※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】
[222]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/04/26(火) 00:35:21 ID:givKRj2E B:穣子の様子を見に行く。 反町「申し訳ないけど。俺、やっぱり穣子さんの様子が気になるから……」 早苗「そうですか……」 反町がそう言うと、早苗は一瞬だけ目を伏せて悲しそうに俯くも――。 早苗「――って、あー。いえいえ! 別に良いんです! 私も突然誘っちゃってごめんなさい! 反町君も、迷惑でしたよね?」 すぐに表情をいつもの爽やかな笑顔に戻して全力でかぶりを振ってみせる。 そんな目に見える必死さが痛々しくもあったが、しかしだからと言って、反町には強い意思があった。 反町「……本当に申し訳ない。だけど……何と言うか。俺、穣子さんの事を放っておけないっていうか。 ハハ……自分でも神様を相手に、なんと烏滸がましい事を言ってるのか、とは思うけれど」 それは反町の本音だった。穣子は秋の実りを司る神様だと知ってはいながら、 一方で明るくて純朴で、子犬のように素直な彼女を、どうしても一人にしたくはなかった。 早苗が如何に魅力的な少女であろうが、穣子を一人に出来る正当な理由があろうが、 反町にとって、そこだけは揺るがなかった。 早苗「いえ。……私だって、分かりますよ。穣子さんって、神様にしてはフランク……っていうか。 むしろあまりに清貧すぎて、逆に守ってあげたくなるというか……。 はっ! もしやこれは新たな信仰のブーム!? これは一考の余地がありそうですね! 反町君! そんな訳で私は、新たな信仰を得る為の旅に出るのでご心配なく!」 早苗はもう、全く悲しそうでは無かった。むしろ新たな研究題材を見つけた学者のように、 目をキラキラと光らせて、思考をもう一歩先の方向へと向けていた。 そして、どんな訳かは分からなかったが、早苗はどこかへと走り去っていった。
[223]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/04/26(火) 00:36:51 ID:givKRj2E 反町「……俺も、穣子さんの所に急がなくちゃ」 そんな彼女の背中を見つめながら、反町も早苗とは反対方向に向かう事にした。 *** 穣子「あれ? 一樹君、どうしたの?」 ……穣子は本当に芋を掘っていた。 校舎外れの植物庭園の一角で、ずっと前から穣子は芋を育てていたらしい。 当然これは事前に学校側の許可を得ているため、校則違反では無いが、 折角のお祭りの日に泥まみれのまま、いつもと同じように芋をいじらなくても良いのにと反町は思った。 反町「……ちょっと、手伝おうと思って」 穣子「うええっ!? そ、そんなぁ! 別にいいよ! 私、こうして畑とかいじるの大好きだから、全然辛くないし!」 穣子は着飾らない本音からそう言っているようだった。しかし、それでは反町が困る。 反町「だけど……一人でやったら時間がかかるじゃないですか。 二人でやれば、半分の時間で終わる。そして、残った時間で、その……」 穣子「焼き芋するの?」 反町「違いますって。一緒に、文化祭を見て回りたいな……って。そう、思って」 反町は言いたい事を言った。できれば、この少女の芋を掘ったり焼いたりするだけでなく、 色んな一面を見たい。そう願ったからこそ、そう言い切る事ができた。 そして最初はとぼけて返した穣子も、そんな彼の強い胸の内を察して――。
[224]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/04/26(火) 00:39:08 ID:givKRj2E 穣子「……私なんかで、良いのかな。本当に」 反町「……貴女じゃないと、駄目なんです」 穣子「うん。……ありがと」 一瞬は躊躇しつつも、安心したようにうなずいてくれた。 そして、二人は約束通り、出店の材料用の芋を掘り終わり仲間達に差し入れたすぐ後、 色々なイベントをやっている校舎内へと入っていき――。 反町「……ライブ演奏が、今からあるんだってさ」 ……二人が最初に目に止めたのが、講堂で行うこれから予定のバンドステージだった。 穣子「らいぶ? それって新しいお芋さんの品種?」 反町「違うって。……ギターとかベースとかドラムとか。楽器をステージで生演奏するんです。 CDとかで聞くのと違って、こう……胸に直接、楽器が響くのが良いって言うか」 反町も日向の気まぐれでドラムを叩いた記憶があるが、 それはリズムを打ち間違えた自分に対する、若島津からの鉄拳制裁だったかもしれない。 黒い過去を忘却の彼方においやりながら、反町は呆気に取られている穣子にそう説明した。 穣子「うん。いいよ! 行ってみようよ! 私も賑やかな音楽なら大好きだし!」 そして基本的にお祭り好きな穣子が、こうした場に興味を示さない訳がなかった。 反町の提案に彼女は二つ返事で頷き、そのまま暗幕が張られた講堂へと入っていく。 MC「えー。それではこれが、本日最後のステージとなりました」
[225]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/04/26(火) 00:40:54 ID:givKRj2E どうやら、反町達は文化祭最後のステージに滑りこめたようだった。 MCの案内もあり、数人のバンドマンが緊張半分にステージへと上がり紹介を受ける。 そこで始まった曲目は――。 先着1名様で、 ★文化祭最後の曲目→!card★ と書き込んでください。マークで分岐します。 JOKER→俺の青春だった。 ダイヤ→短調ながらも爽快感あるロックだった。 ハート→兎に角ノリだけは最高なヘビメタだった。 スペード→キュートな感じのポップスだった。 クラブ→しっとりとした大人な?バラードだった。 クラブA→ロベルトはだかサンバだった。 ―――――― …と、言ったところで今日の更新はここまでです。 本日もお疲れ様でした。
[226]森崎名無しさん:2016/04/26(火) 01:02:26 ID:??? ★文化祭最後の曲目→ ダイヤ10 ★
[227]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/04/27(水) 00:52:13 ID:xKZrdIDw ★文化祭最後の曲目→ ダイヤ10 ★ ダイヤ→短調ながらも爽快感あるロックだった。 反町「(ギターに、ドラムにベース……うん。良くある学生バンドって感じだな)」 穣子「うわぁー! なんかよくわかんない機械がたっくさん! 外の世界の人間は凄いなぁ」 反町がしみじみとし、穣子がとりあえずハイテンションでいる中――。 ♪〜 ハイテンションなギターのイントロが始まった。 短調の切ない響きを8ビートのアップテンポなリズムで刻み、 ベースも地味ながら一部では素早く低音階を移動している。 やがて女子学生のボーカルが始まった頃には、 反町達観衆はそのバンドの世界観にのめり込んでいた。 ――私ついていくよ、どんな辛い世界の闇の中でさえ〜♪ 反町「(……上手いな)」 当初は所詮学生バンド、と若干斜に構える見方をしていた反町も、 ボーカルがサビの旋律を歌い出した頃には純粋に感動していた。 穣子「は、はわわ……これが都会さんのお祭り音楽なんだねぇ……」 穣子の感動は別なベクトルに向いている気もしたが、 少なくとも反町や他の観衆と同様に、この曲が放つメッセージに圧倒されているようだった。
[228]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/04/27(水) 00:53:20 ID:xKZrdIDw ***** 学生「――ありがとうございましたーっ!」 ワアアアアアアアアアアアアアアッ! パチパチパチパチ! 反町「……いやぁ、良い演奏だったなぁ」 穣子「うんうん、そうだよねぇ〜。私も良く分からないけど、凄くドキドキしちゃった! 一樹君、こんなに素敵な演奏会に連れてってくれて、ありがとね!」 反町「(……穣子さん、喜んでくれたみたいだ。本当に良かったなぁ)」 音楽の波に溶け込もうとする内に、何時の間にか手を繋ぎ合っていた二人。 興奮して汗ばんだ穣子の柔らかい手が、反町にはとても愛しく思えた。 *穣子の評価値が上がりました。
[229]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/04/27(水) 00:55:55 ID:??? …と、言ったところで短いですが、次まで行くと分量が多いので、今日の更新はここまでにします。 次回はアリスさんが活躍(意味深)します。 それでは、本日もお疲れ様でした。
[230]森崎名無しさん:2016/04/27(水) 09:19:33 ID:??? 乙でした God knows...懐かしいな、とか思ってたら自分が老けたのを実感しました
[231]森崎名無しさん:2016/04/27(水) 21:26:25 ID:??? 今年でハルヒ1期放送から10年という衝撃よ
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24