※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
屁理屈推理合戦withキャプ森
[241]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:05:34 ID:??? ベアト「妾はそなたに挑戦するため、一つのゲーム盤を用意した。 もしもこのゲームで、そなたが妾に勝つ事ができれば、このグローブをそなたに贈ろう」 森崎「グローブは良いが、また人を殺すのかよ」 ベアト「なあに! 妾としても、これは自らの存在の為のゲームでは無い。 純粋に、そなたと妾との知恵比べ。魔女と人間との勝負が楽しみたいだけよ! 故に、【このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない】事を、 この【赤き真実】にて誓約しようではないか!」 森崎「現実では無い。これはゲームだ。賞品もある。……だから、勝負に応じろと言う訳だな。 ケッ、相変わらずズルい奴だぜ。俺が断る理由を丁寧に潰して来てやがる」 ベアト「ほう。それは勝負を受ける……と言う意思表示で良いか?」 森崎「別に良いさ。どうせ帰っても家で基礎トレーニングをやって、漫画でも読んで寝るだけだ。 だったら、基礎トレーニングの前に漫画みたいな奴とゲームしたって一緒だからな。それに――」 ベアト「それに?」 ……ベアトリーチェは高貴なる魔女らしいが面倒なヤツだ。それは間違いない。 しかし、森崎は内心ではこうも思っていた。この魔女は面倒だが、この魔女との勝負は悪くない。 それは、かつて翼を殺しかけた相手に向かって思うには、あまりに不謹慎な感想なのかもしれない。 だからこそ、森崎はこれまでもずっと魔女を軽くあしらい続けていたが――一方で、 ソリマチ卿との戦いを入れれば3度目となるこのゲームに対しては、興味を抱いている事には間違いなかった。 森崎「――俺は勝つのが大好きなんだ。それはサッカーだろうが、魔女のゲームだろうが一緒だ。 だったら勝ってやるよ。……もうお前が二度と俺に勝負なんて挑みたくなくなる位完璧になァ!!」
[242]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:07:10 ID:??? なぜなら、森崎は結局のところ、純粋なまでの勝利主義者。 翼がどうとか、ソリマチ卿の野望がどうとかは勝負に挑む為の外形的な理由作りにしか過ぎない。 森崎は本心では――あの『魔女のゲーム』に挑み、そして勝利する事を心待ちにしていたのだ。 ベアト「……くーーーひゃっひゃっひゃひゃっひゃァァアッ!! よくぞ受け入れたな森崎ィ!! それでこそ妾が倒すに相応しい相手よ!」 そしてベアトは、そんな森崎の闘争本能を知っていて、今ここにそれを引きずりだせた事に対し喜ぶ。 同時に、彼が自分の見込み通りの好敵手である事を再認識する。 魔女幻想を認めさせ、人間を屈服させたいベアトリーチェ。相手が誰であろうとも、決して屈服しない森崎。 人命や世界の命運は関係せず、賭け合うのは互いのプライドのみ。 それにも関わらず、これまでで最も熾烈を極める魔女と人間の争いが、今ここに始まろうとしていた――。
[243]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:08:57 ID:??? ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 【地獄の悪魔の復讐】 航海を生業とする北欧の一民族の言葉に、「フラーノ」という言葉がある。 これは彼らの言葉で「地獄」を意味し、東の果てにある大きな島の、その中央に位置すると言われていた。 彼らの中には、本当に「地獄」が存在するのかと疑い、実際にこの眼で確かめたがる者も多く居た。 その者達は好奇心から、伝承の地への航海を試み――そして、実際に辿り着いた者すらも居た。 だが、その地から戻って来た者の全ては人格が変わり果て。そして、口を揃えてこう言ったのだ。 「良いよなァ……お前は。どぉせ俺なんか……」 ――部族における協議の結果、彼らは地獄(フラーノ)にて悪魔に憑依されたとし、全員が処刑された。 そして、誰もがフラーノへと近づく事を固く禁じられた。 かの部族が滅んでから数百年の時が流れ、かつて地獄とされたフラーノの地にも開拓民の手が入り、 今では「ふらの」と呼ばれる美しき土地として、多くの人間が住み着くようになった。 しかし、地獄の悪魔はまだこの地に潜んでおり、闇より現れ人間を蹴り殺していると、一部の民俗学者は主張する。 その悪魔は、かつて滅んだ民族が使った言葉に準じて、今でも住民の間でこう呼ばれている。 「ヤグ=ルマ」 ――と。
[244]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:10:19 ID:??? *** ――暗い暗い空間の中で、松山はひたすらに泣き叫んでいた。 「あにきぃ……あにきぃ……助けてよぉ……」 とある事件をきっかけに、ふらの中のサッカー部員はこぞって自分を虐めるようになった。 陰湿な嫌がらせが始まった時は、彼らを全く疑っていなかった。 しかし、それは少しずつエスカレートしていって、やがては決定的な事件が起き。 それでも、まだ仲間を信じたいという想いが残っていて……。 ――そう考えている内に、自分はここに閉じ込められたのだった。 「あにきぃ……痛いよぉ……」 ……結局は自分が悪いのかもしれない。だけどそれ以上に、仲間に裏切られたという想いが、 仲間を信じていただけに強く、重く、自分の心を蝕んでいた。 暗闇に支配された体育用具室の中で、松山は無力に泣き続ける事しかできなかった。 「光を掴もうと思っても、……結局はこうなんだ。痛いしっぺ返しを食らうだけなんだ……」 内心は絶望に覆われていた。光を目指して前に進んでいた筈の自分の人生は、もう無い。 あるのはただただ辛い現実と、真っ暗闇の無間地獄だけだった。
[245]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:11:47 ID:??? それでも、松山は一度だけ泣くのを止めて、口元を歪めてみせた。 ……笑うって、どうやるんだっけ。彼はそれすらも判らない様子だった。 だが――結果として、この行為は彼にとって致命的だった。 何故なら、伝承において悪魔は、人間の笑い声を聞いて現れるとされていたからだ。 「……今、……笑ったか? ……俺の事を……笑ったか?」 松山は無意識的な笑顔を止めて、顔を強張らせる。 ……他には誰もいない筈の体育用具室。その暗闇が人間の形を取っていた。 背の高い、やさぐれた様子の『悪魔』は、落ちくぼんだ瞳で松山の事を見つめている。 「……笑うな。……笑うな。……笑うな笑うな笑うなワラウナワラウナァアァァァ!!」 ――松山の笑いがきっかけとなり、悪魔はその怒りを剥きだしにした。 人間の形をとったシルエットが更に膨れ上がり、飛蝗と人間を掛け合わせた怪物となって、 松山の背丈の倍近くの跳躍を見せて襲い掛かる。 ドガン。ドガン。ドガンドガンドガンドガン。 飛蝗を象った悪魔は、跳ね回って何度も松山の頭を叩き付けた。 まるで特撮映画のワンシーンのように悪魔は飛び回り、その頭蓋を叩き割る。 その跳躍が何回か続いたところで――彼はもう、動かなくなっていた。 「あにきぃ。あにきぃ……ごめんなさいぃぃ……」
[246]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:13:30 ID:??? 「良いよなァ……お前は。どぉせ俺なんか……」 血塗れとなった松山の死体を見下ろす形で、 悪魔は伝承通りの言葉を呟きながら、暗闇の中、佇んでいる。 この暗闇を破ったのは松山の絶命から数分後の事だった。 「おい、さっきの音は一体どうした――って」 「えっ……!? あ、あれは……」 体育用具室に松山を閉じこめていたふらの中サッカー部員の数名――小田と加藤が、 先程の騒ぎを聞いてその扉を開け放った。 そして、彼らはその目で見てしまったのだ。――かつての伝承にあった、地獄の悪魔を。 「マブシインダヨ……オマエハ……!!」 悪魔は怨嗟の声と共に、次の標的に向かって襲い掛かる。 小田はその時漸く自分達の行為の愚かさを知ったが、時は既に遅かった。 彼は死の間際、薄れいく意識の中で自分を殺した伝承上の悪魔の名前を呼んだ。 「ヤグ=ルマ……!」 ――ふらの中サッカー部は全員死亡。 新聞各社はこれを、「地獄の悪魔ヤグ=ルマによる所業」として大体的に報じた。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
[247]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:15:44 ID:??? 今回の敵は地獄の悪魔ヤグ=ルマ!……と、言ったところで今日はここまでにします。 もし参加者が1人でもいれば、明日の夜22時半〜24時半までくらいで、ゲームを始められればと思います。
[248]森崎名無しさん:2017/01/23(月) 00:31:49 ID:??? ゲーム参加させていただきます 「『ヤグ=ルマ』逆から読むと『マル=グヤ』。意味の分からない『マル』はノイズとして考えられるから消すと残る文字は『グヤ』…… つまりこの事件の真犯人は某姫様だったんだよ!」
[249]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:29:09 ID:4z784tCM こんばんは、予定通りゲームを初めていきます。 >>248 ゲーム参加表明ありがとうございます!某姫様「な、なんだってー!?」
[250]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:30:32 ID:4z784tCM 〜???・魔女のサロン〜 森崎「……なあ、ベアトリーチェ」 ベアト「うむ。これが妾がそなたに出題するゲーム盤。題して『地獄の悪魔の逆襲』であるぞ。 内容からしてまさしく、妾によるそなたへの雪辱戦として相応しかろう!」 森崎「いや、そうじゃなくて。……復唱要求。 「このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない」」 ベアト「くっくっく! 早速ゲーム開始とは気が早いなぁ森崎! まぁ復唱しよう、【このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない】 だが、【この事件はネットゲームの出来事だとか、そんな話ではない】ぞ! 後述するつもりだったが、謎の本質はそこでは――」 森崎「――そういう事を聞きたいんじゃねーよ。……なんか、今の話に知ってるヤツが出てたから、気になっただけだ」 ベアト「なァんだ、そういう事か。さっきもこないだも言ったであろう、妾は無駄な快楽殺人はせぬと。 そして、これはあくまでゲーム盤内での出来事。実際の松山とかふらの中とかには、一切危害を加えておらぬ」 森崎「そ、そうかよ……相変わらず悪趣味な事しやがって。てか、ここどこだ」 ベアト「細かい事を気にするでない。妾程の魔女となると、ゲームを楽しむ為の亜空間を作るなど造作もないからな。 ここは、人目に触れず妾とそなたがゲームを楽しめる遊技場――その程度に思ってくれれば良い」 森崎達は気が付くと、上品な家具が並ぶ洋風屋敷のサロンで机を囲んでいた。 机上には紅茶とチェス盤が置かれており、チェス盤の局面は既に中盤を迎えている。 ベアト「……それでは始めるか。まずは、そなたへの出題の前提として、幾つかの赤を。 そして、この問題の趣旨である謎について、この盤面を元に示しておこうぞ」 その状況を指しながら、ベアトリーチェは前提となる絶対の事実――【赤き真実】を紡いでいく。
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24