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【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】
[358]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:29:41 ID:??? 鈴仙「(私は謙虚……か。僅かな勝利ってのは、わりと正当な評価だと思うんだけど)」 やがて一人になり、鈴仙はネイとの会話を思い出す。 ネイは決して自らの強さを押し出さない鈴仙の言葉を、彼女なりのいじらしさとして解釈したようだが、 しかし鈴仙は決して、謙遜してそう言った訳では無かった。 鈴仙「(……私達は。いや、私はまだ、弱い)」 先程言った、不屈の心という意味では他の仲間には負けていないかもしれない。 しかし、……この試合、鈴仙は純粋な実力において多くの仲間達に負けていると感じていた。 鈴仙「(ドリブルやシュートは佳歩の方が強い。パスは反町君やアリスさんの方が強い。 タックルや、パスカットでも、今日の試合のてゐみたいな活躍はできない。 ――皆のお蔭で、何とか勝てただけだった)」 仲間達を信頼しない訳ではない。しかし、自分も仲間達に信頼されたい。 無論実力など無くとも、ひたむきで暢気な今の鈴仙はチームの精神的支柱になっているのだが、 だからこそ、自分ももっと沢山の事を仲間達に与えたいと思い始めていた。 鈴仙「(今は良いけど、このままの状態がずっと続いたら……私はきっと、昔と一緒になる。 師匠の――永琳様のような強者に付き従い、怯え、すぐ諦めてしまうようになっちゃう)」 ネイやトニーニョを始め、鈴仙と対峙した者の多くは、彼女を中山や森崎のような、 強靭な精神を持つ選手だと考えるだろう。しかし、それは鈴仙の全てでは無い。 強くなった今も尚、鈴仙は臆病な脱走兵としての陰を心の中にしまい込んでいる。 だから、そんな時に『彼女』と久しぶりの会話を交わした事は――。 妖夢「……鈴仙。久しぶりだね」 鈴仙「……えっ。よう……む?」 ――普段よりもより一層、鈴仙の心を強く、そして深く抉りだす事となった。
[359]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:31:30 ID:??? 妖夢「……今日の試合、見てたよ。――情けなかったね」 鈴仙「な、何よ。いきなり来ておいて……!」 チームメイトが遠巻きに不安げに見守る中、妖夢は気弱な鈴仙を見下すかのように、そう吐き捨てる。 永い間彼女と言葉を交わしていなかった鈴仙は、不意に自分を貶められた事に対してついカッとなって言い返す。 かつての親友の久しぶりの再会としては、到底あり得ないまでの険悪ぶりだった。 妖夢「明日は、私達サンパウロの準決勝戦だ。対戦相手はフルミネンセ。 ……超絶的なクジ運と相手の腹痛と良さで、ここまで上がって来ただけの弱小チーム。 だから、まず間違いなく、決勝戦は貴女達コリンチャンスと当たる」 鈴仙「……そう、でしょうね。フルミネンセの試合は、私もブン屋(アヤソフィア)から情報を貰ってたわ。 試合前になって悉く敵チームが全員食中毒になったり、敵チームの寄宿舎に超巨大隕石が落ちてきたり、 挙句の果てにはフランス国籍の審判が、敵チーム全員にレッドカードを渡したりしたお蔭で 準決勝まで上がって来れたけど、実力は大した事が無いって話でしょ?」 妖夢「いや、普通に敵チームも同じ位弱小で、辛うじて勝ち続けただけなんだけど……まあ、それは関係ない。 とにかく。決勝戦は私達サンパウロと、鈴仙達コリンチャンスの試合になって。 そして間違いなく――鈴仙達コリンチャンスは、負ける。今日の試合を見て、私はそう確信した」 鈴仙「……どうしてそう言えるの? 言っておくけれど、こっちはまだベストメンバーじゃ……」 妖夢「それも知ってる。でも――仮に今のコリンチャンスに、パチュリー・ノーレッジのような 大型選手が入ったとしても。……それでも、鈴仙は私達に勝てない」 妖夢は訥々と、まるで久しぶりに人間と会話をしたかのように、機械的にそう述べていく。 妖夢「何故なら。鈴仙……それは貴女が、弱いから」
[360]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:34:45 ID:??? ……機械的、と表現したのは間違いかもしれない。 何故なら、努めて冷酷かつ威圧的に語ろうとしている妖夢の言葉の端々には、 本来の彼女らしい、未熟さや弱さが垣間見えていたからだ。 だからそれは、ある意味で一種の自己暗示だったのかもしれない。自分が強いと思い込むための。 鈴仙「私は、弱い……」 しかし、そんな拙い言葉でも、今の鈴仙には効果があった。 ネイとの会話で自分の弱さと向き合いかけていた鈴仙にとって、 妖夢が振り絞った言葉にすらも過敏に反応してしまう。 妖夢「仲間の力と言えば聞こえはいいけれど、今の鈴仙は違う。 強い仲間達に依存して、頼り切りになっている。 一人の選手としての弱さの言い訳として、仲間の絆だとか不屈の心だとか言ってる。 ……ずっと聞きたかった。鈴仙。貴女は、それでいいの?」 鈴仙「……………」 ――妖夢こそ、それで良いの? とは言えなかった。 鈴仙は過去、妖夢を信じて彼女を今の状況――幻想郷の政治的支配を企む豊聡耳神子が 人間の力を示威する為に始めた計画・『ハイパーカンピオーネ』の一員となる事を止めなかった。 むしろ、それで妖夢が自らの道を進めるのならばと、応援すらした。 今の妖夢は本当に、妖夢自身が望んだ道を進めているとは、鈴仙には思えない。 しかしそれを認めると、鈴仙は過去の自分の決断を後悔してしまいそうだったために、彼女に強く反論できなかった。 だから、妖夢は逆にこう切り出した。 妖夢「鈴仙。もしも貴女が弱さに悩んでいたのなら、私達の所に来れば良い」
[361]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:39:30 ID:??? 鈴仙「……えっ?」 妖夢「私は鈴仙の試合を見ていて、思った。どうして鈴仙は、試合で上手く行かなくても、 すぐに立ち直れるんだろう。自分の失敗を後悔するよりも、仲間の成功を祝福できるんだろうって。 最初私は、鈴仙が強いからだと思った。……でも、本当は違うよね。 鈴仙だって、私と一緒。本当は泣きだしたいんだ。だけど、そうすると皆に見限られるのが怖いから、 気丈に前を向き続けて来たんでしょう? 力が無いから」 妖夢はこの時、鈴仙が自分の傍に来て欲しいと真剣に考えていた。 自分なら、鈴仙の弱さを理解できる。そして自分のように完璧な存在に近づいていけると思っていた。 妖夢「私は――だから強くなった。失敗するのが怖いから。皆に見限られたくないから。 そして神子はそんな私の才能を、短時間で開花させてくれた。 鈴仙。貴女にもまだまだ、隠された才能は沢山ある。私達に――『ハイパーカンピオーネ』につけば、 鈴仙だってもう、自分の弱さに悩む事は無い。強い自分一人だけで、勝ち続けるようになれる」 鈴仙「……(妖夢。私は決して、そこまで自分を追い詰めていないよ。 失敗は怖いけれど、だからと言って、それで貴女の価値が下がる訳じゃない。 皆の失望も怖いけれど、だからと言って、ずっと貴女の事を想ってる人だっている。 それで良いんじゃないの? ……って、頭の中では言えるんだけど)」 勿論、鈴仙にとって妖夢の考えは的外れだった。鈴仙は確かに悩みはするが、それ以上に彼女は暢気である。 また、悩んでいて、それで失敗しても決して自分は否定されない事を、周囲の仲間達を通じて良く理解している。 妖夢「……強くなれば、皆はもう私を蔑まない。強くなれば、私はもう、皆に迷惑をかけなくて済む。 その事がどれだけ大切な事か、私と同じような場所にいた鈴仙なら、分かってくれるよね?」 鈴仙「……………」
[362]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:42:11 ID:??? これまで彼女を成長させ、同時に縛って来た負の感情をむき出しにした妖夢。 それに対し、鈴仙は彼女の誘いを断る為に――一言、こう口火を切った。 A:「そんなのお断りよ。あんたの強さは私が求める強さじゃない」 B:「そもそもお門違いかな。私、そんなに悩んでないし」 C:「……妖夢。あんたこそ私のトコに来なさいよ。今でも私は大歓迎よ」 D:「説得力が皆無ね。妖夢……あんた、強いクセして悩み過ぎだもの」 E:「とりあえず。私は妖夢がどうなったとしても、友達でいたいかな」 F:「妖夢と組むとポスト率が上がりそうなのでちょっと……(^ ^;」 G:その他 鈴仙に言わせたい事をロールプレイしてください。 先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
[363]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:44:33 ID:??? ……と、言ったところで今日の更新はここまでです。 シリアス目で選びづらいかもしれませんが、自由にロールプレイをして下されば幸いです。 明日は多めに更新出来れば良いなぁ…と思っています。
[364]森崎名無しさん:2017/08/03(木) 23:50:18 ID:JU3fJNBo D 乙なのです
[365]森崎名無しさん:2017/08/03(木) 23:55:52 ID:tr4iywU6 C
[366]森崎名無しさん:2017/08/03(木) 23:59:22 ID:iuCzKInI D
[367]森崎名無しさん:2017/08/04(金) 00:02:10 ID:1nt9F/Lc D
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0ch BBS 2007-01-24