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【熱戦烈戦】鈴仙奮闘記37【超激戦】
[21]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/30(木) 01:26:38 ID:??? 厄介者のコーチと並んで厄介なのが、突然コリンチャンスに転がり込んで来たフリーの女記者、 自称日系ブラジル人のアヤソフィア・シェマリーである。 あのコーチの戯言に過ぎなかった『いつでも揉めるアイドル』は、彼女の多彩な才能(と鈴仙)無しには実現しなかっただろう。 アヤソフィア「でも、しょうがないですよ。私の貯金だけじゃあ、コリンチャンスの皆さん、食いっぱぐれてしまいますもの。 なんせ最近、急激に物価が上がっていまして。幾らブラジルの政況が不安定とは言え、どうしてこうなった事やら……」 鈴仙「……それは、分かってるわよ。だからイヤでもこうして、歌ってあげてるじゃない」 ――とはいえ、鈴仙が彼らの暴挙に甘んじている事にも理由があった。 それが急激な物価高騰による、生活費の逼迫である。 元々金欠のコリンチャンスは、元大企業のデスクだったアヤソフィアの厚意の金のみを頼りに、 安いホテルを賃借し、辛うじてリオカップの日程分を食いつないでいる状況だ。 そんな状況下で、リオ州近辺で値上げがこれ以上続いた場合、 彼らは肝心の決勝戦前夜を、公園のベンチで寝泊まりして過ごす状況となり得る。 故に、鈴仙のアイドル稼業は決して遊びでもセクハラでも無く、歴とした仕事なのだ。 ……何故サッカー選手が、自分の将来を掛けた大会の日程中にまで、金策に悩まなくてはならないのかという疑問は置いておくにしても。 コーチ「この大会が終わったら、ワシらのクラブハウスで本格活動するか、SNP48。 まずはSカップとNカップとPカップの女の子をそれぞれ16人ずつスカウトして………グヒヒ」 鈴仙「Sカップの女の子なんてそうそう居るワケ無いじゃないですか。少しは現実を見て下さいよ」 コーチ「大丈夫じゃよ。ワシの医局時代のトモダチに、豊胸手術の専門家が居るからの」 鈴仙「私は手術なんてやりませんからね!?」 コーチの妄言を華麗にスルーしながら、鈴仙ははあと溜息を吐く。 バーには観客は殆ど残っていなかった。
[22]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/30(木) 01:28:40 ID:??? ――ギィ。 カツン、カツン、カツン……。 金髪の少年「フン。……貴様等がメオンをやったゴミ共か」 ――そんな時に、鈴仙達の眼前に現れたのは、金髪でシャツをめくった獰猛そうな少年だった。 後ろに護衛のように大柄の男二人を従えた彼は、まさしく王国のプリンスの如し。 アヤソフィア「――あやや。 これはどうやら、招かれざる客人のようですね」 この少年が誰かを瞬時に察したアヤソフィアは、一転して警戒を強め、 敵意の籠った瞳で彼らを射止めた。しかし、この王子様に彼女の視線は通用しない。 金髪の少年「こんな所でお遊戯ごっこをしている時点で、貴様等の実力など高が知れている。 今の内に言っておこう。次の試合、死にたくなかったら、さっさと棄権する事だな」 彼は逆にギロリと鈴仙達を睨み返しながらそう言った。 そうだ。彼を鈴仙はどこかで見た事がある。この傲慢な少年の名は――。 アヤソフィア「マルシオ・パッソス・ザガロ。今世代随一のストライカーにして、国内最大手貿易会社の取締役。 埋没しかけた弱小チーム・サントスを金の力で優勝候補にまで押し上げた立役者。……ですね」 ザガロ「そうだ。……今から尻尾を巻いて、サンパウロのあの豚小屋クラブハウスに帰ると良い。 そうしたら、命だけは助けてやるぞ? 俺は寛大だからな」 鈴仙「(サッカーで死ぬとか命を助けるとか。頭のおかしいコーチから解放されたと思ったら、 また頭のおかしい人に絡まれちゃってるよぉ……)」 自信満々にそう言い放つザガロの姿に、鈴仙の耳はいよいよ枯れ草のようにしおれ始めた。
[23]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/06/30(木) 01:29:57 ID:??? ザガロが強襲して来たところで今日の更新はここまでです。 明日か明後日には恐らく、鈴仙の練習パートに入れるのではないかと思います。 それでは、本日もお疲れ様でした。
[24]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/07/01(金) 00:54:34 ID:??? アヤソフィア「……愚問ですね。私達コリンチャンスは、あんた達のような小物に興味無いわ。 さっさと帰って、ウナギのお好み焼きでも作ってなさい」 場末のバーを舞台に始まったザガロの挑発に応えたのはアヤソフィアだった。 靡く黒髪をクールに掻き上げ、彼女は更なる挑発で返した。 ザガロ「ホウ……?」ギロリ アヤソフィア「――って、あっちの鈴仙さんが言ってました!!」 ――で、それを鈴仙にブン投げた。いつもの事である。 鈴仙「ちょ、あんたブン屋! どーみても私は関係なかったでしょうが!?」 アヤソフィア「いやー、だって面白そうでしたもん」 鈴仙はたまらずこのトラブルメーカーの胸倉を掴みかかるが、当の本人は楽しそうにとぼけてみせる。 わりかし非常事態であるにも関わらずどこか暢気なのは、鈴仙もアヤソフィアも似ている所がある。 ザガロ「……フン」 ――一方、自分そっちのけでそんな見苦しい光景を見せられたザガロは、最初こそ不機嫌そうな表情を見せていたが、 やがて何か良い事を思いついたように顔を歪めて。 ザガロ「……まぁ良い。丁度ここらで、ピーピー五月蠅いウサギ共に挨拶してやりたかった所だ。 おいブローリン、ボールを持て」 ブローリン「はい……」 彼は後ろに控える護衛の男――大柄だが寡黙で大人しそうな印象を受ける――から、 サッカーボールを受け取った。バーの店主や残った客が何事かとザガロを見た時にはもう遅く、 彼はその右脚を大きく振り上げていた。そして――。
[25]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/07/01(金) 00:56:03 ID:??? ザガロ「コリンチャンスのクズ共よ、見るが良い。これが俺の実力だ!」 グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! ザガロ「くらえ! これが最新式科学トレーニングで鍛え上げた超ザガロの! 『ビッグバンイール』だーーーーーーっ! ちゃあーーーーーーーーーっ!! ――ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ! ――ザガロは全く惜しむ事無く、鈴仙のどてっぱらに向かって全力のシュートを放ってみせた。 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……!! 鈴仙「(相変わらずとてもシュートとは思えない轟音と爆音がするのは気にしないけどさ……!?)」 唐突に放たれたにしては、そのシュートは精度・パワー・速度全てにおいて優れていた。 ボールの周囲には青色の爆発波が帯びており、触れる物全てを消し炭にする程度の威力は十二分に秘めている。 実際、シュートは巻き込まれたバーの主人の悲鳴をよそに店内を粉々に破壊し、一瞬で鈴仙の心臓付近にまで迫っていた。 鈴仙「な、なんなのよこれ!? 何で私が、シュートで殺されなくっちゃいけないのよぉ〜〜!?」 コーチ「……わざと薄くカーブさせる事で、空気抵抗を殺し、更なる速度を得たか。 パワー一辺倒の弾丸シュートでは無く、理論と技術に裏打ちされたこのシュートはまさしく職人芸。 成程。ワシらの現役時代には思いも付かなかった、斬新な技じゃな」 鈴仙「コーチは冷静に解説役やってないで助けてください!?」 鈴仙は妖怪だが、心臓を撃ち抜かれれば死ぬ。それが周囲を破壊の渦に巻き込んだ弾丸であれば確実にだ。 肝心な時に助けてくれないコーチを恨みつつ、死を覚悟した鈴仙は眼をつぶってその時を待とうとしたが――。
[26]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/07/01(金) 01:00:03 ID:??? ダダダダダダダッ! ガチャッ! 「――やっぱりここに居たわ。大丈夫、まだ間に合う!」 「……! ……君を土台にして、飛んで! ブロックに行って!」 「…………!!」「うん、わかったよ。みんな!」 ガシイイッ、バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンッ! ―――――バチイイイイッ!! ポーンッ……。 鈴仙「(あ、あれ……!? し、死んでない……!?)」 周囲で騒がしい音がしたと思えば、そのシュートは鈴仙の心臓を貫かなかった。 不思議に思った鈴仙が目を開けると、そこに移ったのは今日初めて焦りを見せたザガロ。 そして――久しぶりに見た、懐かしい顔ぶれの一部がそこに揃っていた。 反町「はぁ、はぁ……なんとか成功したな。『オータムスカイラブブロック』!」 静葉「流石のコンビネーションね、二人とも。今なんか、秋の風が吹いていたように感じたわ」 穣子「えっへへー。何だか照れちゃうねぇ、一樹くんっ! だけどまず間に合ったのは、鈴仙の命が終末的状況なのを察知した、お姉ちゃんの能力のお蔭だよ!!」 アリス「(あ、分かった。これ、状況証拠でこの場所を割り出した私の功績は評価されない流れね……! ウフフ、でもいいの。私にはボールくんさえ傍に居てくれれば……)」 鈴仙「……反町君、それに秋姉妹の二人と、えーっと、あと、アリスさんも……」 アリス「(でもやっぱり、とってつけたかのような扱いをされると傷つくのよ……? 私だって、道化じゃないのよぉ……!)」 鈴仙をザガロの凶弾から救ったのは、フランスでの修行を終えて合流した、反町達一行だった。 彼らは協力して鈴仙達のピンチに駆けつけ、強力なコンビプレーで超一流のシュートであったザガロの新技、 『ビッグバンイール』を止めてみせたのだった。
[27]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/07/01(金) 01:01:33 ID:??? 今日はここまでにします。
[28]森崎名無しさん:2016/07/01(金) 01:21:09 ID:??? 掛け声がしっかりと王子にwww 乙でした
[29]森崎名無しさん:2016/07/01(金) 02:35:41 ID:??? これは前半グミ撃ちからのガッツ切れのかませ犬パターンですね
[30]森崎名無しさん:2016/07/01(金) 20:38:46 ID:??? 「決まったか!?」→決まってない
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0ch BBS 2007-01-24