え盛る太陽のシュートは、森崎の掌中に完全に収まっていたからだ。 森崎有三は、幻想郷最高のストライカーであるレミリア・スカーレットに対し……完勝した。 実況「……す、凄い……! これは夢でも見ているのでしょうか! 確かに、確かに森崎選手は前の試合でも星熊勇儀選手が即席で生み出した 倍速二回転大江山嵐――『零歩必殺嵐』を防いだ実績もあったため、 決して今のプレーも不思議ではありません! ですが……やはり何度も見ても凄い物は凄い! 更に凄い事は、この森崎有三という選手は妖怪でも神でも亡霊でも何でもない! 何の力も持たぬ、ごく普通の人間なのです! 人間が、鬼や吸血鬼に勝利したのです!!」 観客「森崎って奴、そんなにすごかったのか!?」「俺、守備嫌いなFWだとずっと勘違いしてた!」 「勇儀姐さんだけじゃなく、レミリアさんのシュートも防ぐなんて……」「もっりさき!」「もっりさき!」 中山(観客席)「少し厳しいシュートだったが……森崎ならばあの程度の水準のシュートは、 これまでも真正面から受けて来ている。勝利は順当だったろう。 無論、あいつでも完璧に防げるかどうかは五分程度だっただろうが……。――ここは、あいつの勝負強さが出たな」 鈴仙(観客席)「(中山さん、嬉しそう……やっぱり森崎君と親友なだけあるわねぇ。 しかし、それにしても……あれが森崎有三! 改めて、本当に規格外のGKだわ……)」 輝夜(観客席)「(えーりんを呼んでも防げる自信が無いわね……アレ。決勝に来たらどうしよ)」 永琳(観客席)「……威力として、レミリア・スカーレットの『ダイレクトレッドサン』は、 星熊勇儀の『零歩必殺嵐』に比較して高くない。 怒りによって、その力が増幅されていたという事実を加味してもね」 慧音(観客席)「だが……レミリア・スカーレットは幻想郷サッカー史でも最古参の選手だ。彼女を信奉している人妖も多い。 だからこそ、星熊勇儀のシュートを防いだ事以上に、今の森崎のセービングは驚きに映っただろう」
[669]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/16(日) 02:03:04 ID:??? レミリア「――サッカーは強い者が勝つんじゃなくて、勝った者が強い。 だから、お前の勝利は偶然じゃなくて運命なんだろう。 ……忌々しいけどね」 森崎「(……こいつ。『アイツ』と同じような事を言ってやがる)――へっ、負け惜しみはそれだけか?」 レミリア「もし私の作戦が嵌ってたら勝ってた。私はダイレクトよりもバイシクルの方が上手い。 運が悪けりゃあんたが普通に負けてた。さっきのシュートはちょっと調子が悪かった。 私は夜行性だからお昼だと眠くてやる気が出ない。新聞の占いが最下位だった。……えっと。後は」 森崎「思ったより多いな……。――ま、吠えてろ。お前が無駄口を叩けば叩くほど、俺の価値は上がるんだからな」 レミリアの超然とした態度に苛立ちながらも、森崎は早速の次の手を考えていた。 勿論、自分がこれから活躍して目立つ為の手である。 森崎「(さーて。そろそろオーバーラップでもするか? それとも寝釈迦ポーズで敵の神経を逆なでしようか? いやいやそれともゴールバーで懸垂してセーブ力の練習でも始めようか?)」 そしてその手には、一見して奇行にしか見えない……いや、奇行そのものが多々ある。 むしろ奇行じゃない手の方が少なかったりする。 森崎は練習の合間に付け足している脳内の奇行ノートから、とっておきのヤツを取り出そうとして――。 ズキィィッ……! 森崎「……ッ!」 ――鋭く走った、自身の腰の痛みによって、その思考は中断された。
[670]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/16(日) 02:04:35 ID:??? 森崎「(くそっ。腰が痛むな……。ま、化けモンクラスのシュートを防いだんだから、しょうがねぇか。 ――敵さんはまだまだイケイケだしな。今無理する事でもないだろ)……ほら、天子。やるよ、このボール」 シュッ……。 天子「――フッ……。ここで中里じゃなくて私に来るあたり、天人と忍者のチーム信頼度は違いすぎたみたいね。 いいでしょう。この私の実力、とくと眼に焼き付けておきなさい! 私100メートル走で15秒とか普通に出すし!」 ダダダダダダダダダッ! 先の地霊殿サブタレイニアンローゼスでも感じた、脳髄にビリッと走る瞬間的な腰の痛み。 無意識的に、森崎の思考はこの痛みをきっかけとして、常識的で無難な方向にシフトしていた。 ボール欲しさに今にも暴走しそうなサイドバックの天子にパスを出し、自分はゴールを守る事に専念する。 中里「(……う〜む。いつもの森崎ならばここで無駄に奇行に出たり、 オーバーラップしたりして敵のペースを崩すかと思ったが。ブラジルでの修行で、常識に目覚めたのでゴザろうか)」 そんなゴールキーパーとして至極真っ当な態度に対し疑問を抱く者は当然居ない。 ……これまで森崎のチームメイトとして、永らく彼の奇行を目の当たりにして来た中里以外は。 とはいえ、その中里までも、森崎の事情を全て把握している訳では無かったのだが。 *** 天子「オラオラオラー、『勇気凛々の剣』でバラバラに引き裂いてくれるわーっ!」 ダッ、ドガドガッ!! バギイイイッ! 美鈴「な、何ですかこの人怖いー!?」 小悪魔「こ、こぁーっ?!」
[671]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/16(日) 02:06:27 ID:??? 実況「森崎選手からボールを受け取った博麗連合の天人サイドバック、 比那名居天子選手は誰にもボールを渡さず、暴力的なドリブルでサイドを抉っていきます! 何という自分勝手で利己的なプレーなのでしょうか! しかしこのスタンドプレーは上手く場に刺さっている〜〜!」 咲夜「……お嬢様にパチュリー様。そして妹様が上がり切った現状、我々の中盤はガラ空きです。 恐らくはそれを狙った、大胆なオーバーラップのようだけど……!」 天子「さーて、どうかしら。仲尼は日月なり、得て踰ゆること無し……ってね。 要するに、天人の存在はあまりにも大きすぎるから、 3回連続で見つめられた程度で、貴女方に推し量れるような存在じゃないって事よ!」 グワァァァアアアアアアアアアアアアッ!! 実況「そして小悪魔選手と美鈴選手と吹き飛ばした天子選手は、必殺シュートの構え! 咲夜選手がメイド妖精と共にブロックへと向かう中、彼女は自信たっぷりの傲慢な表情を変えずに……!」 天子「光栄に思いなさい、地上に這いつくばる小人共! ――この私が直々に……『気炎万丈の剣』で、トドメさすよ!!」 バッ……ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ! バシュッ! ……バシュッ、バシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュ! 実況「出た〜〜〜! 天子選手得意のパワーショット、『気炎万丈の剣』だ〜〜! キッチリ九回の爆音を上げながら、紅魔スカーレットムーンズのゴールへと向かって行きます!」 咲夜「……悪くないシュートね。だけど、この程度まで通していて、紅魔のメイド長が務まりますか! 『プライベート……」 バッ! グルウウウウッ……! 咲夜「――スクウェア』!」 バッ……シィィイイイインッ! ……ポムッ。
[672]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/16(日) 02:08:25 ID:??? 実況「お〜っと! ですがここはディフェンスリーダーの十六夜咲夜選手が活躍! 必殺ブロック・『プライベートスクウェア』で天子選手のシュートを完封! 陸選手までボールを運ばせません!」 天子「あ、あんですってぇ〜〜〜! この私のシュートが、キーパーまで届かないだなんて。 荒鷲如きが、貴様の遥か高みに住まう天人様の覇道を邪魔するとは生意気過ぎるわ……!」 ギリッ、ギリギリッ……! 天子「フ……フフ。これで勝ったと思わない事ね……!」 ダッ! 陸「――な、なあ。あの女、逆恨みしててこっち見てて怖いアル……というカ、 なんかアイツが纏う気力が強くなってるような気がするアルけど……」 咲夜「彼女、打たれれば打たれる程興奮するタイプなの。……ああ見えてもね。 だから今も、これまで活躍出来なかった上に、シュートまで容易く止められたという逆境に対して高揚しているんだと思う。 まぁ、それだけならどうぞご勝手に、って話なんだけれど……」 美鈴「あの人、『隠れM』なのか知らないけれど、それで余計にイキイキとプレイしだすんですよね。 それが本当に厄介というか、面倒臭いと言うか。――アイタタ、吹っ飛ばされてお尻が痛いわ……」 小悪魔「でも、これでこっちにボールが渡りました! 咲夜さん、私にボールを下さい。 今からでも『トップスピンパス』で、ボールを前線に上げて見せます!」 咲夜「――そうね。まだ攻めの芽は潰えていないし、 霊夢も1点目までの絶好調は鳴りを潜めている様子。頼むわよ、小悪魔」 バシッ……。
[673]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/16(日) 02:09:39 ID:??? ボールを奪い取った咲夜はボランチの小悪魔へとショートパス。 少数精鋭の攻撃陣と、タレント不足を数で補う守備陣という、 敢えてアンバランスな布陣を敷いたスカーレットムーンズにとって、 ボランチとして守備と攻撃の楔を果たす小悪魔のポジションは重要である。 小悪魔「(ドリブルも教えて貰ったけれど、あれはほんの付け焼刃。 私にはやっぱりパス一芸しかない。それにしたってパチュリー様にも劣る。 だけど――このパスは私の……紅魔に懸ける想いです!)――『トップスピンパス』よ!」 グワァァァッ、バシュウウウウウウウウウウウウウウッ! ギュルギュルギュルギュルッ……! 霊夢「……厄介なパスね。アリスが普通に撃ったパス程度の精度はありそう」 小悪魔が前線のパチュリーへと放ったトップスピンパス。その軌道上には霊夢が鎮座していた。 しかし小悪魔はそれを知った上でボールを要求し、パスを放った。 しかし、小悪魔自身、自分のポジションに対し誇りを持っていたし、それに相応しい実力もあったから、 彼女は――周囲の仲間達は失敗を恐れなかった。小悪魔は心の中でこう呟く。 小悪魔「(さっきは普通の人間がレミリア様のシュートを防いでいたけれど。 そうだったら、一介の名無し悪魔が博麗の巫女に勝っても良いじゃないの!)」 ……が。現実は物語のように都合良くは運ばなかった。 確かに小悪魔の『トップスピンパス』は、霊夢単独によるパスカットにも匹敵する程の力を持っており、 実際に今回、魔理沙の事で集中出来なかったのか、霊夢は小悪魔のパス軌道を読み切れない様子でいたが……。
[674]鈴仙奮闘記 ◆pXM64Uz50c :2015/08/16(日) 02:15:13 ID:??? 霊夢「――ええい、ややこしい軌道ね。こうなったら……勘で行こうかしら」 バァァァッ! ブウウウ……ッン! ――バチィイッ! 霊夢「――って、あらら。外しちゃった。『ホーミングパスカット』で行けば良かったかしら」 小悪魔「……っ!(――後、少しだったのに……!)」 霊夢は天性の勘で小悪魔のパスの行く先を予想し、結果として初速の遅れのため完全に奪えないでいたが、 それでもボールを再び前方へと零す事に成功していた。 魔理沙「……! ぼ、ボールだ!(『ファイナルスパーク』だ。やっぱり私には『ファイナルスパーク』が無いと……!)」 美鈴「魔理沙さん、目が虚ろですよっ。――『彩光風鈴』!」 バギイイッ! ボーーンッ! ――しかし、博麗連合は博麗連合で、それからが続かない上に、 スカーレットムーンズも決定打を撃てない状況がそこから続いた。 霊夢が前に弾いたボールは魔理沙が競り合いに向かうが、ここは美鈴に敵わない。 衣玖がフォローしたボールは、今度はパチュリーによってカットされるが、 パチュリーは霊夢と対峙し、今度はボールを弾かれてしまう……など。 中盤での小競り合いは試合時間をいたずらに浪費していき、 特に1点のビハインドがある紅魔にとっては苛立たしい時間が続く。 ……結果として。アンバランスな戦力差の中生じたこの拮抗が崩れたのは前半も終盤。 32分に、パチュリーが霊夢から弾いたボールを、小悪魔がトラップした時の事だった。
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0ch BBS 2007-01-24