※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
屁理屈推理合戦withキャプ森
[393]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:53:56 ID:??? ドガン。ドガン。ドガンドガンドガンドガン。 「あはっ! あはははははははははっ! 何よ! 弱すぎィ! あいつらも生まれて来た時にこんな風に潰したかった! 潰してやりたかったァ!! アハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」 そんな中、あの愚かな赤子――「不幸」を意味するマツ=ヤマと名付けられた忌み子の頭蓋を潰した時、 私は麻薬的な快感に包まれた。こんなに気持ちいいのなら、あいつを産んだ時すぐに首を捻っておくべきだった! そんな後悔すら抱きながら、私は何度も、何度も、まだ柔らかい骨が千切れるまで踏みつぶし続けた。 暗闇に閉じ込められてからマツ=ヤマを一人で産んで以来、私は最高に満たされた時間を過ごした。 「あにきぃ。あにきぃ……ごめんなさいぃぃ……」 ――にも関わらず、私は何故泣いているのだろうか。 それは残った理性か、我が子への愛情か。それとも命を奪った事への純粋な謝罪か。 どっちにしろ、私の感情の残滓こそがこの涙であり。 それから先の私は、単純に光を憎むだけの悪魔に過ぎないのだから。 「良いよなァ……お前は、どぉせ俺なんか……!」 どうせ私なんか、絶対に幸せになれない。 暗闇に閉ざされて、禁忌を犯して、そして罰せられるのがお似合いだ。 でも、どうせ罰せられるんだったら――俺だって、罰してやる。
[394]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:54:59 ID:??? 「おい、さっきの音は一体どうした――って」 「えっ……!? あ、あれは……」 バンという音と共に、まぶしい光が私の目を刺す。 体育用具室に私を閉じこめていたふらの中サッカー部員の数名――小田と加藤が、 先程の騒ぎを聞いて、扉を開け放ったようだった。 ――我が子すらも喜んで殺したような私が、最も悪逆な方法で私を穢した男達を許す筈がない。 「マブシインダヨ……オマエハ……!!」 ドンッ! ……ブウンッ、ガシイッ! 私は、二人を思いっきり弾き飛ばすと、近くにあった角材で彼らの頭を吹き飛ばした。 この細い身体のどこにこんな力があるのか分からなかった。 これこそまさに、悪魔が取り憑いたからなのだろうか。 しかしもはやどうでも良い。どうせ、私はこれから残りの奴らも殺すのだから。 我が子の父親かもしれず、私の夫かもしれない名もなき男達を。 「――夜具、瑠真(やぐ るま)……!」 ……その決意を後押ししてくれたのは、皮肉にもあの時真っ先に私にのし掛かって来た小田だった。 彼は私の名前を呼んだだけなのだが――それが、私の過去を再認識させる。 ――そう。そうだった。私もまた、望まれない子なんだった。 この辺りの部族で「悪魔」を意味する言葉。それが、……捨てられた私に付けられた名前だった。
[395]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:58:29 ID:??? *** ――ふらの中サッカー部は全員死亡。 警察はただちに容疑者とされる15歳の少女を逮捕したが、すぐに心神喪失と判定されて病院に送られた。 犯行前の彼女を知る者達は口を揃えて、「明るく、快活な性格だった」と語るのに対し、 病院での彼女は、常に自分自身を罰する為に鎖を巻き、「闇の底にはどんな声も聞こえない」と、心を閉ざし続けるのだった。 後日。面白がった新聞各社はこれを悪魔憑き――「地獄の悪魔ヤグ=ルマによる所業」として、大体的に報じた。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
[396]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:59:52 ID:??? …と、言ったところで一旦ここまでです。
[397]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 23:44:36 ID:??? 今日は更新をお休みします。
[398]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/03(金) 00:04:24 ID:??? すみません、今日も更新をお休みします…
[399]森崎名無しさん:2017/03/05(日) 21:36:42 ID:??? おおっと、更新が来ていた お疲れ様です、「からだ だいじに」でいきましょう
[400]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 01:52:07 ID:??? 〜???・魔女のサロン〜 ベアト「『ヤグ=ルマの正体とはふらの中の女子生徒。彼女はふらの中メンバーに体育用具室に閉じ込められ、 そこで松山という名の男児を出産。しかしその直後殺害した』。 ……これが、この出題における残酷なる真実よ」 森崎「フィクションとはいえ、胸糞の悪い話しやがって……やっぱり魔女は悪趣味だぜ」 ベアト「魔女に悪趣味は褒め言葉よ。……しかし、妾もちと意地が悪かったかもしれぬな。 これは本来、そなたとの親睦の為のゲーム盤であったが、つい妙な方向に気合を入れ過ぎてしまったかもなぁ……」 勝負が終わった後、森崎はベアトが振る舞う最上級の紅茶と共に感想戦に興じていた。 森崎「『やって来た』の赤字は良いとしてもだな。やっぱ出産説を否定しといて、オチは出産説でしたーってのもズルいぜ。 思いつきで解かせたくないってのは分かるけど、オーバーリアクションし過ぎだっての」 ベアト「や、やかましい! そなたはいつも悪いトコばかりをぐちぐちぐちぐちと……! そこについては妾だって反省しておるッ! 次のゲームでは改善する事を約束する」 森崎「次のゲーム、って言われてもなぁ。お前をぶっ倒すのは確かに超楽しいけどさ、 そもそも俺、別に推理ゲームはそこまで好きってワケじゃねーし……。 それよりサッカーしようぜ。お前と、ワルギリアって魔女と、他にも魔女の眷属とか居るだろ。 そいつらをかき集めりゃ、11人位にはなるだろうしさ」 ベアト「妾は汗水を垂れ流す運動は好まぬ。サッカーをするよりも、サッカー中に起きた事件を、魔女幻想に満たして惑わす方が好きだ。 ……まぁ、そなたが教えてくれるのなら、別に、やってもいいかなーなんて思わないでもないけど……」
[401]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 01:54:05 ID:??? 森崎「最後の方、聞こえなかったんだが」 ベアト「べ、べっつにー? 妾別に魔女だしサッカーになんて興味無いし」 森崎「ま、そうだろうな。じゃいいや」 ベアト「うぬぬ……! そなたはわざとやっておるのか?」 こうしてみると、ベアトリーチェは最初と比べると随分と柔和な、そして子供っぽい印象を抱かせる。 ――もしかしたら、これが彼女の本来の姿なのかもしれない。 森崎は何故か苛立つ彼女の想いをどこまで汲んだのかは分からないが、 ミルクと砂糖をたっぷり入れた紅茶をぐいっと品なく飲み干すと。 森崎「……ま。人に迷惑をかけないってなら、たまに遊んでやるのもやぶさかじゃないけどな」 ベアト「…………」 ……と、少しだけ照れた横顔を見せてそう言った。 ベアトはその表情を見て、少しだけ安心したような様子を見せると、 ベアト「――くひゃひゃひゃひゃ! 何はともあれ、森崎よ。 一度ならず二度までも、よくぞこの妾を打ち破ったな! 先の約束通り報酬はくれてやる。だがこれで増長するではないぞ。 何故なら、魔女は執念深いとどの御伽噺でも決まっておる。 今にそなたを屈服させうる、極上のゲーム盤を用意するからなァ! それまで首を洗って待ってろよ、森崎、いやモロサキァ!」 パァァァァァッ! シュウゥゥゥゥッ! ――最後に、これは初めて会った時と寸分たがわぬ最高に下品な笑い声を立てながら これまで森崎がくつろいでいたサロンごと、黄金の霧に形を変え、どこかへと消えてしまうのだった。
[402]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 01:55:16 ID:??? 〜南葛市・商店街〜 森崎「……はっ!? ゆ、夢か!?」 気づくと森崎は再び、南葛市内のスポーツ用品店を目指す道中に戻っていた。 そこには黄金の蝶も、ゲーム盤も、あの小憎らしい魔女もどこにもいない。 幻想が入り込む余地など、この町のどこにはありはしなかった。 森崎「……いや、夢じゃねーか。残念ながら」 しかし、森崎の体験して来た幻想は真実だった。 彼の手には、小さく黄金の蝶の刺繍がなされた上質なキーパーグローブが握られている。 これは確かにベアトリーチェが、ゲームの前に報酬として提示した『魔女のマジックアイテム』だった。 森崎「だが、落ちてる物は都合良く利用するのが俺様だ。 こいつはかなりの代物だからな。少々シャクだが、ありがたく使わせて貰うとしよう」 森崎はそう言いながら、入手したグローブを嵌めてみる。自分の手のサイズにピッタリだった。 勿論魔法の力でボールをセーブできるとは到底思えない、ただの高級なキーバーグローブではあったが。 しかし、それでも何だか温かみがあって、確かに自信が湧いて来るような気もした。 ベアト「……森崎ィ。大事にしろよ、そのグローブ。なんせそれは妾が手ずから選び、 そして刺繍を施したものであるからな。妾の『魔法』、しっかりと受けるがいいぞォ……くっくくく!」 森崎「……あん? 今、アイツのクソ忌々しい声が聞こえたような……気のせいか」 ともあれ、森崎は先を行く。彼の覇道は魔女の介入程度で決して妨げられるものではないからだ。 ……後に『キャプテン森崎』がその頭角を初めて世界に示した大舞台。 フランス国際ジュニアユース大会は、すぐそこまで迫っていた。
[403]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 01:56:54 ID:??? 屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』 Episode 3 Revenge of the golden witch 〜黄金の魔女の雪辱〜 完
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24