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屁理屈推理合戦withキャプ森
[124]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:18:58 ID:??? <第二講・『悪魔の証明』の使い方> ワルギリア「さて。悪魔の証明とはつまり、『「ある」事の証明に比べて、 「ない」事の証明は非常に困難である』という事でした。つまり……」 ベアト「はァァ〜い! 妾はー、魔法はァー、存在すると思いまァ〜す! 何故ならァ、妾こそが魔法を使いこなす魔女だからで〜〜〜す☆」 ワルギリア「――と、ベアトが宣言すると、魔法を否定したい森崎くんは大変な事になります。 何故なら、魔法は本当にこの世に存在しないと。そう言い切る事は困難だからです。 南アフリカのどこかに、魔法を使える部族が居るかもしれません。 1万2千年前に滅んだ古代民族は、魔法を使っていたのかもしれません。 これから3千年後、魔法理論が確立し、人類も魔法が使えるようになるかもしれません。 それを実際に確認して否定できない以上、森崎くんは『魔法は存在しない』事を立証する事はできません」 森崎「いや……でも、魔法なんて無いだろ、実際」 ベアト「何言ってるんだよぅ、森崎ィ! 魔法はあるんだってばァ! 何ならそなたの目の前で魔法を見せてやろうか、ほらァ!」 パァァッ……フワッ。――パチンッ! 森崎「あいたっ」 そういうとベアトは金色の蝶を呼び出すと、 蝶々はやがて星のような形を取り、森崎の額めがけてぶつかった。 気付くと森崎の手元には数粒の金色の金平糖が落ちていた。
[125]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:24:07 ID:??? ベアト「くっくくくっく……くひゃひゃひゃ! どうよ、これこそが魔法! 『妾が金色の蝶を操り、森崎にぶつけてやったのだ』! どうよ森崎ィ、確かにそなたも見ただろう? あの金色の蝶を! 妾が魔法の証を!」 森崎「いや……こんなの『ベアトは金平糖を俺に投げつけただけ。 金平糖が金色の蝶に見えたのは、CGか何かを使った機械的な演出』だろうが! 何が魔法だよ!」 ベアト「何かァ〜? CGか何かって何だ森崎ィ? 妾に具体的に説明してみろよォ。 そんな小細工、そう簡単にできる訳が――って、しまった」 ワルギリア「全く、本当に余計な事を口走るのが好きなんだから。……でも、良い教材になりました。 さて。……『悪魔の証明』はこの時、人間側にとっても有利に働きます。 ベアトは今しがた、森崎くんの仮説『ベアトは金平糖を俺に投げつけただけ。 金平糖が金色の蝶に見えたのは、CGか何かを使った機械的な演出』に対して、 『そんな小細工、この黄金郷で出来る訳が無い』……、そう言いかけました。 ――ですが、本当に出来る訳が無いのでしょうか? 謎の機関がCG発生装置を取り付けている可能性は? 新種の蝶が発見された可能性は? ――これもまた、人間が魔法の不存在を証明できないのと同様、魔女は証明する事はできないのです」 森崎「……成程、分かって来たぜ。今の話で言う『CGか何かを使った機械的な演出』ってのが、 前のゲーム盤でもあった『謎の兵器X』とかなんだな」 ワルギリア「ええ。人間側が魔女の魔法を否定しきれないのと同じように。 魔女もまた、人間のトリックに『人間にとって都合の良い非魔法要因X』の存在可能性を、 否定する事が出来ないという事です。――まぁ、魔女には【赤き真実】があるんですけど」 森崎「人間も魔女も、『未知の可能性X』を提唱されたら、黙るしかねぇって事か……」 ワルギリア「そうですね。魔女が『魔法は存在する。存在の証明については拒否!』と言えるように。 人間もまた、『魔法以外のトリックXは存在する。存在の証明については拒否!』とも言えるという訳です。 そのため、魔女のゲームにおける人間の目的を正確に言うと、『魔法の否定』ではなく。 『魔法以外で状況を説明できる、有力な仮説の提示』となるでしょうか」
[126]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:26:05 ID:??? <第三講・『悪魔の証明』の注意点> 〜ある日のゲーム盤にて〜 ベアト「なぁ森崎森崎ィー。面白いゲーム盤を考えたから付き合ってくれよー」 森崎「フフ……良いぜ。今の俺は必勝法を身に着けたからな」 ベアト「ほう……威勢が良いな。ならばどうだ、【 サンタマリア は他殺された】【殺害現場は密室】 この謎を解いてみろ森崎ィィィィイイッ!」 森崎「――これを食らえ!『犯人Xが何らかの方法Xで密室を突破し何らかの仕掛けXで中山を殺害。 その後、何らかの方法Xで密室から脱出した』! 犯人Xが誰か、何らかの方法Xとは何か、何らかの仕掛けXとは何かについては、 悪魔の証明により説明不要! どうだ、カンペキな説明だろう!!」 ベアト「……………」 *** ワルギリア「――『悪魔の証明』の理屈で行けば、森崎くんはこうした青字を撃てることになります。 しかし、……どう思いますか? コレ」 森崎「これじゃあ、『魔女が魔法で密室を突破し被害者を殺害。その後、魔法で脱出した』 ……と、殆ど変わらねーな。でもいいんじゃね? 魔女には勝てるだろ」 ベアト「くっくっく。甘いのう森崎。こんなんでしたり顔をされても、妾はちっとも悔しくなんか無いわ。 そもそも、妾の目的が何であったかを忘れた訳でもあるまい?」 森崎「魔女の目的ィ? それってつまり、一見不可能に見える犯罪を、魔法のせいだと主張する事で、 魔法・ひいては魔女が実在する事を証明するって……あ、そうか」
[127]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:28:02 ID:??? ワルギリア「そう。このゲームの本質はあくまで、『不可能犯罪を人間とトリックで説明すること』であり。 魔女が示す『不可能性』を明確に否定しない事には、その仮説には意味が無い、という事です」 森崎「Xだらけの仮説は、さっきワルギリアが言ってた、『魔法以外で状況を説明できる、有力な仮説の提示』 に当たらない。だから魔女もピンピンしてるって訳か……。 『悪魔の証明』は便利だが、頼りすぎてもダメ……う〜ん。使い方が難しいな……」 ベアト「これは妾の意見だが。『悪魔の証明』とは、『ゲームの謎の核心とは外れた部分について、 詳細を説明する事は不要である』と。そう考えて使うのが良いと思うぞ?」 ワルギリア「……ベアトもたまにはしっかりとした事を話しますね。 ですが、あの子の説明は誤りでは無いと思います。 ……そうですね。第1のゲーム盤を例に、具体的に補足しましょうか」
[128]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:30:04 ID:??? 『翼の死因は老衰死。体育用具室が何らかの理由Xにより封鎖された状態が数十年続き、翼は寿命を迎えた』 ワルギリア「……さて。これはベアトの考えた、第1のゲーム盤における真相です。 さっそく証明不要な『何らかの理由X』という、悪魔の証明が用いられていますね」 森崎「これはつまり、ゲームの謎の核心は『翼の死因』だったから。 翼が何故密室に閉じ込められたか。どのようなトリックで密室が出来たかは重要では無い、って事か?」 ベアト「『石崎が翼を閉じ込め外から鍵をかけた』『事故Xにより扉の前に岩盤が落ちて来た』 ……理由など、幾らでもでっち上げられる。 そして今回の謎において、密室が出来た理由はさして重要ではない。 今回の核心は、『外部からの干渉を一切受けない密室において、翼は何故死亡したのか?』だったからな」 ワルギリア「そこで。今回のリザイン手は『翼は自然死であり、鍵をかけたのは翼自身。今回、ベアトリーチェはそれを利用したに過ぎない』 でした。――ベアトはこのリザイン手について、足掻こうと思えばもっと足掻けた訳です。 例えば、【ベアトリーチェは今回の事件に関係しない】とか【翼は自分では鍵をかけていない】とか。 ……ですが、どうですか? もしもこれで魔女に、『死因については認める。では犯人を当ててみろ! 鍵がかかった理由を当ててみろ!』 と、居直られた場合。――果たして、このゲームは面白いでしょうか? 既に謎の核心は暴かれ。魔法以外での翼君の死亡について、有力な仮説が立てられたというのに」 ベアト「妾が断言する。くだらん。実にくだらんな」 森崎「そりゃあ、犯人当てつっても、それこそ当てずっぽうに『犯人は石崎!』『犯人は滝!』『犯人はロベルト!』 『犯人は 見上選手(お前ら若造モード) !』……ってやり続けるしかないしな。まさしく不毛な言い当て合戦だ」 ワルギリア「……勿論、犯人当てが意味をなさないのは、今回のゲーム盤の謎の核心がそれでは無いからであり。 死因についてはどうでもよく、限られた人物から犯人を特定する事が謎の核心であるゲーム盤であれば、 それはそれで面白くはなるでしょう」 ベアト「要するに、悪魔の証明は、用法を守って正しく使いましょうって事だな!」
[129]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:32:56 ID:??? <今回のまとめ> ワルギリア「随分と長くなりましたが。今回説明した『悪魔の証明』についてまとめてみましょうか」 〜魔女のゲームにおける『悪魔の証明』まとめ〜 1.特定の事象Xの存在の有無について、『ある』事を証明するのは容易だが、『ない』事を証明するのは困難 2.故に、魔女/人間側は、『未知の魔法/トリックX』等が存在する事について、証明不要で主張しても良い 3.人間側の目的は、『不可能犯罪を人間とトリックで説明する事』なので、全てを証明不要とする事はできない。 『ゲームの謎の核心とは外れた部分について、詳細を説明する事は不要である』と考えるのが吉? 森崎「こうして見ると、随分簡単だな。こんな事に時間を割きすぎじゃないのか?」 ワルギリア「そうですね。確かに少々教えるのに難儀してしまったかもしれません。 ですが、この辺りの理論はこのゲームを行う上で重要でして……。 単なる用語解説にとどまらず、その考え方についても丁寧に書く必要があると考えました」 ベアト「その結果より分かりづらくなってしまっては、目も当てられないがなァ! ……ま、大丈夫だろう。お師匠様の教えだし、何より結局は習うより慣れよだしな。妾も腕が鳴るぜェ?」 森崎「何だと〜!? 俺も負けてられないぞ!」 ベアト「くっくくく! 相変わらず吠える声だけはデカい男よ! ならばさっそく、次のゲーム盤で勝負だ!」 ワルギリア「――と、言ったところで。長くなりましたが第一回のTIPSはここまでです。 ……次回は、もう少し短く、分かりやすくなると思います。ええ、そうしますとも」 〜TIPS@ 了〜
[130]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/08(日) 14:00:59 ID:??? こんにちは、他にGMをやりたい方が居なければ、 早速ではありますが、私の第二のゲーム盤を投下したいと思っています。 予定としては、本日〜明日よりNPCパート投下を始め、 明日の1月9日の夜21時〜22時頃から、第一の晩を始めるつもりです。 もしもその時間にゲームに参加して下さる方がおりましたら、 本日中にその旨書き込みして頂ければ幸いです。 (1名以上書き込みがあれば、予定通り始めます。勿論当日の飛び込み参加も可です。)
[131]森崎名無しさん:2017/01/08(日) 20:06:50 ID:??? >『犯人は 見上選手(お前ら若造モード) !』 凄い、これ初めて見た……あ、ゲーム参加させて頂きます
[132]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:13:57 ID:??? >>131 これは乱心の魔術師ミカミ卿の登場フラグですね… ゲーム参加の表明、ありがとうございます。 結構分量があるゆえ、一気に投下しても読みづらいと思うので、 次レスから時間を空けて少しずつ投下していこうと思います。
[133]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:17:06 ID:??? 屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』 Episode 2 Resurrection of the golden witch 〜黄金の魔女の復活〜 おはようございます。 黄金の魔女はあなた方の声にお応えし、新たなゲーム盤を用意されました。 どうぞお相手をよろしくお願いいたします。 魔女はあなた方が楽しめるよう、様々な趣向を考えておいでです。 趣向よりも、血沸き肉踊る鍔迫り合いを望まれる熱心な方々のご期待には、 恐れながら応えられぬかもしれませんが。 難易度は基礎。 このゲームの仕組みを理解した者にとっては、容易い問題でございます。
[134]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:19:47 ID:??? 〜東邦学園宿舎・反町の私室〜 反町「畜生……日向の奴め。あいつのせいで俺のサッカー人生お先真っ暗だ……!」 全国中学サッカー大会決勝戦、その前夜。 反町一樹は誰もいない自分の部屋で、言いたかったが言えなかった事を壁にぶちまけていた。 反町「日向だけじゃない! 日向のお引きの若島津に、そいつらを煽って殺人サッカーを促す吉良監督! タケシはまだ良いとしても、あの3人が居るせいで……!」 その理由は勿論、日向、若島津、吉良という、これまでの反町の人生を全否定するような、 現在の東邦学園サッカー部を牛耳る連中のせいである。 反町「尊敬していた北詰監督は、胃潰瘍が悪化し危篤。 仲の良かった友達からは、日向との癒着をでっち上げられ苛められる。 これも全部、全部、あいつらのせいなんだ……!!」 これまで優等生として、概ね順風満帆なサッカー人生を歩んで来たが故に、 反町は日向達アウトローの存在を認められない、認めたくないという幼い気持ちもあった。 しかしそれ以上に、日向達はまだ中学3年生の少年の心を黒く蝕みすぎた。 反町「そうだ。アイツらだ。アイツラを殺せば。コロセサエスレバ……!」 ――反町はいつしか、日向達の死を強く望むようになっていた。 事故に遭ってくれないか、突然病気になってくれないか、こうなったらいっそ自分がナイフで……! いや、ナイフは足がつく。ならば、何処にいても殺せるような魔法を使って……!!
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0ch BBS 2007-01-24