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【レイセン】鈴仙奮闘記33【アレアレオー】
[592]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/30(水) 01:33:02 ID:??? …と、言ったところで今日の更新はここまでです。 皆さま、本日もお疲れ様でした。
[593]森崎名無しさん:2015/12/30(水) 05:57:41 ID:??? >上記ルールについては、今後変更の可能性があります。 やっぱりチーム数の変化かな。自分たち、ハイパーカンピオーネ、イヌカマッセ王国etc 乙です
[594]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/31(木) 00:00:37 ID:dummy0o2 こんばんは、書いてる途中ですが長くなったので一旦切って更新します。 >>593 乙ありがとうございます。チーム数については16のままにして、 新チームやハイパーカンピオーネは、既存の国枠(カナダ、マレーシア等)を後から買収したという形で登場させようと思っています。
[595]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/31(木) 00:02:13 ID:??? 鈴仙「一体、今度は何なんですか!?」 永琳「……あんたがプロジェクト・カウンターハクレイに合流したら困ると思っていて。 なおかつ、銃器を持った私兵を雇える余裕のある勢力の仕業ね」 鈴仙「そ、その位は推測できます。それがどこかが……って、きゃわわわっ!」 パァン、パァン!! 永琳「考えるのはその位にして、あんたは早く姫様と合流しなさい。 姫様が、ここからあんたを送り出す手段を持っているから!」 鈴仙「は、はい……! 師匠は……!」 永琳「私はここを守る。中山君達やウサギ達の安全は保障するわ。 ……さあ。いち、にの、さんで出るのよ。銃なんてそう簡単に連射できるものじゃないからね。 タイミングを掴めば被弾は避けられる筈――と、この程度の説明は不要だったかしら?」 鈴仙「――私だって、伊達に兵士やってませんでした。きっと無事に出発しますよ! ……それーーーっ!」 バッ! ダダダダダッ! ――パァン、パン、パン! ババババババッ! 鈴仙「(めっちゃ連射してるじゃないですか、師匠……! ていうか、一杯居る……軍服を着た兵士が! これは一体、どういう事なのかしら……!?)」 永琳との別れを済ませた鈴仙は、永遠亭の廊下を駆け抜ける。 そこでは現代風の軍服に身を包んだ私兵と思しき兵士たちが、拳銃やマシンガンを手に鈴仙を着け狙っていた。
[596]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/31(木) 00:05:39 ID:??? 兵士A「いたぞ! あれが鈴仙・優曇華院・イナバだーっ!」 兵士B「生死は問わん、必ず捕まえろ!!」 パン、パァン! 鈴仙「よ、容赦ないわね! それっ!」 シュンッ、スカッ。パン、パァン! 兵士C「こっちか!」 鈴仙「甘いわ。鈴仙キックを食らいなさい!」 ブン、ドゴオオッ! 兵士D「ならば――」 兵士E「三人掛かりだ!」 兵士F「三人に勝てる訳ないだろ!!」 鈴仙「それなら……私の瞳が、アンタ達の認識を歪めるわ!」 ブウウウン……グラリ、バタン。 男たちは容赦なく鈴仙の心臓や頭部を狙って銃を連射する。 物理的な銃撃のみでは、玉兎たる鈴仙を絶命させるには足らぬ筈であるが……。 それは常識を否定する、幻想郷の結界があった事も大きい。 結界が破れ、妖怪と人間の境界が曖昧になりつつある今、銃撃をまともに受けたらどうなるか。 ――脳裏に浮かぶ「死」の恐怖を抑えながら、鈴仙は卓越した身体能力を駆使して逃げ切った。 (窮地の際、鈴仙の「狂気の瞳」が役立った事も大きかった)――そして。
[597]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/31(木) 00:06:53 ID:??? 〜永遠亭・玄関口〜 ワアアアアアア……!? ガヤガヤ……! アナウンサー「て、テロが発生しました! 我々の侵入に呼応して、現地の警察が動いたのでしょうか!? しかし彼らは我々に匹敵する程高度な文明機器を手にしており、幻想郷地区の政治体制の謎が、ますます深まりました! か、カメラマン。早く我々も避難を……ぎゃわーーーっ!?」 ボーンッ! パン、パン、パァン!! ウサギD「うわーーん、つかさちゃーーん!」 つかさ「大丈夫よ、Dちゃん……あっ、こっちにも兵士が……!」 兵士「お前が鈴仙・優曇華院・イナバか!?」 グッ、パァン! ……ガシイッ! 輝夜「――おお〜っと。ウチのペットにオイタをするとはメチャ許せんわね。 あんたなんか……冥王星にブン投げてやるわ! それぇーーーーっ!」 ブン、ブンブンブンブン……バヒュウウウッ!! ――キラーン。 鈴仙「――姫様、相変わらずスゴイ馬鹿力ですね。……でも、凄いです!」 輝夜「おっ、漸く来たわねイナバ。アンタが来るまでにこっちは準備で忙しかったんだから!」 ――輝夜が待つ永遠亭の外庭は、廊下以上に混沌としていた。 先程から輝夜をインタビューしていたマスコミ陣は物々しい乱入者に慌てふためき、 早々に逃げる者や報道を続ける者が滑稽に右往左往している。 そんな中、百はあろうかと思われる迷彩服の兵士達が永遠亭のウサギ妖怪を脅迫しつつも、 多くは輝夜の剛腕と見事な弾幕によって、バッタバッタと薙ぎ払われている。
[598]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/31(木) 00:08:15 ID:??? 鈴仙「師匠が仰ってました。姫様が私を送り出す手段を持っているって………!」 輝夜「ええ。えーりんは今日の展開すらお見通しだったからね。 ちゃーんと、永遠亭の倉に用意しといてたのよ。あんたを外へ送り出す手段!。 ……てなわけで、後の現場は宜しくね、てゐ!」 てゐ「――チッ。折角人畜無害なウサギTちゃんのフリをしてたのに。 ……ま。私もイナバ達を決して死なせたくは無いからね。頑張るよ」 輝夜達と合流した鈴仙は、後の防衛をてゐに任せて永遠亭の蔵へと向かう。 一見古臭い蔵であるが、ここには輝夜や永琳が持ち出した月の財宝が残されているというが――。 果たして、そこにあったのは月の財宝では無かった。 鈴仙「こ、これは……!?」 蔵の中に収められていたのは、近未来的なデザインのメタリックな自動車だった。 二人乗りと思われるその車は収容人数に反して巨大で、恐らくはさぞ立派なエンジンが備え付けられているのだろう。 メカメカしい流線型のボンネット。その先端には猛牛をあしらったエンブレムが飾られている。 鈴仙「も。もしかして……、姫様。これが外の世界でも高くて有名な、『ふぇらーり』って車ですか!!」 輝夜「――イナバ。あんたもしかして、高そうなクルマは全部フェラーリだと思ってるわね。 残念、これはランボルギーニのウン十周年記念車よ! 最大馬力は750馬力で、最高速度は時速365キロ。 僅か3秒足らずで時速100キロまで加速しちゃうんだから。 いやー、流石に300万ユーロ(現代の価値にして約4億円)は高かったけど、えーりんから買って貰ってて良かったわー」
[599]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/31(木) 00:09:47 ID:??? 鈴仙「(――師匠。永遠亭の財政はいつもカツカツって言ってたのに。姫様にどんだけ貢いじゃってるんですか……!)」 輝夜の説明を聞いて、正直言ってブン殴りたい衝動に駆られる鈴仙だったがここは敢えて堪える。 この車がどうやら、永琳が言っていた脱出の手段である事には違い無いようだったからだ。 輝夜「そんなワケで。イナバはこの私が責任を持って外まで送ってあげるからね! コスタ・コンコルディアに乗ったつもりで安心して乗んなさい!!」 鈴仙「(コスタ・コンコルディアって。座礁して転覆した船じゃないですか……」) 果たして輝夜は車を運転できるのか、などと言う些末な不安を掻き消して、鈴仙はその高級車に乗り入れる。 鈴仙「(――あっ。やっぱり乗り心地良い……)」 そして、そんな暢気な感想を抱けたのは僅か3秒の間だった。 輝夜「うっしゃー、エンジン全開よ〜!」 ブロロロロロロロロロロロッ! ゴオオオオオオオオオオオオオオオッ! 鈴仙「ギャーーーッ、し、シートベルト付けさせてくださーーいっ!?」 車は直ちに、内部にいても耳をつんざくような悲鳴を上げて発進した。……後ろ方向に。 アナウンサー「あっ! イタリア製の高級車が蔵から飛び出して来ました! 時速百キロで兵士達のみを器用に跳ね飛ばしながら屋敷を後にします!! しかし時価数億円もの高級車が蔵にあるとは。ますますこの屋敷の正体が分からなくなります!」
[600]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/31(木) 00:11:03 ID:??? 鈴仙「ひ、姫様ぁ……!? 私、先に交通事故で死んじゃいますう……!」 輝夜「人間も妖怪も、そんな簡単には死なないって! さぁ、今から外の世界に向かってゴーよ!」 ブロロロロロロッ、ギャリッ、ギャリギャリギャリッ!! ……鈴仙の永遠亭からの脱走劇は、時速365キロで竹林を駆け抜ける一台の高級車によって成功した。 〜迷いの竹林〜 ブロロロロロ…… 輝夜「――さーて。これで追手どもは大体撒けたわね」 鈴仙「ひ、姫様ぁ。無茶しないで下さいよぉ……」 輝夜「まあまあ。イナバ達も永琳やてゐが居るから大丈夫に決まっているし。 それに中山さんとパスカル君も、それぞれサッカー協会の精鋭が保護に向かったって聞いているわ。 永遠亭は……ちょーっとぶっ壊れちゃったかもしんないけれど……形ある物いつか滅びるっていうし。 また全てが終わったら、新しく建て替えれば良いもの」 鈴仙「(このプラス思考、本当に凄いなぁ……)」 そしてプロジェクト・カウンターハクレイメンバーの集合場所である、 幻想郷と外界を隔てる集落に向けて、鈴仙と輝夜は路無きドライブに明け暮れていた。 途中でガタガタと竹を薙ぎ払い、あるいは薙ぎ払われて竹林も車もボロボロであるが、 もはやそこまでを気にする程の精神的余裕が鈴仙には無かった。
[601]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/31(木) 00:12:34 ID:??? 鈴仙「……でも。外の世界の報道機関はともかく。さっきの兵士は何だったんでしょうか。 永琳様は、私がプロジェクト・カウンターハクレイに合流したら困ると思っていて。 なおかつ、銃器を持った私兵を雇える余裕のある勢力の仕業と言っていましたが」 輝夜「んー、私はその辺詳しく分かんないけれど……、聖徳ホウリューズの連中の差し金かもしんないわね。 漁夫の利狙いのハイエナ集団だし、今まで幻想郷に姿を見せなかったし、外界との繋がりも強いっぽいし。 幻想郷と外界が接触するXデーに乗じて、武力で政権を獲得するつもりだったとか」 鈴仙「――な。そ、そんなの、あの八雲紫が許す訳が……! ――って、あっ……!?」 輝夜「幻想郷を愛する、かつての八雲紫だったらそうかもね。 でも考えてみなさい。今のあのスキマ妖怪はもはやスキマ妖怪ですら無い。 月の一罪人にひたすら粘着し続けるだけが生きがいの、迷惑女に取り憑かれてるんだから。 聖徳太子の一人や二人どうでも良い、みたいな発想になっててもおかしく無いわ」 鈴仙「確かに……そうかも」 半年後の大会に勝利する事を目標に捉える余り、過程を省みる事を忘れた八雲紫。 用意周到な神子の一派が彼女の変化をいち早く察知し、 それに取り入る術を事前に考えていたとしてもおかしくは無い。 鈴仙「(私達の敵は……八雲紫だけじゃない。 きっとこの先、豊聡耳神子が掲げる幻想郷乗っ取り計画――『ハイパー・カンピオーネ』計画を潰す事が必要になる。 そして。私は今度こそ――『あの子』を。妖夢を助けてあげなくちゃいけない……!)」 八雲紫を取り込みつつある純狐を止め、豊聡耳神子の私欲にまみれた計画を潰す。 そして――狂った計画に巻き込まれた親友を救い出し、鈴仙は自身のあるべき道を世界に示す。 これからの物語は、単に誰かの背中を追うだけでは進まない。 鈴仙自身が真なる意味で主人公となり、この世界を、親友を、仲間達を。そして自分自身を取り戻さなくてはならない。
[602]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/31(木) 00:13:41 ID:??? 輝夜「……イナバ。あんたビビってるわね。これからの自分を待ち受ける運命ってヤツに」 そんな風に考えていた鈴仙の内心を見透かしたように、 輝夜はハンドル片手に、助手席の鈴仙に身を乗り出し問いかける。 鈴仙がそれにゆっくりと首を縦に振ると。 輝夜「はぁー。若いわねぇ。若い若い。私より十億才くらい若いわー」 鈴仙「何ですか。その唐突かつ雑な年長者アピールは……」 輝夜はフロントガラスを見るのも忘れて鈴仙を見据え、こう言い放った。 最初鈴仙は、またいつもの面倒なノリが始まったと思ってつっけんどんに答えていたが。 やがて輝夜が真剣に鈴仙を案じて言葉を選んでいる事に気付いた。 輝夜はふうと溜息を吐くと、普段の飄々とした表情を保ちながらこう続けた。 輝夜「……運命なんて、気にするモンじゃないわ。 あいつ等は残酷に人を別ち、大切なモノを奪い、何ら悪びれる素振りも無い。 ――そんなヒドい奴の事なんて考えてても、明るい気持ちになんてならないわ。 だから、ただ、自分の心で感じたままに。自分が楽しいと、自分が正しいと思えるように。 それだけを考えて行動するようになさい。――だってこれは、あんたの物語なんだからね!」
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0ch BBS 2007-01-24