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屁理屈推理合戦withキャプ森
[637]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/31(木) 00:15:12 ID:v0O3wSA2 森崎「ぐっ……!」 キンッ、キンッ、キンッ、ガキイイイインッ! ミアータ「……私の愛はなァ、チンケな三流ラノベみたいな軽いモンじゃねぁんだよ! テメエみたいな部外者が、ストラットを語ってんじゃねぇぇえええッ!! てか語られるストラットもストラットだろッ、簡単に語られる尻軽男めが! 私の許可なくモリサキに浮気してんじゃねぇぞッッッッ!!!!!!!」 ミアータの継戦能力は恐るべき物だった。 腹を、腕を、肩を負傷しても尚、残った全身を駆使して、凡そ人間離れした動作で、 森崎が繰り出す青き真実を一つずつ砕いてくる。 ************************************ ベアト「ば、馬鹿な……! 普通の魔女であれば、その青の重みに耐えられず、 当の昔にリザインしている所であろうものを……!」 ニネー「……私のゲーム盤でも、イタリアはひたすらしぶとかったわね。 ヘルナンデス君ったら、岬君の、山森君の、三杉君のシュートに、 果てはドライブタイガーまで悉く防いじゃうんだもの……。 その影響が、ゲーム盤を隔てた、ここのミアータにも表れている可能性があるわね」
[638]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/31(木) 00:16:12 ID:v0O3wSA2 今や、上位世界の魔女達も、眼下にある愛憎と嫉妬の魔女を明確なる脅威と見なさざるを得なかった。 多重に張られた強固かつ堅牢な密室。大量の赤き真実で真相を覆い隠すという、繊細かつ大胆な盤上戦術。 魔女のゲームにおいて必要とされる技能を、彼女は完璧にマスターしているどころか、 自分なりのアレンジを加え、最強クラスの守備力を誇示している。 ワルギリア「謎の難解さや発想の大胆さでは、彼女を上回る魔女や魔術師は多く居るでしょう。 しかし、かくも単純な謎を覆い隠し守り抜く技術は、私もこれまで見た事がありません。 ……森崎くんが、ここまで肉薄しているのが、むしろ奇跡と言える位です」 ベアト「ええい、森崎には任せられん。かくある上はこの妾が直接引導を……!」 ――しかし。 ニネー「待って。……大丈夫よ、森崎君なら。ううん、……森崎君を応援している、皆の力があるなら」 この領域全体の支配権限を持つニネー卿だけは、認知出来ていた。 森崎の周囲に漂う、《無限》でも『奇跡』でも【絶対】でもない――”運命”という名の魔力を。 魔女のゲームは彼女の得意とする分野からは大きく外れてはいたが、 しかし、そこに通底する『想い』の力は同質。森崎は……決して一人ではなかった。
[639]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/31(木) 00:17:33 ID:v0O3wSA2 ベアト「それはどういう意味……! こ、これは……!」 ワルギリア「――見ておきなさい、ベアト。これが我らとは全く異なる領域にて千年を生きた魔女の奇跡。 数ある魔女の中でも、ごく少ない者にしか扱えぬ秘儀中の秘儀を!」 ゴ オ オ オ オ オ ッ………!! 下位世界に魔力の渦が生じている。しかしそれは、ニネーが自ら生み出した物ではない。 彼女はあくまで、きっかけを生んだに過ぎず、……様々な色を含んだ混沌とした渦は、 何の指示も無くに紡がれ、弾かれ。やがて、たった一筋の青き光となり。 ニネー「……森崎君。これだけの声援があるんだから、魔女なんかに負けちゃダメよ!」 カッ! ――下位世界で傷つきながらも戦う森崎を一際激しく照らした。 それは、今も尚戦い続ける森崎にとっての、反撃の狼煙となる。 ************************************
[640]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/31(木) 00:21:10 ID:v0O3wSA2 森崎「あ、諦めんぞ! えっと…… 『離れの祠の正体は支配人、ハナレノ・ホーコラ氏だった! ハナレノ氏は閂をかける時の衝撃波でミアータを異次元へと誘ったのだ』! 『ミアータとはミアちゃんとータちゃんの双子だった! ミアータは今回の事件と関係しない』! 『そもそも、ベアトリーチェの密室定義の定義が俺達の知る密室定義と異なる! ”今回の”ベアトリーチェの密室定義では、外部に脱出可能な隠し扉を含んでいた』! あ、後は……」 ミアータ「――【異次元へと人を送る衝撃波は、魔法とみなす】、【ミアータは今回の事件と関係する】 【ミアちゃんとータちゃんは存在しない】、【ベアトリーチェの密室定義に誤りや変更はない】ッ!」 キンッ、キンッ! ――カーンッ! 森崎「うぐっ……!」 ――魔女と立会人が”魔法”を起こす直前、森崎は窮地に瀕していた。 苦し紛れの青では、ミアータの鋭い剣戟を乗り切る事はできず、少しずつ押され、 そして――喉元に、鋭い赤きナイフを突き立てられる。 ミアータ「死ねやモリサキィ! あの世でストラットを殺した罪を詫び続けろォォォォォォオオォォォッッ!」 森崎「……!!」 ――しかし、死に至る直前でも、森崎は諦めなかった。 考えろ。考えろ。これまでの赤を掻い潜る青を。魔女の欺瞞を拭い去る青を。 絶対絶命のピンチから逃れ、逆転勝利を掴み取る為の奇跡の青を。 ……そして、こうした彼の姿勢こそが、絶対の魔法。 例え争いの場がサッカーコートであらずとも、森崎有三は”魔法”を起こし続ける。
[641]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/31(木) 00:22:50 ID:v0O3wSA2 カ ッ ! 森崎「……そう、か」 ――キィィィィンッ……! ミアータ「!? この、光は……!?」 森崎の全身が黄金に光り、ミアータのナイフは皮膚まで至らず跳ね返される。 傷ついた身体はみるみる内に癒えていき、瞳には覇気が戻って来た。 森崎「……ああ、駄目だ。全然駄目だッ! 俺はどうして、こんなミスリードに引っかかっていたんだ? ったく、それにしてもなんつー魔女だぜ! ああ、本当に!」 そしてそれと同時に、森崎は、至ってみせた。 ……この事件の心臓。すなわち、魔女幻想の正体に。 森崎「――漸く分かったぜ。この事件を構成する、全ての真実がな……!」
[642]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/31(木) 00:25:07 ID:??? …と、言ったところで今日はここまでです(汗)
[643]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/01(金) 00:58:07 ID:??? すみません、今日は仕事が忙しかったので、更新をお休みします。
[644]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/02(土) 17:04:05 ID:??? すみません、仕事が忙しい&まだ書きあがらないので、今日もお休みします。 明日には回答編を投下したいです。
[645]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/03(日) 22:19:28 ID:??? 全ての真実が分かった。 その宣言を裏付けるように、森崎の周囲には赤き真実の刃が煌めいた。 しかしこれは、森崎を屈服させる為に放たれたものではない。 ……これらは、森崎が呼び出した赤き刃。ゲームの真相を知る者にしか使用できぬ、 赤き真実を自在に扱える権限を持つ事こそ、彼がこのゲームの核心に至った証だった。 森崎「『ストラット殺害後、ミアータはどこに隠れていたのか?』 今回の謎の核心は、これだけだ。……そして、その核心を暴く為の武器は、 ゲーム盤の初期には既に、示されていた」 そう言うと同時に、周囲に浮かぶ刃の内の二つを、ミアータの近くに突き立てた。 ――【ストラットが離れの祠を施錠した時、ミアータの姿はどこにも見えなかった】。 ――【祠内に居るストラットの周囲には、充分な照明があった】 森崎「しかも、この二つの武器は、抽出して見ればトリックの所在がバレバレだ。 ……何が、『どこにも”見えなかった”』だ。何が、『”ストラットの周囲には”、充分な照明があった』だ。 これ単体だけで見たら、三流の赤だぜ。 この赤があれば、ストラットの視野に致命的な見落としがあったと、誰もが容易に推測できる。 実際、『ストラットは盲目だった』……という青だって、初期の内に飛んでいたしな」 ミアータ「へぇ。……気付いていたのね? その割には随分苦戦させられてた風に見えたけど」 森崎「ああ。……認める。かくも明瞭かつ単純な謎を解くのに時間がかかったのは、 間違いなく、お前のゲームマスター……このゲーム盤の魔女としての手腕だ。 シンプルな真相を、閂の掛かったガチガチの金庫に閉じ込めたお前は、 間違いなく、カティナチオの熟練者――『カティナチオマステリー』と呼ぶに相応しかったよ」 森崎の脳裏に、未だ経験せぬライバル達との熾烈な戦いが浮かんだ。 強力かつ統制の取れたDF陣と、底知れぬ体力・精神力でそれを支えるGK。 彼女の放つ謎は、まさしくワールドクラスの守備力を誇っていた。
[646]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/03(日) 22:20:46 ID:??? ミアータ「でも、……知っているかしら? イタリアサッカーは、決して守り一辺倒のサッカーじゃない。 むしろ、堅守からの強力なカウンターこそがその持ち味なのよ。 ……そう、守りが堅いからこそ、ストラットのような強力なストライカーが輝ける。 なのにッ!! それをお前は奪ったんだッ!!!!! この醜悪な人殺しめッ!!!!」 ミアータは今も尚斃れず、森崎に一方的な憎悪を向けて咆哮する。 ……真実の赤が深々と刺さっているにも関わらず、この魔女は死なない。 執念染みた愛憎の恐ろしさに森崎は辟易しつつも、……続ける。 森崎「黙ってな。……そうだよ。お前は謎を強固に隠蔽する一方、嫌に攻撃的だった。 俺が謎を明かそうとすれば明かそうとする程、お前は積極的に赤を振りまいて俺を屈服させようとした。 ……いや、むしろ逆だ。お前は大量の赤で俺を困惑させる為に、わざと謎の範囲を広げた! ヒントを与えて謎を解き易くするリスクを抱えてでもなお、お前は”三つも”設問を出したんだ。 核心の謎に至るまでの前座で、少しでも多くのノイズを振りまいておくために、わざと!!」 バッ! ゴオオオオッ……! 森崎の周囲を雁字搦めに縛る、大量の赤き真実。 魔女にとっては伝家の宝刀とも言えるそれを、彼女は惜しげもなく使った。使わせた。 ……すべては、単純な真相から森崎の視線を逸らす為だけに。 森崎「『閂の扉』の謎も、足跡の謎も、謎それ自体は大して重要じゃなかった。 重要なのは、この謎を通す事で、少しでも多くのミスリード用の赤を出す事だったんだ。 この二つの謎は、『離れの祠』が古く小さな建物であり、そして狭い建物であると、 潜在的なイメージを与える事さえできれば十分。ついでに、 【離れの祠の広さは、中庭の真ん中から、4〜5メートル四方位】みたいな、 核心に触れ、かつ錯誤を与える為の赤をひっそりと出せれば上出来……そんな所だろ?」 森崎がミアータに突きつけた赤は、ますますその鋭さを増しながら、彼女の喉元を食い破ろうと迫る。
[647]吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/09/03(日) 22:23:02 ID:??? 森崎「……思えば、この二つの謎だけじゃない。このゲーム盤。……幻想描写以前の全ての描写が、 『離れの祠』に対するミスリードを強めていた。山奥の山荘。中世の伝統的な建築様式。 クローズドサークルでの殺人。……正統派なミステリーめいた意匠を凝らして、 とんでもないバカミステリーな回答を隠す為に、わざわざ長文をこさえたんだな。涙ぐましい努力だぜ」 ミアータ「ふ、うふふふふひひひひひひひびびびひぶぃッ! お前こそ、勿体ぶっちゃって!! さ、……さっさと言いなさいよ。さっさと私をストラットと同じ場所に連れてきなさいよォォオオォォッ!!」 森崎「そうしたいのは山々だが、ここまで手こずらせてくれたお返しだ。 お前のハラワタを、存分にほじくり返していたぶってから連れてってやるよ。 ――トドメはこの平面図だッ!」 ――【当スレ>>496にある平面図が正しい事を保証する。平面図の離れとは、離れの祠のことである】 そして、森崎はいよいよ核心のとなる最後の赤を取り出した。 それは最後にして最初の赤。……離れの祠に関する謎の序盤で取り出された、全ての前提となる赤き真実だった。 森崎「魔女のゲーム盤……『屁理屈推理合戦』は、基本的に、魔女が情報を恣意的に隠し、 人間がその隠された情報を、赤き真実を頼りに推理し指摘するゲームだ。 にも拘わらず、お前は厚意という建前で、人間に対し情報の多くを与えるという、 通常考えればとんでも無い失策を犯していた。……それがあの平面図だ」 森崎の言う通り、幻想を信じさせたい魔女側は、多くの真実を語らない事が定石である。 多くの真実を語れば語る程、真相の幅は限定されていき、やがては人間に敗北してしまう。 ましてや、人間が要求してもいないのに、その情報の多くを――それも、半ば答えにも近いものを ――提供する事は、ゲーム序盤にてクイーンを奪われるにも等しい大損。 しかし彼女は、通常ならば考えられぬ暴挙を、最強の守備魔法にまで昇華してみせた。
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0ch BBS 2007-01-24