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【ウドンゲ春の】鈴仙奮闘記38【天パ祭り】
[70]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/11/03(木) 01:59:49 ID:??? すみません、今日はあまり書けませんでした。 明日は休みなので、また更新出来ればと思います。 >>67 乙ありがとうございます。このフレーズ勢いがあるので好きです。
[71]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/11/04(金) 00:48:07 ID:??? 〜練習フェイズA〜 【佳歩一行、ディアスと仲良くなる…?】 −アルヘンチノス・練習場− ディアス「おいパスカルー。こいつらなんかとじゃれてないで、俺とコンビプレイ練習しようぜー。 お前が居なくてヒマな時に考えた技案が 743 個位あるんだよ」 パスカル「……すまんな、ディアス」 佳歩「むぐぐ……」 てゐ「(ま〜たこれだよ。ったく……)」 ――佳歩達一行が妹紅と出会ってから暫く経って。 アルヘンチノスのサッカーコートでは、佳歩がディアスを見つめて歯ぎしりをしていた。 ……最近では、よく見慣れた光景だった。 ディアス「大体さ、考えてみろよ? 世界トップの俺とトップクラスのパスカルがより強くなるのと、 世界だと辛うじて控えかモブで出番アリかな? ……っていうこいつらをマシにするの。 どっちがチームの為になると思うよ? 昔お世話になった話は聞いたけど、情に流されるのはプロらしくないぜ?」 ディアスが不機嫌そうに言葉を並べ立てるに合わせて、佳歩の表情は厳しくなる。 天才特有の実力無き者への傲慢と、相棒を取られた私怨が混じって辛辣なディアスに対し、 直情的で熱くなりやすい佳歩が、大人しく黙っていられるワケが無い。
[72]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/11/04(金) 00:53:17 ID:??? 佳歩「た、確かに……。確かに私達、ついついパスカルさんに頼ってるかもしれません。 今だって、色々教えて貰おうとしてたし。……だけど、言い方ってものがあると思います! プロのサッカーが実力主義なのはよ〜く分かってますけど、チームワークだって、決して蔑ろにしちゃいけないと思います!」 ディアス「チームワークぅ? ハ、お前らの言ってるのはグダグダの馴れ合いの事だろ? それぞれが最高のパフォーマンスを見せるのと、だべって仲良しこよしは別次元だ!」 パスカル「ま、まあやめろよ、二人とも……」 佳歩・ディアス「「パスカル(さん)は黙ってろ(て)!」」 パスカル「す、すまん……」 ……争いとは総じて、同レベルの者同士の間で起こるものであるから、 そうした意味では二人は似た者同士であるのかもしれないが。 何はともかく、佳歩とディアスとの亀裂は決定的な物となっていた。 ***** −練習後・COCINA DE MOKOU− 妹紅「ふうん。天才ディアスと佳歩が対立ねぇ」 ホカホカの焼き鳥が入った皿を渡しながら、妹紅は平和そうに繰り返す。 練習を終えた後の夜、佳歩達は今や行きつけとなった妹紅の焼き鳥屋で、ディアスとの関係についてぶちまけていた。 てゐ「どーすりゃいいかねぇ。確かにディアスが聖人じゃなくって、 むしろ多くの凡人にとってはムカつく奴だってのは思うけど。 これじゃ、折角の海外修行の意義が半分パァだよ」
[73]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/11/04(金) 00:55:13 ID:??? 佳歩「別に良いんです! 幾ら天才だからってあんな理性の欠片もない。 傲慢と嫉妬の権化みたいな人のプレーなんて、参考にする必要ないです! あの人にはもう、鈴仙さまや永琳さまの爪の垢を煎じて飲ませたいです!! ――妹紅さん! 水割りウイスキー抜き、もう一杯ください!」 つかさ「それって単なる氷水じゃないかしら……」 妹紅から差し出された水を呷るように飲むと、佳歩ははぁと大きく溜息をつく。 幻想郷では全く見た事も無かった佳歩の憤り具合に、 つかさは目を白黒させながら、手に持った タブクリア のグラスを傾けつつ呟いた。 つかさ「――でも確かに、佳歩ちゃんが怒りたくなる理由も分かるわ」 妹紅「ふうん。私達一般市民からしたら、ファン・ディアスなんてお国の英雄って印象しかないけどね。 チームの中ではそんなに暴君だったりするのかい?」 すっかり焼き鳥屋の店主が板についた妹紅は、前客のグラスを拭きながら、 片手間につかさやてゐと言葉を交わしている。 つかさ「暴君って訳ではないんですが……彼、チームでも孤立しているんです。 ううん。孤立って言い方はおかしいかしら。 彼にはパスカル君も居るし、チームを率いてもいるのだから。 だけど実際は、彼自身が、壁を築いてしまっているというか」 てゐ「ディアス君が辛辣なのは、私達や佳歩に限った事じゃない。 パスカル君は例外だけど、それ以外の奴がヘマをしたら酷く馬鹿にするし、 実力を示せない奴には信じられないくらい冷酷だ。 メチャクチャな命令や我儘はしないけれど、嫌われても仕方ない事は沢山してる」 妹紅「ふむふむ……。確かにそれは佳歩が怒りそうな奴だな。 真っ直ぐで一本気な佳歩だもの。そもそも孤立だなんて状況、許すはずもないし、 その上暴言まで吐いてくるようだったら、反論してぶち壊してやりたいと思うだろうね」
[74]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/11/04(金) 00:56:52 ID:??? 佳歩「そ、そうですよ! こんなの、許されちゃいけないです!」 佳歩は酔いつぶれたようにだんまりだったが、急にガバりと起き上がって力説を始めた。 佳歩「いくら天才だって、いくら凄い選手だからって、何をしても良いワケがありません! 皆は黙っているかもしれないけれど、そんなの、やっぱりダメだと思います! だって、だって。鈴仙さまもそうでした! あの方は自分がどれだけ実力をつけても慢心せず、むしろ皆との結びつきをより強めようとしていました。 だからディアスさんだって、あんなんじゃなくって、もっと謙虚になれば良いのに……! パスカルさん以外にも、信頼できる仲間を作っても良い筈なのに……!!」 グラッ……バターン! 佳歩「ぐ、ぐう……。もう、飲めましぇぇん……」 そしてその瞬間、再びその場で寝ころんでしまった。 妹紅「ありゃりゃ……完全に酔いつぶれちゃったよ。 さっきから、水割りのウイスキー抜きやらカルーアミルクのカルーア抜きやら、飲み過ぎるから……」 つかさ「ごめんなさい妹紅さん。私達、佳歩ちゃんを連れて帰りますね?」 てゐ「お勘定は任せな。こういう時に備えて、貯金はしっかりしてたかんね。 ……ほい。 970 アルゼンチンペソで良かったね?」 妹紅「ああ、ありがとう。……気を付けて。この辺は最近、悪質なスリ泥棒も出るらしいからね」
[75]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/11/04(金) 00:58:42 ID:??? −歓楽街・外− 佳歩「……ううん……す、すみません二人とも。私、とってもはしたない所を……」 妹紅の店を出て幾許もないうちに佳歩は目を覚ました。 元々酒は一滴も飲んでないため、顔も赤く無く、表情はしっかりとしている。 つかさ「気にしないで、佳歩ちゃん。あなたは間違った事は言っていない……と、私は思うわ」 てゐ「佳歩は頭は良い筈だけど、突っ走りがちなのは分かってるからね。 ディアスの事でも勝手に色々考えて悩んで、そんでもって間違ってる!って思ったんだろ? そうやって色々思える事は、年よりの私にゃできない事だ。自信を持ちな。 ……まあ。オトナになるにはTPOってのを弁えんのも大事だけどね」 佳歩を慰めながら、てゐとつかさは佳歩の両肩を持って夜の街を歩く。 まだ遅い時間では無いとは言え、少女三人の夜歩きは危険だ。 一刻も早く寮へと戻るべく、その足並みは早い。 タッタッタッ……。 天パの男「ハッハァ! 悪いな、横通るぜ!」 寮へと向かう狭い道――近道だ――を進む時、横を一人の男が通って行ったが、 眠たげな佳歩の介抱で必死なてゐとつかさは意に介さない。 人通りの少ない道の筈だが、常にゼロではあるまい。こうして誰かと道を同じくする事位あるだろう。 ……彼女達がそう考えるのは不思議では無かった。 ――しかし、この時佳歩達はまだ知らない。自分達の脇を通り抜けた盗人を巡って、 ちょっとした困難と、新たなる友情の萌芽が待ち受けている事を。
[76]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/11/04(金) 01:02:39 ID:??? …と、言った所で今日の更新はここまでにします。 タブクリアって知らなくてググりました。昔はこんなんあったんですね…(ゆとり並感) 本日もお疲れ様でした。
[77]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/11/05(土) 01:10:31 ID:??? 今日は付き合いでお酒が入ったので、更新をお休みします。 明日は更新できると思います。
[78]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/11/05(土) 22:39:29 ID:uDU8LwiM −翌日・アルヘンチノス練習場− 佳歩「おはようございます、パスカルさん」 パスカル「ああ、おはよう。佳歩……」 翌日の練習、佳歩は顔色の優れないパスカルと会い、その異変に気付いた。 佳歩「……そういえば。いつも朝はディアスさんと一緒の筈なのに、寝坊ですか?」 パスカル「まさか。あいつは色々偏屈なところもあるが、サッカーにだけは誰よりも真摯だ。 朝一に誰より早く練習している事はあっても、寝坊なんてした事が無い。 ……そうなんだ。あいつがそんな事をする筈が……」 佳歩「(パスカルさんの様子がヘンだ……)」 練習場にはディアスが不在だった。 パスカルは普段通りに見えたが、狼狽を隠しきれてはいなかった。 気になる。が、果たして軽はずみに何でも聞いて良いものか。 佳歩はそう思って取り急ぎ今日のメニューの確認へと行こうとしたところ――。 てゐ「……まさか、あのディアス君があんなコトになるなんてねぇ」 パスカル「!? し、知っているのか!?」 つかさと並んで佳歩の後ろを歩いていたてゐが、唐突にそう呟くと。 独り言にしては大きな声に、パスカルは明らかに驚いた様子で反応した。 ……そして、これは悪戯や騙しに長けたてゐの思い通りの反応だった。
[79]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/11/05(土) 22:42:30 ID:uDU8LwiM てゐ「いーや。何にもしらんよ私は。ただちょいと、カマを掛けただけ」 パスカル「……くっ」 つかさ「(てゐ様ったら、相変わらず意地が悪いんだから……)」 肩をすくめるつかさを無視して、てゐは満面の笑みをパスカルにぶつける。 しかしすぐに真面目な表情を作って、 てゐ「何かあったのさ。仲間だったでしょ、話してごらんよ」 と、真剣に彼に対して問いただす。 パスカル「いや。……幾ら君たちでもダメだ。うっかり口を滑らせては危ない話なんだよ。 時期が来たらしっかり話すから、ここは聞かないでおいてくれるか?」 スッ……。タッ、タッタッ。 だが、真剣なのはてゐだけではない。 パスカルもまたこれだけは言えないと顔を強張らせ、そのまま去ってしまった。 てゐ「あーらら、付き合い悪いなぁ。つっても、ここら辺きちっと割り切るのはパスカル君らしいけど」 つかさ「そうですね……。私もどんな事情か気になりますけど、 もしもパスカルさんとディアスさんの個人の事情でしたら、私達が踏み込むべき話ではありませんし。 ……佳歩ちゃんも、そう思うわよね?」 ともすれば冷淡にも取られかねないパスカルの態度にも、 (見かけはともかく中身は)成熟しているてゐやつかさは理解を示した。 つかさは淑やかに佳歩の方へ視線をやると――。
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0ch BBS 2007-01-24