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屁理屈推理合戦withキャプ森
[225]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:42:17 ID:??? ワルギリア「普通のミステリーの文脈で考えれば、『密室』と聞けば概ね、 隠し扉や外部干渉の余地はないと考えられるのですが、 このゲームにおいては、犯人及びトリックを特定しなければならないミステリーと違い、 魔女幻想を否定――すなわち、犯行を人間とトリックで説明出来さえすれば問題ない。 それ故に、『悪魔の証明』を用いた謎の犯人/トリックXが認められるのです。 ですが……そうなると、今度は逆に、如何なる屁理屈がトリックとして認められてしまう問題が発生します。 当然、それこそがこのゲームの面白さではありますが……」 ベアト「考えてもみろ。一々『密室』とこっちが言うたびに、 『外部干渉の余地は?』『隠し扉は?』『本当に密室なのか?』とか、 お決まりの文句を繰り返すのは、人間にとっても疲れるであろう。 魔女としても、謎の核心とはズレた部分で同じ回答を出すのは疲れるし楽しくない。 妾の定義のお蔭で、人間・魔女ともが幸せになれるのだぞ! くっくくく!」 ワルギリア「人間側は、密室破りについてある程度の指針を定める事ができる。 魔女側は、密室の強固さ・犯行の不可能性を手軽に表す事ができる。 そうした理由から、このゲームにおいて、『ベアトリーチェの密室定義』が、 非常に有益なものであるのは間違いないでしょう。 ……ですが、『ベアトリーチェの密室定義』にはいくつかの穴や不明瞭な点があります。 第二講では、それについて具体的に語りましょう」
[226]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:43:24 ID:??? <第二講・『ベアトリーチェの密室定義』 各論> ベアト「ちょ、ちょっと待ってくれよォお師匠様ァ。妾の密室定義の穴って何だよぉ!」 ワルギリア「ほっほっほ。……では、森崎くん。今までの話を聞いて。 この『ベアトリーチェの密室定義』の弱点や穴について、何か分かりましたか?」 森崎「いや。弱点は分からんが、三つ程、疑問に思う事はあったな。 ……そこについて、順番に聞いていってもいいか」 ワルギリア「ええ。構いませんよ。その方が分かりやすいですし。 ……ただ、恐らく細かい内容になるので、特に興味のないウィッチハンターの方は、 この第二講は飛ばしていただいても差し支えないかもしれませんね」
[227]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:46:04 ID:??? (1)『外部に出入り’不可’な隠し扉』について 森崎「ベアトリーチェの密室定義では、『内外からの一切の侵入・脱出はおろか、干渉もできない』。 っていう事を理由に、隠し扉を否定できるって書いてあったが。 ……これって、『内外からの一切の侵入・脱出が不可能な隠し扉』だったら、良いって事か?」 ワルギリア「流石、鋭いですね。ええ……そうです。 あの子の密室定義においては、そのような隠し扉の存在は決して否定していません。 仮に、『隠れたクローゼットの中に犯人が隠れていた。探偵はそのクローゼットに気付かなかった』。 という真相があったとしても、これは『ベアトリーチェの密室定義』に反しないと言えます」 ベアト「……わ、妾もこの位気付いておったわ!」 森崎「(絶対気付いてなかったな、コイツ……)」 ワルギリア「ただ、『犯人が隠れた床下は地下1000メートルあった』という真相を持ってきて、 【犯人は部屋には隠れていない】! という赤を出す事には是非が別れそうです。 確かに部屋には隠れていないでしょうが、地下1000メートルもあれば、実質部屋の外とも言えそう。 ですが部屋の外となれば、『ベアトリーチェの密室定義』に反します」 ベアト「じゃあお師匠様だったら、どんな風な赤を出せば良いと思う?」 ワルギリア「そうですね……。私であれば、『床下は奥行10000キロメートルあった』という事にして。 【犯人は犯行後、フランス(日本から約10000キロメートル離れた場所)に居た】 ……とか言う赤を出すでしょうか。 これならば、部屋の外に出ている、と断言していないので、定義には抵触しないかと」 森崎「ひっでぇ屁理屈だな。流石あのベアトの師匠なだけあるぜ……」
[228]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:48:10 ID:??? (2)外部干渉の余地一切の否定について 森崎「次に、外部干渉の余地一切の否定についてだが。この範囲ってのは、どこまでなんだ? 謎の電波や細い棒やら。そんなのの干渉の余地が無いってのは分かったけどよ。 例えば、密室の外から声を掛けたりとか。もっと言うと、光とか空気とかも外から中に入れないのか?」 ワルギリア「この辺りは少し釈然としませんが。ゲーム本編、「うみねこのなく頃に」においては。 『外部から内部へ音声などを伝えることは可能』としています。 その事をもって、光や気体までは干渉可能ではないか? と、言う向きもありますが。 ……私の意見として言わせれば、光や気体を認めるのは、ややアンフェアなきらいがあると思います」 ベアト「うむ。それを認めれば、『外部からの謎の毒電波による死亡』は外部干渉としてNGであるにも関わらず、 『外部からの謎の毒ガスによる死亡』が外部干渉とあたらずOK、という事実になるな。 音声にしても、『外部からの剛田リサイタルによる死亡』は外部干渉に含まれるのか? という疑問が浮かぶ」 森崎「確かに、『密室はベアトリーチェの密室定義』を満たす! って宣言しつつ、真相が 『死因は外からの剛田の歌声! 音声による干渉はベアトリーチェの密室定義に反しない!』 ……って言うんだったら、何となく興ざめな気もするな」 ワルギリア「こうした微妙なラインについては、あらかじめ参加者……人間側との合意を得た上で示すべきでしょうか。 そもそも、こうした内容を真相に置くべきか? という事も含めて考える必要も出てきますが」 森崎「定義確認も大事だが、定義確認で出た単語の定義確認……とかまで来るとメンドいしなァ。 この辺りは互いに空気を読むしかないってか」
[229]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:49:53 ID:??? (3)『ベアトリーチェの密室定義』の強固性 森崎「……というか。そもそもの疑問になるんだが。 『ベアトリーチェの密室定義』は、外部からの一切の干渉を受けないんだよな」 ワルギリア「ええ、ええ。そうですとも」 森崎「じゃあ、その密室は、例えば大地震が起きようが、宇宙から小惑星が降って来ようが、 太陽が膨張して地球を巻き込もうが、……外部からの一切の干渉を受けないのか? なんか、色々とおかしい気がするが」 ベアト「くひゃひゃひゃひゃ! 面白い事を言うな森崎ィ! だがしかし、ここは敢えて妾が突っ込んでやろう。それは順番が逆であろう、と!」 森崎「順番? ……って、そうか。そういう事か」
[230]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:53:30 ID:??? ワルギリア「……理論上、森崎くんが言った事は本当です。しかし、実際はそう言った事実はありません。 何故なら、地震や隕石衝突があったとしたら。 その時点で部屋は吹き飛び、『ベアトリーチェの密室定義』を満たさなくなる訳ですから」 森崎「ああ、もう言わなくても良い。例えば、【事件終了時、その部屋はベアトリーチェの密室定義を満たす】 って赤があったとしたら。 それはつまり、【事件終了前、その部屋はベアトリーチェの密室定義を崩すような事象Xは起きなかった】 ……と、言い換える事ができるって訳だろ?」 ベアト「うむ。さすがは妾が見込んだ男よ、理解が早い。その場合、 『地震などの天災が起きても、ベアトリーチェの密室定義は崩れない』ではなく。 『ベアトリーチェの密室定義が崩れていないという事は、地震などの天災は起きなかった』 と、考えるべきであろう、という事だ!」 ワルギリア「少し複雑な話になってしまいましたね。ですが実は、ここはベアトリーチェの密室定義の弱点でもあります。 つまり、あまりに強固な密室であるが故に、密室を破る可能性が限られてしまうのです。 更に言えば、ベアトリーチェの密室定義を持ち出すという事は、魔女は人間側に、 『この謎の核心は密室状態時にはなく、その前後に存在する』と、宣言しているようなものです」 森崎「確かにな。地震やら毒電波やら剛田リサイタルやら剛田シチューの匂いやらに気を取られてるんだったら、 それは別に一切関係しないし気にするな! ……って、言われてるようなものか」 ベアト「魔女側としても、『ベアトリーチェの密室定義』とは、それだけ大きな駒である、という事であるな!」
[231]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:54:45 ID:??? <今回のまとめ> 森崎「何だなんだで今回も長かったな、オイ」 ワルギリア「すみません。ですがこの定義も、ただコピペするだけならば簡単なのですが。 詳細については色々の議論の余地があるところでして。 これでも、本当に細かい部分については説明を割愛しているのですよ」 ベアト「『外部干渉の余地否定は、扉にも及ぶのか?』『壁や天井や窓はどうか?』 『外部干渉により密室構築した場合も、ベアトリーチェの密室定義を満たすのか?』 ……などについては、魔女の評議会においても度々議題とされる内容であるな。 まぁ、そんな事まで考えても面白くないから、妾は語らぬがな!」 ワルギリア「定義の隙間を縫ったトリックは魔女のゲームの基本であるとしても。 細かすぎる言葉遊びになってしまうと、それはそれで意見が分かれ面白くない。 しかし、意外性のある面白い発想は時間により出尽くしてしまう。 それは、このゲームの難しいところだと思います」 ベアト「それでも、妾たちはあの手この手で魔女幻想を振りまき続けるがなァ! うっひゃひゃっひゃっひゃははぁ! 妾もさっそく一つ新たな密室のアイデアが思い浮かんだところだ! 今度ゲーム盤を片手に、そなたの家に遊びに行くから待っておれ!」 フワァァァッ……! 森崎「そ、それだけは止めろ! 親への説明が面倒だッ!? ……って、行っちまった」 ワルギリア「森崎くんも、厄介な子に好かれてしまいましたね。あの子、中々執念深いですよ?」 森崎「分かってらぁ。……はぁ。綺麗な女に気に入られて絶望的な気分になるなんて、生まれて初めてだぜ……」 ワルギリア「ほっほっほ。それもまた若さですよ。私もつい800年前は……と。 話が逸れてしまう前に、今回のまとめを置いておきましょうか」
[232]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:55:55 ID:??? 〜『ベアトリーチェの密室定義』まとめ〜 1.『ベアトリーチェの密室定義』とは、ざっくり言うと『とても強固な密室』 2.『とても強固な密室』でも、幾つかの抜け穴はある(『脱出不能な隠し扉』など) 3.『ベアトリーチェの密室定義』=『このゲームの謎の核心は密室じゃないよ』のメッセージ?
[233]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:59:52 ID:??? <補講・ロノウェのトラップ定義について> ワルギリア「……森崎くんとベアトは去ってしまいましたが。 折角の機会を利用して、もう一つ、魔女のゲームにおいて使われる単語を紹介しましょう」 ワルギリアはこの世界を『観劇』している名もなき無数のウィッチハンターに向かい、補講を始めた。 ワルギリア「定義系の言葉として、『ベアトリーチェの密室定義』に加え、 『ロノウェのトラップ定義』というものがあります。定義は以下のとおりです」 【ロノウェのトラップ定義】 仕掛け人が直接関与することなしに殺人を遂行できる全ての仕掛け。 ワルギリア「ええ。ええ。分かっていますよ。『ロノウェって一体誰やねん!?』……ですね。 彼は、ベアトが使役する大悪魔の一人であり、彼女の家具頭として仕える執事。 魔女の社交界では彼を雇用する事が一種のステータスで…… ――とか、設定は色々あるのですが、特に重要ではありません。 重要なのは言葉と定義です。魔女のゲームにはこうした単語があると言う事だけ、 頭に入れておいてください。もっとも、議論の余地についてはあまりないのですが。 強いて言えば、『殺人を遂行できる』とはどこまでの範囲を指すのか。 そのトラップが直接殺人を行えるもののみか、 そのトラップが発動した結果、間接的に人間が死亡する(餓死等)ものも含めるか、 そのトラップ自体に危険性は無いが、事故により結果的に死亡した場合はどうか。 ……などについては疑問がありますが、そこまで深く考える必要は無いと思います。 まぁ、魔女のゲームを楽しむためのフレーバーとして、 『こんな用語もあるんだ!』……程度に覚えて頂ければと思います。 さて、それでは補講もおしまい。皆さん、次のゲームでもご武運を。ほっほっほ……」 〜TIPSA 了〜
[234]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 19:10:54 ID:??? ベアトリーチェの密室定義について、TIPSを書かせて頂きました。 書いてるうちに一部複雑になってしまいましたが、読んで頂ければ幸いです。 第三のゲーム盤について、当初構想していたゲームの他に、 『ベアトリーチェの密室定義』を使った、シンプルな問題が一問思いついたので、近い内に開催できればと思います。 (ソリマチ卿は出てきませんがw) 内容を詰めて、具体的な日程が決まれば、またアナウンスさせて頂きますので、参加して頂ければうれしいです。
[235]森崎名無しさん:2017/01/14(土) 19:19:29 ID:??? ワルギリアおb・・・先生の分かりやすい講義乙 要するに「そんな細かいところ突っつかなくていいから」という魔女の良心なわけですね
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0ch BBS 2007-01-24