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【楽園の未来】鈴仙奮闘記31【映す試合】
[36]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/29(土) 02:04:31 ID:??? しかし、そんな希望的観測には、当然の如くいくつか間違いがあった。 まず、超モリサキは一対一が苦手では無い。 圧倒的なセービングの影に隠れてはいるが、彼は一対一の技術においても世界クラスの名手。 小柄な身体による制約は確かに大きいが、超モリサキがそうした生まれつきのハンディキャップを甘受する訳が無い。 そしてもう一つ。 超モリサキは野心家で傲慢である一方、強者を素直に強者と認め、 必要とあらばその教えを乞う程の謙虚さと誠実さも持ち合わせていた。 そして超モリサキの所属していたチームには、運の良い事に、 一対一を得意とする幻想郷でも最高峰のゴールキーパーが居た。彼はその好機を見逃す筈が無かった。 萃香「おっ。アレをやる気だね、森崎ったら。アレは元々私の専売特許なんだから、くれぐれもミスるなよ」 超モリサキ「(萃香さん……。アンタは正直、俺がこのチームの正GKを獲る為の障害でしかなかった。 だけど俺は、勝つためなら道中の障害を拾って自分の武器にする男だ! 技では無いが、真似させて貰うぜ! アンタの――『不羈奔放の古豪』に相応しいプレーをな)」 ――不羈奔放(ふきほんぽう)とは、世間のしきたりに囚われず、思いのままに振舞う事が原義。 それはある意味、サッカーの既存の枠組みに囚われぬ超モリサキにとって相性の良い言葉だった。 だからこそ、超モリサキは途方も無い努力の末に身に付けた。人間離れした執念で、運命ごと全てを捻じ曲げるプレーを。 超モリサキ「―――だぁあああああああああああああああっ! ふざっけんなああああああ!!!!!!」 ドンッ! ガチッ! グギッ、グリィィィッ……………! ブンッ! ……バチイッ。―――ガイイイイイイイン、ポーーーーーーーーーーンッ! パチュリー「…………!?」
[37]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/29(土) 02:05:35 ID:??? 実況「……し、信じられない! 森崎選手! パチュリー選手のシュートに身体が追いつかないと見るや、 咄嗟の判断で間接を外して骨を伸ばし、腕の長さを無理矢理に拡張して見せた! そして……ボールは森崎選手の腕を掠め、僅かに軌道を外し、ゴールポストにぶち当たります! 自分の身体を犠牲にしてでもゴールを防ぐ一連のプレー! まさしくこれが森崎選手の『がんばりフォートレス』! 森崎選手、セービングだけでなく一対一においても超一流のプレイヤーである事を証明してしまいました〜〜!!」 パチュリー「ゴホッ、ゴホッ…! ほ、ほんとうに……ゴホッ。信じ……信じられない……!」 ゴリッ、ガリガリッ。……ゴキッ。 超モリサキ「――良いねその反応。その表情。俺が一番好きな種類のヤツだぜ」 フラリ……。 超モリサキ「アイテテ……。やっぱり脳内麻薬が効いてても、痛いモンだな。ま、念じとけば治るか」 小悪魔「ば、化け物……。悪魔です……!」 僅かによろめく身体を自分で抱きしめながら、超モリサキはパチュリーに絶対的な絶望を叩き付けた。 パチュリーが持病の喘息を押してまで一対一に向かった覚悟と同じ ――いや、もしくはそれ以上の覚悟を、超モリサキは持ち合わせていたのだ。 パチュリー「……フフ。ウフフ……」 ドサリッ……。バタンッ。 小悪魔「ぱ、パチュリー様ーーーーーーーーーーーーーっ!?」 パチュリーは後方に飛ぶボールと、超モリサキのバランスを崩した身体との両方を見てから、 虚ろに笑いながら、糸が切れた人形のようにフィールドに倒れ臥した。 ボランチの小悪魔は思わず駆け寄りたくなるが、しかし試合中に自由に持ち場を動いてはいけない。 天才でありながら、チーム戦術と理論に拘った主人の誇りを、自分が汚してはいけないと思った。
[38]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/29(土) 02:09:23 ID:??? 森崎の新一対一スキル・『がんばりフォートレス』が発動し、パチュリー敗北!? 森崎はやはり完全無欠!? ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。 この技の元となった萃香さんのスキルは http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1368371724/909に載ってるヤツでした。 それでは、皆様、本日もお疲れ様でした。
[39]森崎名無しさん:2015/08/29(土) 02:25:55 ID:??? 乙です 輝夜「セービングだけじゃなく一対一も最強なんて反則よ反則!」
[40]森崎名無しさん:2015/08/29(土) 02:54:06 ID:??? 乙です これはズームパンチ!?まさか森崎は波紋の呼吸をマスターしていたのか!? 師匠!酒!波紋!このキーワードから森崎は高い酒の入ったグラスをもって一滴も零さないという セービング練習をしていたのか!
[41]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/30(日) 01:15:01 ID:??? こんばんは、そしてすみません。 遅くなりましたがちょっとだけ更新しようと思ってたのですが、 キリの悪いところまでしか書き進められなかったので、明日に回します(汗) >>39 乙ありがとうございます。森崎の能力は、姫様の大体上位互換みたいな感じですね。 >>40 乙ありがとうございます。そういやズームパンチみたいでしたねw 「がんばる」を突き詰めたらこういう感じになるかなと描写しました。 明日は予定が無いので、沢山文章を書きたいです……。 それでは皆様、また明日宜しくお願いいたします。
[42]森崎名無しさん:2015/08/30(日) 13:14:59 ID:??? 一対一必殺技と思ってたがスキルか。
[43]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/30(日) 15:23:16 ID:??? こんにちは、更新再開します。 >>42 扱い的には発動時強制的に消費ガッツが発生するスキル、と考えていたのですが、 確かにそれだと必殺ブロックとかと変わらないような気もしますね……。 表記の仕方については、また変わるかもしれません(汗)
[44]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/30(日) 15:24:36 ID:??? 中里「(幻想郷に来てからの森崎は、前にも輪を掛けて無茶なプレーをするようになった。 無論、それは確かな技術に裏打ちされてのプレーではゴザるが)」 超モリサキの人間離れしたプレーを、中里は比較的離れた位置で冷静に観察していた。 後半戦も間もなく折り返しという地点での相手側――紅魔スカーレットムーンズによる奇行。 その真意が未だ不明としても、相手は今回の攻撃に相当強い想いを抱いていた筈だ。 それを完膚無きまでに叩きのめした超モリサキに対し、中里は改めて畏敬の念を抱くとともに、 超モリサキがこれまでどのような気持ちで幻想郷でのサッカーに取り組んでいたのか。 その気持ちの一端が理解できたような気がした。 中里「(本来の森崎は、ブラジルで才能も熱意も一流の選手達と一緒にサッカーをしていた。 だが、それが今はあの八雲紫とか言う妖怪の都合で幻想郷に呼ばれ、 才能はありつつもノンビリとした連中と、決して良いとは言えぬ環境でのサッカーに追われている。 ……一方で、自身の宿命のライバルが今も恵まれた環境で、恵まれた仲間達と共に サッカーの技術を伸ばしているというにも関わらず。 ――だから、森崎はきっと……この幻想郷でずっと、「焦り」続けていたのかもしれないでゴザるなぁ)」 焦っていたからこそ、超モリサキは幻想郷においてもライバルに取り残されず、 ここでしか出来ない努力を重ね、新たな力を幾つも得る事ができた。 そして、焦っていたからこそ、超モリサキは限界を四、五周程超える負荷を自身に与え、 才能の欠如という事実との矛盾から生じる、絶対的な破綻の到来を早回しにしていたとしたら。 超モリサキは焦っているという推測を基に、中里は一瞬、森崎に訪れる残酷な将来を予見しかけていたが――。 バシュンッ! 中里「――なっ! 今視界を横切ったのは……!?」 ――幸か不幸か、彼の思考は空を走る一つの影により遮られた。
[45]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/30(日) 15:26:39 ID:??? ***** パチュリー「……フフ。アハハハ……!」 超モリサキ「とうとう狂いやがったか。これまでも俺にボロ負けして取り乱す自称天才はゴロゴロいたが、 試合中にフィールド上に突っ伏して爆笑するヤツはそうそういなかったぜ」 中里が影を見たほんの少し前の時間。 勝者となった超モリサキは、地面に倒れ伏したガラスの天才を見下し嘲笑していた。 咳をこらえながら、壊れた人形のように笑う少女は既に賢者と呼ぶべき要素は一つもない。 ……しかし。にも関わらず、友人に負けず劣らずプライドの高いその魔女は、 超モリサキに対し、相変わらずの自信タップリな態度でこう言いかえした。 パチュリー「違うわ。私が笑っていたのは、そんなバカな理由なんかじゃない……」 超モリサキ「……何だ? まだ言い訳か?」 そんな態度に超モリサキは更なる挑発で答える。 パチュリーはそれを聞き、我が意を得たりと言った表情で解説を始める事にした。 パチュリー「……こう考えてみてはどうかしら。 今の私の命を削った特攻が、仕組まれていたものだとしたら。 圧倒的に不利な私達が、点を取る為の策の一部であるとしたら……と」 超モリサキ「――何をいまさら。その程度の可能性、何度もシミュレート済みだ。 そして結論として、お前は無策にも突っ込んで来た。 体力温存の為の魔法を掛けず、フェイントの余地があったのにしなかったのがその証拠だ。 お前の特攻は、策があると見せかけての無策だったんだろ?」 パチュリー「……そこで思考を終わらせていたとしたら。あんたはまだまだ青二才ね」 超モリサキ「……あ?」
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0ch BBS 2007-01-24