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【楽園の未来】鈴仙奮闘記31【映す試合】
[29]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/28(金) 00:47:39 ID:??? オーバーラップの影響で、衣玖と天子はパチュリーに対しタックルへと向かえない。 そのままパチュリーはバイタルエリアへと到達。 レミリアとフランドールは戸惑いながらも、「まあきっとこれもパチェの作戦ね!」と喜んだ表情で 普段の調子でパチュリーに対してボールを要求しており……困惑するのは、博麗連合の番になった。 萃香「う、うーーん? これ、どうするの、森崎? 定石は、レミリアにラストパスを出させない事だと思うけど……」 森崎「(……なんか、WY決勝の三杉を思い出すな。あんときの三杉は割とガチだったが。――今のコイツも、そうなのか?)」 森崎はパチュリーの顔をもう一度見つめ直す。彼女の表情は真剣な苦悶に満ちていた。 パチュリー「……私はね。……ゴホッ。昔からずっと思っていたのよ。 どうして私だけが、こんな喘息なんてつまらない病気で苦しまなくちゃいけないのかって。 どうしてレミィだけが、名だたるゴールキーパーと勝負できて、私は出来ないのかって」 しかし、身に纏う魔力の層が次第に剥がれて行くと、その表情には苦悶に加えて狂気も見え隠れて来た。 パチュリーは血が出る程の大きな咳を何度も繰り返しつつ、こう森崎達に向かって吐き捨てて――。 パチュリー「ゴホッ……! 何故なのっ!何故私には好きなだけ鍛えられる体が無いのっ!何故こんな弱弱しくて 邪魔にしかならない肺しか無いんのっ! 何故サッカーの才能なんか持ってるのっ! 何故サッカーなんか始めたんだ、何故サッカーなんてあるの……何故何故ナゼナゼナゼッ!!」 タッ! ――その瞬間。人間離れをした速度と技巧で、彼女はペナルティエリアの中へと突っ込んで行った。 中里「い、行ったでゴザる!? これはよもや――体力切れを見越した最後の特攻ではなかろうか!?」 萃香「ちぇっ。そんなら、私も行くしかないか!」 ダダッ!
[30]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/28(金) 01:01:24 ID:??? パチュリー「ニクイニクイニクイ…苦シメ! オ前モ苦シメ! 地獄ヘ一緒ニ落チロ!!」 ビュンッ! シュシュシュッ!ヒュンッ! 実況「パチュリー選手、今度は博麗連合のDFすらも抜いた〜〜〜! レミリア選手へと届く筈のパスを奪ってから、まさかの単独特攻で紅魔スカーレットムーンズに 貴重な1点を得る大チャンスが到来しました〜〜〜!!」 パチュリー「ゲホッ、ゴホオッ!?」 フラン「きゃーっ! パチェの口から血が出てるー!?」 森崎「……ちいいっ! おい、何数行で抜かれてんだあいつ等! もう実質俺だけじゃねーか!? (――あまりに演技が生々しくて、特攻に見せかけた搦め手と決め撃ちするには尚早な気がして来たな。 喘息のフリをするとして、その為にマジで血痰を吐く様な奴……そう居ないぞ?)」 レミリア「…………」 パチュリー「ゴホッ。ゼー、ゼー……ヒュー、ヒュー……!」 タッ……! 実況「パチュリー選手走って行く! これはもう、森崎選手が止めるほかありません!」 森崎「(……分からねぇ。奴がドリブルで来るのか、ここでシュートを決めに来るのか。 それとも、今までのは全部奇策で、実は冷静にバックパスなりレミリアにパスなのか?)」 パチュリーは森崎と一対一で対峙せんと猛スピードで向かって来る。 その真意が何であるか、森崎には推し量る事は出来なかった。 何故なら、この時のパチュリーの表情からは、まさしく先程自身で言ったとおり。 『閃光のように輝いてみせる』という強い意志しか感じられなかったからだ。
[31]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/28(金) 01:04:55 ID:??? パチュリー「はぁ……! ハァ……! ゼヒィー、ゼヒィー……!」 そこには、森崎が得意とする損得勘定や権謀術数は全く存在しない。 意地の塊が何も加工されず、そのままぶつかって来たような錯覚を覚えた。 森崎「(……アリスがボソボソ呟いた情報によると、アイツは――パチュリーは今、 持病の喘息を防ぐ魔法も使わず――もしくは使えずに、ここまでやって来た。 だとすると、これはちょっと凄い覚悟だ。……そして、覚悟のある奴って、大体強いんだよな)」 だからこそ、その正体が策であれ単なる特攻であれ。 森崎はパチュリーが自分に対し見せてくれた意地を評価し、 自分もまた同じ意地で対決したいという気持ちを抱くに至り。 森崎「(――だったら、面白れェ。普段秀才ぶった奴のクソ意地を見るだけでも楽しいが、 それを更にブチ破った後の顔を見るのは、もっともっと面白れェ筈だ! ……となれば、今こそ――『超モリサキモード』の出番だな!)……ハァァァァァァッ………!!」 ゴオオオオッ! ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ! 森崎は目を閉じ大きく息を吸いこんで―――。 森崎「 ――――カ ッ!」 ゴウッ!! 一言と共に気合を解き放つと同時に、自身の体内に潜む潜在能力を、限界以上に解放させる。 彼は――超モリサキは、今や自信の眼前にまで接近したパチュリーに対して人差し指をくいくいと引きつつ、 こう挑発してやった。 超モリサキ「――来いよ、自称賢者。ぶっつぶして、下剤を盛って、 その上で肺にコークスクリューブローでも掛けて、後悔させてやる。……この俺様に、刃向った事をな!」
[32]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/28(金) 01:14:13 ID:??? …と、いったところで今日の更新はここまでです。 本日もお疲れ様でした。
[33]森崎名無しさん:2015/08/28(金) 03:29:36 ID:??? 乙です これはわざと吐血をして血で森崎の足を滑らせるという賢者の作戦に違いない! フッ、我ながら先の展開が分かっちまうこの俺様の頭脳が憎いぜ(キリッ
[34]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/29(土) 02:01:19 ID:??? こんばんは、ちょっとだけ更新します。 >>33 乙ありがとうございます! 判定アリで森崎ピンゾロとかだったら、真面目にそんな展開も良かったかもですw
[35]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/29(土) 02:03:16 ID:??? そこからの睨み合いはまさしく一瞬。 しかし対峙するパチュリーと超モリサキにとっては永遠にも等しい時間だった。 ドリブルで突破するか、シュートに向かうか。はたまたキックフェイントで本命はレミリアか。 理性を捨てた獣の如く、両者は言葉も忘れて感覚を研ぎ澄ませ――。 パチュリー「……―――!!」 グワアァァァァッ……!! まず最初に動いたのはパチュリーだった。 眼光を光らせ、理性を失った状態でも尚的確なコースを瞬時に割り出し、 全く無駄の無い、効率的で洗練されたシュートフォームを取る。 その動きこそは地味であるが、威力は絶大。 パチュリーの秘密兵器とも称される、『クワッドスパーク』の構えだった。 超モリサキ「……チッ。シュートか!」 そしてそれは、ドリブルに備えていた超モリサキにとっては悪い知らせだった。 このコンマ数秒で既に全身はドリブルボールを包み込むよう大きく飛び出ており、 通常の動きではパチュリーのシュートに対応するのは不可能に思えた。 咲夜「(今の動き……超モリサキ君はドリブルに備えた! そしてあの体格を見るに。 彼はセービングは一流でも、フィジカルの強弱や体格が大きな差を生む、一対一までもが得意かどうかは怪しい! ――パチュリー様の意図が未だ掴めませんが。これは――とうとう私達に貴重な1点が―――!?)」 ――そのため、紅魔スカーレットムーンズを含めた周囲の者が、今の咲夜のように考えるも当然だった。 パチュリーは自分の身体をも犠牲にした策略――あるいは純粋な思いの爆発により、 今大会最強GKを打ち負かす事ができる。出来るに決まっている……と。 超モリサキ「ぐおおお……っ!」
[36]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/29(土) 02:04:31 ID:??? しかし、そんな希望的観測には、当然の如くいくつか間違いがあった。 まず、超モリサキは一対一が苦手では無い。 圧倒的なセービングの影に隠れてはいるが、彼は一対一の技術においても世界クラスの名手。 小柄な身体による制約は確かに大きいが、超モリサキがそうした生まれつきのハンディキャップを甘受する訳が無い。 そしてもう一つ。 超モリサキは野心家で傲慢である一方、強者を素直に強者と認め、 必要とあらばその教えを乞う程の謙虚さと誠実さも持ち合わせていた。 そして超モリサキの所属していたチームには、運の良い事に、 一対一を得意とする幻想郷でも最高峰のゴールキーパーが居た。彼はその好機を見逃す筈が無かった。 萃香「おっ。アレをやる気だね、森崎ったら。アレは元々私の専売特許なんだから、くれぐれもミスるなよ」 超モリサキ「(萃香さん……。アンタは正直、俺がこのチームの正GKを獲る為の障害でしかなかった。 だけど俺は、勝つためなら道中の障害を拾って自分の武器にする男だ! 技では無いが、真似させて貰うぜ! アンタの――『不羈奔放の古豪』に相応しいプレーをな)」 ――不羈奔放(ふきほんぽう)とは、世間のしきたりに囚われず、思いのままに振舞う事が原義。 それはある意味、サッカーの既存の枠組みに囚われぬ超モリサキにとって相性の良い言葉だった。 だからこそ、超モリサキは途方も無い努力の末に身に付けた。人間離れした執念で、運命ごと全てを捻じ曲げるプレーを。 超モリサキ「―――だぁあああああああああああああああっ! ふざっけんなああああああ!!!!!!」 ドンッ! ガチッ! グギッ、グリィィィッ……………! ブンッ! ……バチイッ。―――ガイイイイイイイン、ポーーーーーーーーーーンッ! パチュリー「…………!?」
[37]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/29(土) 02:05:35 ID:??? 実況「……し、信じられない! 森崎選手! パチュリー選手のシュートに身体が追いつかないと見るや、 咄嗟の判断で間接を外して骨を伸ばし、腕の長さを無理矢理に拡張して見せた! そして……ボールは森崎選手の腕を掠め、僅かに軌道を外し、ゴールポストにぶち当たります! 自分の身体を犠牲にしてでもゴールを防ぐ一連のプレー! まさしくこれが森崎選手の『がんばりフォートレス』! 森崎選手、セービングだけでなく一対一においても超一流のプレイヤーである事を証明してしまいました〜〜!!」 パチュリー「ゴホッ、ゴホッ…! ほ、ほんとうに……ゴホッ。信じ……信じられない……!」 ゴリッ、ガリガリッ。……ゴキッ。 超モリサキ「――良いねその反応。その表情。俺が一番好きな種類のヤツだぜ」 フラリ……。 超モリサキ「アイテテ……。やっぱり脳内麻薬が効いてても、痛いモンだな。ま、念じとけば治るか」 小悪魔「ば、化け物……。悪魔です……!」 僅かによろめく身体を自分で抱きしめながら、超モリサキはパチュリーに絶対的な絶望を叩き付けた。 パチュリーが持病の喘息を押してまで一対一に向かった覚悟と同じ ――いや、もしくはそれ以上の覚悟を、超モリサキは持ち合わせていたのだ。 パチュリー「……フフ。ウフフ……」 ドサリッ……。バタンッ。 小悪魔「ぱ、パチュリー様ーーーーーーーーーーーーーっ!?」 パチュリーは後方に飛ぶボールと、超モリサキのバランスを崩した身体との両方を見てから、 虚ろに笑いながら、糸が切れた人形のようにフィールドに倒れ臥した。 ボランチの小悪魔は思わず駆け寄りたくなるが、しかし試合中に自由に持ち場を動いてはいけない。 天才でありながら、チーム戦術と理論に拘った主人の誇りを、自分が汚してはいけないと思った。
[38]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/29(土) 02:09:23 ID:??? 森崎の新一対一スキル・『がんばりフォートレス』が発動し、パチュリー敗北!? 森崎はやはり完全無欠!? ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。 この技の元となった萃香さんのスキルは http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1368371724/909に載ってるヤツでした。 それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。
[39]森崎名無しさん:2015/08/29(土) 02:25:55 ID:??? 乙です 輝夜「セービングだけじゃなく一対一も最強なんて反則よ反則!」
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0ch BBS 2007-01-24