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【追う蜃気楼は】鈴仙奮闘記39【誰が背か】
[212]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/14(日) 02:36:47 ID:??? 「誰の性癖が悪趣味だと!? テメーも勝手に名前だけで人をロリコン扱いしやがるってのか!?」 「て、ぇええっ? オレ、そんな事言ってないよぉ!?」 そしてテイラーくんに雑に絡んでいるのがロリマーくん。名前のせいで昔から苛められており、 そのため性格にやや難ありな所もあるが、技巧派FWとしての評判は高い。 パワープレイはやや苦手そうだが、その代わりに編み出した『バウンドショット』の威力は高く、 得点王ランキングでは、如何にもな点取り屋のリチャードの後ろにピタリとつき続けている。 「しかし、豪華な顔ぶれだな。まるで次のイングランド代表が全員一堂に会したみたいだ……」 「っても、代表を狙えるタマじゃねー奴も結構いるだろ。お前の事だよ、トーマス!」 そして、その他にも恐らくイギリス全土から集まったらしい男子のサッカー選手が十数人。 実力的には数合わせ程度なんだろうが、一体どういう事だろう。この集まりは。 「ねぇ、さとり様。あたい達って確か、こいし様と矢車の手掛かりがあるってモンだから、 このヨークシャー・サッカークラブの御屋敷に招かれたんですよねぇ?」 「ええ、そうね」 「しかし、いざ招かれてみると、どう見ても別の目的で集まったような奴らがワラワラいます。 そして依頼人らしい矢車は姿を見せない。これは一体どういう事だと思いますか?」 「そうね……少し考えてみようかしら」 屋敷のホールに約20名が適当にブチ込まれてる状態でも、さとり様は余裕綽々な風貌だ。 実際はいろんな人の感情が勝手に入ってくるんだからしんどいと思うけど、そういう感情を外に出すタイプの方ではない。 だからあたいも敢えて深くは詮索せずに、ただ、有事に備えて動ける程度には気を配る。
[213]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/14(日) 02:40:55 ID:??? 「私達はあのメイドに誘導されたのかもしれません。私の能力を熟知した上で、偽の思考を読ませ、 それをエサに私達をここにおびき寄せる……。本当は、こいしも矢車君も関係が無かったのかもしれない」 「はぁ。で、そーなると一体あたい達はなんで誘導されたんでしょうねぇ」 「それはまだ分かりませんが。その理由が、今回の人選と関係があるのかもしれません」 「今回の人選……ですか。イングランド人で、サッカーが上手い少年達ってトコですかね? それを一同に集めた。その目的は、……何ですかね? コロシアイとか?」 「コロシアイならば、私達まで呼ばれる筋合いはありません。 イングランド人から見たら見ず知らずの外国人少女2名を巻き込む理由がない」 「ってなるとじゃあ、やっぱり目的はなんかの事件解決ですかね。 しかし、それは当初の依頼とは別な内容なのかも。たとえば、この中に殺人鬼が居て。 それをさとり様の能力で炙り出すためとか」 「その可能性はあり得るわね。けれど、別の可能性としては――」 さとり様が次の可能性を言い出さんとする、その時だった。コツン、コツンと階段を下りる音が屋敷に響く。 銀髪で一切余分な仕草を見せない彼女の事を、あたい達は知っている。 そう、彼女は――。 「あいつ……なんでここに」 「シッ、お燐。今は相手の出方を伺うのが先決よ」 さとり様はそう制するも、このイギリスの地において、彼女の存在はあまりにも場違いだった。 悪魔の犬とも呼ばれ、本来の主に対して忠実な彼女が、こうして別の誰かの従者に成り下がるなんて。 これもまた何かの計略であるならば、一体どんな陰謀が渦巻いているのやら。そう混乱しつつある中で。 「みなさん、お待たせしました。わたくし、矢車様の御屋敷・地獄館に努めているメイドの、 十六夜咲夜と申します。以後、お見知りおきよう」 ――紅魔館のメイド長は、その主を変えつつも、以前と変わらぬ瀟洒さで一堂の前で挨拶をしてみせた。
[214]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/14(日) 02:44:55 ID:??? 謎メイドの依頼を飲んでヨークシャーの屋敷にやって来たさとり。その屋敷にはイングランド中の名選手が集まっていた。 彼らが、そしてさとり達が集められた目的とは?その鍵は、先刻現れた元・紅魔館のメイドが握る! ……と、言ったところで今日の更新はここまでにします。 急展開になりますが、次回更新では試合前の準備に入る予定です。
[215]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/14(日) 23:42:27 ID:??? 今日は更新をお休みします。
[216]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/20(土) 01:08:59 ID:??? ここ一週間仕事が大変で、更新できませんでした… ゲームと違って現実は頑張ってもすぐには報われないですが、 だからと言って、自分自身にとって決して無意味にはならないと信じます。
[217]森崎名無しさん:2017/05/21(日) 00:03:00 ID:??? お仕事お疲れ様です
[218]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/05/21(日) 23:30:49 ID:??? 今日も更新をお休みします。明日以降も普通に忙しいので更新再開の目途は未定です… 来週くらいで一山超えれば、それ以降はまたノンビリ書いていけると信じて生きています。 >>217 ありがとうございます。これまではそうでもなかったのですが、 今年度に入ってからは仕事量がハンパ無いですね。 勿論もっと忙しい人は沢山いるんでしょうが、貧弱な私は日々を生きるので一杯一杯です(汗) 自分語り失礼しました。
[219]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/04(日) 02:11:53 ID:??? また大分間が空いてしまい、仕事も相変わらず忙しいですが、更新再開します。 霊夢スレさんが復活しましたね…。私にとって特に思い入れの深い外伝作品のひとつでしたので、とても嬉しいです。 読んでいると、初めて森崎板に来て外伝スレを読みふけっていた頃(たしか、初めて読んだ外伝作品でした)や、 拙作を始めた頃(大会ルールをパク…参考にさせて頂いてました)の思い出が蘇り、新たにモチベを貰いました。 更新速度は未だ保証はできませんが、また楽しんで書いていきたいと思います。 ただ、その更新速度が目下一番の問題という事もあり、 以前に続いてとなりますが、更なる削減要素として、 ・仲間の章における試合を廃止(成長選択とストーリー描写は継続) を、取りたいと考えています。 本来は世界のライバル達や幻想郷選抜勢との因縁や、 (特に旧ルナティックス所属以外の)仲間キャラに愛着を持たせる為、 オムニバスストーリーを検討していましたが、従前のような更新量をお約束できず、 また、やはり一番描写したいのは鈴仙の葛藤や成長についてなので、 より書きたい事に絞った形にて、更新を継続したいと思います。 期待して頂いた方にはすみませんが、その分残った箇所については、濃厚な描写に努めたいと思いますので、 引き続き読んで頂ければ幸いです。(もしご意見あれば、コメント頂ければ幸いです。)
[220]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/04(日) 02:13:06 ID:??? −登場人物紹介− ・矢車 困った人。死ぬと見せかけて犯人と見せかけてやっぱり死んでそう。 ・リチャード 乱暴でいかにも第一の殺人で死にそうな人。 ・ロブソン 寡黙で中々死ななそうだけど後半で死にそうな人。 ・テイラー 軽薄で結構早めに死にそうな人。 ・ロリマー 被害妄想持ちで死亡フラグを立て、中盤あたりで順当に死にそうな人。 ・トーマス 影が薄いから犯人だと読者にメタ読みミスリードさせてから死にそうな人。 ・モブの皆さん たしか他にも後十人位は居たかなぁ。あんま覚えてないや。 ・咲夜さん ヴァンダイン的に考えて犯人じゃないし大丈夫。 ・あたい(お燐) 運送業者。 ・さとり様 名探偵。 ・こいし様 本当にいるのか分からんけど、とりあえず書いとけば伏線になるし書く。 ・お空 折角だし、一緒にイギリス観光したかったなぁ。
[221]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/04(日) 02:17:29 ID:??? 「最悪な登場人物紹介ね」 「え、そうですか。中々ロックで良いと思いましたけど」 地獄館の客室にて。あたいは備え付けのタイプライター(21世紀のこのご時世でwwwww)で、 今回館に招かれた人物一覧――いわば登場人物一覧をまとめていた所だった。 こんな感じで、助手役の手記を小説にしてるんんです、って体の方がリアル感が出てシビレるしね。 しかし、そんなあたいの小粋な気配りにも容赦なく冷や水を差すのが、さとり様なのである。 「まず、登場人物の紹介が適当すぎます。死ぬ順番について考察する暇があるなら、 その人の所属とか過去の経歴とか、色々書くべき所があるでしょうが」 「いやー、でも別に所属とか興味あります? 読者はそいつらの所属よりも、 『こいつはキャラ的にすぐ死ぬな』『こいつは犯人っぽいな、名前からして』とか、 メタ的な推理に没頭しますよ? だから、あたいだって推理してもいいじゃないですかぁ」 「ダメです。第一読者だってそんな事されたらドン引きでしょうに……」 元紅魔館付きのメイドに案内された部屋は個室だったが、あたいの部屋とさとり様の部屋は隣同士だった。 この辺りは配慮してくれたのだろうか。本当は同室が良かったんだけどね。 「あと、登場人物紹介なのに、『モブの皆さん』っておかしいでしょう。紹介してないじゃないの」 「えー? でもこいつら実際事件と関係しないでしょうしー。無駄に人名が多くて、名有りが出るたびに、 いちいち登場人物紹介に戻る作業ってめんどくさいじゃないですかぁ」 「うーん、確かに気持ちは分からなくもないですが……って、そんな問題じゃないでしょうに」 というかそもそも、登場人物紹介に、登場してない人物を書くのはどうなの? こいしは……まあ、認めてあげるにしても。お空は絶対無関係でしょ。それこそ、読者さんが無駄にミスリードするじゃない。 あんたのどうでも良い感想のせいで。お空が無関係でも関係あってもクレーム物よ」 「いやぁ。でも小説でも良くあるじゃないですか。冒頭に『 タケシ に捧ぐ』とか。そんな感じっすよ」 「じゃあ、そんな感じにしなさいよ。なんでわざわざ、登場人物紹介に書いて、読者に喧嘩を売りにいくのよ……」 「あっ、あと。さとり様の登場人物紹介、名探偵。ってのが個人的には傑作なんですけど。何ですかね、名探偵。って。 もっと他に書くべき事があるだろ、って思いませんか?」 「殺人事件専門の名探偵だなんて、それこそ幻想郷の中にすら存在しないものね……」
[222]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/06/04(日) 02:18:39 ID:??? 幸いにもまだ、不可思議な殺人事件も館の住人同士のトラブルも起きた気配はない。 だからか、あたいもさとり様も警戒しつつ、普段通りの軽口を叩ける程度には落ち着いていた。 しかしである。 「――それにしても。矢車君。本当に彼がこの館の主だったして……どうして、姿を現さないのかしら」 そもそもの問題として、恐らく一番大事な登場人物である矢車が、姿を見せていないのだ。 イギリスの地に空気を読まず建立されたおどろおどろしい闇の洋館・地獄館。 如何にも殺人事件起きて下さいオナシャス的な名称を持つ館の主が不在というのは、如何にも怪しい。 「推理小説とかだったら、既に死んでるとか。あるいは、あたいらの中に矢車がいるとか。 そんな感じだったりしますよね。――あれ、そういえばさとり様。その背中のチャックは……?」 「背中にチャックはありませんし、あったとしてもそこから矢車君が出て来たりはしません。 大体、それで出て来たら推理小説じゃなくて単なるギャグでしょ」 「そうですねぇ。あ、そういえばアレ無いですよさとり様、アレ! 平面図! 屋敷で推理と言ったら平面図が無いとお話になりませんって!」 「あんたは本当にお気楽ねぇ……羨ましいわ」 さとり様ははぁと溜息をついて、部屋に備え付けられた椅子に座る。 その横顔は少しだけ疲れているように見えた。 「――やっぱ、地味に気にされてますよね。あのメイドが言った事」 「ええ。まあね。こいしが、本当にここに居て。そして、矢車君の命を狙っている……」 それは、さとり様を動揺させ、この館まで連れてこさせたメイドの持つ情報だった。 今にして思えば謎にしか思えないそのフレーズ。 こいし様が、このイギリスの地獄館に来ている?で、矢車の命を狙ってる?なぜ?何のために?どんな方法で? クエスチョンマークしか見当たらない状況下で、いよいよあたい達はハメられたのかもしれないと真剣に考え始めた。 ――勿論、答えなんて出ないんだけど。
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0ch BBS 2007-01-24