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【楽園の未来】鈴仙奮闘記31【映す試合】
[75]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/04(金) 00:57:41 ID:??? フラン「行くよ、お姉様!」 レミリア「決めるわ、フラン!」 グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ! グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ! ――――バッ、ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!! バギュウッ! ゴゴオオオオッ、バリバリバリ……ドドドドドドドドッ………! 霊夢「(…………)」 霊夢は魔理沙の異変とその意図に気付き、呆けたように空を見つめていた。 それはレミリアとフランが即席の力業で創り上げた空中ツインシュートが、 今まさに霊夢の四肢を粉々に破壊しようとしていても同じだった。 パチュリー「(……巫女はずいぶんと余裕綽々ね。言っておくけれど、あの二人のシュートこそが、 今回の大会における我々の最終兵器。星熊勇儀の『三歩必殺』にも匹敵する超威力かつ、 ツインシュート特有のブレを含みながら発射するリーサルツイン! ――確かに、大会開始直後では動きが合わず失敗する事もあったけれど。 大会中の様々な出来事で外に大きく心を開いたフランと、その姉であるレミィとの連携は 今大会でも最高峰。だから、この位置からでも……森崎さえいなければ充分入り得る!)」 その様子を慢心と取る者も居た。それは仕方の無い反応だった。 魔理沙が急遽打ち上げたボールを、霊夢は目でしか追いかけておらず、 いざレミリア達がこれ見よがしにシュートに向かっても、クリアやブロックに入る様子すらない。 魔理沙「(霊夢ならきっと分かってくれる筈だろ? 私が、本当の本当に望んでいる事を)」 ……しかし、それでも魔理沙は悪戯っぽい笑みを消さなかった。
[76]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/04(金) 01:00:18 ID:??? 霊夢「(――魔理沙はきっと、この次に私がどう出るかを知ってた上で。 それで今、こうしてボールを打ち上げたのね、きっと。 ……私が一番したくない事をやると思うなんて。頭がどうかしているわ)」 フワッ……。 純粋な笑顔を浮かべる魔理沙に対し、今度は霊夢の表情が濁る。 それは罪悪感か、それとも自身への嫌悪感か、あるいは博麗の巫女としての「機能」によるものか。 兎に角ハッキリ言って嫌な感覚だったが、魔理沙はそれでも自分を認めるように笑ってくれている。 そう考えると、霊夢は緩慢に空へと浮かびながらも、どこか安心したように、天性を夢想へと委ねた。 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……!! 地響きを上げながら時速三百キロの速さで動く真紅の光条。 レミリアとフランドールが放った『トランシルヴァニア』は、例え森崎が相手であっても、 5割以上の確率でゴールを割られるのでは無いかと霊夢は思った。 ……が。その可能性は自分が居る限り存在しない事も知っていた。 その証明のため、霊夢は無機質な表情でこう呟いた。 ―――霊夢「……『カウンターシュート』」 オオオオオッ…………バギュンッ! ギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウンッ! 地響きをそのままひっくり返したような爆音。 それは霊夢の一言によって、そのベクトルを大きく180度変換させた。 そして、このシュートこそが――魔理沙がこの試合で出した答えに対する、霊夢なりの返事だった。
[77]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/04(金) 01:03:39 ID:??? ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。 チラシの裏になりますが、紺珠伝は勿論鈴仙……では無く早苗さんでイージーをクリアをしました。 今回のシステムはいつもの残機制ではなく、ミスったらその地点からやり直しと特殊なのですが、 個人的には合ってたような気がします。ノーマルで血ヘドを吐いてないので分かりませんがw 最近はあまり考えず、いつでもどこでも誰でもサクッと遊べるゲームも増えましたが、 東方に限らず、色々試行錯誤したり、じっくりと腰を据えてやれるゲームというのは大事にしていきたいですね。 それでは皆さま、本日もお疲れ様でした。
[78]森崎名無しさん:2015/09/04(金) 01:06:11 ID:??? 乙です うーん、つまり超森崎のがんばり改と5割をあたりまえで返すと考えると・・・ 大体自分ピンゾロでも余裕で返せるってことか いいねぇ、でももっと無茶苦茶な難易度にしてもいいのよ?
[79]森崎名無しさん:2015/09/04(金) 08:15:51 ID:??? まぁ、リーサルの補正値はすごいしな。 (最終章でないのに超補正シュートをだすのもちょっともったいない気もするがw)
[80]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:03:36 ID:??? こんばんは、更新再開します。 >>78 乙ありがとうございます。 霊夢のカウンターシュートは、色々と状況が重なったのと、演出補正もあるので実際はそこまで強くないですw 決勝戦は難しくはあっても、無理ゲーにはしたくないと思っています。 >>79 リーサルって書いちゃいましたが、実際の補正はリーサルツインより低いです(爆) それでもファイヤードライブ位は強いです。
[81]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:04:42 ID:??? ――ギュウウウウウウウウウウウウウウ…………ッ! 森崎「……滅茶苦茶な試合だな、オイ」 霊夢が放ったカウンターシュートによる風圧で軽くよろめきつつも、森崎は皮肉気に唇を歪める。 森崎「ゴールキーパーがオーバーラップし、フォワードはそれをシュート……と、思いきや。 血迷ったか、そのボールを後方に蹴り出してしまうし。 敵のFWもFWで、そこから無理やりにダイレクトシュート――しかも滅茶苦茶な威力の ――に向かってくるし。……センターサークル付近なのによ。 それで……」 ――ウウウウウウウウウウウウウウウウウ……ッ! メイド妖精「「きゃ、きゃあ〜っ!? 今のシュートだったの!?」」 咲夜「(今の不自然なまでに予定調和な動きは……きっと、霊夢の『博麗の巫女』としての天性。 幻想郷の理を司り、妖なる者に打ち克つ為に、遺伝子レベルにまで組み込まれた才能の賜物……でしょうね)」 パチュリー「(……しかも今回、凄いのは霊夢の才能だけじゃない。 ボールを持たない他のチームメンバーの動きの練度も、隠れていたけれど優れていた。 レミィ達のジャンプと同時に、MF・DF合わせて――霊夢以外にも6人が、 多少の体勢の崩れはあれどブロックに行ける体勢になっていたし。 少なくともシュートコースを狭める程度の役には立っている。 他の仲間達の、こうした献身的な動きが無ければ、霊夢が仮に才能を発揮していても、 カウンターシュートは成功しなかったかもしれなかった。 ……だから、ここは認めましょう。私達の完敗を)」 霊夢の放ったカウンターシュートを止められる者は、紅魔スカーレットムーンズの中には居なかった。 咲夜が、パチュリーが、美鈴が、小悪魔が。 ……それぞれが悔しさや諦めや畏怖を抱きながら、フィールドに吹く一陣の風を見送るだけだった。
[82]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:05:50 ID:??? 森崎「(こと幻想郷に住む人間や妖怪その他諸々と対峙する際に取り分け光る、『博麗の巫女』としての才能。 それに、巫女としてでは無く。霊夢の……アイツ自身の、分け隔てなく人を呼び寄せる不思議な力。 その両方が発揮されて放たれた、必殺の『カウンターシュート』。 正直、これが嵌っちまったら、俺が敵の立場でも止められる気はあまりしないな。面白くねぇ)」 魔理沙「(ああ……。やっぱり、綺麗だな)」 霊夢によるまさしく「奇跡のカウンターシュート」に対し、 森崎は自分では一生辿り着く事の出来ぬ才能と、単純に自分が目立て無かった事への嫉妬を膨らませる中。 対照的に魔理沙は……そのシュートを惚れ惚れとした表情で見つめていた。 魔理沙「(……ありがとな、霊夢。試合前やら試合中は、カリカリして八つ当たりして、悪かったよ。 ――だけど、もう大丈夫。私、思い出したよ。これは――森崎のお蔭、かな? けどアイツへのお礼は別にいいや)」 ――そして、それと同時に、魔理沙は霊夢に感謝していた。 何故なら、魔理沙は直観的に理解していたからだ。 このシュートは、『博麗の巫女』としての霊夢から放たれたのと同時に、 『魔理沙の親友』としての霊夢から放たれたのだという事を。 そして、それが何を意味するかについては――この次の展開が示していた。 ――ウウウウウウウウ……ッ! ――スカッ! 陸「あ、アイヤ〜〜〜!? やっぱり外したアル〜〜〜〜!?」 陸がなけなしの体力で放った『雷斬脚』を外した事について狼狽していたが、それは大した事実では無い。 問題は、その次の瞬間だった。 ギュウウウ………、 ガイイイイイイイイイイイイイイイイインッ!!
[83]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:07:44 ID:??? 針妙丸「ご………ゴール、ポストだ!?」 小町「Zzz……え? ポスト? ポストプレイ!? あたいの出番かい??」 美鈴「この人は何を寝ぼけてるんですか。肝心な局面で居眠りとは、敵ながら感心しませんね!」 小町「アンタだけには言われたくないねぇ、それは」 美鈴「わ、私はアレよ。ワークライフバランスを大事にしてるだけですし!」 小悪魔「美鈴さん、低次元な言い争いをしている場合じゃないです! 早くボールをフォロー……!」 ――霊夢の『カウンターシュート』は、盛大にポストを叩いたのである。 ゴール周辺の選手がこの意外な展開に思わず慌てふためき、取り乱しすらする中で。 ……ただ一人だけ、この結果を始めから分かっていた者だけが淀みなく動いた。 魔理沙「……それには及ばないぜ」 シュンッ! ――バアアアッ……ポムッ! 実況「魔理沙選手、ポストによって弾かれたボールをいち早くにトラップしフォロー! 紅魔スカーレットムーンズのゴール前にて、絶好の形でボールを持ちました!!」 魔理沙「……要するに、今の『カウンターシュート』は、壮大なパスだったんだ。 わざとボールをポストに当てて、私がゴール前でグラウンダーのシュート ――それでも、さっきのに負けない程スゴいシュートを放つ為の、引き立て役だな」 実況や観客、他のチームメイトや敵を無視するかのように、魔理沙は呟き始めた。 本来ならば問答無用で、ペナルティエリア内での乱戦が発生するべき場面だったが。 彼女の周囲で渦巻く狂気にも似た純粋な感情の渦が、思わず他の者の足を留めていた。
[84]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:15:58 ID:??? 魔理沙「……私はどうして努力を続けるのか。どうして何度挫折をしても、辛い目に遭っても。 自分の才能の無さに絶望しても。それでも尚、希望を持ち続けられたのか。その理由は、こうだったんだ」 ………グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ! 魔理沙が静かに、しかし決意と覚悟を持ってその右脚を振り上げた。 魔理沙「私は……小さい頃から自分こそが、この物語の主人公だと信じて疑わなかった。 だけどそれは同時に、「本当の主人公」に対する、憧れでもあった……んだと思う。 自分も主人公になれば、そいつと対等に話せる。対等に戦える。対等にサッカーが出来る。 ――きっと、心の奥底では、そんな事を夢見ていたんだと思う」 霊夢「――知ってたけど。こうして聞くと……あんたって、ほんとバカね。 ……そんなあんたにボールを渡しちゃってる私も、かなりのバカだと思うけど」 魔理沙はそこで、悲しそうな眼で自分を見つめる霊夢に視線を合わせる。 口先では相変わらず皮肉を呟いてはいたが、表情には躊躇いがあった。 気にせず、魔理沙は振りかぶった足に魔力を籠めながら語り続けた。 ゴオオオオオオオオオオオオオオッ……! 魔理沙「私が努力を続ける理由。それは――私が、「本当の主人公」に……。 霊夢。お前に並び立てる存在でありたいからだ!」 オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……! 魔理沙「私が今から放つこのシュートは――お前の『カウンターシュート』や『夢想封印・瞬』や。 もしかしたら『夢想天生』にも負けない威力がある。 つまりさ……このシュートはこれまで叶えて来た私の夢の中でも、 最高に大きくて、最高に幸せな夢である事に間違いないんだよ!」
[85]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/05(土) 02:17:29 ID:??? オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……!! 魔理沙「だから。……例えこのシュートが私の身体を破壊したとしても、それでも良い! これまで家族や、友達や、色々なものを犠牲にしてでも、夢を掴もうとしたんだ。 今更自分自身を犠牲にしたって……ちょっとだけしか怖くないぜ!」 霊夢「……結局、怖いんじゃないの。だったら、止めたら良いんじゃない?」 魔理沙「……今更、止めらんないよ。だって―――!!」 ――――だって。これが、私だから。 その言葉は、霊夢には聞こえなかった。 ゴールへと向かって蹴り出されたボールの放つ爆音があまりに大きすぎ、 魔理沙の絞り出すような声を掻き消してしまった為である。 バッ……ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ! バギュウウウウウウウウウウウンッ! ドギュルルルルルルルルルルルルルルルルルッ……! ―――カッ! チュドゴーーーーーーーーーーーーーーンッ! ビイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ………ンン!! ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…!! ―――文字で表現するにも困難なまでの大音量は、 バランスを崩しながらも果敢にパンチングに出た陸の存在自体をも掻き消した。 そして、笛の音すら掻き消された状態のまま……博麗連合はどうやら、後半18分に3点目を得た。
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0ch BBS 2007-01-24