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【悪運悪待】私の巫女様11【悪撃悪手】
[290]私の巫女様 ◆Miko/icOEk :2015/12/13(日) 02:47:06 ID:??? リンシャン カイホウ 自身の怪異(オカルト)である "嶺上開花" 。 彼女のサッカーを支える根幹を成す、圧倒的に強力なオカルト。 その間接的な名付け親たる、姉の言葉が脳裏を掠める。 宮永 咲 「待っててね "お姉ちゃん" ――全国まで会いに行くから」 咲の姉は、昨年準優勝を収めた "西武白糸台中学校" のエースだ。 惜しくも優勝は逃したが、全国に出てこないはずはない。 ならば自身も全国へ行けば、再会も出来るはず。 それに――。 ________________________________ . /: : ヽ:ヽ 、:::Χ::::::、::::. : :!¨ヽ:::::: : : : : : : : 、:ヽ /: : : ::\、:. /`ΧV::',::::::::「 }:.:.:.:. : : : : : : ::\\ . . : : /: : :::ヽ/ヽ代J}ヽN::::::!) /::.:.:.::.:.: : : : : : : : ヽ 咲の姉 /: ; イ: ハ: : ::::\__ `' V:!「:::::!:::::!::::::ヽ: ヽ: : }ヽ} 「――ついて来るんじゃない! // |/ .V: ::::::〉 ` リ .|::::/!::::ハ:::::} ハ } \!ヽ 私はもう、お前とは翔ばない!」 . / | V: :::ト、 ,_ァ / ´ ̄¨|::√}::::厂 }!、 j V::/ `i:r- 、 j .::. !/`、|:/ >、  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 宮永 咲 (サッカーでなら――またお話が出来るかもしれない。 私のせいでお姉ちゃんは――をやめてしまったけれど、サッカーなら……) もう2人で翔べはしないかもしれない。 けれども、一緒にサッカーをすることは出来るかもしれない。 サッカーを通じてなら、お話もできるかもしれない。 宮永 咲 「――だから、絶対に、負けられない」
[291]私の巫女様 ◆Miko/icOEk :2015/12/13(日) 05:34:24 ID:??? グッ――ダァンッ! 地面を蹴り、風に乗るようにして高く高く跳ぶ。 自分を落とすために用意されたのだろう、黒髪長身の女―― 京ちゃんに擦り寄っていた "黒咲 明堂" の顔が歪む。 黒咲 明堂 「高いっ……なんて高さだ!」 彼女も空中戦には自信があるらしい。 でも、私は負けない。 だって――。 ________________________________ |: |: : : : : |: : : : :| : /|: : :/: : : :-匕厂 .: : :│ |八 : : : :八: : : :|:斗匕/ / : /ァiケ7: : .ィリ 丶: : {⌒、 : :代ケア]厶イ └'゙ 厶イ: | | 宮永 咲 \乂__\| 、、 ' 人: : 八j 「ここ(空中)は私の領域だから」 _/レく \ -‐ / ]X 厂\ /∧ > _ イ ノハ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 確信を持って私は跳ぶ。 "黒咲 明堂" さんじゃ、私と並んで飛べはしない。 私は、ジャンプ台から降りても飛ぶ時は一人なんだって。 でも――今はみんながいる。 私が飛んで、喜んでくれる仲間がいる。 ハンドボールを辞めてくれた、京ちゃんがいる、 サッカーの基礎を教えてくれた、和ちゃんがいる、 私をサッカーに誘ってくれた、部長がいる。 私とコンビを組んでくれた、優希ちゃんがいる。 頼れる、染谷先輩がいる。
[292]私の巫女様 ◆Miko/icOEk :2015/12/13(日) 05:56:55 ID:??? だから負けられない。 ボールを捌いて優希ちゃんか、部長にボールを託すんだ。 相手も諦めたのか硬直し、俯いてすらいるじゃないか――。 黒咲 明堂 「―――あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、ああああああああっっ!」 宮永 咲 「ひぅっ!?」 諦めたかのように一瞬だけ俯いた相手が、 ケモノのような叫び声を上げて迎撃すべく跳ぶ。 だがその跳躍は高度が足りない、タイミングも合っていない。 誰が見ても間に合わない、足りない、実り得ない勝負。 必然――この結果が待っている。 黒咲 明堂 「飛燕、疾風脚――!」 ズドォォォ―――ッ! 宮永 咲 「うぷ――!?」 浴びせ蹴りは、宮永 咲の背中に突き刺った。 歪な "く" の字に曲がってしまっては、いかな彼女とてポストプレーは出来ない。 その上、彼女にとって――いや清澄にとって想定したくもなかった事態が発生した。
[293]私の巫女様 ◆Miko/icOEk :2015/12/13(日) 06:00:31 ID:??? メキ……ゴキン。 宮永 咲 「……!!」 (これ……骨まで響いてるよ) 背中への蹴りは必要以上に威力が乗っており、華奢な体では耐え切れない。 せりあい、ポストプレー――接触プレーを信条とする彼女が負傷をする。 それは――通常の選手以上に致命的な事である。 強く背中を叩かれたせいか、呼吸がままならない。 ごきりと軋んだ骨が、痛い痛いと泣いている。 宮永 咲 (泣きたいのは私だよ……!) 勝って全国に行くのだ。 みんなで勝って、みんなで全国に行くのだ。 こんな所で負傷なんて、しちゃいけなかった。 蹴られた背中から、くるくると花が散るように回転して落ちる。 ロクな受け身を取ることも出来ず、もんどり打って地面に叩きつけられた。 須賀 京太郎 「咲ぃっ!」 "あれはどうみても反則だろ?" "咲は無事なのか?" 2つの意志がこもった叫びが打ち上がる。 抗議に行くまでもなく、反則の笛がピィィと鳴り響く。 欠片の遅滞もなく胸ポケットに差し入れられた手が、 黄色い札――警告のイエローカードを握り、掲げていた。
[294]私の巫女様 ◆Miko/icOEk :2015/12/13(日) 06:04:26 ID:??? 一旦ここまでです。
[295]森崎名無しさん:2015/12/13(日) 18:50:13 ID:??? (アカン)
[296]私の巫女様 ◆Miko/icOEk :2015/12/14(月) 03:03:26 ID:??? 審判 「君! 平凡中学校との試合でも同じような反則をしていたよね!? いけないよ本当に、次はないよ! 次に反則をしたら退場だからね!?」 黒咲 明堂 「……」 審判 「まったく、なんて荒っぽいチームだ……」 カードを即座に出した後、俯いたままの明堂さんに警告を発していく審判。 物言わず、静かにうつむいている姿を反省していると捉えたのか―― 清澄中学校サイドにフリーキックの準備をするように告げると、スッと離れて行きました。 黒咲 明堂 「……はぁ」 君代 命 「明堂さん、……明堂さん?」 審判が離れてもなお俯いたままの明堂さんに近寄ると――。 黒咲 明堂 「はぁ……はぁ、はぁ、はぁ……!」 君代 命 「……!!」 幽霊でも見たように青白い顔で、息を切らして震えていました。
[297]私の巫女様 ◆Miko/icOEk :2015/12/14(月) 03:04:53 ID:??? 黒咲 明堂 「み、命か……あいつを倒せたか? ち、ちゃんと私はアイツを撃ち落とせたか? なぁ、どうなんだ……私はちゃんと、ちゃんとうまくやれたか?」 橘 風華 「……(明堂さん)」 君代 命 「め、明堂さん……それは……」 『やれてないんです、完全に反則です……』 とは言い出せなかった。 怯えたように震える明堂さんを見ていると、 叱りつければ――壊れてしまうのでは? としか思えなかったから。 明堂さんをどうすればいいのか分からず、力なく背中に手を添えるだけ。 手のひらから震えと、びっしょりと張り付いたユニフォームの感触が伝わる。 君代 命 (汗……いや、冷や汗ですか) しばらくそうしていると、震えが少しづつ収まり。 がし、と私の腕を明堂さんが掴む。 君代 命 「ひゃ――」 ぐい、と引っ張られる感触。
[298]私の巫女様 ◆Miko/icOEk :2015/12/14(月) 03:08:17 ID:??? 君代 命 「この……」 グイ 倒されてなるものかと後ろへ体重をかけてやれば、 明堂さんはぐぐーっと立ち上がって――私を利用して立ち上がったんですか。 君代 命 「明堂さん、あなたは……」 黒咲 明堂 「言わなくていいわかってる――私は "また" やったんだな? 平盆中学校戦以来か、1試合ぶりの反則だな……」 遠くを眺めているような、どこも見ていないような空っぽの目。 ガラス球を瞳にはめ込んだ、人形のような悲しいそれ。 守ってあげなければ壊れてしまう、強くて脆い明堂さん。 黒咲 明堂 「私は――どうなる? この試合まだ使ってくれるのかね? それとももうお役御免かい、こんな女は」 自虐気味に、舞台俳優のようなオーバーリアクションでおどけてみせる明堂さん。 橘 風華 「私情を排していいますが――明堂さん、飛べるのはせいぜい1回ですよね」 黒咲 明堂 「ああ、違いない。 後1回飛べば今度こそ役立たずだろう、私にしてはよく飛んだんじゃないか? ……くく、今日は体が軽くてね。 行けると思ってたんだが」
[299]私の巫女様 ◆Miko/icOEk :2015/12/14(月) 03:11:34 ID:??? 身体が軽い――と言うのは私の "キュア・ウーンズ" が原因でしょう。 疲労を取り除いてあげたんですから、当然といえば当然の話。 それでも後1回、それが明堂さんの限界だと言っている。 橘 風華 「……決勝戦。 この試合に勝てれば決勝戦ですが―― 【レッドカードさえ受けなければ】次節出場停止にはなりません」 黒咲 明堂 「……言いたいことは分かったよ。 私にここを出ろと、そう言いたいんだな風華?」 無言の肯定。 ずしりと重い態度は、そう思っていることを隠そうともしない。 お二人は友人では――いや、友人だからこそ言えることもあるのですか。 橘 風華 「後1回、明堂さんに跳ばせるのもアリだと思います。 けど疲労で動きの鈍った明堂さんが、あのFWに勝てますか?」 黒咲 明堂 「……やれというなら勝ってみせるさ、私を甘く見るなよ。 それこそ相手は手負いだ、3回目はない」 橘 風華 「……そうですか(この期に及んで……)」 表情を隠しながらも、強気の姿勢を崩さない明堂さん。 私は明堂さんに――。
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0ch BBS 2007-01-24