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【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】
[539]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/19(木) 00:16:03 ID:??? ……と、言ったところで短いですが今日の更新はここまでにします。 次回はパチュリー&慧音の加入描写を挟みつつ、遂にサンパウロ戦ミーティングに入りたいと思います。 大雑把な能力傾向については>>500-501でも描写しましたが、色々戦術等を考えて頂けるよう工夫できたらと考えています。 それでは、本日もお疲れ様でした。
[540]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/19(木) 22:36:49 ID:??? 今日は仕事がとても忙しいので、更新をお休みします。
[541]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/21(土) 00:02:15 ID:??? 〜コリンチャンス宿舎(ホテル)・コーチの部屋〜 コーチ「……………」 カリ、カリカリ……。 白髪に髭をぼうぼうに生やした老コーチは、ノートに書く手をふと止めた。 外の光が眩しくなっており、気付けば夜を明かしてこれをしたためていた事に気付く。 最近はめっきり起きれなくなっていただけに、自らにここまでの気力が残っていた事を、彼は静かに驚いていた。 コーチ「(……これも、レイセンのお蔭か)」 立ち上がり、曲がった腰を伸ばしながら、老人は――いや、実際の年齢はもっと若いのだが、 様々な困難を経験した彼は既に、他の同年代のどの男よりも老いていた――、そう思う。 コーチ「(富。名声。夢。希望。理想。コリンチャンス。仲間達。家族。そしてサッカー……。 私はこれまで、多くの物を失って来た。残されたのは、この空虚な肉体だけだと、ずっと思っていた。 あの子が、ここに来てくれるまでは……)」 最近の彼は満たされていた。貧しいながらも楽しいクラブハウス(ボロ居酒屋)での日々や、 指揮官としての名声や、旧友との和解は、勿論大きかったが。 何より、文句を言いながらも祖父のように慕ってくれる素直な少女の存在が、今の彼を救っていた。 コーチ「(……思えば、皮肉な物だ。貧しかった私はサッカーで金を得、身を立て医師となり。 サッカーによる活躍で、理想を実現する為の名声を得たにも関わらず、その理想は阻まれ。 そして、全てを失ったと思いきや、再びサッカーを通して、また新たな物を得つつある。 この世に神が居るとすれば聞きたい。何故にサッカーは、私をこうも翻弄するのか)」 ロベルト・本郷やエベルトン・レオンと共にブラジルサッカー黄金時代を築き上げ、 政府の陰謀によりその歴史の表舞台から追放された男は、皮肉気に嗤う。
[542]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/21(土) 00:03:32 ID:??? コーチ「……さてと。サンパウロとの決勝戦は、今日だったな?」 そう独り言ちて、彼は再度リオカップの日程を確認する。間違いない。 今日こそが、コリンチャンスがブラジル若手サッカーの登竜門・リオカップの決勝戦にて、 超強豪・サンパウロと対峙するその日である。彼は祈る。 コーチ「神よ。願わくば……私を今日も生かして欲しい」 ――『サッカーで世界を平和にする』。若き日の彼の口癖だった。 そして、そのバカげた言葉を真に受けて、更にバカげた言葉を言った娘が傍にいる。 「――だったら。私がコーチの夢を引き継ぎます。 前に言いましたよね。『私はサッカーで世界を平和にするんだ』……って。 コーチがもう動かないなら、私が、貴方の代わりに夢を叶えます」 始めは鬱陶しいとも思ったが、今は違う。 彼女の暢気で、狂気で、しかし、真っ直ぐな赤い瞳を、彼はどこまでも信じたかった。 だからこそ、彼は毎日――鈴仙が自分を起こしてくれたあの日から毎日――祈り、願い続けている。 コーチ「レイセンが――私の理想を継ぐと言ってくれた、私の愛する義娘が。 彼女が成長する姿を、今日もまた、その傍で見せて欲しい。 いつか、彼女が理想を叶えてくれるその日まで……私を生き永らえさせてほしい」 そして。この世に神が居るとすれば――それは少なくともこの老人にとって、最後までどこまでも残酷だった。
[543]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/21(土) 00:06:39 ID:??? コーチ「ゴホッ! ゴホゴホッ! ……ウグッ。ウウウウッ……」 ボタリ。ボトッ、ドバアァァァァッ……。 咳き込むと赤黒い血が手から漏れる。この程度ならば、最近では日常茶飯事だったので驚かない。 しかしその直後、吐き気を覚えて大量の血液を地面にばら撒いた直後では、覚悟せざるを得なかった。 ――自分はもう、見る事が出来ないのだと。 彼が晩年愛した義娘が、ブラジルサッカーの大舞台で活躍し、その理想の第一歩を踏み出す、その瞬間を。 コーチ「(もう……時間、切れか……)レイ、セン。……悩む事は無い。そして……先に、進めよ。 お前一人じゃあない。仲間と。それと……道を違えた友人とも……。お前なら、上手く、やって、いけ……」 ……バタリ。 彼女がその声を聴く可能性など万に一つも無い。しかし老人は、そう口にせずには居られなかった。 人知れず去りし老兵など気にせず、天下を取って欲しい。そして、理想を実現して欲しい。 彼は倒れる前に簡単な『工作』を施して――そして、安心しきった表情で彼女を見送った。 *****
[544]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/21(土) 00:20:58 ID:??? 一旦ここまでです。今晩中には選択肢まで書き上げたいです…
[545]森崎名無しさん:2017/10/21(土) 01:03:21 ID:??? 一旦乙です コーチ、無茶しやがって……
[546]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/21(土) 03:49:00 ID:??? 〜マラカナンスタジアム・控室〜 鈴仙「……いよいよ、決勝戦ね」 鈴仙は緊張していた。しかしそれはコーチの不在による物ではない。 自らの海外修行の総決算。そしてかつての友人・妖夢との対峙による気持ちの昂りが原因だった。 てゐ「それにしても、あのエロスケベジジイコーチには呆れるよねぇ。 『見たいAVがあるから決勝戦休むゾイグヒヒ』なーんてさ。隠れた名将気取ってるのは知ってたけど、 別に決勝戦の場くらい、隠さなくても良いじゃんよぉ」 静葉「……でも、これもまた作戦かもしれないわ。先のパルメイラス戦で、コーチさんは隠れた実力を発揮した。 その結果、彼の真の実力や輝かしい過去がマスコミにも大きく取り上げられている。 だからこそ、敢えて不在を装う事で、敵の油断を誘おうとしているのかもしれないわ」 穣子「でもやっぱり、作戦と見せかけて普通に見たいえ……え……えっちなビデオがあったのかも……ねぇ?」 お燐「一昨日も、あたいがゴミ捨て場で遺棄死体漁ってたら、あのおじいちゃん、遺棄エロ雑誌漁ってたしねぇ〜」 さとり「昨日貴女が不在にしている時、私の部屋に警察が聞き込みに来た理由が良く分かりました。 お燐、外の世界で死体を漁って持ち去るのはご法度って、いつも言っているでしょう?」 反町「(幻想郷でもご法度だと思うぞ……?)」
[547]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/21(土) 03:50:14 ID:??? コーチは倒れる前の『工作』で、偽の不在理由を作り、今日の試合に参加できない旨を コリンチャンスのメンバー達に伝えていた。そのため、メンバー達は彼の不在を訝しみこそすれども、 真意には誰ひとり気付いていない様子だった。 鈴仙「(おじいちゃんも……コーチも根は真面目だから、本当にAVを見てる訳じゃないだろうけど。 でもやっぱり、確かにおかしいような。まあ、でも。まずは決勝戦に集中しなくちゃ……!)」 ――この中では一番長くコーチと付き合っている鈴仙は、違和感に気付きつつあったが、 それよりも目先のプレッシャーの方が圧倒的に大きかった為に、それ以上の思考には至らない。 佳歩「と、とにかくっ。コーチさんがこのまま来ないとしたら、私達が作戦を考えないとですよね!」 つかさ「……けれど、今回の作戦立案は少し難しいですわ。サンパウロ戦は可能な限り観戦して、 データを取っていたけれど、私の観察眼とデータ収集能力には限界があります。 もし、霞ちゃんが居れば違ったのかもしれないけれど……」 鈴仙「そうねぇ……。これまでは私達だけでも何とか作戦を練るなり、正面から突破するなりできたけど。 今回は互角じゃなくて、格上のチームが相手だもの。やっぱり、きちんと策を練らないと――」 アリスさん「(こ、これはブレイン派の私が戦術を練り、その緻密さで人気者になるパターンねっ! パターン! パターン入ったコレ! 来た! これで勝った! 人生勝ち組ッ!?)」 そして勿論、来たるべき決戦へのプレッシャーに気押されているのは、鈴仙だけでは無い。 チームメイトも不在のコーチよりも、試合のフォーメーションについて検討している方が有益だと思っていた。 そのため、流れは通常の試合前のミーティングにすぐに移行し、 持ち前のブレインを活かす場面にアリスさんは内心でウキウキ気分になるのだが――。
[548]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/21(土) 03:53:01 ID:??? パチュリー「――それならば、賢者の助力が必要ね」 アリスさん「そ、その声はっ……!?」 カツン、カツン……。 頭脳キャラというアリスさんの数少ない心の拠り所を奪わんと、無慈悲で冷静な声が響いた。 乾いた二つの足音が控室の入り口から聞こえて、鈴仙達が振り返ると。 パチュリー「来たわ。……さ、安心なさい。これで貴方達の勝利は確定したのだから」 慧音「――私も戻った。微力ながら、只今より貴殿達に合流させて貰う」 鈴仙「慧音さん。……マスター・パチュリー。戻ったんですね!」 ――ここに、鈴仙が率いる新チーム・リトルウイングズ内でも屈指の実力者二名が揃い。 決勝戦を前にする皆の不安は一挙に希望へと傾いた。 アリスさん「(あ……。ブレイン派キャラ被っちゃったかー。地味に常識人系キャラも被ってるしぃ……。 これ……もしかして、私に対する周囲からの悪意の発露かな? 皆はいつもそうだ。 いつもそうやって笑顔のまま、私から居場所を少しずつ削ぎ取っていくんだ…………。 殺される。このままじゃ殺される。殺さなきゃ殺される……ウフフ……)」 さとり「(アリスさん……だから抗不安剤はきちんと飲んでおけと注意したのに……)」 なお、約一名が自らのアイデンティティに関する不安に苛まれているのはいつもの事である。 *パチュリーと慧音がコリンチャンスに合流しました。
[549]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/21(土) 03:54:11 ID:??? −−@−− @レナート B−C−A B石崎 Cアマラウ Aリマ −−D−− Dドトール −−G−− Gバビントン E−−−F Eマウリシオ F新田 −−I−− I翼 −−−J− J妖夢 −H−−− Hストラット サンパウロ 4−3−3 パチュリー「……まず間違いなく、サンパウロはこの布陣で来ると思うわ」 アリスさん「そうかしら。断定できる根拠は?(守るのよ! アリスさん! 私の皆からの信頼を。 ブレイン派キャラとしての、私の居場所を。存在理由を………!!)」 慧音「(彼女がアリスさんか。確か博麗連合でも、チームのブレイン役として活躍したと聞くが。 一体どうして、パチュリーに対しかくも強い対抗意識と焦燥感を頂き続けているんだ……? 同じ仲間だと言うのに……)」 パチュリーはチームに合流するや否や、その慧眼で仲間達の注目を買った。 パチュリー「根拠は3つある。根拠その1、これまでの試合の記録を見ると彼らは変わらずこの布陣で戦っている。 根拠その2、サンパウロの選手は役割傾向がハッキリしているため、他に適当な布陣の選択肢が少ない。 変動があるとしたら、I番の翼とJ番の妖夢位かしら。ただ、それにしてもスターティングで奇策を撃たないでしょうね。 その理由が根拠その3。慧音とこの私が加入して漸く、コリンチャンスとサンパウロは互角程度の実力差だから。 そんな中で、敢えて奇策を取る理由もないし、奇策を取りたがる傾向の選手も居ないでしょう?」 アリスさん「む、むぐぐ……! 確かにそうね……」
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0ch BBS 2007-01-24