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【楽園の未来】鈴仙奮闘記31【映す試合】
[212]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/15(火) 00:25:40 ID:??? 鈴仙「(一人を残して全員行方不明。まさかその一人って、岬君……?)」 鈴仙は鈴仙で、未だにその行動の真意が掴めぬ少年に思いを馳せていた。 しかし勿論、この場に少年の――岬太郎の姿は見えない。 鈴仙「(彼は豊聡耳神子の手下でありながら、彼女に完全に従っている訳では無かった。 そのままトカゲの尻尾切りで、ここに捨てられたのだとしたら……ちょっと可哀想かも)」 無論、岬の様々な行為――妖夢を神子の【ハイパーカンピオーネ】計画に引き込み、 パチュリーを悪質な反則で何度も吹き飛ばし、狂言で鈴仙と佳歩の絆を引き裂こうとする等については、 仮に神子の命令であったとしても完全に許せるものでは無いかもしれない。 しかし、そうであっても鈴仙はせめてもう一度、岬と話をしたいと思っていた。 レミリア「…………」 佳歩「あっ、レミリアさんが選手口から出て来ました」 早苗が温泉旅館「森屋」の無料宿泊券をばら撒いた事で、漸く観衆達の不満が幾らか和らいだ頃。 佳歩が不機嫌そうな顔でスタジアムを後にするレミリア達紅魔スカーレットムーンズ一行の姿を視認した。 しかし、ここ最近紅魔館の連中とは親しい鈴仙であったとしても、 彼女達の物々しい雰囲気を前に、それ以上の声を上げる事は憚られた。 それでも、そんな鈴仙だからこそ、彼女達の姿からある程度の「違和感」を見つける事もできた。 パチュリー「――ふぅ。どうしようかしら……」 鈴仙「(……パチュリーさんが変な感じね。普段はレミリアさんと並んで偉そうにしているのに、今日は珍しく遠慮してるような)」 ――とはいえ。この段階でレミリアが何を考え、 パチュリーが何故躊躇いの表情を見せているかについて、鈴仙が推測するには困難が過ぎた。 聖徳ホウリューズの行方。岬の真意とこれから。レミリアとパチュリーとの軋轢。 全幻想郷選抜大会の三位決定戦は、爽やかなスポーツマンシップも、一流としての矜持も見せる事もなく、 ただ鈴仙の前に新たな謎を提示しただけで、幕が開く事なく終わってしまった。
[213]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/15(火) 00:29:58 ID:??? 紅魔スカーレットムーンズ * − * 聖徳ホウリューズ 紅魔の不戦勝! ……と、なったところで今日の更新はここまでです。 紅魔と聖徳の再戦を期待されてた方がおりましたら、申し訳ないです。 この三位決定戦は、元々かなりさっくり終わらせるつもりでした。 明日は最後の行動選択……の前に、 大会前夜という事で森崎のイベントを少し入れたいと思います。 準決勝は概ね魔理沙と霊夢のターンで、これまでの自由行動が鈴仙のターンだったので、 次は森崎と中山さんのターンになればいいなと思ってます。 それでは、みなさん、本日もお疲れ様でした。
[214]森崎名無しさん:2015/09/15(火) 00:34:25 ID:??? 乙です 三味線引いてわざとあっけなく負ける程度かと思ったら、まさか不戦勝とは この海のリハクの目を持ってしても(略)
[215]森崎名無しさん:2015/09/15(火) 00:57:09 ID:??? 乙でした ボール君が思ってたより有用だった 姫様に渡すよりそのまま友達で居たほうが良いかもしんない ボールとレイセンゎ……ズッ友だょ……!!
[216]森崎名無しさん:2015/09/15(火) 06:10:14 ID:??? (そうしないとまた1ヶ月くらい空きそうだから)仕方ないね
[217]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 00:39:52 ID:??? こんばんは、今日は文章だけになってしまいそうですが更新します。 >>214 乙ありがとうございます。 私も最初はあっけなく試合終了を考えてたんですが、色々考えた結果不戦敗にしましたね。 >>215 乙ありがとうございます。 難題アイテムは普通に使っても有利な性能をしています。 ただ第三章では練習の仕様を変えようと思っているので、 第二章終了までには姫様に渡した方が得かもしれません。 >>216 紅魔VS博麗は時間が掛かろうとも必要な描写と信じて書いておりましたが、 三位決定戦を濃く書いてもテンポが悪くなるだけですよね。 自分の中での描写の濃淡付けはやっていきたいと思っています。
[218]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 00:41:06 ID:??? 〜大会17日目午後・固定イベント〜 【大会前夜の邂逅】 三位決定戦が中止と分かり、興を削がれたルナティックスメンバー。 しかし、帰宅した彼女達を待っていたのは更なる急展開だった。 ウサギF「あっ、鈴仙さま達が帰ってきたー!」 ウサギG「うわーん、永琳さま、鈴仙さま、てゐさま、助けてー!?」 てゐ「どうしたんだい、アンタ達。留守番中に何かあった?」 輝夜「(しれっと私だけ省かれた!?)」ガーン 鈴仙達が永遠亭の玄関に入ると、留守番組のウサギ達が慌てた様子で駆けつける。 ただごとでないその様子に、訊き返すてゐの口調からも普段の鷹揚さが消えていた。 慌てふためき要領を得ない彼女達を落ち着かせつつ、鈴仙達は状況を確認していく。 ウサギF「あの……あの……。永遠亭に、知らない男の人がムリヤリ入ってきて……」 中山「男の人がムリヤリ……? それって、強盗じゃないか!」 ウサギG「あと、良く分からない要求を沢山してきて……私達、怖くって……!」 鈴仙「……乱暴をさせられてる子が居るかもしれない。私、見て来るね!」 タッ! 話を聞けば聞くほど、事が深刻であると思った鈴仙は思わず駆け出していた。 単なるゴロツキか、ヒューガーの手の者か、もしかしたら岬か。 何か新しい陰謀が自分達の身に及んでいるのではないかと、鈴仙は身構える。
[219]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 00:42:15 ID:??? ウサギH「あっちです! あの襖の向こうに!!」 鈴仙「分かったわ! ……どおっせーーーいっ!」 バターンッ! そして入口近く、永琳が人間向けの診療所として開放している部屋を、 鈴仙は軍隊仕込みの鋭い蹴りで思いっきり打ち破る。するとそこには……。 森崎「……お、おいおい。幻想郷では襖は引き開けるんじゃなくて、蹴破るのが常識なのか?」 鈴仙「あ、あんたは……森崎。森崎、有三じゃないの……!!」 おどけた様子で、しかし恐らく内心では冷や汗たらたらで、診療所の座布団に森崎は座っていた。
[220]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 00:43:36 ID:??? ***** 永琳「……成程ね。臨時休業の札を掲げていたにも関わらず、 貴方は無理やり診察を受けに来た。そして「自分は急患だ」「客だから茶でも寄越せ」 ……などと要求をしていた所、妖怪ウサギ達にクレーマー扱いされた訳ね」 森崎「全くだぜ。ここの職員教育はどうなってるんだ。 こっちは悲運を抱えて病院だけが頼りと思って受診してるのに、それを無碍にするなんてよ」 鈴仙「(自分の非は棚に上げ、ひたすらスタッフの非礼をまくし立てる……。 これが今外の世界で有名な「もんすたーぺいしぇんと」ってヤツかしら)」 色々と意思疎通に齟齬があったりもしたが、取りあえず一患者として治療を受けに来たという森崎。 事情を聴いた永琳は辟易とした表情も見せていたが、患者に貴賤は無いとして、 助手の鈴仙を残してメンバーを解散させた後は、こうして森崎の話を聞きつつ問診を始めていた。 永琳「それで? 今日はどうしてこちらを受診されたのですか?」 事務的で冷静な永琳の口ぶりに、森崎は全く恥じる事なくこう答えた。 森崎「何。前の試合から少し腰が痛くてな。 明日のお前等との決勝に備えて、念のために看て貰おうと思ったんだよ」 鈴仙「……腰が痛い? どのように痛むのですか?」 森崎「おう。何というか、例えばサッカーで大きな動きをすると、ズキズキ痛むというか。 いや、具体的にどこが痛いって訳じゃあ無いんだけどな」
[221]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 00:45:03 ID:??? 鈴仙「ふうん……触ってもいいですか?」 森崎「何だ? 俺に惚れたか? てっきりお前は中山のコレだと思っていたんだけどな」 鈴仙「え? 小指がどうしたんですか? そこも痛いとか? もしかして、指切りげんまん?」 森崎「お前、どうやら俺と合わないっぽいな……俺はトロい奴や暢気な奴は嫌いだからな」 鈴仙「は、はぁ……すみません(どうして私が勝手に嫌われなくちゃいけないんだろ……)」 永琳の了承を得て、まずは鈴仙が森崎の容態を確認する。 森崎は悪態を垂れつつも素直に鈴仙の指示に従ってくれた。 永琳「どうかしら、ウドンゲ?」 鈴仙「……疲労骨折の前兆が見られます。このままだと、腰椎分離症の恐れがあると思います」 永琳「そう。それは困ったわね」 森崎「他人事っぽく言ってんじゃねーぞお前等。大体なんだよ、そのようつい……ぶんりしょうってのは?」 永琳「簡単に言えば、背骨の腰の部分がグラグラになっていて、 その分周りの靭帯や筋肉の負担が増して腰痛が頻繁に起きる様になる症状よ。 10代前半のスポーツ選手がなりやすいのだけれど、話を聞くに、 貴女の場合は中学時代とその後――幻想郷に来てからどんどんトレーニングを激しくしていったそうだから、 今になってやってきたのかも知れないわね」 森崎の喧嘩腰にも臆せず、永琳は機械のように淡々と症状を説明する。 かくも冷徹だと、幾ら診断が正確でも、患者の心境としてはあまり嬉しくないかもしれないと鈴仙は思った。
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0ch BBS 2007-01-24