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【楽園の未来】鈴仙奮闘記31【映す試合】
[46]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/30(日) 15:28:46 ID:??? バシュンッ! パチュリーの語った意図を改めて説明するかのように、超モリサキの頭上に一つの影が浮かぶ。 ――超モリサキは、ここで初めての動揺を見せた。 パチュリーはゼーゼーと呼吸困難に陥りながらも……超モリサキと自分の友人に、こう得意げに言ってやった。 パチュリー「私が実際に死にかけてまで突っ込んだのは、そうでもしないと策を看破されると見越していたから。 前半戦、あんたがレミィのスルーパスをアッサリと看破したのと同じようにね。 ――実力と策謀の両方を併せ持つあんたに勝つには、私達は真正面から戦わない。 奇行に勝つのは奇行。奇行がお得意なあんたも、自分が奇行をされるには慣れてなかったみたいね。 ――ね。レミィ」 バアアアアアアアアアアアアアアッ! レミリア「ええ。全く私の予測していた運命通りの結末になったわ。――ダンケシェン、パチュリー」 超モリサキ「――なんだよ。最初からここまで、全部が全部布石だったとでも言いたいのか? わざとI番(パチュリー)に失敗させ、そこからの攻撃を防いだ上で、正当に反撃すると見せかけて奇行に走らせる。 そしてその奇行は概ね成功するが、最後にゴールキーパーに辛うじて弾かれ……」 レミリア「――そして、他のDFのジャマが入らず、お前も適度にバランスを崩した体勢で居る内に、 私が再び『バイシクルレッドサン』を放つ。ここまで全てが、私達の秘策だったって事だ」 超モリサキ「そんなの、作戦でも何でもねぇよ。単なる希望的観測じゃねえか! 最初に天子の『全人類の緋想天』が入っていたらオシマイだし、 I番に奇行させるにしろ、ピッタリ俺が辛うじて弾く事になる確率だなんて、数パーセントも無いぞ!」 レミリア「全体を取ればそうかもしれない。……だが、咲夜達が天人の必殺シュートを防ぐ確率。 パチェが博麗連合の中盤を突破する確率。そしてお前が、バランスを崩しつつも一対一でパチェを防ぐ確率。 それぞれ一つひとつは、充分起こり得る事ばかりのつもりだぞ? 紅魔スカーレットムーンズの皆が。そして、博麗連合のお前達が全力だったならば、 今の状況は、当然起こり得る可能性が高い―――そう思ったまでだ」
[47]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/30(日) 15:30:36 ID:??? 超モリサキ「自分や仲間達だけじゃない。敵の可能性すら信じてた上の策って事か。 ……成程な。だとしたら――今のは最高の奇策だな」 レミリアは既に空中で大きく回転していた。ボールは彼女の小さな足の先にあった。 このまま彼女が動けば、ボールは凄まじい勢いと熱量で、博麗連合のゴールを焼き尽くすだろう。 そして、超モリサキは先程パチュリーの『クワッドスパーク』を全力で防いだ反動で体勢を崩している。 また、これまでのパチュリーの特攻によって、先ほどは鮮烈なカウンターシュートを放った萃香や、 強力なブロック技を持つ天子は既に駆逐されている。 レミリア「とりあえず、借りの半分――いや、これから逆転するんだし3分の1かな――は、返させて貰おうか。 何か言い残した事はあるかね、人間?」 空中から紅い悪魔が降って来る。 超モリサキは覚悟を決めた死刑囚のような爽やかな表情で、レミリアに対しこう胸を張って言って見せた。 超モリサキ「ありがとよ。今のお前等の奇行……次に俺様が奇行をする際の、参考にさせて貰うぜ」 レミリアはそんな超モリサキのあっけらかんとした態度に応える代わりに、――短く、しかし大きく吼えた。 レミリア「――――――――――H A!!」 バッ、ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ! ドギュルウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!! ……ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ! ―――ズバアアアアアアアッ! ピピイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 全幻想郷選抜大会準決勝第二試合、後半14分。 この大会で超モリサキに初の失点を与えたのは、奇しくも彼の好敵手とよく似た称号。 ――『紅帝』とも称される、吸血鬼の少女だった。
[48]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/30(日) 15:34:34 ID:??? 紅魔スカーレットムーンズ 1 − 2 博麗連合2015 大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ): 13ゴール レミリア 12ゴール 鈴仙 9ゴール フランドール、射命丸 8ゴール 魔理沙 7ゴール 勇儀 6ゴール 来生、屠自古 5ゴール 星、諏訪子、霊夢 4ゴール 森崎、神子、反町 3ゴール 早苗、謎の向日葵仮面 2ゴール 神奈子、ピエール、メルラン、天子、赤蛮奇、空、佳歩、岬 1ゴール 妹紅、咲夜、美鈴、サニー、リリーB、ぬえ、響子、永琳、萃香 影狼、藍、幽々子、幽香、針妙丸、パチュリー、小田、椛、パスカル 大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ): 6アシスト パチュリー、霊夢 5アシスト 小町 4アシスト てゐ、神子 3アシスト 早苗、ピエール、小悪魔、マミゾウ 2アシスト 森崎、反町、はたて、岬、空、お燐、ウサギB、レミリア、アリス 1アシスト 鈴仙、影狼、大妖精、橙、諏訪子、佳歩 衣玖、針妙丸、リリーW、ルナサ、ぬえ、永琳、妹紅
[49]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/30(日) 15:39:20 ID:??? 一旦ここまでです。続きは書き次第更新します。
[50]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/31(月) 00:42:55 ID:4P85cf0A 実況「……決まった〜〜〜!! ゴーーーール! 紅魔スカーレットムーンズ、ここで起死回生のゴール! 1−2! 後半15分でとうとう待望の初得点、紅魔スカーレットムーンズ!! 味方のパスをカットするというパチュリー選手の奇行からの、 その結末を読み切ったレミリア選手の痛烈なねじ込み! 森崎選手も恐るべき一対一スキルを見せるなど実力を見せましたが、 ここはスカーレットムーンズの方が僅かに一枚上手でした!!」 観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」 「あれ、なんだ」「紅魔もやるじゃねーか」「このまま同点だー!」「魔理沙―、ファイナルスパーク出せー!」 レミリア「あーあ、そんなに血を吐いちゃって。別に、『フォトシンセシス』は切らなくても良かったのに」 パチュリー「そんな中途半端な演技だったら、森崎にねじ込みを警戒されてたわ。 それにどっちにしろ、『クワッドスパーク』を撃った時点で私はもうガス欠。 ――後は、レミィ。任せたわよ……」 レミリア「分かってる。心配しなくても、後2点取ってやるからさ。――私とフランがね」 フラン「とうとうアレの出番ね、お姉様!」 小悪魔「(さっきの行動は、表面的な理論や理屈だけに囚われていては絶対にできない。 人間の感情や局面局面での相性。その全てを読み切った上で、 しかもレミリアお嬢様を信じきっていないと、今の得点はならなかった。 ……パチュリー様は、本当に凄い御方です)」 咲夜「(そして、今の身体を張った得点劇は、臆病なメイド妖精達にも幾許かの勇気を与えたみたい。 幾ら鼓舞していても拭えなかった、チーム全体に蔓延する諦めムードが、今ので完全に消えた。 ――パチュリー様は、もうボールキープ位しか出来ないでしょうし、お嬢様の体力もやや不安が残る。 だけど、それでも。さっきのような絶望感はもう無くなった……!)」
[51]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/31(月) 00:44:47 ID:4P85cf0A シュウウウウ……。 ズキッ。ズキズキッ……! 森崎「……ッ!(――ぐ、ぐあっ……!? やべぇっ、無理しすぎたか)」 霊夢「……ドンマイ、森崎。今の失点はしゃあないわ。私でも多分取られてたし」 森崎「……あ、当たり前だろ? 萃香だったら、今頃2、3失点はしてるだろうな (よし。痛みはまた引いたな。今度、どこかで看て貰った方が良いかもな……)」 萃香「へっ。人間風情が偉そうな事を言うねぇ〜。……ま、妥当な実力診断だと思うけどさ」 衣玖「――とはいえ、状況は依然こちら有利です。 あちらは1点を引き換えに、中盤の要であるパチュリー・ノーレッジを犠牲にしました。 後はそれぞれがそれぞれの仕事さえすれば、負ける事は無いと思いますが」 紅魔スカーレットムーンズが明らかに今のゴールで調子づき、士気を向上させた一方。 博麗連合は依然余裕を失ってはいなかった。 レミリア達は確かに森崎を一枚上回る策で点を奪ったが、 逆に言えば彼女達ですら、自らの身を削った奇策でしか点を奪えなかった。 その森崎の体力も大きく削られたが、まだ大きなプレーに支障が出る程ではない。 衣玖が言ったとおり、焦らず各自の仕事をこなしていれば、勝利は充分容易いのである。 魔理沙「…………」 霊夢「――先に言っておくけど、キックオフで『ファイナルスパーク』は無しよ。 そんな事しよう物なら、こっちから先にタックルでボールを奪っちゃうんだから」 そんな中、レミリア達の華々しい活躍を苦々しげな表情で眺めていた魔理沙は、 焦りとも苛立ちとも取れる表情でボールへと向かったところで、霊夢に制止された。 魔理沙は再び親友への悪態を何か考えようと唇を噛んでいたが――今回は喧嘩に発展する事は無かった。
[52]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/31(月) 00:45:50 ID:??? 森崎「(……そうだ。ここは――)……おい、作戦会議でもしようぜ。――3点目を、取りに行く為のな」 霊夢「――え?」 魔理沙「……何だって?」 霊夢と魔理沙の間に、森崎が割って入って来たからだ。 普段からして様々な形で作戦を提案してきた森崎がこの場に入る事は、そこまで不思議ではない。 二人の険悪さを織り込み済みの上で、森崎は次のキックオフにおける動きを提案する。 森崎「何、簡単な事さ。ここからキックオフシュートは色んな意味でも論外。 リスクに反して、リターンの見込みが無さ過ぎる。 だが、ここでひよって攻めに行かないのもまた危険。 サッカーにおいて、1点差なんてセーフティリードでも何でもないからな。 だからさ、次のキックオフなんだが――」 霊夢と魔理沙は自然と食い入るように森崎の提案を聞き込んでおり。 ――そしてそれ故に、次の森崎の発言に対して……二人は仲良く突っ込んだ。 森崎「――なあ。次さ。俺がオーバーラップして攻めれば良いと思うんだが、どうかな?」 霊夢・魔理沙「「……それって、自分が目立ちたいだけでしょ(だろ)! いい加減にしろ!」」
[53]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/31(月) 00:47:31 ID:??? 森崎「目には目を。奇行には奇行だ!」 ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。時間があったのに結局あまり書けなかった…(汗) それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
[54]森崎名無しさん:2015/08/31(月) 20:46:31 ID:??? レミリアお嬢様はルーマニアではなくドイツ出身だった……? 乙です
[55]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/01(火) 00:40:51 ID:??? こんばんは、ほんの少しだけ更新します。 >>54 乙ありがとうございます。お嬢様は割とノリで生きてる方なのでどこ出身でも大丈夫です。
[56]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/01(火) 00:41:55 ID:??? 森崎の提案は当然の如くあっさりと却下された。 何せ森崎は、1点差がセーフティリードでも何でも無いとか言っておきながら、 実際はその安全でないリードを詰めるような危ういプレーを提案している訳である。 適当に理論武装しといて、結局は自分が目立ちたいという下心が丸見えだ。 魔理沙「……あのな。私は真剣に考えてるんだよ! この次どうしようかって――」 森崎「んで、出た結論がキックオフシュートか? だとしたらお前、魔法使い止めた方が良いぜ。知性が少なすぎる。 魔法使いってのは往々にして、チームの参謀役として、どんな時でもクールに最適解を求めるモンだろ? あっちのチームのパチュリーって奴の、爪の垢でも煎じて飲んだ方が良いぞ」 魔理沙「……そ、そこまで言う事ないだろ! 私だって……」 スッ……。 魔理沙「(あ。あれ……。森崎の今の仕草。何だか共感を覚えるような……?)」 魔理沙は当然ながら森崎に反発した。 偉そうに語っているが、要するにあいつも霊夢と同じく、高みの位置から自分を見下しているだけだと思ったからだ。 今日の試合開始からずっと拗らせていた霊夢への歪んだ想いが、魔理沙の思考をネガティブにしていた。 ――森崎が無意識の内に見せた仕草が、魔理沙の眼に入るまでは。 森崎「(――はあーあ。腰の痛みにも慣れちまって来たなぁ。ジンジン痛むのが、気持ちよくなってきそうだ)」 魔理沙「(――森崎が無意識に腰をさすっている。まるでそこが痛むみたいに! もしかして。……私が『ファイナルスパーク』の力を制御できないのと同じように。 森崎もまた、自分のガッツを限界以上に解放する大技に……身体が、追いついていないとか……?)」
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0ch BBS 2007-01-24