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【追う蜃気楼は】鈴仙奮闘記39【誰が背か】
[327]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/01(土) 16:56:42 ID:??? 〜回想シーン終了〜 カルロス「……あの時の想い出は、俺にとって何よりも尊く、何よりも掛けがえの無いものだった。 結局あれから行えたのは計画的な『練習』ではなく、『遊び』と呼ぶにふさわしいものだったが。 それでも。アーサーお姉ちゃんは、俺にサッカーボールの感覚を教えてくれただけじゃない。 入団テストに合格するため、結果を出す事に焦っていた俺に、 ボールを通して人と人が繋がり合う面白さ……サッカーの楽しさを、思い出させてくれたんだ」 アヤソフィア「……カルロス君はその後のテストで伸び伸びとしたプレーができ、 その才能を如何無く発揮したそうですな。はてさて、私のきまぐれも、案外大したことあるんですねぇ」 鈴仙達プロジェクト・カウンターハクレイの目指す目標:全幻想郷選抜撃破の為の第一歩でもある、 ブラジルサッカーの登竜門・リオカップ。 その準決勝であるフラメンゴの試合が終わり、観客が帰っていった無人のスタジアム。 そこにカルロスとアヤソフィア――そして鈴仙は立ち尽くしていた。 鈴仙「ちょ、ちょっと待ってよ。アヤソフィア……いや、もう面倒だから本名で聞くけど。射命丸! あんたは、昔にもブラジルに居た事があるの!?」 アヤソフィア「私の事はアヤソフィアでお願いします、鈴仙さん。 詳細は後述しますが、少なくともこの地において、私は射命丸文としてではなく、 アヤソフィアという名のブラジル人として在りたいと思っているのでね」 アヤソフィア――射命丸文が語った内容。自分はかつて、ブラジルの地に来た事があり、 当時のカルロス・サンターナと出会っていたという事実は、鈴仙を驚かせるに充分だった。 そして、良くも悪くも軽薄に見えた彼女の豹変の理由が、その事実と関連している事は明らかだった。
[328]森崎名無しさん:2017/07/01(土) 16:58:01 ID:??? なんだ射命丸って案外大したことあるんだな
[329]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/01(土) 16:58:34 ID:??? 鈴仙「後述って……一体何があったって言うのよ。あんたとカルロス君。そしてブラジルとの間に。 それて、今のあんたの虚無的な態度にも関係してるの……?」 カルロス「……あなたの素性は一旦置いておくとしても、俺も聞きたい。 俺の入団テストの日から今までに、何があった? 何があなたを変えた? 少なくとも、今のあなたは――俺が知るアーサーお姉ちゃんではない」 だからこそ、鈴仙もカルロスも聞きたかった。彼女は今、何を想い、何を目指しているのか。 決して自分の本心を曝さないアヤソフィアの真意を問いただしたかった。 しかし。真剣な表情の二人に反し、アヤソフィアは残酷に嘲笑い、 アヤソフィア「あやや。何があった? と言われましても、それはごくごく明白ですよ? ねぇ、鈴仙さん。カルロス君?」 そう言い放つのみに過ぎない。とはいえ、これには鈴仙も反撃の準備があった。 鈴仙「勿体ぶって話さずとも。どうせアレでしょ?『射命丸って案外大したことなくね?』って皆に言われ続けて、 そのせいで腐ってブラジルでクダ撒いてただけなんでしょ?」 ――そもそも、鈴仙は知っている。今でこそ思わせぶりな態度を見せているアヤソフィアだったが、 その恐らくの理由は、極めて陳腐かつ下らないものである事を。そしてここまでシリアスさをかもし出して来た本人すらも、 アヤソフィア「やめろォ!」 ――と、綺麗なまでのお約束をもって、自らの手でシリアスをぶち壊してみせる。 鈴仙「……ほら。どーせそれがトラウマで拗らせただけなんでしょ」 アヤソフィア「う、うぐぐぐ……ま、まあそれも若干は否定できませんが! 若干は! 否定できませんが!!」
[330]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/01(土) 16:59:52 ID:??? ――アヤソフィア、いや射命丸には悪いが場が白けてしまった気がするも、罪悪感はない。 何故なら、もしそれが原因でアヤソフィアが虚無的思考に陥った所で、それは完全に自己責任なのだから。 むしろ、はたてや椛と言った彼女の盟友達は堕落する射命丸を何度も支えて救っている。 そんな彼女達の想いを知って、一時はサッカーへの意欲を復活した時期すらあるのだから、 ちょっとした気の持ちようで再びネガティブに落ちるのは、ますます迷惑である。 鈴仙「まぁ……気持ちは分からなくはないけれど。 別にそういう相談だったら、私だってしてあげられると思うし――」 結論として、フラメンゴ戦でも目立った活躍ができなかった射命丸がゴネているだけ、と判断しかけた鈴仙は、 試合での疲れを癒すべく。そして何だかんだで引き続き仲間であり続けるであろう射命丸を引き戻す為にも、 一旦この場における話を切り上げようとしたのだが。 カルロス「……まさか」 鈴仙「?」 カルロスは今の鈴仙の話を聞いて、笑う事も納得する事もなく思考を巡らせていたようであり ――そして、気付く。彼女が心に頂いた闇の正体と、その深さを。 鈴仙がそこに居る事すら気に留めず、彼女の胸元近くまで詰め寄って、そして……こう話す。 カルロス「……アーサーお姉ちゃん。もしかしてあなたは、復讐を考えているのか。 『案外大したことない』と喚く暴徒の手により、人生を滅茶苦茶にされた、 あなたの義理の弟であり、俺の親友でもあった……アルツールの!?」 これに対し、アヤソフィアは答える代わりに続きを語り始めた。 彼女がサッカーを憎悪し、復讐を決意する事に至るまでの喜劇と ――その喜劇の裏に隠されていた、悲劇的な真実を。
[331]森崎名無しさん:2017/07/01(土) 17:05:33 ID:??? (え、シリアス案件?『射命丸って案外大したことなくね?』ってネタにしずらくなるの?(汗))
[332]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/01(土) 17:11:23 ID:??? 一旦ここまでにします。続きはできれば夜にやりたいです。 システム的なアナウンスですが、このイベント終了後をもって、 リオカップ序盤の鈴仙を支えてくれていたアヤソフィアがチームから永久離脱します。 ただ、これはJOKERが出る級の何かが起きない限りは規定路線として考えていたイベントのため、ご了承ください。 >>328 流石に本家コインブラ君程ではないですが、 かなり大したことある強さになって鈴仙の前に立ちふさがる予定です。 >>331 詳細はネタバレになるので言えないですが、最終的にはシリアスな雰囲気をしたギャグになると思います。 自分としては、シリアスでも最終的にある程度中和されれば、ネタにしづらくなることは無いと思っていますが この辺りは受け取り方もあるので微妙かもしれません。
[333]森崎名無しさん:2017/07/01(土) 18:10:37 ID:??? コインブラもそういえばオールスターもブラジル戦も思ったほど大した活躍をしていなかったような・・・
[334]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/02(日) 01:31:06 ID:??? 更新再開します。 >>333 言われて読み返しましたが、ブラジル戦はまだボールキープ成功してたり、 若林相手にゴール決めたりしてましたがそれでも意外と勝ってなく、オールスター戦は更に活躍が無かったですね… (特にオールスター戦は)周囲のレベルも高すぎたので仕方ないかもしれませんが。 そしてリーサルツイン前の回想シーンで、コインブラ君とカルロスの練習シーンが描かれてましたが、 それと比べて随分カルロスを幼く描写してしまったかもしれません(汗) この辺りについては、同年代の男子では無く、年上の綺麗なお姉さんに声を掛けられて緊張した等、 脳内保管して頂ければと思います。キャプ森本スレは読みこんでるつもりでしたが、まだまだ読み込みが足りませんね…
[335]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/02(日) 01:32:51 ID:??? 〜回想シーン〜 ビュンッ! シュンシュンッ、シュパァッ! アルツール「へへっ、すげーだろ姉ちゃん! 俺の『高速ドリブル』! これさえあれば、次の試合も俺がMVPだよな!」 アヤソフィア「あややっ、そりゃあ勿論。とはいえ、何時だって弟くんがお姉ちゃん的にはナンバーワンですがね!」 アルツール「や、やめろよー。照れるじゃねーか。あはははっ! ようし、次はシュートの練習だ! ちゃんと見ててくれよな、アヤお姉ちゃん。この俺の『マッハシュート』!」 アヤソフィア「マッハシュート……ああ、例の新技でしたな。期待してますよ!」 貧富の差が拡大しているブラジル・サンパウロ市内の中でもとりわけ薄汚れた貧民街の一角。 忙しそうな労働者達が疎まし気な視線を送る中、アヤソフィアは少年とのサッカーに興じ、ニコニコとした笑顔を送り続ける。 その笑顔の中――彼女は内心で溜息をついた。 アヤソフィア「(はぁ……半分以上は自業自得とは言え。私、何してるんだろ)」 アヤソフィア――射命丸文は、千年を生きた幻想郷の鴉天狗であるが、 その年齢に反して、少なくとも組織内では順風満帆とは言えなかった。 アヤソフィア「(はぁーあ。ブラジルで政変があった。日本。ひいては幻想郷の経済にも影響を及ぼす可能性がある、よ。 そんなモン、影響あるわけないじゃない! 上の方々は、とりあえず『何かやった感』を出して、 アリバイを作っておく事に必死なんだろうけどさ……)」
[336]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/02(日) 01:34:28 ID:??? 根は生真面目で融通が利かず、組織の和に従ってはいるが上には決して媚びを売らない。 天狗にしては珍しいタイプの彼女は、『特命任務』と称し、必要なのかどうか分からない業務に従事させられる事が多かった。 彼女が今こうして、11歳の少年と戯れているのも、その業務の一環だった。 アヤソフィア「(『アヤソフィア・アントゥーナ・コインブラ。18歳。病気がちの養父と、 未だ幼い弟の生活費を稼ぐために新聞配達とバーのアルバイトをこなす傍ら、 ジャーナリストを目指して写真と記事を編集社に寄稿しては落選している。』 ……何なのよ、この設定)」 幻想郷を離れた外の世界には当然、天狗など存在しない。 万一存在したとしても、幻想が科学によって否定されたこの世界において、 幻想郷の内部と同じような神通力を発揮できる訳がない。 このブラジルの地において、誇り高き天狗である射命丸は、その設定通り、 ただの18歳の人間の小娘として、情報を仕入れ大天狗達に報告せざるを得なかった。 アルツール「くらえ、『マッハシュート』!」 グワァァッ! バギュウウウンンッ! キラキラキラッ……シュンッ! アヤソフィア「なにィ!? ボールがきえた!?」デデデデデン!←2の初マッハシュートの時の演出SE ……そのため、彼女は『設定』に準じる必要がある。そうでなくては怪しまれ、 怪しまれれば自らを守る術はなく、自らを守る術がなくては、他に守ってくれる者もいないからだ。 アヤソフィアは弟思いの姉という設定に忠実に、楽しげに笑いながら弟のサッカー遊びを見守っていた。
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0ch BBS 2007-01-24