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【楽園の未来】鈴仙奮闘記31【映す試合】
[50]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/31(月) 00:42:55 ID:4P85cf0A 実況「……決まった〜〜〜!! ゴーーーール! 紅魔スカーレットムーンズ、ここで起死回生のゴール! 1−2! 後半15分でとうとう待望の初得点、紅魔スカーレットムーンズ!! 味方のパスをカットするというパチュリー選手の奇行からの、 その結末を読み切ったレミリア選手の痛烈なねじ込み! 森崎選手も恐るべき一対一スキルを見せるなど実力を見せましたが、 ここはスカーレットムーンズの方が僅かに一枚上手でした!!」 観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」 「あれ、なんだ」「紅魔もやるじゃねーか」「このまま同点だー!」「魔理沙―、ファイナルスパーク出せー!」 レミリア「あーあ、そんなに血を吐いちゃって。別に、『フォトシンセシス』は切らなくても良かったのに」 パチュリー「そんな中途半端な演技だったら、森崎にねじ込みを警戒されてたわ。 それにどっちにしろ、『クワッドスパーク』を撃った時点で私はもうガス欠。 ――後は、レミィ。任せたわよ……」 レミリア「分かってる。心配しなくても、後2点取ってやるからさ。――私とフランがね」 フラン「とうとうアレの出番ね、お姉様!」 小悪魔「(さっきの行動は、表面的な理論や理屈だけに囚われていては絶対にできない。 人間の感情や局面局面での相性。その全てを読み切った上で、 しかもレミリアお嬢様を信じきっていないと、今の得点はならなかった。 ……パチュリー様は、本当に凄い御方です)」 咲夜「(そして、今の身体を張った得点劇は、臆病なメイド妖精達にも幾許かの勇気を与えたみたい。 幾ら鼓舞していても拭えなかった、チーム全体に蔓延する諦めムードが、今ので完全に消えた。 ――パチュリー様は、もうボールキープ位しか出来ないでしょうし、お嬢様の体力もやや不安が残る。 だけど、それでも。さっきのような絶望感はもう無くなった……!)」
[51]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/31(月) 00:44:47 ID:4P85cf0A シュウウウウ……。 ズキッ。ズキズキッ……! 森崎「……ッ!(――ぐ、ぐあっ……!? やべぇっ、無理しすぎたか)」 霊夢「……ドンマイ、森崎。今の失点はしゃあないわ。私でも多分取られてたし」 森崎「……あ、当たり前だろ? 萃香だったら、今頃2、3失点はしてるだろうな (よし。痛みはまた引いたな。今度、どこかで看て貰った方が良いかもな……)」 萃香「へっ。人間風情が偉そうな事を言うねぇ〜。……ま、妥当な実力診断だと思うけどさ」 衣玖「――とはいえ、状況は依然こちら有利です。 あちらは1点を引き換えに、中盤の要であるパチュリー・ノーレッジを犠牲にしました。 後はそれぞれがそれぞれの仕事さえすれば、負ける事は無いと思いますが」 紅魔スカーレットムーンズが明らかに今のゴールで調子づき、士気を向上させた一方。 博麗連合は依然余裕を失ってはいなかった。 レミリア達は確かに森崎を一枚上回る策で点を奪ったが、 逆に言えば彼女達ですら、自らの身を削った奇策でしか点を奪えなかった。 その森崎の体力も大きく削られたが、まだ大きなプレーに支障が出る程ではない。 衣玖が言ったとおり、焦らず各自の仕事をこなしていれば、勝利は充分容易いのである。 魔理沙「…………」 霊夢「――先に言っておくけど、キックオフで『ファイナルスパーク』は無しよ。 そんな事しよう物なら、こっちから先にタックルでボールを奪っちゃうんだから」 そんな中、レミリア達の華々しい活躍を苦々しげな表情で眺めていた魔理沙は、 焦りとも苛立ちとも取れる表情でボールへと向かったところで、霊夢に制止された。 魔理沙は再び親友への悪態を何か考えようと唇を噛んでいたが――今回は喧嘩に発展する事は無かった。
[52]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/31(月) 00:45:50 ID:??? 森崎「(……そうだ。ここは――)……おい、作戦会議でもしようぜ。――3点目を、取りに行く為のな」 霊夢「――え?」 魔理沙「……何だって?」 霊夢と魔理沙の間に、森崎が割って入って来たからだ。 普段からして様々な形で作戦を提案してきた森崎がこの場に入る事は、そこまで不思議ではない。 二人の険悪さを織り込み済みの上で、森崎は次のキックオフにおける動きを提案する。 森崎「何、簡単な事さ。ここからキックオフシュートは色んな意味でも論外。 リスクに反して、リターンの見込みが無さ過ぎる。 だが、ここでひよって攻めに行かないのもまた危険。 サッカーにおいて、1点差なんてセーフティリードでも何でもないからな。 だからさ、次のキックオフなんだが――」 霊夢と魔理沙は自然と食い入るように森崎の提案を聞き込んでおり。 ――そしてそれ故に、次の森崎の発言に対して……二人は仲良く突っ込んだ。 森崎「――なあ。次さ。俺がオーバーラップして攻めれば良いと思うんだが、どうかな?」 霊夢・魔理沙「「……それって、自分が目立ちたいだけでしょ(だろ)! いい加減にしろ!」」
[53]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/08/31(月) 00:47:31 ID:??? 森崎「目には目を。奇行には奇行だ!」 ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。時間があったのに結局あまり書けなかった…(汗) それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
[54]森崎名無しさん:2015/08/31(月) 20:46:31 ID:??? レミリアお嬢様はルーマニアではなくドイツ出身だった……? 乙です
[55]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/01(火) 00:40:51 ID:??? こんばんは、ほんの少しだけ更新します。 >>54 乙ありがとうございます。お嬢様は割とノリで生きてる方なのでどこ出身でも大丈夫です。
[56]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/01(火) 00:41:55 ID:??? 森崎の提案は当然の如くあっさりと却下された。 何せ森崎は、1点差がセーフティリードでも何でも無いとか言っておきながら、 実際はその安全でないリードを詰めるような危ういプレーを提案している訳である。 適当に理論武装しといて、結局は自分が目立ちたいという下心が丸見えだ。 魔理沙「……あのな。私は真剣に考えてるんだよ! この次どうしようかって――」 森崎「んで、出た結論がキックオフシュートか? だとしたらお前、魔法使い止めた方が良いぜ。知性が少なすぎる。 魔法使いってのは往々にして、チームの参謀役として、どんな時でもクールに最適解を求めるモンだろ? あっちのチームのパチュリーって奴の、爪の垢でも煎じて飲んだ方が良いぞ」 魔理沙「……そ、そこまで言う事ないだろ! 私だって……」 スッ……。 魔理沙「(あ。あれ……。森崎の今の仕草。何だか共感を覚えるような……?)」 魔理沙は当然ながら森崎に反発した。 偉そうに語っているが、要するにあいつも霊夢と同じく、高みの位置から自分を見下しているだけだと思ったからだ。 今日の試合開始からずっと拗らせていた霊夢への歪んだ想いが、魔理沙の思考をネガティブにしていた。 ――森崎が無意識の内に見せた仕草が、魔理沙の眼に入るまでは。 森崎「(――はあーあ。腰の痛みにも慣れちまって来たなぁ。ジンジン痛むのが、気持ちよくなってきそうだ)」 魔理沙「(――森崎が無意識に腰をさすっている。まるでそこが痛むみたいに! もしかして。……私が『ファイナルスパーク』の力を制御できないのと同じように。 森崎もまた、自分のガッツを限界以上に解放する大技に……身体が、追いついていないとか……?)」
[57]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/01(火) 00:44:48 ID:??? それは魔理沙にとって都合の良い妄想。森崎はこれまで自分の仲間だったから、きっと自分と同じ苦痛を抱えているはずだ。 きっと自分と同じく、どうしても越えられぬ才能の壁の前で、身を削りながらもがいているはずだ。 先ほどまでは森崎を霊夢と同じと否定しつつも、魔理沙は森崎に対し、心の奥でそうした願望を抱き続けていた。 だからこそ――きっかけは妄想であったとしても、魔理沙は森崎の腰痛に気が付いた。 魔理沙「(もしそうだとしたら。森崎もまた、『がんばりセービング』の副作用で私と同じく身を削っているとしたら。 ……だとしたら、私はなんて恥ずかしい奴だったんだ。なんせ私が自分の事を考えている間。 森崎は何一つ悩まず、それよりもチームの勝利を優先に考えていたんだからな。 成程。――森崎。お前、私よりもずっと魔法使いに向いてそうだ)……いや。 やっぱり、オーバーラップ作戦についても考えてみるのも良いかもな」 霊夢「……え、マジ?(私が色々言っても逆ギレするだけなのに。森崎が相手だとヤケに素直ね……)」 魔理沙は森崎の真意を察し、彼の提案したオーバーラップ作戦に力強く頷く。 それに目を丸くしたのは霊夢だったが、あの頑なな魔理沙が賛成した事への驚きと これまでの実績により芽生えた森崎への信用から、強く否定はしなかった。 霊夢「まぁ、それなら……。私からは、ここからのオーバーラップの意義について。 どういう考えか、聞かせてくれるかしら、森崎?」 森崎「……相変わらずの上から目線だな。本当にどっかの誰かさんを思い出すぜ。その爽やかなまでの傲慢さ。 ――いいさ。教えてやるよ。この俺様の考えた、良い所どりの攻撃プランをな」 霊夢もまた、森崎の創り出した輪の中には入っていく。 考えてみれば、霊夢にとって自分以外の人物が中心になる機会は新鮮に思えた。 霊夢「(……思えば最初っからコイツはいけ好かない奴だったし。 勝手に派閥を作ったり私のイメージダウン工作を仕掛けてきたり、とんでも無いヤツだと思っていたけど。 ――なーんか、憎めないのよねぇ)」 そして不思議な事に、森崎の言い分は勝手かつ傲慢、自己中心的で弱者を顧みないため、 一般的に言えば腹立たしい事が多いのだが――それも含めて、霊夢はこの時間を楽しんでいた。
[58]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/01(火) 00:48:25 ID:??? ……と、いったところで今日の更新はここまでにします。 皆さま、本日もお疲れ様でした。
[59]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/02(水) 00:26:05 ID:??? ――ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ! 魔理沙「(よし。始まった……!)」 そうしてキックオフのホイッスルが鳴った。 有力選手が大きく消耗した紅魔スカーレットムーンズは、 0トップの布陣のまま大きく攻める様子は見受けられない。 そんな様子を確認して――森崎の手筈通り、まずは魔理沙が動いた。 魔理沙「……う、うおおおおおおお〜〜!」 ダッ! ダダダダダッ……! 実況「お〜〜っと! ここでとうとう霧雨魔理沙選手が動いた〜〜〜!! 後半15分に1点を追われる状況での、博麗連合のキックオフ! 1−2に傾いた試合を1−3の圧倒的状況に戻すため、ここはもしや……! 霧雨魔理沙選手が第一回戦でも魅せた圧倒的シュート・『ファイナルスパーク』が 出るのでは無いでしょうか〜〜〜〜!?」 ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ……!! フラン「だってさ。どうするの、お姉様?」 レミリア「無い無い。あれはどう見てもブラフだ。 大方魔理沙が蹴るフリをして、後ろから霊夢か……もしかしたら例の小人あたりが ドリブルで突っ込むんでしょうよ」 フラン「ふーん。まあ確かにシュートを撃つにしても、それならあそこまで大袈裟に叫ばないよね。 魔法使いのクセに演技がヘタだもの、魔理沙ったら」
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0ch BBS 2007-01-24