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【楽園の未来】鈴仙奮闘記31【映す試合】
[91]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/07(月) 00:11:07 ID:??? こんばんは、少しだけですが更新再開します。 >>89 お気遣い頂きありがとうございます。 ジャパンカップ編の森崎みたいなイメージですね。 >>90 大筋としてはそんな感じです。
[92]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/07(月) 00:12:23 ID:??? ――ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア……ッ! 実況「先ほどのキックオフからおよそ数十秒。 ……僅か間でしたが、凄まじい乱戦が繰り広げられました。 森崎選手のオーバーラップを交えた奇襲からの、魔理沙選手へのアシスト。 しかし魔理沙選手は敢えてシュートを撃たず、後方にクリア。 そのボールはレミリア選手とフラン選手が捕捉しツインシュートに向かいましたが、 それは霊夢選手の『カウンターシュート』により防がれます。 ――ですが、それで攻撃が終わりでは無かった! ボールはポストを叩き、魔理沙選手の足元へと転がって……絶対無敵の新技・『ファイナルスパーク』が、 とうとう唸って、紅魔スカーレットムーンズのゴールを突き破りました!! 1−3! 様々な結果が予測されましたが、最後に勝ったのは博麗連合! 後半も半ばを過ぎた現在の状況で、点差を2に広げたのは非常に大きいでしょう!! ゴールを決めた霧雨魔理沙選手も、今ゴールを決めた喜びを、仲間達と分かち合っ、て……!?」 魔理沙「あ……が、がぁぁぁああああっ………!!」 フラリ……ドサッ。 アリス「ま、魔理沙!」 針妙丸「え……? そ、そんなに痛いの! あのシュート……?」 天子「ちょっとちょっと! アンタ私より目立ち過ぎでしょ……って、もしかしたらヤバい?」 実況や観客達が魔理沙の異変に気が付いたのは、 混沌としたキックオフから鮮烈なゴールまでの複雑な流れを消化してからとなった。 そしてその頃にはもう、チームメイトは地面に倒れ右脚を抱えて悶絶する魔理沙を取り囲んでいた。
[93]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/07(月) 00:15:32 ID:??? 小町「こりゃ酷いね。今は辛うじて形を保っているけど。 多分一枚皮を剥がしたらミンチみたいになってるよ、この右脚」 衣玖「……普通の人間ならば、このレベルの痛みを受ければショック死すると聞きます。 私からしてみれば、まだ貴女が生きてる事自体が奇跡ですよ」 中里「取りあえず、忍法仕込の骨接ぎ施術はしてみたが。これ以上の試合続行は無理でゴザろう……」 過去に霊夢が推察した通り、魔理沙の『ファイナルスパーク』は絶大な威力と引き換えに、彼女の脚を破壊する代物だった。 実際に、深夜での練習にて始めて放った一回目、地霊殿サブタレイニアンローゼスとの対戦で放った二回目。 そして今放たれた三回目のシュートと、回を重ねるごとに魔理沙への負荷は重くなっている。 中里が漏らしたように、通常ならば少なくとも、これ以上の試合続行は不可能。 できる事なら、今後シュートは永久に封印した上で、数か月は絶対安静にすべきレベルの症状の魔理沙を見て、 チームメイトの多くは同情を感じたのか嘆息した。 ――しかし、魔理沙本人が現在抱いていた感情は、およそ普通の感性を持つ者には理解しがたいものだった。 霊夢「………」 スッ。 そして、数少ない魔理沙の理解者は、穏やかな笑みで魔理沙に歩み寄る。 彼女だけが知っていた。魔理沙は今、苦悶の表情を浮かべつつも笑っているという事に。 霊夢は分かっていた。だから、悩みつつ――そして、最後には決断した。 魔理沙のサッカー生命を延ばす事よりも、魔理沙がサッカーを通じて叶えたい夢の手伝いをしよう、と。 霊夢は本心から、魔理沙に優しくこう言った。 霊夢「……あんたと居ると、本当にいっつもいつもハラハラさせられて。 だけど、今みたいに純粋に凄いと思わせるようなトコもあって。 ――うん。やっぱり私の相棒には、あんたしか居ない。言葉でなく態度でそれが伝わった」
[94]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/07(月) 00:17:02 ID:??? 魔理沙は霊夢の言葉を聞いて、苦痛にゆがんだ顔を更に歪めて笑顔を作り。 目から一筋の涙を零しながら、こう誇らしげに言ってやった。 魔理沙「まあな。なんせ私はお前の相棒で、この物語の主人公なんだから。 ――この位、……ッ、普通だぜ!」 今も痛みをこらえていて、明らかに普通では無い表情と声色と態様の魔理沙。 その姿は客観的に見て惨めで哀れなものだったに違いない。 しかし、それでも――『霊夢に並び立ち活躍すること』を夢として来た彼女にしてみれば、 今はまさしく、彼女の夢が叶った瞬間だった。だが、欲張りな魔理沙はこれだけでは飽き足らない。 魔理沙「(――これで終わりじゃない。まだこの試合だって20分近くあるし、 一番大事な事として、まだ決勝戦や、大会後の世界大会が控えているんだ。 まだまだこれから。このまま点差を維持してレミリアにほえ面をかかせて。 決勝戦でも活躍して、うどんげの奴をぎゃふんと言わせてやって。 それで……私が霊夢と肩を並べられる名プレーヤーである事を世界に証明しなくちゃ……な)」 パタリ。 激痛と疲労により薄れゆく意識の中、遠い未来の戦いにまで想いを馳せながら。 如何なる逆境や状態であっても全力以上の力を発揮する『不屈の主人公』は、 その物語の最終章を目の前にして、まずは一旦の休息に入った。
[95]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/07(月) 00:19:02 ID:??? ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。 皆さま、本日もお疲れ様でした。
[96]森崎名無しさん:2015/09/07(月) 00:40:32 ID:??? 鈴仙「駄目だぁ、どう考えても魔理沙の方が主人公だあ……」 てゐ「私はあんなズタボロになってまで主人公になりたくないけどねえ」 乙です
[97]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/08(火) 00:42:31 ID:??? こんばんは、短いですが更新再開します。 >>96 乙ありがとうございます。 博麗連合戦では、鈴仙の主人公としての素質が改めて問われると思います。
[98]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/08(火) 00:44:43 ID:??? レミリア「……あんな茶番で、戦意をまるで削がれた奴は居ないな?」 担架に運ばれて退場する魔理沙を見送りつつも、紅魔の軍勢は未だ勝利を諦めてはいなかった。 状況は最悪、攻める駒は体力不足、時間は残りわずか。 2点差になった以上、ここで魔理沙が退場して名無し妖精が入ったとしても何ら有利はない。 それでも勝利を諦めないのは彼女達の流儀。 レミリアは厳しく言い放ちチームメイトを鼓舞し、彼女達もまた無言でそれに従った。 ――しかし、運命はこれ以上、スカーレットムーンズの味方をする事は無かった。 ……ピイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ! キックオフのホイッスルが鳴った。 魔理沙を代償として、後半18分に2点のリードを得た博麗連合はこれ以上は攻めなかった。 元々パス力の高い中盤を厚くする事で、スカーレットムーンズはボールの所有する事すら困難となった。 死に物狂いでボールを奪いに猛進するレミリアや咲夜、フランドールがボールを奪取する事は 度々こそあれども、そこから得点につながる有効打までは出ない。 後半30分に、レミリアとパチュリーがワンツーで中盤を突破し、 フランドールが『495年の波紋』をペナルティエリア内で放てた機会も一度はあったが。 ――それはDFの位置にまで下がっていた霊夢や、競り合い強さでは幻想郷で一、二を争う萃香により 威力を減衰され、森崎のパンチングにより防がれる。
[99]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/08(火) 00:46:48 ID:??? レミリア「………!」 ズザアアアアアアアアアアアアアアアアッ! 霊夢「――悪いけど、私はここで負ける訳にはいかないの。……『ヒールリフト』っ!」 グッ、ポーーーーーーーーーーンッ、シュパァァッ! 後半ロスタイム。体力切れであるにも関わらず恐ろしい動きでボールを刈りに向かうレミリアを、 霊夢は華麗な『ヒールリフト』であっさりと受け流す。 実際には、今のレミリアのタックルは疲労により洗練されたのか鋭く、 霊夢も一瞬奪われる事すら覚悟したが。 ――それでも、彼女の『博麗の巫女』としての才能は、どんな綻びも逃がさない。 霊夢は自然と最良の体勢で放り投げたボールをトラップしており。 霊夢「……友達とは、互いに違う道を行こうとも、自分を理解してくれる存在。――これって、誰が言ってたんだっけ」 咲夜「――霊夢。勝負が終わっていないのに独り言とは、あまり関心しないわね!」 霊夢「……じゃま」 ブウンッ! 咲夜「……ッ!」 その後に飛び出した咲夜を自慢の『博麗幻影』で軽く抜き去った後。
[100]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/09/08(火) 00:48:29 ID:??? 霊夢「私には友達って良く分からないけれど。 皆で同じ道を行った方が、色々と楽しいんじゃないのかなぁ。――普段の宴会みたいに」 グワアアッ、バシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!! 自分の友人とは、できるだけ最後まで同じ道を歩みたいと思いつつ、 霊夢は大きくボールを蹴り出して―――。 ――ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ……! 紅魔スカーレットムーンズ 1 − 3 博麗連合2015 試合終了!
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0ch BBS 2007-01-24