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【もう昨日には】鈴仙奮闘記32【戻れない】
[710]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/20(金) 01:34:06 ID:??? こんばんは、ほんの少しだけ更新したかったのですが、 仕事が忙しかったので、明日にブラッシュアップして更新したいです。 ただ、明日の夜は飲み会で、土日は旅行なので、場合によっては暫く更新できないかもです(泣) >>708 乙ありがとうございます。BADENDまっしぐらですねw >>709 残尿の妖精か何かじゃないですかね…
[711]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/23(月) 00:25:03 ID:??? こんばんは、旅行から帰って来たので少しですが更新再開します。 最近更新が空いていたので、これまでの状況を三行でまとめました。 ・鈴仙率いるルナティックスが霊夢率いる博麗連合を破り、全幻想郷大会に優勝 ・しかし、大会後紫の様子が激変。それと同時に結界が破れ災害が発生 ・その夜、これまでの展開は永琳が原因で、永琳すら看破できぬ存在が居る事が発覚。その正体は…と、いう時に藍が乱入
[712]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/23(月) 00:28:03 ID:??? 鈴仙「ど――どうして、貴女がここに。それに、そのスキマ……」 藍「……話せば長くなる。私はただ、月の賢者の知恵を借りに来た。それだけさ」 あくまで平静を装って、藍は小さくかぶりを振って答えた。 鈴仙にとって、藍は単なる顔見知りではない。 全幻想郷選抜大会の予選リーグ最終戦の終了後。 鈴仙は藍に呼び出され、そこで彼女の想いを聞いていたからだ。 藍はその場で、鈴仙にこう請願していた。 ――鈴仙。私は君に……紫様考案の『リアル・幻想・セブン』計画の一員となって欲しい。 そして、その上で――紫様の計画を、打ち砕いてはくれまいか。 鈴仙「(リアル・幻想・セブン計画。それは乱心した八雲紫が考えた、 霊夢の為に弱者を嘲笑って下敷きにする、悪趣味で狂った計画。 だけど藍さんは、その計画に自身が選んだ伏兵を忍ばせようと目論んでいる。 ――その伏兵によって、計画を変え、八雲紫を変え、そして……幻想郷を取り戻そうとしている)」 藍もまた、自らの信念に基づき奮闘している。そのために彼女は永琳の元を訪れたのだろうか。 そんな鈴仙の内側の問いかけに答えるように、藍はこう言った。 藍「率直に言いましょう。八意永琳、私は貴殿の智恵を借りたい。 我々共通の敵であろう、八雲紫を演じる『何者か』の正体と、その対策について」 永琳「……そういう風に聞くという事は。貴女は八雲紫がもはや、八雲紫では無いという事を認識しているのね?」 藍「ええ。――始めは、信じたくありませんでしたが。 今晩。紫様の象徴でもある、この隙間を操る術式すらも不要と切り捨てた時点で、私の不信は確信に変わりました」 永琳「――そう。もう既に、そこまで進行していたとはね。 だとすると、貴女がこの会話を嗅ぎ付けたのは、中々聡明だったと言えるわ」
[713]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/23(月) 00:29:20 ID:??? 永琳の冷たい視線に臆することなく、藍は力強く頷く。 その永琳もまた、何を考えているのか読み取れない表情を僅かに暗くして頷き返した。 鈴仙「――え。八雲紫が、八雲紫じゃないって。どういう事ですか……? 大会後に広場に降り立っていましたけど、あの胡散臭い少女は間違い無く、八雲紫でしたよ」 そしてこうなると、八雲紫を詳しく知らない鈴仙は途端に話題に入り辛くなった。 紫が鈴仙の成長や、プロジェクト・カウンターハクレイ――幻想郷の秩序を変える事を目的とする計画 ――を疎んじていた事は知っているが、鈴仙本人と紫との関係は薄い。 鈴仙「師匠がさっき言いかけた、正体不明・実体不明の『彼女』。 それが今、八雲紫の人格を乗っ取っているとか。そんな話なんですか? その、さっき言ったように。紫が私とか中山さんが生んだ波長のエネルギーを憎んだ事が原因で……」 鈴仙はこれまでの話を纏めるように、恐る恐る切り出した。 自分では荷が重い話だと思って知らんぷりを決め込まない程には、鈴仙は成長していた。 永琳は鈴仙にこう答える。 永琳「ウドンゲ。それは概ね正しいし、貴女にしては名推理だけど。 だけど、それだけじゃ少しだけ足りないわ。 何故なら、私の計画に生じた巨大なイレギュラーには。――『それ』には、人格が無いのだから。 だから『それ』は八雲紫の人格を乗っ取ったというには、正確ではない。 強いていうなら、八雲紫の方が変わってしまったの。『彼女』を受け入れられるようにね」 藍「……紫様は変わってしまった。それにより、貴女が言う『それ』『彼女』なる、 強大なエネルギー体を受容できるよう、自ら在り方を変えてしまった。――貴女は、そう仰ると」 永琳は静かに頷く。鈴仙は当然、パッと聴いてその両者の仔細な違いについて分からなかった。 そのため、 鈴仙「――なら、一体さっきから出て来る『それ』とか『彼女』って一体何なんですか?」
[714]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/23(月) 00:49:10 ID:??? 鈴仙は永琳に対して半分詰め寄るよう、こう切り込んだ。 そこで永琳は漸く、先ほど話しかけたイレギュラーについて語り始めた。 永琳「――『それ』は、地上の民の言葉では『憎しみ』を意味するわ。……いや、あるいは『絶望』かしら」 鈴仙「『憎しみ』や『絶望』……? 八雲紫は、そんな曖昧な物に影響されたとか。そういう話なんですか?」 藍「いや、それは在り得ない。私の知る紫様は、そんな陳腐な概念に惑わされなどしない!」 永琳「――そう。貴女の知る八雲紫は、そんな陳腐な概念に惑わされはしないわ。 だけど、今回の件はそんな陳腐な物では無い。古くは月の歴史から生まれ、 数億年の時を経て純化された、完全かつ純粋なる狂気によるもの。 ……通常ならば瞬間で自我を崩壊させる筈が、中身は兎も角、ああも原型を保っていられるのは、 八雲紫の精神力が、かくも強靭だからに他ならないわ」 藍「成程、しかし申し訳ない。話の腰を折ってしまったようだ。……しかし、月の歴史、とは?」 途中に藍が横槍を入れる事がありつつも、進み始めた会議は穏やかに進む。 しかしそこから永琳が話した内容の全ては鈴仙は勿論、藍ですら知らない事であった。 永琳「――月には一切の穢れが存在しない。しかし、そこには矛盾がある。 それは即ち、穢れある生を享受しておきながら、月の民はその穢れを嫌い、忌避すること。 一応は生ある者が、自らの生の象徴たる穢れを否定すること。 我らのその傲慢さは過去、月を発展させると共に――その影で、永劫続く、多くの憎しみを生み出して来た」
[715]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/23(月) 01:02:22 ID:??? 藍「――月の成り立ちについては、かつて紫様から話を聞いた事がある。 ……しかしそれがどう、今の話と関係が?」 永琳「月の民はかつて、どうしようも無く地上に溜まった消せない穢れを一点に集めていた。 しかし、その穢れはやがて溢れて暴れ出し、やがて統合した存在として、一柱の神霊を生んだわ。 世界に絶望し、激しい憎悪のみを糧として生きる。月の神々を以てして、莫大過ぎる力を持つ神霊を」 鈴仙「し、神霊……? 神霊って、神として崇められている亡霊とか幽霊とかですよね。 排除され迫害され、集められた穢れが一つの人格を取るという話自体は、無くも無い事ではありそうですが……?」 藍「――その存在意義を否定され、裏切られた事による怒りや憎しみから生まれた、純粋な感情の発露。 しかし、その感情には確固たる意思が無く。ただ消失するまで永遠に、他者を憎しみ続けるだけの存在。 成程。それなら確かに境界を操作する必要すら無くなるか」 永琳は深く頷き。 永琳「怒りや憎しみの暴走による、大いなる穢れと破壊の発生。 それは我々月の民を戦慄させ、場合によっては仲間同士の血で服を汚した事すらある。 ……そう。何故そうだったかは忘れたけれど。私達はその厄災を、『純狐』と呼んでいたわ」 ――そして彼女は溜息を吐いて、此度の異変について名称を与えた。
[716]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/23(月) 01:04:20 ID:??? ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。 皆さま、本日もお疲れ様でした。
[717]森崎名無しさん:2015/11/23(月) 07:58:53 ID:??? む、難しい話だ・・・!チルノ!ついていけてるか!?(H並感)
[718]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/24(火) 00:15:56 ID:??? こんばんは、今日も仕事がありましたので今から少しだけ更新します。 >>717 後で読み返して、ちょっと勿体ぶり過ぎて論旨が行方不明になってる感が自分でもしましたね(汗) 適宜これまでの話を簡潔に纏めながら、最終的には分かり易い方向に話を持って行きたいです。
[719]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/24(火) 00:17:55 ID:??? 鈴仙を利用して莫大なエネルギーを得ようと画策した永琳。 計画は途中まで思い通りに進んだが、正体不明のイレギュラー的な存在が紫に介入し、事態は深刻化した。 そのイレギュラー的な存在とは即ち月に封じられし強大な怨念であり、『純狐』と呼ばれているらしい。 ……ここまでの話を要約すると、こうなるだろうか。 しかし永琳はここまで長く語ってなお、肝心な点を未だ明かしていない。 藍「紫様を狂わせ、変貌させたのは『純狐』たる月の狂気。それは良く分かりました。 しかし、失礼ながら私が知りたいのはそれだけではない。 ――私は、どうすれば紫様を元に戻せるのか。その具体的な方法を知りたいのです」 紫の狂気の、幻想郷の危機の原因については良く分かった。 では、その原因に対し我々はどう対処すれば良いのか。 藍が今一度切実に永琳に問いかけた事は、今回の話の核心だった。 永琳「狂気とは即ち、常軌を逸した波長の集合体を意味する。だから、その波長を中和し、分解してしまえば問題無いわ」 そしてこれまでの長い説明とは裏腹に、核心について永琳は単純に応えた。 また、永琳が意図的に答えなかった『どうやって』に対する答えについても自ずと示されていた。 ――少なくとも鈴仙にとっては、示されているように思えた。 鈴仙「――師匠。その波長を中和して分解するって言うのは、ひょっとして……」 永琳「……ええ。貴女がこれまでに瞳に蓄えて来て、これからも蓄えるであろう狂気の波長。 その全てを、純狐を受け入れた八雲紫にぶつけてしまえば良いのよ。 ――具体的には、八雲紫が示した次の大会。 『幻想スーパーJr.ユース大会』に優勝し、その時の観客の熱気を貴女が独り占めすれば良い」 強敵を倒し、八雲紫の企みを押しのけ、鈴仙が次の大会でも優勝すること。 それこそが純化された憎しみに駆られる紫を救い、幻想郷を――世界を守る事になると永琳は言う。
[720]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/11/24(火) 00:19:28 ID:??? 永琳「逆に、もしも次の大会で八雲紫の本来の目的――幻想郷における妖怪の人間に対する優位の証明 ――が正しく達せられたとしたら、その際に発生したパワーは鈴仙では無く、八雲紫に――引いては純狐に渡るでしょう。 そして恐らく、純狐はいよいよそのパワーを利用して完全なる純化を遂げ……。 ――その暁には、地球上の全生命は、彼女の憎しみを前に皆死に絶えるでしょうね」 鈴仙「それって、つまり。その……」 永琳「ウドンゲ、貴女はサッカーで世界を救うのよ。比喩では無く、字義通りに」 鈴仙「え、えぇーっ……」 つい情けない声を漏らしてしまう鈴仙。……しかし、普通に考えて、身も蓋も無い話だと思う。 世界の、全人類の生命が、自分のサッカー大会の成績に左右されると永琳は言ったが、 流石の鈴仙も今の話以上の無理難題を吹っ掛けられた事はない。 無論、この話が冗談では無い事は、これまでの出来事や永琳の説明から理解できるし、ある程度の覚悟もある。 ……しかし、いざその核心を提示されると、どうしても情けない声の一つくらい上げたくなるのが、 如何に成長しても、どうにも変わりようが無い鈴仙らしさの一端でもあった。 ――あの、師匠。お話は分かりましたが、ちょっと頭を整理させてくれませんか……? 鈴仙は取りあえずそう言おうとした。しかしそれは途中で遮られる。 藍「――待って下さい」 永琳「……何かしら?」 今回に限っては永琳の他にもう一人、第三の人物が居たからだ。 藍は困惑する鈴仙を庇いながら、永琳に確認を取っていく。 藍「今の貴殿の話を聞くと、@鈴仙は兎に角大会で優勝し、A紫様の目的を打ち砕けば良い。 では、その@とAの条件を達せられるならば――その過程については不問という事で良かったですね」 永琳「ええ」
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0ch BBS 2007-01-24