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【もう昨日には】鈴仙奮闘記32【戻れない】
[697]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/18(水) 01:22:46 ID:Hxgm0fA2 鈴仙「(……師匠が私に。いや、誰かにそこまで頭を下げられる姿なんて見た事が無いわ。 私への謝罪だけじゃない。それだけに師匠が引き起こした事が大きかったという事なの……? ――そして私は。師匠の話を聞いて、何て答えれば良いのかな……。私は師匠を許して良いの、それとも……駄目なの?)」 鈴仙はそんな永琳に対して、何と声を掛けるべきか悩んだ。 自分が今、永琳に対して何を想い、何を望み、何を聞きたいのか。 それらが一斉にスクランブルして、中々言葉に出来ないでいた。 鈴仙「……」 ――しかし、そんな中でも鈴仙は辛うじて永琳に対し、こう一言を告げる事ができた。 その言葉は…… A:「――仮にこれまでの話が師匠の筋書き通りだったとしても。私は、楽しかったですよ?」 B:「師匠。私は……貴女を許します。だから、真実を話して下さい」 C:「師匠を許すかどうかは、全てを聞いてからです。続きを話して下さい」 D:「謝るのは私じゃないです。私以外の皆も――必死だったんですから」 E:「ふざけないで下さい! もしそうだとしたら、貴女のせいで多くの人が苦しんだんですよ……!?」 F:その他 永琳への質問については後で纏めて受け付けます。 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 ――――― …と、いったところで今日の更新はここまでです。 色々書きましたが要するに、「これまでの展開は大体永琳のせい」……って感じです。 皆さま、本日もお疲れ様でした。
[698]森崎名無しさん:2015/11/18(水) 01:25:36 ID:Wkf+/WeU Aこれも鈴仙って奴の仕業、黒幕はパスカル、大体永琳のせい 容疑者が更に増えた
[699]森崎名無しさん:2015/11/18(水) 01:25:45 ID:4ku5VUNM D 乙でした
[700]森崎名無しさん:2015/11/18(水) 01:27:16 ID:rxSzhtTY A 利用されていただけにせよこれまでに生まれた絆は作り物ではないはずだ。
[701]森崎名無しさん:2015/11/18(水) 01:27:54 ID:I5YLDKhU D 乙なのです
[702]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/19(木) 01:15:40 ID:??? こんばんは、更新再開します。 >>698 永琳→中山→鈴仙の流れがあって、パスカル君がこれに全体強化呪文を唱えてるような感じですね。 >>699 乙ありがとうございます。 >>700 そうですね。第二部では鈴仙がこれまで築いた、幻想郷の住人との関係性が大事になると思います。 >>701 乙ありがとうございます。
[703]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/19(木) 01:16:59 ID:??? A:「――仮にこれまでの話が師匠の筋書き通りだったとしても。私は、楽しかったですよ?」 これまでの物語の全ては、永琳によって仕組まれた物である。 そう聞かされた鈴仙は最初、途方もない徒労感を覚えた。 しかし一方、徒労感を覚えたにしては、永琳に対して殆ど怒りを感じていない自分に、鈴仙は気付いた。 それは一体何故だろうか。――少し考えてみれば、その理由は簡単だった。 如何に鈴仙の物語が誰かによって造られたものであったとしても、 その物語を生き抜いた鈴仙自身の感情は、努力は、友情は、紛れもない真実だったからだ。 鈴仙「――仮にこれまでの話が師匠の筋書き通りだったとしても。私は、楽しかったですよ?」 永琳「……え?」 ……だから、鈴仙は永琳に向かってにっこりと笑って、そう答える事ができた。 そして永琳にとって、そんな鈴仙の笑顔はあまりに予想外だったのだろう。 永琳「――貴女。これまで私が言った事を碌に聞いていなかったの?」 鈴仙「聞いてましたよ。それでも、私はこれまで楽しかったって言ってるんです」 永琳「……その暢気さは、巫女にでも似たのかしら? 暢気だけならまだしも、あんたはその上単純なんだし。そんなんじゃ、何時悪い人に騙されるか……」 鈴仙「す、すみません(――あ、あれっ? さっきまで師匠が謝ってた筈なのに。 なんで今、私が謝ってるんだろ……?)」 永琳は思わず素に戻り、まるで普段のお説教の時のように鈴仙を叱りつけてしまう。 鈴仙も条件反射でペコリと頭を下げてしまうのだが、何かがおかしい気がする。 永琳「――おっと。話が逸れてしまったわね。……ごめんなさい」 鈴仙「いえ、大丈夫です……。ご指導ありがとうございます……」
[704]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/19(木) 01:18:13 ID:??? 説教は数分の後に終わった。 永琳も鈴仙も、何だか釈然としない表情で会話を再開しようとするが、何だかしまらない。 今までの永琳の謝罪が嘘だったかのように、場の雰囲気は和らいでいた。 それは、今までの何気ない、普段通りの日常は、永琳にとって何よりも換え難い救いであった事を示していた。 永琳「……ありがとう、ウドンゲ」 鈴仙「――えっ? し、師匠? 今何か仰いましたか……?」 永琳「何でもないわ。……それより、話を進めましょう」 鈴仙「あっ、はい(師匠の顔、少しだけど明るくなった気がする。 ……いつも通り、氷みたいに冷たい表情だから分かりづらいけど)」 ――そしてだからこそ、永琳はこれまでの罪を清算する為に、これからの事を鈴仙に話そうと思えた。 永琳「……これからは、今この幻想郷に何が起きているのか。そして――これから何が起こり得るのかを話すわ」 鈴仙「……はい」 永琳は再び淡々と話を再開する。その表情にはもはや陰りは無く、代わりに決然とした強い意思が感じられた。 永琳「まず第一に話しておきたいのは、この決勝戦が終わるまで、 私の計画はほぼ完璧に。いや――予想以上に上手く運んでいたわ」 研究室のランプが二人を冷たく照らす中、永琳はまずそう断言した。 永琳「貴女の瞳は私の想像を越えて、様々な波長を溜め込み成長し。 果ては中山政男以上に強力かつ危険な、森崎有三を抑えるに至った。 だから、大会で私達ルナティックスが優勝し、幻想郷全体の価値観が狂う事になったとしても。 貴女の瞳はその価値エネルギーの暴走を、完璧に抑えるに違いないと思っていた。……実際は、違ったけれど」
[705]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/19(木) 01:20:53 ID:??? 永琳の説明を聞いて、鈴仙はスタジアム入口での早苗との話を思い出していた。 ――彼女が言うには、今回の正体不明の爆発は、世界の新生の際には必ず起こり得る災害である。 古くはノアの大洪水。最近では外界でも起きた大地震と同じような出来事が、この幻想郷でも起こっているのだと。 永琳が言う価値エネルギーの暴走とは、早苗が言う新生<リーインカーネイション>の事を指すのだろうか。 永琳は早苗の説明を補足するかのように続ける。 永琳「――永遠亭ルナティックスが、優勝候補筆頭の博麗連合に勝利した。 努力の天才である中山政男が、才能の天才である博麗霊夢に勝利した。 この事実は確かに幻想郷にとっては大きい事だけど、しかし本来はエネルギーの暴走が生じる程ではない。 仮に生じたとしても、その程度は貴女がこれまで体験して来た狂気と比較しても、制御不能になる程には成り得ない。 ましてや幻想郷の結界が完璧に破られる事は、ある筈も無いの。 なのに今、そのあり得ない事が起きている理由。それは簡単。 ――私達の勝利というエネルギーに反応して、より強大なエネルギーが目覚め、あの場所に萃まったからよ。 そのエネルギーがあまりに強大過ぎたから、貴女の瞳から波長が溢れた。 結界は破れ、結果として新たな新生が起きた。 そして一連の結果、行き場を失ったエネルギーは物理的な破壊の形を取った。 たったそれだけの事であり。そしてその事こそが、私の最大の誤算だった」 鈴仙「よ、より強大なエネルギーって……。 また師匠のお友達の、ドコドコ喧しい白痴の魔王さんとか、長い踊りが趣味の統合思念体さんとかですか?」 永琳「それに似た類……いや。もしかしたらそいつらよりももっと厄介な存在かもね」 鈴仙の冗談に対し、永琳は自嘲的な笑いを浮かべて言った。 永琳「そのエネルギーは、――『彼女』は、名前があり名前が無い存在。 唯一無二の存在でありながら、どこにでも存在しうる。姿を保てない程微弱な癖に、鮮烈な美貌を誇っている。 あまりに醜悪で唾棄したい存在でありながら、誰もが皆彼女を愛し、その存在に魅了されている」 鈴仙「あの、えっと……なぞなぞですか?」
[706]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/19(木) 01:27:21 ID:??? 永琳「生憎と、冗談じゃないわ。私は的確に『それ』を表現しているだけ。 ――前に現れたのがもう数千年前だったし。 綿月姉妹を始めとする、信頼のおける月の民にも監視させていたから、安心しきっていたのだけれど ……ウドンゲ達が生んでくれた大きなエネルギーと。 そのエネルギーを激しく憎んだ、とある女性の想いに反応して――『彼女』は、この地に降臨してしまった」 永琳はここで一旦話を切って、周囲を見渡した。 永琳「――さて。ここから先の話は、この子だけじゃなくて、貴女にもしておきたいのだけれど」 永琳は誰も居ない研究室の暗闇に向かってそう言った。鈴仙は一瞬何事かと思ったが、すぐに永琳がそうした理由を理解した。 ――何故なら、その暗闇には既に誰が潜んでいたからだ。 スッ……。 暗闇が切り取られ、グロテスクな瞳が散りばめられた空間の隙間が現れる。 端と端とをリボンで結びつけられたその隙間の装飾に、鈴仙は見覚えがあった。 鈴仙「えっ……。ま、まさか八雲紫……!?」 ??「――まさか、そんな事が。しかし、貴女の言う通りだとすれば、全て説明が付く……」 ――しかし、その隙間を縫って現れた女性は、鈴仙の想像とは違った。 確かに彼女もまた、八雲紫に似た金色の髪をしていたが、背丈からして違う。 藍色の導師服を僅かに揺らし、焦りを含んだ表情でその空間が出て来たのは九尾の狐。そう、彼女は――。 永琳「……こんな時間に悪いわね、……八雲藍」 藍「とんでもございません。むしろ、私にも聞かせて下さい。紫様に。そして幻想郷に今、何が起こっているのかを……」 ――藍は恭しく永琳に礼をして、鈴仙の隣に立つ。 妖怪の賢者に仕えし式神は、主がかつて愛した境界の術式を用いて、主に代わって幻想郷を守るべく動いていた。
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0ch BBS 2007-01-24