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屁理屈推理合戦withキャプ森
[128]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:30:04 ID:??? 『翼の死因は老衰死。体育用具室が何らかの理由Xにより封鎖された状態が数十年続き、翼は寿命を迎えた』 ワルギリア「……さて。これはベアトの考えた、第1のゲーム盤における真相です。 さっそく証明不要な『何らかの理由X』という、悪魔の証明が用いられていますね」 森崎「これはつまり、ゲームの謎の核心は『翼の死因』だったから。 翼が何故密室に閉じ込められたか。どのようなトリックで密室が出来たかは重要では無い、って事か?」 ベアト「『石崎が翼を閉じ込め外から鍵をかけた』『事故Xにより扉の前に岩盤が落ちて来た』 ……理由など、幾らでもでっち上げられる。 そして今回の謎において、密室が出来た理由はさして重要ではない。 今回の核心は、『外部からの干渉を一切受けない密室において、翼は何故死亡したのか?』だったからな」 ワルギリア「そこで。今回のリザイン手は『翼は自然死であり、鍵をかけたのは翼自身。今回、ベアトリーチェはそれを利用したに過ぎない』 でした。――ベアトはこのリザイン手について、足掻こうと思えばもっと足掻けた訳です。 例えば、【ベアトリーチェは今回の事件に関係しない】とか【翼は自分では鍵をかけていない】とか。 ……ですが、どうですか? もしもこれで魔女に、『死因については認める。では犯人を当ててみろ! 鍵がかかった理由を当ててみろ!』 と、居直られた場合。――果たして、このゲームは面白いでしょうか? 既に謎の核心は暴かれ。魔法以外での翼君の死亡について、有力な仮説が立てられたというのに」 ベアト「妾が断言する。くだらん。実にくだらんな」 森崎「そりゃあ、犯人当てつっても、それこそ当てずっぽうに『犯人は石崎!』『犯人は滝!』『犯人はロベルト!』 『犯人は 見上選手(お前ら若造モード) !』……ってやり続けるしかないしな。まさしく不毛な言い当て合戦だ」 ワルギリア「……勿論、犯人当てが意味をなさないのは、今回のゲーム盤の謎の核心がそれでは無いからであり。 死因についてはどうでもよく、限られた人物から犯人を特定する事が謎の核心であるゲーム盤であれば、 それはそれで面白くはなるでしょう」 ベアト「要するに、悪魔の証明は、用法を守って正しく使いましょうって事だな!」
[129]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/07(土) 17:32:56 ID:??? <今回のまとめ> ワルギリア「随分と長くなりましたが。今回説明した『悪魔の証明』についてまとめてみましょうか」 〜魔女のゲームにおける『悪魔の証明』まとめ〜 1.特定の事象Xの存在の有無について、『ある』事を証明するのは容易だが、『ない』事を証明するのは困難 2.故に、魔女/人間側は、『未知の魔法/トリックX』等が存在する事について、証明不要で主張しても良い 3.人間側の目的は、『不可能犯罪を人間とトリックで説明する事』なので、全てを証明不要とする事はできない。 『ゲームの謎の核心とは外れた部分について、詳細を説明する事は不要である』と考えるのが吉? 森崎「こうして見ると、随分簡単だな。こんな事に時間を割きすぎじゃないのか?」 ワルギリア「そうですね。確かに少々教えるのに難儀してしまったかもしれません。 ですが、この辺りの理論はこのゲームを行う上で重要でして……。 単なる用語解説にとどまらず、その考え方についても丁寧に書く必要があると考えました」 ベアト「その結果より分かりづらくなってしまっては、目も当てられないがなァ! ……ま、大丈夫だろう。お師匠様の教えだし、何より結局は習うより慣れよだしな。妾も腕が鳴るぜェ?」 森崎「何だと〜!? 俺も負けてられないぞ!」 ベアト「くっくくく! 相変わらず吠える声だけはデカい男よ! ならばさっそく、次のゲーム盤で勝負だ!」 ワルギリア「――と、言ったところで。長くなりましたが第一回のTIPSはここまでです。 ……次回は、もう少し短く、分かりやすくなると思います。ええ、そうしますとも」 〜TIPS@ 了〜
[130]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/08(日) 14:00:59 ID:??? こんにちは、他にGMをやりたい方が居なければ、 早速ではありますが、私の第二のゲーム盤を投下したいと思っています。 予定としては、本日〜明日よりNPCパート投下を始め、 明日の1月9日の夜21時〜22時頃から、第一の晩を始めるつもりです。 もしもその時間にゲームに参加して下さる方がおりましたら、 本日中にその旨書き込みして頂ければ幸いです。 (1名以上書き込みがあれば、予定通り始めます。勿論当日の飛び込み参加も可です。)
[131]森崎名無しさん:2017/01/08(日) 20:06:50 ID:??? >『犯人は 見上選手(お前ら若造モード) !』 凄い、これ初めて見た……あ、ゲーム参加させて頂きます
[132]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:13:57 ID:??? >>131 これは乱心の魔術師ミカミ卿の登場フラグですね… ゲーム参加の表明、ありがとうございます。 結構分量があるゆえ、一気に投下しても読みづらいと思うので、 次レスから時間を空けて少しずつ投下していこうと思います。
[133]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:17:06 ID:??? 屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』 Episode 2 Resurrection of the golden witch 〜黄金の魔女の復活〜 おはようございます。 黄金の魔女はあなた方の声にお応えし、新たなゲーム盤を用意されました。 どうぞお相手をよろしくお願いいたします。 魔女はあなた方が楽しめるよう、様々な趣向を考えておいでです。 趣向よりも、血沸き肉踊る鍔迫り合いを望まれる熱心な方々のご期待には、 恐れながら応えられぬかもしれませんが。 難易度は基礎。 このゲームの仕組みを理解した者にとっては、容易い問題でございます。
[134]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:19:47 ID:??? 〜東邦学園宿舎・反町の私室〜 反町「畜生……日向の奴め。あいつのせいで俺のサッカー人生お先真っ暗だ……!」 全国中学サッカー大会決勝戦、その前夜。 反町一樹は誰もいない自分の部屋で、言いたかったが言えなかった事を壁にぶちまけていた。 反町「日向だけじゃない! 日向のお引きの若島津に、そいつらを煽って殺人サッカーを促す吉良監督! タケシはまだ良いとしても、あの3人が居るせいで……!」 その理由は勿論、日向、若島津、吉良という、これまでの反町の人生を全否定するような、 現在の東邦学園サッカー部を牛耳る連中のせいである。 反町「尊敬していた北詰監督は、胃潰瘍が悪化し危篤。 仲の良かった友達からは、日向との癒着をでっち上げられ苛められる。 これも全部、全部、あいつらのせいなんだ……!!」 これまで優等生として、概ね順風満帆なサッカー人生を歩んで来たが故に、 反町は日向達アウトローの存在を認められない、認めたくないという幼い気持ちもあった。 しかしそれ以上に、日向達はまだ中学3年生の少年の心を黒く蝕みすぎた。 反町「そうだ。アイツらだ。アイツラを殺せば。コロセサエスレバ……!」 ――反町はいつしか、日向達の死を強く望むようになっていた。 事故に遭ってくれないか、突然病気になってくれないか、こうなったらいっそ自分がナイフで……! いや、ナイフは足がつく。ならば、何処にいても殺せるような魔法を使って……!!
[135]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:21:31 ID:??? 反町「――はぁ。一体俺は何を考えているんだ……!」 しかし同時に、反町は聡明な少年であった。黒い妄想を抱きこそすれど、決して実行には移さない。 それどころか、こうした妄想が何も生まないという事すらも知っていた。 反町「喉が渇いた。自動販売機で、 ドリンクバー でも買って来ようかな……」 だから彼は、気分転換を兼ねて自室を離れようとした。 外の空気を吸えば、自然と建設的な考えも浮かぶ――そう思っていた時だった。 ヒラリ……。 反町「(ん……金色の……蝶?)」 ――反町の私室の窓枠に、黄金の蝶が一羽、舞うのが見えた。 何かの見間違いか。そう思って目を凝らすと、それはゆっくりと人の姿を象り……。 ベアトリーチェ「くっくくく……少年よ。一つ妾と取引をしないか?」 反町「何だって……?」 やがて、蝶は美しい金髪の女性の姿を取った。 その姿は亡霊のように朧げであったが、気品に溢れており、反町は自然と姿勢を正してしまう。 亡霊は続けてこう言った。 ベアトリーチェ「妾は無限の魔女。妾はそなたにこの魔力を貸し与える。 そしてそなたは魔力を使って、妾の代わりに殺人を犯すのだ」
[136]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:24:27 ID:??? 反町「な、何だって……!」 ベアトリーチェ「何、心配は要らない。妾の魔法は完璧だ。 警察に足が付く事を恐れているならば、それも心配ない。 魔法による完全犯罪など、赤子の手を捻るより容易い事よ」 その提案は衝撃的だった。それは反町がつい先程妄想していた事を、 眼前の魔女は現実に可能であると断じてみせたのだから。 しかし、反町の疑念はまだ拭えない。それを悟ったベアトリーチェは、先回りするように説明を重ねる。 ベアトリーチェ「……まだ妾の存在が信じがたいとみる。まあ、それも仕方ない。 人間とは元来、抗魔力が高い生き物故、妾の姿など目視できぬ者が多いのよ。 ――そんな中で、そなたが妾を視認できたのはまさしく僥倖。 元より異世界との親和性が高いが故、妾の魔力を敏感に察知できたのではないか?」 反町「いや、異世界なんて行った覚え、ないんですが……」 ベアトリーチェ「くくくくっ、その辺りは妾の推測だ! 気にせずとも良い。 それより肝心なのは、これはそなたの妄想でも何でも無い。 そなたには魔術師としての適性がある。先程の話は、それを見込んでの取引だという事よ!」 反町「取引……?」 ここまで話を聞いて、反町は自然と、この幻想的な出来事が事実ではないかと薄っすら思い始めていた。 気付けば彼は、ベアトリーチェの美しく凛とした声に聞き入ってしまっていた。 ベアトリーチェ「うむ。本来妾は無限の魔女故、殺人など幾らでも犯す事が出来るのだが。 しかし先般、とある事情から魔力の多くを失ってしまってな。 このように、完全なるニンゲンの形をとる事が出来なくなったのだ。 これでは、妾が単独で殺人を犯す事はできぬ。誰かの力を借りるしかない」
[137]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:26:15 ID:??? ――ここでベアトリーチェは「とある事情」とぼかしたが、 これは数か月前、森崎に魔女のゲームを提示するも、敗れた事が原因である。 彼女の創り上げた魔女幻想が、人間とトリックにより説明されたことにより、 ベアトリーチェはその存在意義を失って雲散霧消していた。 それを辛うじて現世に繋ぎ止めたのが、今の亡霊のような姿であるため、 正直に暴露すれば、彼女は今追い詰められた状況下にあったのだが――そこは敢えて語らない。 ベアトリーチェ「妾が完全な力を取り戻すには、幻想により、魔女が実在すると多くのニンゲンに認められる必要がある。 しかし今の状態では、妾のみの力では困難だ。 ……故に反町。そなたが妾の代わりに、魔女幻想を起こして欲しいのだ。 これが妾の願い。そしてそなたへの対価は、無限の魔法の使用権となる。 ……どうだ? 聡明なそなたならば、この取引が不公平な物では無い事が分かったろう?」 反町「魔女は魔法で自分の存在を証明したい。俺はその依り代となる代わりに、 俺が望む事を魔法で叶えさせてやる。……そう言いたいのか」 ベアトリーチェ「その通り! どうだ、妾と契約して魔法少年、いや魔術師となってくれぬか?」 どこかのアニメに出て来たマスコットキャラクターのような語り口で、ベアトリーチェは反町を誘惑する。 反町「……」 ベアトリーチェ「ま〜だ悩んでおるのか! 良いか、もしもそなたがニンゲンの下らぬ良心の呵責に囚われてるなら、 それは全く心配せずとも良い! 何故なら妾の無限の魔法はニンゲンの理の先にあるもの。 そうした悩み、そなたが魔法を覚えれば全てどうでも良くなろう!」 反町「……………」 反町は当初、その良心から魔女の誘いを断ろうと考えていた。 幾ら日向達が憎いと言っても、人は人を殺すべきではない。 ……しかしその一方で、ベアトリーチェの提案に魅力を感じている自分が居る事に気付く。
[138]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/09(月) 00:28:13 ID:??? 反町「(考えてみれば、日向だけじゃない。俺は今まで……誰にも言いたい事を言えない人生を歩んで来た。 物心ついた頃から、サッカーの英才教育を受け、練習後は夜遅くまで塾通い。 両親や、チームの監督や、塾や学校の先生。その期待に応えたいと思っていた。 だから、辛くても辛いと言えなかった。地道に努力を重ねるしかないと思っていた。 ――だけど。そもそもどうして俺だけがこんな目に遭わなくちゃいけないんだ?)」 ベアトリーチェ「そうだ反町ィ。憎い奴らを殺すのは単なるきっかけだと考えよ! これはいわば試練なのだぞ。そなたが下らん大人の価値観を脱ぎ捨て、 言いたい事を言える、立派な一人格となる為のな! 完全犯罪の魔法は五万とある。後はその魔法を解き放つか否か! さあどうする? このまま魔法を否定し、大人や暴君に言いなりの人生を歩むか? それとも魔法でそいつらを殺し、自分らしく言いたい事を言える人生を歩むか?? この絶好のチャンスをみすみす逃すのかソリマチィィィィィィイイィィッ!?」 反町「(そうだ。魔女の言う通りだ。このまま大人しくしていても、食い殺されるだけだ。 やられる前に、やらなきゃダメなんだ。俺が……俺が、日向達暴君どもに、鉄槌を下すんだ! そして、俺は全てから解放されるんだ!!)」 ベアトリーチェの狂気に触れ、反町の心に生じたどす黒い感情はますます高まる。 その感情は毒のように、真面目で聡明な少年の心を蝕んでいき――。 反町「……分かった。取引に応じよう。無限の魔女、ベアトリーチェ」
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0ch BBS 2007-01-24