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【影の役者】鈴仙奮闘記30【天才の相棒】
[749]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/24(月) 01:05:34 ID:??? アリス「(このパスワークの起点って……パチュリーが主になっているわね。 それに伴って全体的にスカーレットムーンズの布陣が左寄りになって来ている。 勿論、無理さえなければボールを奪いに行きたい私達の陣形も。 これは――スペースの空いた右サイド側。レミリアへの、不意打ち的なサイドチェンジが狙い……?)」 ふとそのまま右サイド側を見ると、アリスの推測を補強するように、 レミリアが少しずつではあるが、じわりじわりと自身の立ち位置を前方へと位置させていた。 後半戦開始以来、静かなプレーに徹していたレミリアが、中央に位置する霊夢を見てニヤリと笑う。 霊夢ははじめ無視しようと思っていたらしいが、キラキラ目を輝かせるレミリアを見て、リップサービスっぽく呟いている。 アリスはこうした友達のっぽい会話(?)への憧れもあって、二人の会話に聞き耳を立てた。 霊夢「……見え見えの罠っぽいわよねぇ、右サイド(レミリア)側は。 わざと隙を作って、私やアリスをパスカットに向かわせたい意図が透けて見えるわ。 こっそり右サイドへサイドチェンジをする! ……と、見せかけて。そのまま左サイドのパチュリーに持たせて、 左サイドをドリブルで突破させるってのが、本来の目的じゃなくて?」 レミリア「――ククク、さっすが霊夢ね。気付かなかったら、そろそろ1点差になっていた筈なんだけど」 霊夢の追及――どうやら彼女も、アリスと同じ結論に達していたようだ――に対し、 レミリアは……何の惜しげも無く自身の手をさらけ出してしまった。 レミリア「これは私とパチェが考えた逆転計画の一部なのよ」 霊夢「……自分で策を暴露するなんて。とんだ酔狂ね」 レミリア「だって。バレてるんだもの。仕方ないわよ」 アリス「そ――そうよ。こっちの陣形の偏りはサインを出して直させて貰ったわ。だから、サイドチェンジはもう見え見え。 真っ直ぐ行こうにも、ウチの陣営と真正面から戦うのは厳しい筈よ?」
[750]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/24(月) 01:06:44 ID:??? レミリアへのサイドチェンジを警戒させることによるパチュリーへのマークの解除。 そしてそれに伴う、パチュリーによる左サイドのドリブル突破。 当初紅魔が考えていたでろう逆転計画については、もはや警戒が行き届いているため、成就は難しい筈だ。 アリスはしたり顔で会話に横から入って、レミリア達にその事実を突きつける。 ……しかし。レミリア達の反応はアリスの想像していたそれとは、少し違っていた。 レミリア「ふーん。ま、確かにそうね。でもねぇ、実は私達の策はもう成功してるんだよ」 アリス「何ですって……?」 霊夢「はあ? 今になって負け惜しみ?」 パチュリー「……複雑な手段に対して、その目的は単純って事よ。 私達のパスワークは、不意打ち的な奇襲の為じゃなくて。……ごく簡単な、選手の釣り出しよ」 そう言って、パチュリーはボールをキープした状態で前方へと駆けだした。 彼女の前方には――二人の選手が居た。 天子「おらおらーっ! さっさとボール寄越しなさいー! もう待つの飽きたのよーーっ!」 衣玖「面倒に巻き込まれては困りますからね。キッチリ、仕事はさせて頂きますよ」 ダッ! ダダダッ! レミリア「奇襲云々は単なる目くらまし。私達が無駄にダラダラパスワークをしているんだって事を悟らせない為のね。 『紅魔がダラダラパスワークを続ける筈が無い。そろそろどこかで攻めに出ようとしている。そのタイミングを掴もう』 ――と、思わせ試合を膠着させる一方で。 オーバーラップ好きのDFがしびれを切らして、家来を連れて上がってくれるのを待つべく、時間を稼いでいた訳よ!」
[751]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/24(月) 01:13:29 ID:L/uFyMJA アリス「……! 成程。色々理屈を付けたけれど、それは全部私達へのミスリード用。 今回のパスワークの目標は、あくまでも時間を稼ぐこと。そして、それにより気の短い選手を釣り出す事だけだったのね!」 パチュリー「態々リスクの高いサイドチェンジをせずとも、相手の方から陣形を崩してくれるのを狙う。 気長な策に思えるけれど、負けている時程焦らずゆっくり崩すのが定石……と、言う事よ」 タッ。 パチュリーはボールを持って前方の二選手と対峙した。 天子は優秀なタックラーだし、その前方のSH・永江衣玖も能力は平凡ながらタックルに技を持つ。 通常の選手ならば、間違いなくボールを奪われる事を覚悟すべき局面だが。 咲夜「……パチュリー様の勝ちです。世界最高峰のドリブル力を持つ上に、 『芸術的なドリブル』や『華麗なドリブル』など優れた技も持つ。……生半可な相手では、太刀打ちできません」 パチュリー「……そういう事。じゃあ、そのまま前に行かせて貰うわね」 タッ。タタタタタタッ……! 天子「おっ、来たわね! でもこの私が特別にあんたのボールを刈ってやるわ!」 衣玖「総領娘様。本当に良かったんですか? 何の指示も無くオーバーラップして……」 天子「えー。DFと言ったらオーバーラップするもんでしょう? だって、そっちのが楽しいじゃない?」 パチュリー「(タックル基礎力……目算で天人が52ポイント、使いが48ポイントと言ったところかしら。 基礎力で54ポイントのドリブル力を持つ私なら、充分勝機があるわね)」
[752]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/24(月) 01:16:02 ID:L/uFyMJA ――二人と対峙しても、世界屈指のドリブル力を持つパチュリーは引かなかった。 天子の『天地開闢プレス』や衣玖の『龍魚ドリル』を相手にしても、パチュリーは充分勝ち得る自信があった。 ……いや。ここで手筈通りにやらなければ、逆転すべき1点も取る事は出来ないだろう。 タックルが来る前にパチュリーは一度大きく息を吸ってタイミングを整えて……。 天子「でりゃーーーっ!」 衣玖「ハッ!」 ズザアアアアアアアアアアアアアアアッ、ズザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! パチュリー「――食らいなさい、これが私の『芸術て――ゴホゴホッ!!」 ドゴオオンッ! ドガドガッ! パチュリー「む……むぎゅうううううううっ!!」 ――パシッ。 天子「あれ。……案外大した事なかったわね」 ――天子が言う通り。彼女の当初の見込みよりも数倍は案外大したことなく……パチュリーは敗北した。
[753]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/24(月) 01:21:00 ID:L/uFyMJA ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。 また、500kbと結構なところまで行ったので、今のうちに新スレのスレタイも募集したいと思います。 【】鈴仙奮闘記31【】 の形で考えて下さると幸いです。 次スレは、紅魔VS博麗戦を終わらせた上で、決勝前最後の自由行動。 そして、永遠亭ルナティックス最後の試合である、大会決勝戦へと入っていければと思っています。 >>746 一旦乙ありがとうございました。 マスター夢想スパーク封印は東方サッカーでもありますが、威力的にはそこそこですねー。 今の魔理沙の性格だったら、霊夢とのコンビプレイは難しそうですね。 それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。
[754]森崎名無しさん:2015/08/24(月) 07:12:55 ID:??? 【崩れゆく】鈴仙奮闘記31【負けず嫌い】
[755]森崎名無しさん:2015/08/24(月) 18:26:47 ID:??? 【これが】鈴仙奮闘記31【私のサッカーだ!】 【ストライカーの】鈴仙奮闘記31【条件】 【ルナティックスの】鈴仙奮闘記31【晴れ舞台】 【誰だって】鈴仙奮闘記31【譲れないものがある】
[756]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/25(火) 00:19:57 ID:Nar5QZ/Q こんばんは、今日もこのスレで更新します。 埋めネタはしばらくやれる時間が無く、本編の更新に力を割きたいので、 容量ギリギリまでこのスレを更新したいと思います。 >>754さん、>>755さん。スレタイ提案ありがとうございます!
[757]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/25(火) 00:21:31 ID:Nar5QZ/Q パチュリー「…………」 レミリア「………」 美鈴「………え!? 負けてる! パチュリー様が案外アッサリ負けてるー!?」 小悪魔「ぱ、パチュリー様ぁ……? 大丈夫ですか、パチュリー様ー!?」 パスワークによる敵SBの釣り出し及び、レミリアを囮にしたパチュリーによるサイド突破作戦。 0−2の現状をひっくり返す為のスカーレットムーンズの秘策…… と、思われる何かは、想像以上に案外大したことなく終わってしまった。 パチュリーは必殺のドリブルを出す前に咳き込んでしまい動きを停止。 そしてそのまま、タックルに向かって来た天子の手により思いっきり吹っ飛ばされてしまったためである。 実況「……え。え〜っと。パチュリー選手、ここでオーバーラップして来た博麗連合の左サイドバック。 天界出身の超攻撃的DF・比那名居天子選手によりボールを奪われてしまいました! パチュリー選手の実力ならば、充分に勝利出来る勝負かと思われましたが……やはりここは、前半からの疲労が祟ったか!?」 パチュリー「はぁ、はぁ、はぁ……! ゴホゴホッ!」 咲夜「パチュリー様。もしや持病の喘息が……!?」 パチュリー「この間身に付けた、喘息を封じる回復魔法――『フォトシンセシス』は少し、欠陥があったみたいね。 どうやら私の体力の低下に合わせて、魔法の効きが弱くなってしまっている……ゴホッ!ゴホッ!」 小悪魔「そんな! それじゃあ、もう試合だって続行不可能じゃないですか。 このまま続けたら、呼吸困難になって死んじゃいますよ!」
[758]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/25(火) 00:22:50 ID:??? そして同時に、パチュリー本人による体力と魔力切れ申告も、この状況の深刻さに拍車を掛けていた。 総合力で大きく突き放されている紅魔スカーレットムーンズが逆転をするには、 霊夢と魔理沙に並ぶかそれ以上の実力を持った、パチュリーとレミリアの両方の存在が不可欠。 しかし今早くも、勝利に向かう為の車の両輪の片方は、既に壊れかけているように見える。 現にパチュリーは、咲夜にも小悪魔にも分からないように、こう静かに呟いていた。 パチュリー「そう……死ぬ。死ぬってのも――案外、悪くないかもねぇ」
[759]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/25(火) 00:24:24 ID:??? 天子「へっへー。良い顔してんじゃない。どんよりと霧がかって、あんた達の気質とぴったり。 蛇足を為す者、終に其の酒を失えり。――お前調子ぶっこき過ぎてた結果だよ? ……って意味よ! ――ヘイ、衣玖!」 バシィッ! 衣玖「待ってました、総領娘様。ここは私の仕事時ですね」 ポムッ。 ……グワァァァァアアアッ……! 実況「パチュリー選手からボールを奪い取った天子選手、 そのまま近くのMFにして天子選手の実質的な世話係となりつつある永江衣玖選手にパス! そして衣玖選手、咲夜選手がタックルに近づく前にその右脚を振り上げて……!」 衣玖「これが私の仕事。『竜宮の使い遊泳弾』よ!」 ――バギュウウンッ! ゴオオオッ! 美鈴「なッ……! は、早い! そして鋭い……!」 小悪魔「ふ、ふええ……! 私の『トップスピンパス』と互角じゃないですかー!?」 衣玖「あら、勘違いしないで下さいな。今のパスは私の仕事の半分です」 咲夜「半分……? それって、どういう意味かしら?」 衣玖「良い質問ですね。残りの半分は――今からシュートに向かう総領娘様を見れば分かりますよ」
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0ch BBS 2007-01-24