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【契約書に名前】鈴仙奮闘記34【書いてみて】
[919]森崎名無しさん:2016/02/14(日) 21:25:16 ID:??? マジでゲシュマイディッヒ・パンツァーをシンクロ召喚したんじゃね?
[920]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/14(日) 21:48:35 ID:??? こんばんは、ゆっくり&文章中心となりますが更新再開します。 >>910 集いし力が拳に宿り鋼を砕く(拳で防ぐとは言ってない) >>912 キーガンさんに続いてサルサノさんが誕生し、ブラジル代表GK入りする可能性が微レ存ですねw >>913 この試合に限っては決定率0%ですね… >>915 結果だけ見れば2ゴールで上々ですが、妖夢自身が納得できるかは別な話ですね。 >>916 ポスト2回として考えても1/166ですから、奇跡に近いレベルだと思います。 >>917 こうなるとあまりのショックでマジでやりかねないですね…
[921]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/14(日) 21:54:26 ID:??? >>918-919 まさかサルサノさんがここまで評価される流れになるとはw コインブラやカルロス零封って森崎で漸く出来るかできないかのレベルですよね。 まあ4のコインブラ君カルロス君は2や本スレ程の強選手じゃ無いですが… ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ★妖夢→待宵反射衛星斬 64 ( スペードA )( 4 + 3 )=71★ ★トニーニョ→低いクリア 55 ( ハート2 )( 2 + 5 )+(人数補正+1)=63 キーガン→ブロック 52 ( ダイヤ9 )( 3 + 3 )+(人数補正+1)=59★ ★サルサノ→パンチング 55 ( クラブK )( 6 + 1 )=62★ ≧2→妖夢の待宵反射衛星斬がパルメイラスゴールを切り裂く! ※シューターのカードとキーパーの数値の和が14となったため、ポストとなります。 ゴオオオオオオオッ! トニーニョ「――相変わらず、凄いスピードだ……!」 キーガン「すまん、取れん……!」 サルサノ「も、もう万事休すだ……!」 パルメイラスで守備に出たメンバーは、総じて私が繰り出したシュートに絶望していた。 空中に飛び出して右脚を真剣の如く振り抜いて、速度のみに特化した私の奥の手、 『待宵反射衛星斬』は先程の失敗を黒く塗りつぶすように、絶対の速度と精度をもってゴールを抉ろうとしていた。 ……しかし。
[922]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/14(日) 21:55:59 ID:??? ガイイイ………ン! 妖夢「……!?」 あり得ない音が起きた。完璧な私が決して上げる事の無い金属的で無機質な音。 そしてそれは私にとって、恐怖と絶望の象徴とも言える音だった。 実況「えっと……こ。これは、ゴールポストだ! 妖夢選手、必殺のシュートを放ったは良いが、 なんと……なんと! ボールを思い切りポストに当ててしまった〜〜!」 ストラット「!? ……全く、しっかりしてくれよ!」 グワァァァッ、バシュウウウウウウウウウッ! サルサノ「……ぐっ!(駄目だ。ヨウムのシュートでバランスを崩してしまった以上、俺では……!)」 ズバァァァァァァァァァッ、ピピィイイイイイイイイイッ! 実況「……幸いにも零れ球自体は味方のストラット選手がボレーシュートでねじ込みを図り、 サンパウロFCは駄目押しの7点目を挙げる事は出来ましたが……。 ――しかし。しかし! 妖夢選手、どうしても今日はパッとしません!」
[923]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/14(日) 21:57:16 ID:??? 妖夢「……う、う。ああ……?!(ど――どうして。どうして! どうして、こうも決まらないの!? 私は何も間違っていない。辛い特訓もこなして強くなったのに。 なのにどうして、私はまだ過去のような失敗を繰り返すの……!?)」 着地した私は、素に帰って泣き叫ぶのを辛うじて堪えるので精いっぱいだった。 バビントン君の優しい言葉を省みず、完璧を誓った結果がこうだとしたら、 私はなんて滑稽な道化なのだろうか。考えると泣くのを通り越して笑いすらこみ上げて来る。 ストラット「――結果的には俺達のゴールは変わり無い。 それに、一流のFWがポストに悩まされるのは決して恥ずかしい事じゃない。 シュート機会が多くなる以上、畢竟、ポストやミスキックの回数は増える」 ゴールを挙げたストラット君は、ハットトリックを喜ぶよりも先に私の隣で小さくそう呟いた。 ……明らかに動揺していた私を叱咤しても逆効果だと捉えたのだろうか。 彼が叱咤では無く、冷静に語り掛けるのは珍しかった。 妖夢「私は、また迷惑を掛けてしまった……」 無意識に私はこう呟いていた。 ここで罪悪感を述べようが、チームメイトに謝罪しようが、今後の奮起を誓おうが意味など無く、 プロサッカーの世界においては、失態の穴埋めは次の結果で行う物だと知っていながら、 私は自分自身を慰める為の言葉を並べずにはいられなかった。 翼「……………」 そんな様子を、翼君が笑顔のまま黙って見つめていた。 彼は再び私に失望しただろうか。それとも、単に次の作戦を考えているだけだろうか。 どちらにしても、彼の不安定な笑顔は私をこの上無く不安にさせていた。 新田「……あ、姉御! ポストなら俺も良く経験ありますって! こないだの紅白戦の時だって……」 妖夢「(――新田君。私を励まそうとしている……)」
[924]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/14(日) 22:00:49 ID:??? それに追い打ちを掛けたのは、皮肉にも新田君の気遣いだった。 彼はおどけたような笑顔で私の肩をポンと叩き、心の底から心配したような声を掛けてくれる。 ……私の所属するサンパウロFCは、概ね理想的なチームだった。 プロサッカー選手としての厳格さを持ちつつも、 不毛な馴れ合いに堕さない程度のフレンドリーシップを持つ選手が多く、 ――そのお蔭で、現に私は今、皆に助けられている。 妖夢「(――同じだ。あの時と……あの、皆に迷惑を掛けて、惨めで暗くてどうしようも無い、 幻想郷での、あの大会の時と、同じだ……!!)」 そして、そんなチーム環境は……私の心の奥底に封じ込めたトラウマを想起させるに充分だった。 ストラット君の穏やかさが、翼君の掴みどころの無い笑顔が、新田君の優しさが、申し訳なかった。 妖夢「(どこに行っても、何をやっても同じ。私は、弱いせいで、他人に迷惑を掛けてしまう……!」 藍「――妖夢。確率学的にもポストの確率は7%もあるんだ。そう決して珍しい数値じゃない」 幽々子「あらあら。妖夢ったら、相変わらずダメダメね〜。でも、ま。そんな所も可愛いんだけど」 橙「えっと……。よ、妖夢さんだったら何とかなりますよ! 頑張って下さい!」 妖夢「(違う。……違う、違う、違う! 私はあの時の私とは違う! 違うはず、なのに……!)」
[925]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/14(日) 22:02:23 ID:??? ――不甲斐ない過去の自分に対するエールが、今の自分に対する励ましとリンクする。 やれ決定率100%だ、全試合ハットトリックだ、銀色の死神などと言われ、 すっかりその気になっていた私の姿はさぞかしお笑いだった。 もしも状況が許すなら、自ら残り半分の命を絶ってでも、私はこの場から逃げ出したかった。 妖夢「(でも、それは単なる逃避に過ぎない。逃げようが、自ら命を絶とうが。 それは私の弱さを証明する事にしかならない……)」 しかし、この場で逃避を選ばない程には、私の心は弱く無かった。 中途半端な強さが、より多くの痛みと苦しみを生む事を、私は身を持って感じていた。 妖夢「(私がもっと強ければ、この程度の失態なぞ気にせず次に行けるのに。 私がもっと弱ければ、この場から逃げ出して、全てを忘却の彼方に押し込めるのに……!)」 翼「……さん。魂魄さん?」 ……私が我に返れたのは、翼君の声がきっかけだった。 私は結局、暫くの間茫然とPA前に立ち尽くしていたみたいで、 キャプテンの彼が声を掛けて来てくれたようだった。 翼「随分とショックを受けていたようだね。大丈夫?」 妖夢「……もう、大丈夫だ。問題無い」 翼君は言葉でこそ私を心配してくれていたが、明らかに訝る様子を隠さなかった。 ……無理はない。幾ら実力が高くとも、たった二回シュートをミスしただけで、 取り乱して狼狽するような選手を置きたくないと考えるのはごく当然だ。 この私の返答に応じて、彼は交代を申し出るつもりだったのだろう。 翼「……ま。試合はもう後10分位だから、別に良いけどね。 頼むから、リオカップの時までは、今のを引きずらないでくれよ?」ニコッ
[926]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/14(日) 22:03:58 ID:??? そして、今の私の対応はギリギリ及第点だったらしく、 翼君はベンチに居るジウ君との交代は提案せず、皮肉交じりの笑顔で返すにとどめた。 妖夢「(……リオカップ。そうだ。私は、そこで優勝しなくてはならないんだった)」 また、彼が何気なく発した単語は、私に残り10分を走り切る程度の動機を与えてくれた。 ……リオカップ。これから約2か月後に開催される、若手サッカー選手の登竜門とも呼べる大会にして、 私が優勝を目指すべき大会。 妖夢「……私はまだやれる。シュートも撃てるし、守備参加もする」 私は翼君にそう告げて、次のパルメイラスのキックオフに備えた。 翼君はそんな私を笑顔で見送った。……何を考えているのか分からない、狂気を湛えた笑顔で。 ***** ――ピピィイイイイイイイッ! ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 実況「……試合終了! 8−0! 8−0でサンパウロFCの勝利です!」 ――そして、その後試合は恙なく終わった。 せめて1点は挙げて帰りたいパルメイラスは後半32分、 幾度も成功を重ねて来たネイとトニーニョのコンビプレイで中盤を一気に突破しようと企むも、 翼君がここで漸く『ファンタジスタ』としての技量を見せてパスカットに成功。 そのまま周囲の声も聞かず「ヒャッホー!」と叫びながら単身突破して、『フライングドライブ』で3ゴール目。 翼君は1試合で3ゴール2アシストと、まさしくサンパウロの元祖スーパースターに恥じぬ活躍を見せる事となった。
[927]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/14(日) 22:06:07 ID:??? 翼「あーあ。流石に1試合10ゴール10アシストは出来なさそうかなァ」 そして、翼君の口からこんな狂った独り言が飛び出す中――パルメイラスは明らかに戦意喪失。 サトルステギとトニーニョとの間にいざこざがあったらしく、中盤から前線への攻めが上手く行かない。 そうこうしている間に、私がもう一度ハットトリックの機会を伺おうとするも、 キーガンを中心とした最終ラインが粘り、得点の機会は結局無く。 トニーニョ「(……やはり。俺にはキャプテンの器が無いのか。……モリサキが居ないと、駄目なのか……?)」 キャプテンのトニーニョが、ファンからのブーイングを受けながらあからさまに落胆して見せる中。 ……こうして今、試合を終える運びとなったのだ。 妖夢「(終わった……)」 そして試合を終えた私は、ほっと胸を撫で下ろす。 最近は試合が終わった後は喜びや悲しみよりも安堵の気持ちを抱く事が多かったが、 色々と波乱のあった試合である今日においても、その感情は同じだった。 妖夢「(だけど、まだ完全な終わりでは無い。もっと、もっと強くならないと……)」 ――今日の試合は私にとって散々だった。一応2ゴールの活躍は挙げていたため、 名指しで糾弾される程では無かったにせよ、シュートミスの後の態度については、 試合後ロベルト監督(を通した翼君)からきつく注意された。
[928]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/14(日) 22:08:45 ID:??? 新田「あの。姉御……」 新田君がおずおずと私に声を掛ける。試合中、私は彼の気配りに礼を言う事が出来なかった。 妖夢「……ありがとう。ごめんね、新田君」 そのため、私はこの場で新田君に対して感謝の意を告げる。 彼は少し照れたように顔を赤らめて、私にこう言ってくれた。 新田「あの……ホントに、姉御は気に病む必要無いと思いますから。 日ごろの活躍度合いで言えば俺なんてカスですし。あ、勿論現状に甘んじる気はさらさらないですけど。 でも、その……。例え何があろうと、俺は姉御の事、凄く尊敬してますから」 妖夢「………すまない」 再び私は謝罪した。謝罪以外に、私は今の自分の感情を表出させる方法を知らなかった。 サンパウロ 8 − 0 パルメイラス 試合終了!
[929]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/02/14(日) 22:10:17 ID:??? …と、言った所で一旦ここまでにします。 出来れば今日中に、パチュリーと妖夢等の絡みを書きつつ、 妖夢の章完まで書いていければと思っています。
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0ch BBS 2007-01-24