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【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】
[350]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/02(水) 01:09:15 ID:zPI53KrM ★トニーニョ→ドライブパス 58 ( ダイヤ6 )( 2 + 2 )+(ガッツ200未満ペナ-2)=60★ ★アリスさん→パスカット 56 ( ダイヤ9 )( 4 + 3 )+(人数補正+1)+(ムーンサルト上海+4)=68★ ≦−2→コリンチャンスボールに。試合終了。 バシュッ……。 ――パルメイラスメンバーそれぞれに宿る、不屈の心は確かに本物だった。 アリスさん「この程度……!」 しかし、如何に心が本物であっても、目の前の現実を崩す事はできない。 バァァァッ……パシイッ! つまり、トニーニョが放った『ドライブパス』は、先程のネイのドリブルと同じく、全くの精彩を欠いており。 トニーニョ「……くそっ!!」 このリオカップの場では、容易く奪われても致し方無い程度の威力しか込められていなかった。 アリスさん「……反町君、後は任せたわ」 そして、コリンチャンスに集まる皆もまた、それぞれがそれぞれの信念を持っている。 ――ならば、現実は勿論幻想ですらも、今となってはパルメイラスのみを味方しない。 アリスさんが胸で完全にトラップしたトニーニョのパスは、反町の居る中盤へと流れていき。 残り少ないロスタイムは彼の空気を読んだ繊細なパスワークでみるみると溶けていく。 そして――。
[351]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/02(水) 01:12:02 ID:zPI53KrM ピイッ、ピイイッ。ピイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ! 実況「試合終了〜〜〜! コリンチャンス、パルメイラスをも下してリオカップ決勝戦に進出だ〜〜!!」 ――互い互いに爆発する感情がぶつかり合った、リオカップの準決勝戦は、 一瞬だけ輝いた閃光のように鮮烈に、しかし呆気なく、その幕切れを迎えたのだった。 コリンチャンス 3 − 2 パルメイラス 試合終了!
[352]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/02(水) 01:13:32 ID:zPI53KrM 観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 「マジか!?」「あのコリンチャンスが決勝進出かよ!」「パルメイラス、惜しかったな……」 「ネイ、トニーニョ! お前達もよくやったぞー!」「サルサノも良いプレーしてたぜ」「ああ、メオン以上かもな」 「レーイーセン!」「カーホ!」「テーイ!」「(ソリマチ)」「アリスさん!」「サルサノ サルサノ」 妖夢(観客席)「(何なの、この気分の悪くなる。……胸がざらつく試合は)……帰る」 新田(観客席)「あっ、待ってくださいよ姉御!(鈴仙……あの一見トロそうな女の子のプレーを見るたび、 姉御は複雑な顔になっていた。……やっぱり、今度会ってみよう)」 翼(観客席)「両チームとも、まあまあ良かったね。でも、俺が作るサッカーキングダムに入れてあげるには、まだまだかな」 カルロス(観客席)「(ネイ、トニーニョ、そしてレイセン……。皆が未来を向いて、前に進んでいた。 俺も、そろそろ先に行かなくちゃな。大切な過去を守り……大切な人と、未来を創る為にも)」 アヤソフィア(記者席)「悔しいけれど、素敵でした。……もうちょっと、貴女と一緒に居たかった。 そんな身の丈に合わない後悔すら覚えちゃいますよ」 パルメイラスとコリンチャンスとの準決勝戦は、これまでに無い総力戦だった。 観客席からはまるで決勝戦かと見まごうまでの大歓声と、両チームの選手をいたわり労う声が聞こえた。 彼らは間違いなく、鈴仙とてゐの、あるいはトニーニョとネイの見せた友情に心を打たれている。 ――不屈の心は、真実の友情は、人間を心地よい熱狂へと誘ったのだ。
[353]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/02(水) 01:19:09 ID:zPI53KrM ネイ「……お疲れ様、レイセン。完敗だった。どうやら俺はまだまだ、君のお婿さんには相応しくないようだ」 鈴仙「……ネイ、君」 これまでに無い心地よさに包まれたスタジアムで、ネイは穏やかに鈴仙に声を掛けた。 鈴仙のひたむきさに惹かれている彼は、これまでにない優しく、自らの敗北を認めている。 ネイ「俺は君に色んな事を教えてくれたよ。自分の道を信じ続けるまっすぐさ。 失敗をしても決してあきらめず、次へと結びつけるひたむきさ。 仲間を愛し、仲間に愛される心の温もり。……少なくとも俺は、これら全てにおいて、君に負けていた」 鈴仙「(最初はいけすかないヤツ、って思ってたけど。本当にサッカーについては真摯なのよね……)」 鈴仙はこの試合から数日前、ネイと一緒に食事をした時の事を思い出す。 あの時の彼も、こうして穏やかに、そして真摯に、自分のサッカーについて語ってくれていた。 ……もしかしたら、これこそが、ネイの本当の姿なのでは? 鈴仙はそんな妄想すらしてしまう。 鈴仙「(どうしよう。折角話しかけてくれたんだし、何か気の利いた事でも言ってあげたいんだけど……)」 そんなネイに対して、鈴仙は何と声を掛けようか悩んだ。そして――。 A:「まさか。この試合で勝てたのは本当に偶然だと思ってる」 B:「私達の不屈の心が、あなた達の不屈の心に僅かに勝利した。……それだけよ」 C:「そんなに褒めないで。今日勝てたのは私のお蔭じゃない。皆のお蔭なんだから」 D:「……ちょっと、今さら真面目キャラで私を落とそうたって、そうはいかないわよ!」からかってみる。 E:「あんたって意外とマジメね。『RE! I! SEN!』の一つや二つ言わなくちゃ、影が薄くなるよ?」 F:その他 鈴仙に言わせたい事があればこちらで 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
[354]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/02(水) 01:25:40 ID:??? …と、言ったところで本日の更新はここまでにします。 明日は付き合いがあるので、更新できないかもしれません。
[355]森崎名無しさん:2017/08/02(水) 01:40:09 ID:2elWb5lM B リアルは大事に、乙です
[356]森崎名無しさん:2017/08/02(水) 08:12:58 ID:Q2wywVO+ B
[357]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:28:27 ID:??? 明日が早いので少しだけですが、更新再開します。 >>355乙ありがとうございます。リアルと更新を両立させたいですね… ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― B:「私達の不屈の心が、あなた達の不屈の心に僅かに勝利した。……それだけよ」 鈴仙「あんた達は確かに強かったわ。これまでのリオカップの対戦相手の誰よりも、 あんた達は最後まで全力を出し切って、最後まで諦めなかった。 ……運が悪ければ、私達の方が負けていた。けれど」 ネイ「けれど?」 鈴仙はすうっと息を吸って、周囲の仲間達を見渡しながら、続ける。 鈴仙「――私達だって、こう見えても皆がそれぞれが悩んでいるのよ。 押し潰されそうになった時だってある。でも、諦めずに一歩ずつ進んでいる。 それで今回はたまたま、私達の不屈の心が、あなた達の不屈の心に僅かに勝利した。……それだけよ」 ネイ「ハハハ……たまたまか。俺はそんな風には見えなかったけどな。レイセンは謙虚だなぁ、可愛いなぁ……」 鈴仙「(ヤバイ、ちょっとアレなスイッチが入ったかも)」 ネイ「ああ。レイセン……俺は君の赤い瞳に釘付けだよ。はうぅ……お持ち帰りしたいよぉ……って、イテテ」 トニーニョ「――あまり迷惑をかけ過ぎるな……。レイセンよ。口下手な俺は、お前に言い残す事は何もない。 だが、一言だけ言わせて貰う。良い試合だった。君の強さ、しかとこの心に焼き付けておこう。 さ、帰るぞ、ネイ」 ネイ「いやだー! 俺はレイセンと結婚して幸せな家庭を築くって決めたんだー! 子供は兄弟でサッカーリーグが出来る位欲しいって話してたんだーー!」 ネイは何やらうわごとを言いながら、何時の間にかやって来たトニーニョに引っ張られながら退場していく。 試合に敗れこそすれ、彼らの間には真実の友情がある事は間違いないと、鈴仙は軽口を叩き合う二人を見て確信していた。
[358]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:29:41 ID:??? 鈴仙「(私は謙虚……か。僅かな勝利ってのは、わりと正当な評価だと思うんだけど)」 やがて一人になり、鈴仙はネイとの会話を思い出す。 ネイは決して自らの強さを押し出さない鈴仙の言葉を、彼女なりのいじらしさとして解釈したようだが、 しかし鈴仙は決して、謙遜してそう言った訳では無かった。 鈴仙「(……私達は。いや、私はまだ、弱い)」 先程言った、不屈の心という意味では他の仲間には負けていないかもしれない。 しかし、……この試合、鈴仙は純粋な実力において多くの仲間達に負けていると感じていた。 鈴仙「(ドリブルやシュートは佳歩の方が強い。パスは反町君やアリスさんの方が強い。 タックルや、パスカットでも、今日の試合のてゐみたいな活躍はできない。 ――皆のお蔭で、何とか勝てただけだった)」 仲間達を信頼しない訳ではない。しかし、自分も仲間達に信頼されたい。 無論実力など無くとも、ひたむきで暢気な今の鈴仙はチームの精神的支柱になっているのだが、 だからこそ、自分ももっと沢山の事を仲間達に与えたいと思い始めていた。 鈴仙「(今は良いけど、このままの状態がずっと続いたら……私はきっと、昔と一緒になる。 師匠の――永琳様のような強者に付き従い、怯え、すぐ諦めてしまうようになっちゃう)」 ネイやトニーニョを始め、鈴仙と対峙した者の多くは、彼女を中山や森崎のような、 強靭な精神を持つ選手だと考えるだろう。しかし、それは鈴仙の全てでは無い。 強くなった今も尚、鈴仙は臆病な脱走兵としての陰を心の中にしまい込んでいる。 だから、そんな時に『彼女』と久しぶりの会話を交わした事は――。 妖夢「……鈴仙。久しぶりだね」 鈴仙「……えっ。よう……む?」 ――普段よりもより一層、鈴仙の心を強く、そして深く抉りだす事となった。
[359]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:31:30 ID:??? 妖夢「……今日の試合、見てたよ。――情けなかったね」 鈴仙「な、何よ。いきなり来ておいて……!」 チームメイトが遠巻きに不安げに見守る中、妖夢は気弱な鈴仙を見下すかのように、そう吐き捨てる。 永い間彼女と言葉を交わしていなかった鈴仙は、不意に自分を貶められた事に対してついカッとなって言い返す。 かつての親友の久しぶりの再会としては、到底あり得ないまでの険悪ぶりだった。 妖夢「明日は、私達サンパウロの準決勝戦だ。対戦相手はフルミネンセ。 ……超絶的なクジ運と相手の腹痛と良さで、ここまで上がって来ただけの弱小チーム。 だから、まず間違いなく、決勝戦は貴女達コリンチャンスと当たる」 鈴仙「……そう、でしょうね。フルミネンセの試合は、私もブン屋(アヤソフィア)から情報を貰ってたわ。 試合前になって悉く敵チームが全員食中毒になったり、敵チームの寄宿舎に超巨大隕石が落ちてきたり、 挙句の果てにはフランス国籍の審判が、敵チーム全員にレッドカードを渡したりしたお蔭で 準決勝まで上がって来れたけど、実力は大した事が無いって話でしょ?」 妖夢「いや、普通に敵チームも同じ位弱小で、辛うじて勝ち続けただけなんだけど……まあ、それは関係ない。 とにかく。決勝戦は私達サンパウロと、鈴仙達コリンチャンスの試合になって。 そして間違いなく――鈴仙達コリンチャンスは、負ける。今日の試合を見て、私はそう確信した」 鈴仙「……どうしてそう言えるの? 言っておくけれど、こっちはまだベストメンバーじゃ……」 妖夢「それも知ってる。でも――仮に今のコリンチャンスに、パチュリー・ノーレッジのような 大型選手が入ったとしても。……それでも、鈴仙は私達に勝てない」 妖夢は訥々と、まるで久しぶりに人間と会話をしたかのように、機械的にそう述べていく。 妖夢「何故なら。鈴仙……それは貴女が、弱いから」
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0ch BBS 2007-01-24