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【レイセン】鈴仙奮闘記33【アレアレオー】
[90]森崎名無しさん:2015/12/07(月) 21:20:05 ID:Js5oI/7U C
[91]森崎名無しさん:2015/12/07(月) 21:21:42 ID:yINcLbUg C
[92]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/07(月) 23:51:06 ID:ppMutyoQ C:しゅんとした表情のみとりと、それを詰るパルスィに話しかける。 パルスィ「どうしたのよ。今日はヤケに頼りないわね」 みとり「ご、ごめん……。何だか、緊張しちゃってさ」 鈴仙「(あれは……)」 宴会一歩手前にまで盛り上がったロッカールームに、 冷ややかな声が混じっていたため、鈴仙は思わず後ろを振り向く。 そこにはパルスィとみとりが、それぞれ真剣な表情で言葉を交わし合っていた。 パルスィ「そのくらい分かってる。私は刹那的な日和見主義者の土蜘蛛や、 脳みそには筋肉しか詰まっていない鬼とは大違いだもの。 あんたがどうして今日の大会に想いを寄せてたかも、部外者なりには知ってた心算よ。 そして、だからこそ言うの。……そんなふざけた態度、妬ましいから止めてくれないかしら」 パルスィは辛辣な口調でそう言ってのける。 内容から察するに、彼女も完全なる敵意でみとりを詰っている訳では無いようだったが、 それでもあんまりな言い方に、鈴仙はどうしても黙っていられずに。 鈴仙「……ちょっと、言いすぎじゃないの? 試合前に萎縮しちゃったら、どうしようも無いわよ」 と、二人の間に割って入ってしまう。 みとり「あっ……鈴仙」 パルスィ「……ふん」
[93]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/07(月) 23:52:11 ID:ppMutyoQ パルスィはそんな鈴仙のお節介な態度が苛立たしかったのか、 小さく鼻を鳴らすとそのままそっぽを向いてしまった。 残されたみとりはおどおどとした様子で鈴仙とパルスィを見比べつつも、 みとり「……心配してくれてるんだね」 と、鈴仙に向かって小さく礼をする。 鈴仙「心配って柄じゃないけどね。折角の試合が楽しめないってのも嫌かと思って」 みとり「ごめんね。でもパルスィも悪気があってあんな口調じゃないから。 というか彼女、大体全ての人間妖怪に対してあんな感じだから」 鈴仙「確かに……」 パルスィ「聞こえてるわよ。そうやって仲良しアピールするなんて、妬ましいわね」 当のパルスィも、実際は鈴仙の態度をそこまで気に留めていないのか、 そのまま振り返って、鈴仙のために話を続けてくれた。 パルスィ「――みとりは、決勝で今まで疎遠だった妹と会う為にブリッツボールをやって来たのよ。 八雲紫が旧地獄と地上との境界を解放し、古明地さとりが地底と地上の親交に尽力しているけれど、 私達は地底の妖怪というだけで差別と偏見を受けているから。 怖がりの彼女は、こういう機会でも無ければ外に出られなかったんだもの」 鈴仙「えっ、そうなの?」 みとり「……うん。ほら、河城にとりって知ってるよね? 河童の中でもとびきり商魂たくましくて変人だって、地上では評判なんだよね? ――その子、私の妹なんだ。母親は違うけどさ」
[94]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/07(月) 23:53:12 ID:??? パルスィの説明もあって、みとりは改めて、今日の試合に懸ける想いを鈴仙にも教えてくれた。 これまで互いに存在は知っていたけど、地上と地底の関係もあり、中々会えなかったこと。 ブリッツボールをしていると分かり、共通の趣味でいつか仲良く遊べる日を楽しみにしていたこと。 そして――その日が今まさに今日であるということを。 鈴仙「そうだったのね……私、考えてみれば今まで知らなかったわ」 パルスィ「それなのにこいつったら、土壇場で緊張しちゃって。それで私がゲキを入れていたのよ。 それをあんたは邪魔したってワケ。あーもう、妬ましい妬ましい。ぱるぱるしちゃうわ」 鈴仙「(ぱるぱるって何だろう……?)」 パルスィは不機嫌そうに鈴仙に言い放つ。 捻くれた横顔は相変わらずだったが、その姿は友人を想う健気な少女そのものであり、 鈴仙が日ごろ抱いていた陰湿で汚らわしい、橋姫という妖怪が持つイメージとは離れて見えた。 みとり「――でもね」 そんな中、みとりがパルスィに聞こえないようにそっと鈴仙に耳打ちしてくれた。 みとり「……私、鈴仙が庇ってくれた時。ちょっと嬉しかったよ。ありがとね。 私達……ともだち……じゃないや。にとりが言ってるアレだよね。盟友! 盟友だよね?」 鈴仙「――うんっ」 鈴仙はそんな無邪気な響きに、笑顔で頷いた。 *みとりとパルスィの評価値が上がりました。
[95]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/07(月) 23:54:34 ID:??? ***** 〜妖怪の山・ブリッツスタジアム〜 実況「……さあ! いよいよ始まります! 第×回・幻想郷ブリッツボール大会の決勝戦! 機器の故障により、延期に延期を重ねて満を持して行われる決勝戦が、今ここに迫っています! 優勝常連の霧の湖エイブスに対するは、なんと幻想郷一の弱小チームである旧都オーラカ! あまりの弱さに地獄の妖怪はおろか、地獄の妖怪に嫌われている覚り妖怪にすら嫌われていると専ら評判の弱小チームが、 今! 奇跡的にこの決勝戦の舞台に立てています! 彼らにはいい記念になっている事でしょう!!」 鈴仙「……相変わらず、ヒドイ実況ね。クレームとか来たりしないの?」 みとり「クレーム以前に、観客の分母が少ないからね。 これで騒いでくれるなら、逆に喜ぶと思うよ。運営委員会は」 スフィアプールと呼ばれる球体に水が詰め込まれるのは幻想的な光景だが、 それを見て喜ぶ観客は一人も居ない。年を取って痴呆が進んだ天狗やら河童が集まって、 内輪でギャーギャー楽しげに騒いでいる以外に、観客の姿は殆ど見当たらなかった。 ……しかし、それでも応援に駆けつけてくれる選手の関係者は一定数居た。 さとり「……何ですかこの遺跡は。冷暖房は無いし座席にクッションは無いし。 お燐が出場するというから来てみたのに、お燐はスタメンじゃないと言うし。 はぁ。一体どうしてこんなトコに来たんだか」 空「おりーん! 矢車さーん! 頑張ってねー!」ブンブン お燐「あ、さとり様だ〜。なんか聞こえないけど、多分ブツブツ文句言ってるね。 おーいお空、あんたの持ってるのは旗じゃなくてさとり様の日傘だから、きちんとかざしてあげるんだよ〜。 さとり様が吸血鬼だったら、今頃十回位は死んでるからね〜」 矢車「あの女(さとり)……太陽で蒸発しないのか。初めて知った。 俺はいっそ、このまま太陽にあぶられ灰になりたいというのに……」
[96]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/07(月) 23:57:04 ID:??? 中西「お、アレがワイの勤め先の若奥さんや。どや、美人やろ?」 岬「(ブリッツボール、か。この技術を外界に持ち込んだとして、日本で売れるかな。 タイやマレーシアみたいな、海に親しい国や地域なら案外がウケが良いかもしれない)」 見上「(……話によれば、源三は今、このスポーツに打ち込んでいるとか。 ――奴も挫折を味わい、何かが変わったか……?)」 幽々子「中西くん、試合終わったらそっちの日本サッカー協会のお客さんもウチに招待しなさい。 それでとびきりのうどんを振る舞うのよ。主に私にね〜」 矢車とお燐は、地霊殿の当主が直々に応援という名誉を得て(さとりは矢車の方を一瞬たりとも見なかったが)、 幽々子は早速、応援に駆け付けた丁稚奉公の少年とその同僚に試合後の会食を勧めている。 そして鈴仙や妹紅の方にも……。 佳歩「鈴仙さま〜! 頑張ってください!」 てゐ「中山さんとパスカル君は置いて来た。だってここまでの道、整備されて無さ過ぎでしょ。人間には通れないって。 如何に妖怪の山連中がこのスポーツに金を掛けて無いかがよ〜く分かるよ」 鈴仙「佳歩、それとてゐまで……!」 慧音「妹紅、熱くなってスフィアプールの水を蒸発させるなよー?」 妹紅「分かってるってば、慧音。精々があの水を沸騰させるくらいだ!」 ――ルナティックスの一部メンバーが、遥々迷いの竹林や人里からここまで応援に来てくれていた。 鈴仙と妹紅はそれぞれ親しい仲間と僅かの会話を楽しみながら、スフィアプール前に整列する。 そこにはもう、臨戦態勢の霧の湖エイブスメンバーがしっかりと集まっていた。
[97]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/07(月) 23:58:32 ID:??? Pワカサギ「ふふん。雑魚どもが楽しそうにさえずるわね。私もわかさぎだから、雑な魚だけどね!!」 小町「サッカーだとあんまし活躍できんかったからねぇ。こっちではそこそこ活躍したいな」 ボッツ「だ、大丈夫かなぁ? 俺のせいで負けるんじゃ……?」 ダット「(何がプリンセス・ワカサギだ。俺が今日、この試合でアイツを越えてやる!)」 鈴仙「(うわぁ。あの先頭に居るのがわかさぎ姫……じゃなくてプリンセス・ワカサギかぁ。 水中だと力を増す程度の能力の名に違わず、水を前にして自信に溢れてるわね」 鈴仙は主にPワカサギを中心に、霧の湖エイブスのメンバーを見る。 前の雑魚妖怪チームで当たった時も、鈴仙が好きな晴嵐を否定された事もあってわかさぎ姫とは話しづらく。 小町とは前の試合で顔を合わせてはいたが、あくまで顔を合わせれば喋る程度の仲であるし、 あまり顔なじみで無い人里の住人達も居るために、特に会話をしたいという気も起こらない。 その為、鈴仙は黙って後方まで視線を向ける事にすると。 カルツ「ほうむ。これが最近噂になりつつあるニホンの聖地・ゲンソーキョーか。 ひさかたぶりに異母兄弟に会おうと来日したら、道に迷ってこんなトコに辿りつくとはのう……」 鈴仙「(あのオヤジみたいな顔をした金髪が、多分パスカル君やらの言ってたヘルマン・カルツって奴ね。 しかし、これから試合ってのに爪楊枝加えてるし。なんかばっちいわね……)」 鈴仙はまず、視界に老け顔の少年を捉えた。 いや、中山やパスカルの事前の情報が無ければ、アレを少年とは到底思わなかっただろう。 鈴仙「(――でも、噂が本当なら、彼はサッカーの強豪国・西ドイツでも五指に入るべき名選手。 きっとブリッツボールでも、その運動能力の高さを遺憾なく発揮するでしょうから、注意しないとね。 さて。みとりは今頃、にとりと上手い事やってるのかしら……?)」
[98]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/08(火) 00:00:09 ID:??? そして鈴仙は次に、恐らく仲良く話し込んでいるであろう河童の姉妹 ――河城みとりと河城にとりの動向を覗き見るも。 みとり「……あ、あの」 にとり「――うん。話は試合が終わったらにしよっか」 一応姉であるにも関わらず、今にも泣きだしそうな顔をしたみとりを、 にとりは涙も枯れたような目で、淡々とあしらっていた。 それは久しぶりに会った実の姉に対する態度にしては淡白に見えるも。 鈴仙「(――やっぱり、上手くはいかないか。でもきっと……試合が終わったら上手く行くよね?)」 先程のパルスィの件も踏まえ、鈴仙は敢えて余計な口を挟まず。 二人の関係がブリッツボールを通してこれから良くなっていく事を祈った。 そして――。 バッ! バシャバシャッ……! 実況「さあ……! 今、全選手が巨大なスフィアプールの中に入りました! 間もなくブリッツオフです!」 ――ワアアアッ……! 弱小チーム同士のサッカーの練習試合程の観客が見守る中、 ブリッツボール大会の決勝戦は始まろうとしていた。 Pワカサギ「絶対負けないわ。お父さんの名にかけてね!」 鈴仙「パルスィじゃないけれど。……親がどうとかなんてどうでも良いわよ!」 FWとして鈴仙とプリンセス・ワカサギは共に真正面に立ち、ブリッツオフの瞬間を待った。
[99]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/08(火) 00:02:11 ID:??? 実況「3、2、1―――!」 バァァァァンッ! やがて、審判の合図とともに、青と白で彩られたブリッツボールは、 球体の中央から勢いよく空へとはじき出されて……。 先着1名様で、 ★前半ブリッツオフ→!card★ と書き込んでください。マークで分岐します。 JOKER→その時、謎の巨大生物が乱入! 鈴仙「あれは……?」カルツ「ワシらは『シン』と呼んでいた」 ダイヤ・ハート→オーラカボールで試合開始 スペード・クラブ→エイブスボールで試合開始
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0ch BBS 2007-01-24