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屁理屈推理合戦withキャプ森
[116]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 23:11:32 ID:IB1rcuRM ニネー「……でも、実際に手の打ちようが無い訳だし。だったら、しょうがないわ」 ――魔女の意図が解せないというだけで、上位世界の住民が一つの下位世界を荒らして良い訳が無い。 そのため彼女は、普段通りかつ奥の手を使って、魔女の動向を監視する事にした。 ニネー「……あなた。この物語を読んでくれるあなた、参加してくれている、画面の向こうのあなた。 悪いのだけれど、これからも、この世界における森崎君に気を配ってくれないかしら。 そして、再び魔女が魔法でこの世界を侵食しようとしたら――森崎君の力に、なってほしいの。 魔女の真意が、純粋にゲームを楽しみたいという事であれば、それで良い。 だけど、魔女の真意が、別の所にあるのだとしたら――それは、森崎君や私の力だけでは、 どうしようも無くなってしまう恐れがある。だから、その時に備えて、力を貸して……!」 パァッ……! 彼女はそう言うと、自身の魔力(この表現を使う事自体、無限の魔女の作法に従っているようで気分が良くないのだが) を練り上げて、参加者に対して黄金の勲章を授与した。 ニネー「……このゲームに参加してくれるあなた達を、このニネーの領域における【ウィッチハンター】として任命します。 ウィッチハンターの皆さんは、常に魔女の動向を監視し。 魔女が魔法によって、『キャプテン森崎』のゲーム盤に登場する人達を苦しめた場合は。 その時は、主人公の森崎君を通じて、魔女の魔法を否定する事で助けてあげて」 ……これは屁理屈による推理合戦の範疇を既に超えている。 運命の魔女と無限の魔女との探り合い。その間に発生するであろう、人間と魔法の戦い。 『戦争』とも称すべきその争いが、今、静かに始まろうとしていた―――。
[117]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/03(火) 23:17:12 ID:IB1rcuRM ――と、言ったところで第一話は完とします。 ニネーさんの名前・設定については俺inキャプ森さんの設定を勝手にパク……リスペクトさせて頂きました(汗) 何か伏線っぽく書いてしまいましたが、この伏線が今後活かされるか否かは私の気分次第です(爆) 第二話については、また時間のある(かつ、参加してくれそうな方がいる)時に書いていければと思いますが、 もしも『自分も出題者になりたい!』…という方が居られましたら譲りますので、書き込み頂ければ幸いです。 本日もありがとうございました。
[118]森崎名無しさん:2017/01/03(火) 23:21:32 ID:??? 乙なのです! 改めて作者さんの構成力や文章力に唸らされました。 楽しかったです!
[119]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/04(水) 20:05:53 ID:??? >>119 乙ありがとうございます。そう言って頂いて大変嬉しいです。 ただ、構成や表現については、原作の「うみねこのなく頃に」をリスペクトしている部分も結構ありますので、 もし気に入って下さったのなら、「うみねこ」もプレイして頂ければ幸いです。(既プレイだったらすみません) 昔と比べてはマシ…とは聞きますが、今もネット上の評判はそこまで高くないですし、 実際人を選ぶところもあるゲームかもしれません。ただ、少なくとも私は楽しめました。 第二のゲーム盤について、ネタは何となく考えているのですが、 もう少し固まるまで最短数日、最長数週間お休みします。 (なので、その間出題したい! という方が居りましたら是非使ってください!) 出題が無ければ、書く予定と言っていたTIPSを、気の向くままに投下しようと思っています。
[120]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:10:27 ID:??? 【TIPS@・悪魔の証明】 <序・TIPSコーナーについて> 〜黄金郷・魔女のテラス〜 ワルギリア「ウィッチハンターの皆さま、御機嫌よう。私は有限の魔女・ワルギリアと申します。以後お見知りおきよう。 あの子、ベアトのゲーム盤はもうお楽しみ頂けたでしょうか? 私は今宵、主の意向にて、皆さまに魔女のゲーム盤における基礎知識を教示する事となりまして。 その為に召喚されたものでございますよ。ほっほっほ……」 美しい黄金の薔薇が咲き乱れる庭園。その中に備え付けられたテラスにて、彼女は紅茶を嗜んでいた。 ワルギリア「ここは私達の故郷――『黄金郷』を魔法で再現した場所。 あらゆる望みが叶い、全ての愛が結ばれる地ゆえ、決して不快にはさせないとは思いますが。 ……私だけが話しっぱなしとなっても辛いでしょう。ここに生徒役を二人程呼びましょうか」 魔女はそういうと講義に先立って魔法の杖を振るい、一人の人間と一人の魔女を呼び出した。 森崎「……なんだよ。また魔女の魔法か? コレ」 ベアト「くっくっく。お師匠様も準備が良い。この辺境の地においてこの風景が見られるとは思わんかったぞ。 ああ、懐かしい……。お師匠様、また美味しい紅茶を入れてくれよォ」 ワルギリア「この森崎くん。そしてベアトは、私が魔法で呼び出した駒に過ぎません。 【ここはTIPSの為の空間であり、本筋とは完全に隔離された空間】と認識して頂ければと思います」
[121]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:12:54 ID:??? 森崎「……前置きは良いからさ、折角呼んでくれたんだ。教えてくれよ、さっき言ってた魔女との戦い方ってヤツ」 ベアト「妾はもう、お師匠様から一度勉強済みだけどなァ。妾はそなたにとっては先輩みたいなモンだぞぅ。 ほら、敬え! 指を舐めろ! 全裸で首輪になり、その上で妾の椅子となれ!」 森崎「最悪な先輩だぜ……。なぁ、ワルギリア。この配役なんとかならねーのか?」 ワルギリア「無理ですね。無理に私達の世界から戦人くんとか引っ張って来ても、『誰コイツ?』ってなるでしょうし。 それなら本編と多少役どころが変わっても、あなた達二人が生徒役。 私が教師役というのが一番しっくり来るでしょう」 森崎「まぁ、長く引っ張ってても疲れるだけだし、仕方ないか……宜しく頼むぜ、先生」 ワルギリア「ほっほっほ。成績優秀な子には、先生が鯖ジュースを奢ってあげますよ? ……と。本格的な説明に入る前に、一つ前置きを。 今回からの講座で取り上げる単語(『悪魔の証明』など)は、一般的・辞書的な意味ではなく。 『うみねこ』及び『屁理屈推理合戦』の世界で使われる意味に則り、説明を行っていきます。 そして、その内容についても、【当説明は>>1の主観に則っているため、絶対的に正しいとは限りません。】 その点につきましても分かって頂ければと思います。では、次から講義に入っていきましょう」
[122]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:16:00 ID:??? <第一講・『悪魔の証明』とは?> ワルギリア「それでは栄えある第一回講義ですが、『悪魔の証明』から初めていこうと思います。 ――ベアト、魔女のゲームにおける『悪魔の証明』とは何か分かりますね?」 ベアト「はァァ〜イ! お師匠様! ズバリ『悪魔の証明』とは。 『妾は黄金の魔女である!』という事について何の疑いも無いという事です!」 森崎「いや、分かんねーよ」 ワルギリア「……ベアトの言いたい事もあながち分からないでも無いですが。 ここは私が順を追って説明していきましょうか」 ワルギリアは形式的な前置きを終えると、魔法を使ってテーブルの上に一つのリンゴを生みだした。 ワルギリア「……さて。森崎くんに質問です。この世界に、『リンゴ』という果物は存在するでしょうか?」 森崎「は? いきなり何聞いてんだ? リンゴなら、今お前が持ってるだろ。ボケたのか?」 ワルギリア「……そうですね。『リンゴ』という果物は確かに、この私の手に存在していました。 では、この世界に『ゴリン』という果物は存在するのでしょうか?」 森崎「いや。そんな果物ねーだろ。聞いた事無いし」 ワルギリア「あら。ですが、南アメリカの奥地には、そうした果物があるのかもしれませんよ?」 森崎「だからねぇっての。辞書でもウィキペディアでも何でも調べてみろよ。そんな果物、どこにも無いから」
[123]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:17:34 ID:??? ワルギリア「そうでしょうか。実は人類がまだ未発見で未定義の為辞書には載っていませんが。 実は地球から100万光年離れた惑星の果樹には『ゴリン』の実が成っているのかも。 森崎くんはこの宇宙、いやこの地球すら隅々まで見ていないのに、 どうして『ゴリン』が存在しない事を、高らかに主張できるのですか?」 森崎「だーっ! それがどうしたんだよ。 だったら、そんなモンは単に証明不可能って事だろう!」 ワルギリア「その通り! このように、ある事柄がこの世界に『ある』事を証明する事は、その事柄を実際に持ち出せば良い一方。 ある事柄がこの世界に『ない』事を証明する事は、この世界全てを確認した上で『ない』と結論付ける必要がある事から、 現実的にはほぼ不可能である。これが、『悪魔の証明』の基礎理論となるものです。 そして、実際の魔女のゲーム盤――屁理屈推理合戦においては、この基礎理論を応用し。 『ある事象Xの有無について争う際、事象Xが『ある』と主張する者は、その存在について証明する責を負わない』。 ……と、いう意味合いとして、『悪魔の証明』という単語を使う事があります」 森崎「成程な。……ん? でもそうしたら、『魔法や魔女が存在しない』って事も、決して否定できないんじゃ……?」 ベアト「くくくくくっ! そうだ。漸く分かったか? つまり魔法や魔女は存在するんだよォ!」 ワルギリア「ベアトは少し黙っていなさい。……それでは次に、魔女のゲームにおいて、 『悪魔の証明』が、どういった風に活用されているのか。実例を踏まえて考えてみましょう」
[124]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:18:58 ID:??? <第二講・『悪魔の証明』の使い方> ワルギリア「さて。悪魔の証明とはつまり、『「ある」事の証明に比べて、 「ない」事の証明は非常に困難である』という事でした。つまり……」 ベアト「はァァ〜い! 妾はー、魔法はァー、存在すると思いまァ〜す! 何故ならァ、妾こそが魔法を使いこなす魔女だからで〜〜〜す☆」 ワルギリア「――と、ベアトが宣言すると、魔法を否定したい森崎くんは大変な事になります。 何故なら、魔法は本当にこの世に存在しないと。そう言い切る事は困難だからです。 南アフリカのどこかに、魔法を使える部族が居るかもしれません。 1万2千年前に滅んだ古代民族は、魔法を使っていたのかもしれません。 これから3千年後、魔法理論が確立し、人類も魔法が使えるようになるかもしれません。 それを実際に確認して否定できない以上、森崎くんは『魔法は存在しない』事を立証する事はできません」 森崎「いや……でも、魔法なんて無いだろ、実際」 ベアト「何言ってるんだよぅ、森崎ィ! 魔法はあるんだってばァ! 何ならそなたの目の前で魔法を見せてやろうか、ほらァ!」 パァァッ……フワッ。――パチンッ! 森崎「あいたっ」 そういうとベアトは金色の蝶を呼び出すと、 蝶々はやがて星のような形を取り、森崎の額めがけてぶつかった。 気付くと森崎の手元には数粒の金色の金平糖が落ちていた。
[125]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:24:07 ID:??? ベアト「くっくくくっく……くひゃひゃひゃ! どうよ、これこそが魔法! 『妾が金色の蝶を操り、森崎にぶつけてやったのだ』! どうよ森崎ィ、確かにそなたも見ただろう? あの金色の蝶を! 妾が魔法の証を!」 森崎「いや……こんなの『ベアトは金平糖を俺に投げつけただけ。 金平糖が金色の蝶に見えたのは、CGか何かを使った機械的な演出』だろうが! 何が魔法だよ!」 ベアト「何かァ〜? CGか何かって何だ森崎ィ? 妾に具体的に説明してみろよォ。 そんな小細工、そう簡単にできる訳が――って、しまった」 ワルギリア「全く、本当に余計な事を口走るのが好きなんだから。……でも、良い教材になりました。 さて。……『悪魔の証明』はこの時、人間側にとっても有利に働きます。 ベアトは今しがた、森崎くんの仮説『ベアトは金平糖を俺に投げつけただけ。 金平糖が金色の蝶に見えたのは、CGか何かを使った機械的な演出』に対して、 『そんな小細工、この黄金郷で出来る訳が無い』……、そう言いかけました。 ――ですが、本当に出来る訳が無いのでしょうか? 謎の機関がCG発生装置を取り付けている可能性は? 新種の蝶が発見された可能性は? ――これもまた、人間が魔法の不存在を証明できないのと同様、魔女は証明する事はできないのです」 森崎「……成程、分かって来たぜ。今の話で言う『CGか何かを使った機械的な演出』ってのが、 前のゲーム盤でもあった『謎の兵器X』とかなんだな」 ワルギリア「ええ。人間側が魔女の魔法を否定しきれないのと同じように。 魔女もまた、人間のトリックに『人間にとって都合の良い非魔法要因X』の存在可能性を、 否定する事が出来ないという事です。――まぁ、魔女には【赤き真実】があるんですけど」 森崎「人間も魔女も、『未知の可能性X』を提唱されたら、黙るしかねぇって事か……」 ワルギリア「そうですね。魔女が『魔法は存在する。存在の証明については拒否!』と言えるように。 人間もまた、『魔法以外のトリックXは存在する。存在の証明については拒否!』とも言えるという訳です。 そのため、魔女のゲームにおける人間の目的を正確に言うと、『魔法の否定』ではなく。 『魔法以外で状況を説明できる、有力な仮説の提示』となるでしょうか」
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0ch BBS 2007-01-24