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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】
[748]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/24(月) 01:03:44 ID:??? パチュリー「(……ここまでは想定の範囲内。 博麗連合は機会があればボールを得ようとはするけれど、焦ってボールを奪いには来ない。 人数を掛けた、MF6人がかりのパスワークの成功は。少なくとも5分程度は保証されている筈よ。 そして残りは――私とレミィの立てた策で、時間を稼ぐ)」 アリス「(攻めにくいわね)」 そしてそこから、後半開始から8分が経っても尚、両チームとも大きく動く気配は無かった。 博麗連合の参謀役を自称するアリスも、ここに来てパチュリーの狙いがいよいよ掴めなくなる。 アリス「(もしも0トップを活かして柔軟に攻めたいのなら、幾らでもチャンスがあった筈よ。 私や霊夢が、カット出来そうなパスに向かって行った時とか、魔理沙が前に飛び出しプレスに向かった時とか。 だけど、その都度紅魔は攻めず、単にGKへとボールを戻して、試合を落ち着けるだけだった。 私達がボールを奪えた機会も何度かあったけど、中盤の数とタレントでゴリ押しして、すぐに奪って終わりだし。 ――この4−6−0はやっぱり、攻撃の為では無く。単に、中盤でのパスワークを充実させたいだけの策だった……?)」 確かにパスワークだけならば、この戦略はそこそこ上手く行っている。 実際、レミリア、パチュリーが左右サイドに鎮座している為にサイドからの攻撃は難しく、 かと言って中央ではフランドールの能力も決して低くない上に、 メイド妖精による『特攻スライディング部隊』があり、決して分が良いとは言い難い。 また、中盤を越えても幻想郷屈指のタックラーである咲夜は健在だ。 ――が、それはおかしい。 果たして、あのスカーレットムーンズが何の意味も無く、2点差の状況でパスワークを続けるだろうか。 そう考えたアリスの頭は情報整理を続けていき。 アリス「(――無論、霊夢あたりが突っ込めば軽く崩れる程度の壁。 でも、万が一にでも霊夢が敗れた時のリスク――中央のスペースが空いてしまう――に対し、 私達が得られるリターンは、ダメ押しの3点目のみと少ない。 ――このまま、相手がいつかパスワークを中断して攻めに向かうのを待って。 それに迎え撃てば、良いのかしら……?)」 ――と。そこまで思考して、アリスは一つの事実に気付いた。
[749]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/24(月) 01:05:34 ID:??? アリス「(このパスワークの起点って……パチュリーが主になっているわね。 それに伴って全体的にスカーレットムーンズの布陣が左寄りになって来ている。 勿論、無理さえなければボールを奪いに行きたい私達の陣形も。 これは――スペースの空いた右サイド側。レミリアへの、不意打ち的なサイドチェンジが狙い……?)」 ふとそのまま右サイド側を見ると、アリスの推測を補強するように、 レミリアが少しずつではあるが、じわりじわりと自身の立ち位置を前方へと位置させていた。 後半戦開始以来、静かなプレーに徹していたレミリアが、中央に位置する霊夢を見てニヤリと笑う。 霊夢ははじめ無視しようと思っていたらしいが、キラキラ目を輝かせるレミリアを見て、リップサービスっぽく呟いている。 アリスはこうした友達のっぽい会話(?)への憧れもあって、二人の会話に聞き耳を立てた。 霊夢「……見え見えの罠っぽいわよねぇ、右サイド(レミリア)側は。 わざと隙を作って、私やアリスをパスカットに向かわせたい意図が透けて見えるわ。 こっそり右サイドへサイドチェンジをする! ……と、見せかけて。そのまま左サイドのパチュリーに持たせて、 左サイドをドリブルで突破させるってのが、本来の目的じゃなくて?」 レミリア「――ククク、さっすが霊夢ね。気付かなかったら、そろそろ1点差になっていた筈なんだけど」 霊夢の追及――どうやら彼女も、アリスと同じ結論に達していたようだ――に対し、 レミリアは……何の惜しげも無く自身の手をさらけ出してしまった。 レミリア「これは私とパチェが考えた逆転計画の一部なのよ」 霊夢「……自分で策を暴露するなんて。とんだ酔狂ね」 レミリア「だって。バレてるんだもの。仕方ないわよ」 アリス「そ――そうよ。こっちの陣形の偏りはサインを出して直させて貰ったわ。だから、サイドチェンジはもう見え見え。 真っ直ぐ行こうにも、ウチの陣営と真正面から戦うのは厳しい筈よ?」
[750]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/24(月) 01:06:44 ID:??? レミリアへのサイドチェンジを警戒させることによるパチュリーへのマークの解除。 そしてそれに伴う、パチュリーによる左サイドのドリブル突破。 当初紅魔が考えていたでろう逆転計画については、もはや警戒が行き届いているため、成就は難しい筈だ。 アリスはしたり顔で会話に横から入って、レミリア達にその事実を突きつける。 ……しかし。レミリア達の反応はアリスの想像していたそれとは、少し違っていた。 レミリア「ふーん。ま、確かにそうね。でもねぇ、実は私達の策はもう成功してるんだよ」 アリス「何ですって……?」 霊夢「はあ? 今になって負け惜しみ?」 パチュリー「……複雑な手段に対して、その目的は単純って事よ。 私達のパスワークは、不意打ち的な奇襲の為じゃなくて。……ごく簡単な、選手の釣り出しよ」 そう言って、パチュリーはボールをキープした状態で前方へと駆けだした。 彼女の前方には――二人の選手が居た。 天子「おらおらーっ! さっさとボール寄越しなさいー! もう待つの飽きたのよーーっ!」 衣玖「面倒に巻き込まれては困りますからね。キッチリ、仕事はさせて頂きますよ」 ダッ! ダダダッ! レミリア「奇襲云々は単なる目くらまし。私達が無駄にダラダラパスワークをしているんだって事を悟らせない為のね。 『紅魔がダラダラパスワークを続ける筈が無い。そろそろどこかで攻めに出ようとしている。そのタイミングを掴もう』 ――と、思わせ試合を膠着させる一方で。 オーバーラップ好きのDFがしびれを切らして、家来を連れて上がってくれるのを待つべく、時間を稼いでいた訳よ!」
[751]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/24(月) 01:13:29 ID:L/uFyMJA アリス「……! 成程。色々理屈を付けたけれど、それは全部私達へのミスリード用。 今回のパスワークの目標は、あくまでも時間を稼ぐこと。そして、それにより気の短い選手を釣り出す事だけだったのね!」 パチュリー「態々リスクの高いサイドチェンジをせずとも、相手の方から陣形を崩してくれるのを狙う。 気長な策に思えるけれど、負けている時程焦らずゆっくり崩すのが定石……と、言う事よ」 タッ。 パチュリーはボールを持って前方の二選手と対峙した。 天子は優秀なタックラーだし、その前方のSH・永江衣玖も能力は平凡ながらタックルに技を持つ。 通常の選手ならば、間違いなくボールを奪われる事を覚悟すべき局面だが。 咲夜「……パチュリー様の勝ちです。世界最高峰のドリブル力を持つ上に、 『芸術的なドリブル』や『華麗なドリブル』など優れた技も持つ。……生半可な相手では、太刀打ちできません」 パチュリー「……そういう事。じゃあ、そのまま前に行かせて貰うわね」 タッ。タタタタタタッ……! 天子「おっ、来たわね! でもこの私が特別にあんたのボールを刈ってやるわ!」 衣玖「総領娘様。本当に良かったんですか? 何の指示も無くオーバーラップして……」 天子「えー。DFと言ったらオーバーラップするもんでしょう? だって、そっちのが楽しいじゃない?」 パチュリー「(タックル基礎力……目算で天人が52ポイント、使いが48ポイントと言ったところかしら。 基礎力で54ポイントのドリブル力を持つ私なら、充分勝機があるわね)」
[752]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/24(月) 01:16:02 ID:L/uFyMJA ――二人と対峙しても、世界屈指のドリブル力を持つパチュリーは引かなかった。 天子の『天地開闢プレス』や衣玖の『龍魚ドリル』を相手にしても、パチュリーは充分勝ち得る自信があった。 ……いや。ここで手筈通りにやらなければ、逆転すべき1点も取る事は出来ないだろう。 タックルが来る前にパチュリーは一度大きく息を吸ってタイミングを整えて……。 天子「でりゃーーーっ!」 衣玖「ハッ!」 ズザアアアアアアアアアアアアアアアッ、ズザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! パチュリー「――食らいなさい、これが私の『芸術て――ゴホゴホッ!!」 ドゴオオンッ! ドガドガッ! パチュリー「む……むぎゅうううううううっ!!」 ――パシッ。 天子「あれ。……案外大した事なかったわね」 ――天子が言う通り。彼女の当初の見込みよりも数倍は案外大したことなく……パチュリーは敗北した。
[753]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/24(月) 01:21:00 ID:L/uFyMJA ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。 また、500kbと結構なところまで行ったので、今のうちに新スレのスレタイも募集したいと思います。 【】鈴仙奮闘記31【】 の形で考えて下さると幸いです。 次スレは、紅魔VS博麗戦を終わらせた上で、決勝前最後の自由行動。 そして、永遠亭ルナティックス最後の試合である、大会決勝戦へと入っていければと思っています。 >>746 一旦乙ありがとうございました。 マスター夢想スパーク封印は東方サッカーでもありますが、威力的にはそこそこですねー。 今の魔理沙の性格だったら、霊夢とのコンビプレイは難しそうですね。 それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。
[754]森崎名無しさん:2015/08/24(月) 07:12:55 ID:??? 【崩れゆく】鈴仙奮闘記31【負けず嫌い】
[755]森崎名無しさん:2015/08/24(月) 18:26:47 ID:??? 【これが】鈴仙奮闘記31【私のサッカーだ!】 【ストライカーの】鈴仙奮闘記31【条件】 【ルナティックスの】鈴仙奮闘記31【晴れ舞台】 【誰だって】鈴仙奮闘記31【譲れないものがある】
[756]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/25(火) 00:19:57 ID:Nar5QZ/Q こんばんは、今日もこのスレで更新します。 埋めネタはしばらくやれる時間が無く、本編の更新に力を割きたいので、 容量ギリギリまでこのスレを更新したいと思います。 >>754さん、>>755さん。スレタイ提案ありがとうございます!
[757]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/25(火) 00:21:31 ID:Nar5QZ/Q パチュリー「…………」 レミリア「………」 美鈴「………え!? 負けてる! パチュリー様が案外アッサリ負けてるー!?」 小悪魔「ぱ、パチュリー様ぁ……? 大丈夫ですか、パチュリー様ー!?」 パスワークによる敵SBの釣り出し及び、レミリアを囮にしたパチュリーによるサイド突破作戦。 0−2の現状をひっくり返す為のスカーレットムーンズの秘策…… と、思われる何かは、想像以上に案外大したことなく終わってしまった。 パチュリーは必殺のドリブルを出す前に咳き込んでしまい動きを停止。 そしてそのまま、タックルに向かって来た天子の手により思いっきり吹っ飛ばされてしまったためである。 実況「……え。え〜っと。パチュリー選手、ここでオーバーラップして来た博麗連合の左サイドバック。 天界出身の超攻撃的DF・比那名居天子選手によりボールを奪われてしまいました! パチュリー選手の実力ならば、充分に勝利出来る勝負かと思われましたが……やはりここは、前半からの疲労が祟ったか!?」 パチュリー「はぁ、はぁ、はぁ……! ゴホゴホッ!」 咲夜「パチュリー様。もしや持病の喘息が……!?」 パチュリー「この間身に付けた、喘息を封じる回復魔法――『フォトシンセシス』は少し、欠陥があったみたいね。 どうやら私の体力の低下に合わせて、魔法の効きが弱くなってしまっている……ゴホッ!ゴホッ!」 小悪魔「そんな! それじゃあ、もう試合だって続行不可能じゃないですか。 このまま続けたら、呼吸困難になって死んじゃいますよ!」
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0ch BBS 2007-01-24