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【楽園の未来】鈴仙奮闘記31【映す試合】
[221]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 00:45:03 ID:??? 鈴仙「ふうん……触ってもいいですか?」 森崎「何だ? 俺に惚れたか? てっきりお前は中山のコレだと思っていたんだけどな」 鈴仙「え? 小指がどうしたんですか? そこも痛いとか? もしかして、指切りげんまん?」 森崎「お前、どうやら俺と合わないっぽいな……俺はトロい奴や暢気な奴は嫌いだからな」 鈴仙「は、はぁ……すみません(どうして私が勝手に嫌われなくちゃいけないんだろ……)」 永琳の了承を得て、まずは鈴仙が森崎の容態を確認する。 森崎は悪態を垂れつつも素直に鈴仙の指示に従ってくれた。 永琳「どうかしら、ウドンゲ?」 鈴仙「……疲労骨折の前兆が見られます。このままだと、腰椎分離症の恐れがあると思います」 永琳「そう。それは困ったわね」 森崎「他人事っぽく言ってんじゃねーぞお前等。大体なんだよ、そのようつい……ぶんりしょうってのは?」 永琳「簡単に言えば、背骨の腰の部分がグラグラになっていて、 その分周りの靭帯や筋肉の負担が増して腰痛が頻繁に起きる様になる症状よ。 10代前半のスポーツ選手がなりやすいのだけれど、話を聞くに、 貴女の場合は中学時代とその後――幻想郷に来てからどんどんトレーニングを激しくしていったそうだから、 今になってやってきたのかも知れないわね」 森崎の喧嘩腰にも臆せず、永琳は機械のように淡々と症状を説明する。 かくも冷徹だと、幾ら診断が正確でも、患者の心境としてはあまり嬉しくないかもしれないと鈴仙は思った。
[222]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 00:46:14 ID:??? 森崎「……分かったよ。じゃあドクター。一つだけ聞かせてくれ。……俺は明日の決勝戦に出られるのか?」 ゴクリ……。 単刀直入な森崎らしい質問だったが、その豪胆さとは裏腹に彼は大きく唾を飲みこんでいた。 しかしどうやら、本人はその音を発したのは自分では無いと強く信じているようだった。 永琳はそんな森崎の心の機敏を気にせず、単刀直入に応えた。 永琳「ええ、出られるわよ。もっとも、安全は保障できないけどね」 森崎「……!」 無慈悲に森崎の心を抉る永琳。しかし、森崎もまたこの程度で引き下がる男では無かった。 森崎「じゃあ、薬を出してくれ。俺が明日も、これからも戦えるような、劇的な完治薬を。 ……あらゆる薬を作る程度の能力、天才。なんだろ? その位チョロイ筈だぜ」 森崎は名医であり名薬剤師である八意永琳の評判を知っていた。 だから、最悪ここで自分の腰がどうしようも無かったとしても、何とかなると信じていた。 かつて彼女が、中山の全身を一瞬にして癒したように。実際、永琳も首を縦に振った。 永琳「ええ、出来るわ。全てで貴方の今の腰を改善させる薬位、幾らでも調合出来るでしょう」 森崎「! だったら……」 しかし、薬の処方を迫らんと立ち上がった森崎を制するように、永琳はもう一つ付け加える。 永琳「……だけど。次に貴方がサッカーをした場合。 貴方の腰は再びその強烈な衝撃によって、間違い無く歪むでしょう」 森崎「なっ……!」
[223]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 00:47:38 ID:??? 永琳は淡々と説明をする。 曰く、森崎の腰はもはや、彼の限界を超えたスーパーセーブに伴い生じる負担に耐えられない。 これまでは恐らく、痛覚を遮断して負担にも辛うじて耐えて来たようだが、 今となりとうとう、森崎の成長に腰が物理的に追いつかなくなった。 だから、薬があろうとも、森崎が今のプレーを続ける限りは……問題は解決しない、と。 永琳「……貴方がまだブラジルに居たとしたら。その成長速度は緩やかである代わりに、 腰の痛みもここまで致命的に至らなかったかもしれないけどね」 森崎「…………」 そんな不都合な事実を突きつけられても、森崎は未だ気丈だった。 これは彼の人並み外れた精神力の賜物であるかもしれない。 しかし森崎は永琳の結論を聞くと黙って立ち上がり、診療所を後にした。 鈴仙「あ……あのっ! せめてお薬なら、今でも処方できますけど……」 森崎「いらねーよ。そんな薬飲んだら、却って痛みに耐えられなくなる」 タッ……。 そう冷静に言ってのける森崎だったが、その後ろ姿には先程までに感じられた覇気が無く。 どちらかと言えば、自分のような凡人にも近いような、焦りとか不安と言った要素すら感じられた。
[224]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 00:56:03 ID:??? 中山「――森崎」 森崎「……なんだ。中山、聞いていたのか。滑稽だっただろ?」 その様子を、中山は診療所の襖越しに全て聞いていた。 盗み聞きなどという男らしくない行為を中山は嫌っていたが、 しかしそれよりも、親友の容態の方が今は大事だった。 そんな中山を尻目に、森崎はふざけた風に語る。 森崎「全く滑稽だ。俺は結局、努力しても天才に追いついちゃいけないっていう決まりがあるみたいだ。 あーあ、中山。お前は良いよなぁ。治療して貰ったら、後はそのままガタも来ず、才能を発揮できるみたいでよぉ」 中山「……もしも本気でそう思っているならば、森崎。俺はお前を殴らせて貰うぞ」 それは中山の良く知る森崎の様子ではなかった。 彼の知る森崎は、どんな絶望的な壁に四方を阻まれていても、 その強靭な精神力と努力で無理やりに壁を破壊し、自分の道を切り開ける男だった。 そんな彼ならば、今のような困難すらも、乗り越えられる筈――で、あるにも関わらず、 中山の眼前の少年は、年相応に自身の抱える爆弾に怯えていた。 森崎「……なーんてな」 中山「……は?」 森崎「冗談だよ。第一、俺が試合に出なかったら、明日の決勝はボロ負けだろうからな」 ――が、中山の心配は杞憂だと言わんばかりに、森崎は舌を出した。 そこからの彼の口調や仕草は、中山の好きな森崎そのものだった。
[225]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 01:04:34 ID:??? 森崎「ケガをしないスポーツ選手なんて何処にも居ないんだ。大事な試合の為には無茶をするのもプロの仕事の内だぜ」 中山「……ならば、最初からこんな所、来なくても良かったんじゃないか? 勝つためならあらゆる手段を尽くすお前が、決勝戦の敵の居城に行き、 自身の症状と弱点をカミングアウトするなんて事、する筈がない」 何となく騙されたような気がして、中山は負け惜しみのようにそう言った。 無論、そこには中山が純粋に感じた疑問も紛れていたが。 森崎は意気揚々とそれに応えてくれた。 森崎「それは簡単だ。まず一つに、お前が信頼して長期宿泊しているようなここの真面目な住民が、 今更セコイ真似をして症状を誤魔化す事や、試合本番になって弱点を集中的に突いて来る事は無いからだ」 仮にそうして来てくれた方が、だまし討ちのし甲斐があって助かるけどな…と、 森崎は暫く冗談っぽく笑う。しかし、その直後に彼の表情は真剣になる。 「こういうのはあまり俺らしくないが――」と、彼らしくない前置きに、 中山は再び表情を曇らせるが、それこそ杞憂だった事を悟る。 森崎「宣戦布告だよ、中山。全国サッカー大会の県大会決勝戦。あれの決着を付けようじゃないか」 何故なら、その時の森崎の表情からは、最大最強の親友にしてライバルと対峙する事への、 この上ない喜びと戦意の高ぶりが感じられたからだ。
[226]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 01:05:58 ID:??? …と、行ったところで今日の更新はここまでです。 明日は決勝戦前最後の行動選択に入ります。 皆さま、本日もお疲れ様でした。
[227]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 23:04:14 ID:??? 更新再開します。 もうちょっと描写をしたいので、1〜2レスだけ書いてから行動選択に移ります。
[228]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 23:05:50 ID:??? 森崎「……つーか。止めたりしないんだな。俺の腰が明日、爆発したらどうすんだ」 中山「逆に聞くが、俺が止めたらお前は明日の試合、辞退するのか?」 森崎「そんな訳ねーだろ。無駄な事聞くなよ」 中山「そう言われると思ったから、止めなかったんだ」 森崎「へっ。流石は中山、俺の事を良く分かっているな。 ……愚問だろ? くだらない塩試合ならともかく、明日はお前達との試合だ。 俺の最強っぷりを全世界はおろか全異世界にも広める為にも、お前達は絶好のカモなんだよ」 ――それから、森崎と中山は永遠亭の玄関口にて男同士の会話を暫く楽しんだ。 そしてやはりと言うべきか、どうあっても話題が明日の試合にループしてしまう事に気付いた二人は、 ここらが潮時という風に、名残惜しくも暫しの別れを交わし合う。 中山「――森崎。明日の試合は手加減しないぞ」 森崎「当たり前だろ、そりゃ。それより中山。お前こそ、ウサ耳の素敵なガールフレンド、大事にしろよ。 外の世界じゃ、お前のペースに糞真面目に付き合ってくれるような単純で暢気な女、そうは居ないからな」 中山「ウサ耳の素敵な……? ――って、おいおい。鈴仙さんとはそんなんじゃないぞ!」 森崎「あれ? ここにはウサ耳の素敵な女の子なんて沢山居たのに、どうして個人の名前が出て来るんだ?」 中山「えーい。からかうのはやめてくれ!」 森崎「ハハハッ。この情報は俺様の支持率アップの為、遠慮なく使わせてもらうぜー!」 タタタッ……。
[229]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/16(水) 23:07:33 ID:f6Bpxc++ 普段から冷静な中山も、森崎のこのおちょくりには腹を立てる。 しかし、そう言って追いかけようと思った頃には、森崎は既に満月の竹林の中へと消えていた。 (後で聞いた事だが、森崎は霊夢を騙して退魔グッズを大量に押収していたらしく、 そのため一人で竹林などを徘徊していても問題無かったらしい) 中山「(森崎……相変わらずだったな。しかし、鈴仙さん。鈴仙さんかぁ……)」 永琳と鈴仙は恐らくまだ、診療所の片づけと衛生作業に追われている。 中山は一人ポツンと夜の竹林に取り残されて、何となく森崎が最後にかました冗談に意識を奪われていた。 中山「(俺の中で鈴仙さんって、何なんだろうな……)」 普段は永琳と共に年長者らしいポジションを務める事の多い中山だったが、 森崎と話した事で、久しぶりに年頃の少年らしい思考に傾いていたのかもしれない。 中山は改めて、普段接する事の多い鈴仙について思いを馳せていた。 先着1名様で、 ★基本的にフラグは立たないです→!card★ と書き込んでください。数値・マークで分岐します。 JOKER・ハートK→中山「もしかして、俺は鈴仙さんの事が……?」鈴仙にフラグが立つ!?※鈴仙本人は無自覚 それ以外→中山「(いやぁ。やっぱ、放っておけない妹というか、むしろ娘って感じだなぁ)」いつも通り! クラブA→JOKER+パスカル「ちょっと待て! レイセンは俺の女だ!」佳歩「いえ私の女です!」 鈴仙「みんなー! 私の為に争うのはやめてー! ぐへへへ……」そんな、夢をみた。
[230]森崎名無しさん:2015/09/16(水) 23:08:51 ID:??? ★基本的にフラグは立たないです→ ハート3 ★
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0ch BBS 2007-01-24