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【もう昨日には】鈴仙奮闘記32【戻れない】
[507]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/03(火) 23:06:39 ID:??? 霊夢「――何を言っているの。私は焦ってなんか……!」 中山「……そこっ!」 ――ダダッ、ズザアアアアアアアアアアアアアアアッ! 霊夢「――ッ!」 中山の指摘に対し、半分意地でそう言い返そうとする霊夢だったが、タックルの勢いが激しすぎた。 摩擦により炎を発生させる『バーニングタックル』や、 それ以上の超高熱により、炎すら発生させずにボール以外の物質を焼き尽くす『アッシュタックル』のように、 恐ろしい威力を秘めるタックルでこそ無かったが、中山のタックルは確実に霊夢のボールを捉えていた。 霊夢「――だめ。このまま、じゃ……!」 グルンッ! ……バシッ! 中山「――しまった!」 そんな中で、霊夢が無意識的にターンを行い、咄嗟にバックパスまで行えたのは、やはり彼女の能力の高さを表していた。 しかし当の霊夢は、再びリターンを貰おうとボールを蹴った先を見て、大きく後悔していた。 いや、どちらかと言うと怒っていた。憤りを覚えていた。一発ぶん殴ってやりたいとか思った。 ――その対象は勿論、自分自身である。 ――ポーンッ、コロコロコロ……パシッ。 魔理沙「――霊夢。お前はきっと咄嗟の事だから覚えてないって言うだろうけど。 中山のタックルが来て、パスを出そうとした時。 ――お前は間違い無く、私を見ると安堵しきった表情で、こっちにボールを蹴り出した」 霊夢「……最低。私って、ほんとバカ。時間を稼いでくれると思って、 わざわざ敵のパサーにパスを出しちゃうザルGK位には馬鹿だったわ、私」
[508]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/03(火) 23:09:34 ID:??? ――霊夢は、ボールを奪われるという自分の危機を救ってくれる人物として、霧雨魔理沙を選んでいた。 彼女は魔理沙を守りたいと思いながら、その魔理沙を心から深く信頼して「しまって」いた。 ……その結果が、親友の破滅に繋がると重々承知していたにも関わらず。 魔理沙「――霊夢。今日は私にとって、本当に、本当に幸せな日だったぜ」 魔理沙は普段のような、いや、普段の数倍もカラッとした、太陽のような笑みを浮かべた。 魔理沙「お前は準決勝の途中から今までずっと、私の事を心配しながら、 それでもなお、私が私の夢を――霊夢と肩を並べてプレーする事を――応援してくれてた」 霊夢「……魔理沙。ボールを返して。私がドリブルゴールするわ」 霊夢は普段の冷静さを装いながら、暗にシュートを止めるよう要求する。 しかし魔理沙は話を聞かずにドリブルで前へ前へと進んでいった。 魔理沙「お前がそんな風にしてくれなきゃ、私は今頃夢より先に柳の河原に身投げして。 そんでもって辛うじて生還こそするが、復讐半分に魅魔様のノートから禁呪法でも勉強して、 『これが私の「フィンガーフレアスパークス」だぜ!』……とかほざいて。 それで、夢も叶えられずフィールドで惨めに野垂れ死んでただろうな。 ――うん。ホントに柄じゃないけど。私は霊夢に感謝してるぜ?」 霊夢「感謝してるんなら、恩を返しなさいよ。――今なら賽銭 877 万円のところ、 今あんたが持ってるボールを私に返すだけで大目に見といてあげるから」 霊夢の口調が刺々しくなる。しかしそれは普段の妖怪退治のような無慈悲さによるものではなく。 どちらかと言うと、年相応の少女が友人と喧嘩をする際のそれに近いものだった。 そしてそれにも関わらず、魔理沙はドリブルを止めなかった。
[509]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/03(火) 23:11:46 ID:??? 魔理沙「霊夢。悪いがその恩、死ぬまで借りとくぜ」 霊夢「それは私じゃなくて、本来はパチュリーとかアリスとかに掛けてやるべき言葉でしょ。 あんたと私で寿命ネタなんてやったって、どっちが先かも分かんないし。面白くもなんとも無いんだから」 魔理沙「本なら最近ちゃんと返してるってば。ん? でも、そういや最近アリスからは本を借りてないな。 そろそろ「トモダチ料」とかでっち上げて、数冊魔導書でも徴収しとくかな」 霊夢「それはアリスが泣くから……いや、でも最近の人肌恋しげなアイツなら大丈夫かな。 むしろ泣いて喜ぶかも。じゃ別に良いか、どんどん借りパクっていきなさい――って、違うでしょ。話が逸れてる」 魔理沙「おっと、そうだった。悪いな」 こうしたシリアスで重たげな中でも、普段の世間話のような軽い会話が入る辺りは、 暢気な幻想郷の巫女とその相棒、という以上仕方ない所ではある。 しかし、今の彼女達にとってはこうした何気ない会話すらも重要だった。
[510]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/03(火) 23:13:40 ID:??? *** 霞「……ボールカット率、7パーセント! ですが行くしかありません!」 タッ、ズザアアアアアアアアアアアアッ……! 魔理沙「……どけ、今重要な会議中だ。ガキは引っ込んでな」 ――グワッ、ブウウン、ドゴオオオオオオオオオオオオオオオッ! 妹紅「だったらこの『正直者の死』はどうだい!?」 タッ、グルンッ。ズザアアアアアアアアアアアアアッ! 魔理沙「私は嘘つきだから、関係無いぜ」 ――グワッ、ブウウン、ドゴオオオオオオオオオオオオオオオッ! ――魔理沙の全力を相手にブロックはほぼ無意味、と言わんばかりにプレスを掛けるルナティックスのDFを、 最近開発した自慢のドリブル、『サングレイザー』であっけなく吹き飛ばすと、 魔理沙は霊夢の制止を振り切り、いよいよルナティックス側のバイタルエリアへと辿り着く。 霊夢「待ちなさい、魔理沙! 何度だっていうけど、あんたが今シュートを撃てば……!」 魔理沙「――私の右脚はコナゴナに砕け散って飛び散り、肉の破片となる。その位分かってるよ。 それでも、私は霊夢。お前と並び立ちたいんだ」 グワアアアアアアアアアアアアアアアッ……!
[511]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/03(火) 23:16:17 ID:??? 魔理沙は右脚を大きく振り上げた。 痛みに加え、先程のボールキープにより疲労が蓄積し、その額には玉のような汗が幾つも浮かんでいた。 白黒でリボンのついた、可愛らしい山高帽子からは汗と泥がしたたり落ちる。 彼女の肉体は既にボロボロだった。しかしそれにも関わらず、彼女の表情は変わらず晴れていた。 霊夢「もう充分並び立ってるってば。結果も多くの観客も幻想郷のサッカー評論家も、 全てがあんたが私に並ぶFWである事を証明してる! これ以上、何を望むって言うの!? 『ファイナルスパーク』なんて無くたって、あんたはレミリアや最近の鈴仙にも並ぶ屈指のFWだし、 これから先努力をしていけば、反動の無い『ファイナルスパーク』が開発できちゃうかもしれないじゃない! どうしてこの試合で必死に終わろうとするの! ねぇ、どうしてよ……!」 魔理沙「……そうだな。確かに、そういう手もあったかもしれないな」 魔理沙の表情とは対照的に、霊夢は半分泣き崩れていた。 彼女は今まで、こうした表情を誰にも――実質的な親代わりだった紫にさえも――見せた事はなかった。 ――博麗の巫女は中立。博麗の巫女は泣かない。博麗の巫女は怒らない。 その代わりただ単純に、そして無慈悲に異変を解決し、幻想郷を守らなくてはならない―― 幼少時よりそう教え込まれ、果たしてその通りに成長した筈の彼女は、 一体どこからこうも感情的に変わってしまったのだろうか。それは誰にも分からない。 とにかく重要なのは、霊夢は今、魔理沙の事を誰よりも強く思っているという事実だった。 魔理沙「――認める。今日の試合こそが私の最期であると決めた事は、確かに私の甘えだ。 私はこの機会を逃せば、もう二度と霊夢達に追いつけなくなる。 ――そう思って焦っていたのは事実だし、逆に言うと、そう決めつけて、何もしようとしなかった。 森崎と会ってからは、自分のそうした弱さや甘えがより一段とハッキリ分かったつもりだったけど。 それでもまだ、私はアイツ程強くは無かった」 激痛に耐えながらも、今尚自分の将来が栄光に満ちていると信じて疑わぬ、 不屈の男の姿を見やりながら、魔理沙はそう告白する。
[512]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/03(火) 23:17:29 ID:??? 霊夢「だったら、その右脚を振り抜くのは止めて! パスにして……そうだ、針妙丸よ! あいつったら色々偉そうな事言っときながら、 今日の試合は殆ど働いてないじゃないの。あいつにパスをするの!」 魔理沙「…………でも。無理だよ、霊夢。私は今日の試合、2発もシュートを撃ってる。 その時点で、私の右脚は間違い無く終わっちゃってる。 ――私達はもう昨日には、戻れないんだ。それならせめて、今日を最高の一日で終わらせてくれ」 魔理沙にはそう言うと、精神をシュートに集中させる。 そうすると、後ろからの雑音は全く聞こえなくなった。 よし、と小さく頷いて――魔理沙は、轟音と共にボールを大きく蹴り放った。 魔理沙「――一瞬でも、閃光のように。これが私の最後の夢。最後の……『ファイナルスパーク』、だ……!」 ―――グワアアアアアアッ! バッ……、――ゴオオオオオオオオオオオオオオオン……!!
[513]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/03(火) 23:18:41 ID:4+eV1e1Y *** つかさ「―――霧雨魔理沙さんが、……シュートに来ます!」 慧音「……本当か? 彼女はこれまでの試合、シュートのみならず、 守備においても献身的に動いていた。普通の『マスタースパーク』ならともかく、 さっきの『ファイナルスパーク』は、もう撃てる余裕が無い筈だが」 ――対するルナティックスサイドも緊張感に包まれていた。 霊夢の制止を受けながらも頑なにシュート体勢に出た魔理沙を見て、つかさが動揺し、一方で慧音は訝しむ。 輝夜「……いや。アイツは。あの白黒は間違い無く、『ファイナルスパーク』を撃ってくるわ」 そんな中、輝夜が自信満々にDF陣に対してこう断言したのは珍しかった。 彼女は普段戦術やら戦略やらに興味を示す事は無く、現場に任せる(丸投げする)事が多かった為である。 つかさ「姫様。失礼ですが、どうしてそう断言できるのでしょうか?」 輝夜「なーに。簡単な事よ。なぜって、人間という種族は我々月の民やあんたら妖怪と違って弱いけど。 その代わり、戦うべき時には閃光の如く、キラリと輝くように出来てるモンだからよ。 そんで、あの白黒は私が今まで見て来た人間の中でも一番特に人間臭い。 ……だったら、もうこの先の展開はキマリよ。 ――アイツは、自分の体力の限界を踏み倒してまで。 それでいて、本来出せるべき威力よりも更に上のシュートを放って来るわ」 輝夜はそう言って、助けを呼ぶための腹式呼吸を始め、 (妹紅と霞がタックルに出た為)、つかさと慧音の二名しか居ないDF陣に出撃を命じる。 つかさはその時、若干腑に落ちない気分だったが、後にそれを後悔した。 ――何故なら、輝夜の予言は見事に的中し。 霧雨魔理沙は自身の限界をも超えた、正真正銘の最期の閃光を放ったのだから。
[514]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/03(火) 23:21:45 ID:4+eV1e1Y ☆どのセービングをしてもらいますか? 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 A:たすけてみんな!!(セーブ力に固定で+10されます)200消費 超必殺キャッチです。強力ですが、「(えーりんが)とめる!」は発動しません。 使用時獲得カリスマポイント:−1(0以下にはならず、ポイントが0でも使用可です) B:たすけてえーりん!(セーブ力に固定で+8されます)150消費 必殺キャッチです。1/4で「(えーりんが)とめる!」(+3)が発動します。 成功(=こぼれ球以上)時獲得カリスマポイント:0 C:パンチング(セーブ力に固定で+4されます)80消費 ボールを弾きます。勝利しても自陣深くにボールが残ることが多いです。 1/4で「ブリリアントドラゴンバレッタ(+2)」が発動します。 成功時獲得カリスマポイント:1 D:キャッチング(セーブ力に固定で+2されます)40消費 ボールを掴みます。成功率が低い分、勝利時はこちらにより有利な判定となります。 成功時獲得カリスマポイント:3 E:カリスマセーブ(セーブ力に固定で+0されます)40消費 カリスマにワンハンドキャッチします。属性はキャッチと同じですが、成功したらカリスマ度が急上昇します。 また、JOKERが出た場合は数値差に限らず強制勝利となります。 成功時獲得カリスマポイント:5(失敗時でも+1) F:ライフスプリングインフィニティ(セーブしません)100消費 輝夜が何か凄いオーラを発し、2/13(+JOKER)でシュートを防ぎます。吹き飛び判定はなく、ポスト判定は存在します。 成功時獲得カリスマポイント:4 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 輝夜セーブ力:53 魔理沙の『ファイナルスパーク』の威力:65+(不屈の主人公+2)+(ガッツ300未満ペナ-1) 輝夜のガッツ:400/730 輝夜のカリスマポイント:1/10(ポイントが溜まると難題が解放され、輝夜がパワーアップします。現在:LV2)
[515]森崎名無しさん:2015/11/03(火) 23:22:35 ID:fMai023Y A
[516]森崎名無しさん:2015/11/03(火) 23:23:36 ID:kJa/BX7k A
[517]森崎名無しさん:2015/11/03(火) 23:23:47 ID:s6KSQwEg F
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0ch BBS 2007-01-24