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【もう昨日には】鈴仙奮闘記32【戻れない】
[695]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/18(水) 01:07:34 ID:??? 永琳「――この計画の結果については、貴女も良く知っているわね? 中山政男は、一つ目の工程を達成するためには充分すぎる存在だった。 二つ目の工程も、貴女は当初の心配を乗り越え無事に達成してくれた。 三つ目の工程については……語る必要が無いわね。 本当に技術的。失敗や成功も無く、私がいつでも手を下せるだけだから」 鈴仙「……私は」 そしてここまでの説明を聞き、鈴仙はこの時点で漸く、永琳が最初に謝った意味を理解した。 永琳は鈴仙の「波長を操る程度の能力」のポテンシャルを知っていた。 だからこそ永琳は、鈴仙のこれまでの物語を作り、演出した。 その行為がどれだけ許されざる事か。 ――これまで人一倍の涙を流し、人一倍の喜びを味わった鈴仙は、 今日の災害の意味等に関する疑問符を消すよりも先に、永琳に噛みついた。 鈴仙「……私は結局。師匠の計画を達成するために、貴女の掌の上で踊り続けて来ただけなんですね。 私だけじゃない。中山さんも、パスカル君も、佳歩達も……もしかしたら、八雲紫や日向小次郎。豊聡耳神子でさえ。 師匠が作ってくれた、『私が主人公になれるストーリー』の筋書きに従わされて来ただけなんですね……!? ――プロジェクト・カウンターハクレイも何もかも。私の活躍や幻想郷の今後には興味がなく。 ただ単純に、私がその、波長エネルギーの優秀な器として成長する為の実験にしか過ぎなかった!」 永琳「……半分はノーで。半分はイエスと言えるわ」 鈴仙「……!」 永琳は鈴仙の反応を予想していたらしく、机上にあった無関係な診療録に視線を戻した。 神々に相応しい万能の目は、鈴仙が真実を見抜いた事により失われ。 そこには後悔に暮れる、年相応の女性が一人座っているだけだった。
[696]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/18(水) 01:13:16 ID:??? 永琳「ウドンゲ。確かに私は貴女を自分の目的を果たす為の道具として利用したわ。 そして、私は貴女がより優秀な道具となる為に様々な演出を施した。 結界の一部を緩めて、他者への強烈な影響力を持つ中山政男を貴女に引き合わせ、 外界に月の技術を漏らし、日向小次郎の野心を煽り立て、 八雲の式に幻術を掛け、結果としてアラン・パスカルをこちら側に引き入れた。 そして……本来は微々たる掠り傷にすらならない、ヒューガーの技術革新による境界否定力を僅かに増幅し、八雲紫へのダメージを強めた。 全ては、今大会を――ひいてはその次の大会を盛り上げて。 それにより生まれるであろう莫大なエネルギーを、貴女の瞳に溜め込んでおくための手段だった」 鈴仙「――だったら、本当に全ての始まりは、師匠だったんですね……」 永琳は静かに頷き――。 永琳「私には自信があったから。未来を見通し、全てを意のままに操り。 そして、誰一人傷つかぬままに鈴仙のみが円満に成長し、最終的には私の目的は穏便に達せられる筈だった。 だけど、現実は違った。今日の大会後に起こった出来事が、私の計画が想定の範疇を越えた事を証明していた……。 ――もう一度言わせて貰うわ。ごめんなさい、鈴仙。 私は、貴女を道具として利用する為に貴女を騙し続け、お仕着せの物語を提供して来た。 これからの事について語るにせよ、そうでないにせよ。 私はこの点について、まず誰よりも貴女に謝罪する必要があるわ」 そして、土下座とは行かずとも、深々と頭を下げて鈴仙に許しを乞うた。 それは恐らく永琳の永い永い人生においても初めての事だろうと思った。
[697]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/18(水) 01:22:46 ID:Hxgm0fA2 鈴仙「(……師匠が私に。いや、誰かにそこまで頭を下げられる姿なんて見た事が無いわ。 私への謝罪だけじゃない。それだけに師匠が引き起こした事が大きかったという事なの……? ――そして私は。師匠の話を聞いて、何て答えれば良いのかな……。私は師匠を許して良いの、それとも……駄目なの?)」 鈴仙はそんな永琳に対して、何と声を掛けるべきか悩んだ。 自分が今、永琳に対して何を想い、何を望み、何を聞きたいのか。 それらが一斉にスクランブルして、中々言葉に出来ないでいた。 鈴仙「……」 ――しかし、そんな中でも鈴仙は辛うじて永琳に対し、こう一言を告げる事ができた。 その言葉は…… A:「――仮にこれまでの話が師匠の筋書き通りだったとしても。私は、楽しかったですよ?」 B:「師匠。私は……貴女を許します。だから、真実を話して下さい」 C:「師匠を許すかどうかは、全てを聞いてからです。続きを話して下さい」 D:「謝るのは私じゃないです。私以外の皆も――必死だったんですから」 E:「ふざけないで下さい! もしそうだとしたら、貴女のせいで多くの人が苦しんだんですよ……!?」 F:その他 永琳への質問については後で纏めて受け付けます。 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 ――――― …と、いったところで今日の更新はここまでです。 色々書きましたが要するに、「これまでの展開は大体永琳のせい」……って感じです。 皆さま、本日もお疲れ様でした。
[698]森崎名無しさん:2015/11/18(水) 01:25:36 ID:Wkf+/WeU Aこれも鈴仙って奴の仕業、黒幕はパスカル、大体永琳のせい 容疑者が更に増えた
[699]森崎名無しさん:2015/11/18(水) 01:25:45 ID:4ku5VUNM D 乙でした
[700]森崎名無しさん:2015/11/18(水) 01:27:16 ID:rxSzhtTY A 利用されていただけにせよこれまでに生まれた絆は作り物ではないはずだ。
[701]森崎名無しさん:2015/11/18(水) 01:27:54 ID:I5YLDKhU D 乙なのです
[702]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/19(木) 01:15:40 ID:??? こんばんは、更新再開します。 >>698 永琳→中山→鈴仙の流れがあって、パスカル君がこれに全体強化呪文を唱えてるような感じですね。 >>699 乙ありがとうございます。 >>700 そうですね。第二部では鈴仙がこれまで築いた、幻想郷の住人との関係性が大事になると思います。 >>701 乙ありがとうございます。
[703]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/19(木) 01:16:59 ID:??? A:「――仮にこれまでの話が師匠の筋書き通りだったとしても。私は、楽しかったですよ?」 これまでの物語の全ては、永琳によって仕組まれた物である。 そう聞かされた鈴仙は最初、途方もない徒労感を覚えた。 しかし一方、徒労感を覚えたにしては、永琳に対して殆ど怒りを感じていない自分に、鈴仙は気付いた。 それは一体何故だろうか。――少し考えてみれば、その理由は簡単だった。 如何に鈴仙の物語が誰かによって造られたものであったとしても、 その物語を生き抜いた鈴仙自身の感情は、努力は、友情は、紛れもない真実だったからだ。 鈴仙「――仮にこれまでの話が師匠の筋書き通りだったとしても。私は、楽しかったですよ?」 永琳「……え?」 ……だから、鈴仙は永琳に向かってにっこりと笑って、そう答える事ができた。 そして永琳にとって、そんな鈴仙の笑顔はあまりに予想外だったのだろう。 永琳「――貴女。これまで私が言った事を碌に聞いていなかったの?」 鈴仙「聞いてましたよ。それでも、私はこれまで楽しかったって言ってるんです」 永琳「……その暢気さは、巫女にでも似たのかしら? 暢気だけならまだしも、あんたはその上単純なんだし。そんなんじゃ、何時悪い人に騙されるか……」 鈴仙「す、すみません(――あ、あれっ? さっきまで師匠が謝ってた筈なのに。 なんで今、私が謝ってるんだろ……?)」 永琳は思わず素に戻り、まるで普段のお説教の時のように鈴仙を叱りつけてしまう。 鈴仙も条件反射でペコリと頭を下げてしまうのだが、何かがおかしい気がする。 永琳「――おっと。話が逸れてしまったわね。……ごめんなさい」 鈴仙「いえ、大丈夫です……。ご指導ありがとうございます……」
[704]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/19(木) 01:18:13 ID:??? 説教は数分の後に終わった。 永琳も鈴仙も、何だか釈然としない表情で会話を再開しようとするが、何だかしまらない。 今までの永琳の謝罪が嘘だったかのように、場の雰囲気は和らいでいた。 それは、今までの何気ない、普段通りの日常は、永琳にとって何よりも換え難い救いであった事を示していた。 永琳「……ありがとう、ウドンゲ」 鈴仙「――えっ? し、師匠? 今何か仰いましたか……?」 永琳「何でもないわ。……それより、話を進めましょう」 鈴仙「あっ、はい(師匠の顔、少しだけど明るくなった気がする。 ……いつも通り、氷みたいに冷たい表情だから分かりづらいけど)」 ――そしてだからこそ、永琳はこれまでの罪を清算する為に、これからの事を鈴仙に話そうと思えた。 永琳「……これからは、今この幻想郷に何が起きているのか。そして――これから何が起こり得るのかを話すわ」 鈴仙「……はい」 永琳は再び淡々と話を再開する。その表情にはもはや陰りは無く、代わりに決然とした強い意思が感じられた。 永琳「まず第一に話しておきたいのは、この決勝戦が終わるまで、 私の計画はほぼ完璧に。いや――予想以上に上手く運んでいたわ」 研究室のランプが二人を冷たく照らす中、永琳はまずそう断言した。 永琳「貴女の瞳は私の想像を越えて、様々な波長を溜め込み成長し。 果ては中山政男以上に強力かつ危険な、森崎有三を抑えるに至った。 だから、大会で私達ルナティックスが優勝し、幻想郷全体の価値観が狂う事になったとしても。 貴女の瞳はその価値エネルギーの暴走を、完璧に抑えるに違いないと思っていた。……実際は、違ったけれど」
[705]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/19(木) 01:20:53 ID:??? 永琳の説明を聞いて、鈴仙はスタジアム入口での早苗との話を思い出していた。 ――彼女が言うには、今回の正体不明の爆発は、世界の新生の際には必ず起こり得る災害である。 古くはノアの大洪水。最近では外界でも起きた大地震と同じような出来事が、この幻想郷でも起こっているのだと。 永琳が言う価値エネルギーの暴走とは、早苗が言う新生<リーインカーネイション>の事を指すのだろうか。 永琳は早苗の説明を補足するかのように続ける。 永琳「――永遠亭ルナティックスが、優勝候補筆頭の博麗連合に勝利した。 努力の天才である中山政男が、才能の天才である博麗霊夢に勝利した。 この事実は確かに幻想郷にとっては大きい事だけど、しかし本来はエネルギーの暴走が生じる程ではない。 仮に生じたとしても、その程度は貴女がこれまで体験して来た狂気と比較しても、制御不能になる程には成り得ない。 ましてや幻想郷の結界が完璧に破られる事は、ある筈も無いの。 なのに今、そのあり得ない事が起きている理由。それは簡単。 ――私達の勝利というエネルギーに反応して、より強大なエネルギーが目覚め、あの場所に萃まったからよ。 そのエネルギーがあまりに強大過ぎたから、貴女の瞳から波長が溢れた。 結界は破れ、結果として新たな新生が起きた。 そして一連の結果、行き場を失ったエネルギーは物理的な破壊の形を取った。 たったそれだけの事であり。そしてその事こそが、私の最大の誤算だった」 鈴仙「よ、より強大なエネルギーって……。 また師匠のお友達の、ドコドコ喧しい白痴の魔王さんとか、長い踊りが趣味の統合思念体さんとかですか?」 永琳「それに似た類……いや。もしかしたらそいつらよりももっと厄介な存在かもね」 鈴仙の冗談に対し、永琳は自嘲的な笑いを浮かべて言った。 永琳「そのエネルギーは、――『彼女』は、名前があり名前が無い存在。 唯一無二の存在でありながら、どこにでも存在しうる。姿を保てない程微弱な癖に、鮮烈な美貌を誇っている。 あまりに醜悪で唾棄したい存在でありながら、誰もが皆彼女を愛し、その存在に魅了されている」 鈴仙「あの、えっと……なぞなぞですか?」
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0ch BBS 2007-01-24