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【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】
[229]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/07(土) 20:18:16 ID:crRw9Ack ★ガトーショコラ2600のお味 スペード6 ★ スペード:岬「なかなかにしつこいお味うえっ!?」あずみ「言ったなーこの口か?この口かあ?」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 差し出されたケーキにフォークを通し、口の中に入れる。 小学生の女の子が作ったにしては甘すぎず、程よくカカオの風味がただよっている。 そう感じながらケーキを噛もうとして、異変に気付いた。 岬「(なんだこれ)」 薄力粉と間違えて強力粉でも入れたのか、水を入れ過ぎたのか、妙に生地が粘っている。 噛むたびに生地が広がって、なかなか噛み切れない。 あずみ「どう?美味しいでしょ」 岬「(粘ついてしつこいなあ)なかなかしつこいお味……あ」 しまった、つい本音を言ってしまった。それに気づいて声を上げようとして、唇に痛みを感じた。 岬「うえっ!?」 あずみ「言ったなー、この口か?この口かあ?このあたしが作ったケーキをマズいと抜かした口は!」 三つ指を僕の唇について、不評の弁を吐いた罪を罰しに強く摘まみ上げている。 顔は笑っていて本気では怒ってなさそうだが、全くなんて女だろうか。 あずみ「そうまで言うあん畜生は、これで懲らしめてやるわ」 あずみは唇をつまんで付着したケーキかすをなめとった後、ケーキを後ろへ下げ代わりに 本物を、彼女がこれを模してケーキを作った、アタリのゲーム機が僕の目の前へと突き出しだ。 *あずみの料理スキルが「いまいち」と判明しました。今後の展開に影響するかは不明です。 *岬への感情に変化はありませんでした。
[230]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/07(土) 20:19:34 ID:crRw9Ack あずみ「これがアタリ2600!アメリカとヨーロッパで1000万台以上を売り上げた傑作機よ!」 黒く重厚な雰囲気、ピシッとまとまっていて堅実なビジュアル。 じっと見てると気品さえただよってきそうだ。 あずみ「アタリのゲームであんたに勝負するわ! ミサイルコマンドでゲーム中断させられた恨み、きっちり晴らさせてもらうわ!」 返事も聞かずにカートリッジを差し込み、ゲーム機左端のパワーレバーを倒す。 テレビが反応し、画面が表示され始める。それと同時に、あずみがゲームソフトのパッケージを 目の前に突き出した。 あずみ「まずはこれ、ウォーロード(Warlords)! 4つの陣営がそれぞれ火の玉を相手にぶつけあって敵の大将を倒していくゲーム。 ブレイクアウトをよりパワーアップしたといった方がイメージしやすいかしら」 西洋甲冑を身にまとう雄々しき騎士がプリントされたパッケージを見ていると、 テレビ画面がゲーム開始状態まで移動したようだ。 岬「(え)」 パッケージの絵と実際のテレビ画面の映像の差に、言葉が呑み込まれてしまった。
[231]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/07(土) 20:21:56 ID:crRw9Ack 抽象画のようなグラフィックを見ると、モニターの四角に城とおぼしきブロック城壁が 敷かれている。4つの「城」の中心にある片仮名の「ヒ」みたいなのが大将だろう。 あずみ「コラ、しょぼいグラだとか思わない!確かに見た目はアレだけどすっごく面白いから! さ、このパドルで操作するの。これで騎士を操作して、 相手の攻撃をはじき返し、城壁を破壊して敵を討ち取る。先に5回最後まで生き残った勢力の勝利よ!」 そうして強引にはじまった、初のアタリ2600プレイ。ベテランのあずみに対して僕は…… 先着で ★ウォーロードby岬 8+!card ウォーロードby あずみ 13+!card★ と書き込んで下さい。!とcardの間を埋めると数値化し、カード数値の結果で分岐します MAX【岬】−MAX【あずみ】 X≧1→あずみ「ウソ、あたしが負けるなんて……」 好感度大幅UP ‐2≦X≦0→あずみ「やるじゃない。こんなに上手いのはあんたが初めてよ」 好感度UP X<−2→あずみ「どうよ、あたしに勝つなんて10年早いわ!」 ※岬基礎値内訳8=5+1×3 (平均的ゲームプレイヤーの水準+高得点を出したアステロイド+ルナランダー+ブレイクアウトの計3点) あずみの基礎値理由:ゲーマーとしての最高域に達しているため。 参考動画:Classic Game Room HD - WARLORDS for Atari 2600 review https://www.youtube.com/watch?v=E5bXQdg3DDg
[232]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/07(土) 20:29:52 ID:crRw9Ack 少々用がありまして、一旦離れます。 もしかしたら今日はこれまでになるかもしれませんが、 その時はご容赦ください。
[233]森崎名無しさん:2018/04/07(土) 20:41:07 ID:??? ★ウォーロードby岬 8+ ダイヤ8 ウォーロードby あずみ 13+ スペード5 ★
[234]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 13:37:28 ID:s85CX2cM ★ウォーロードby岬 8+ ダイヤ8 =16 ウォーロードby あずみ 13+ スペード5 =18★ MAX【岬】−MAX【あずみ】 =‐2→あずみ「やるじゃない。こんなに上手いのはあんたが初めてよ」 好感度UP ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― コンピューターが操作する騎士の前に、火の玉と思われるボールが現れる。 コンピューター騎士がボールに触れてゲームが始まった。 岬「(パドルの感じはゲーセンのと同じだな……よし、大丈夫だ)」 互いの城壁を崩すまでの間はプレイ感覚の確認に費やす。 あらかたそれぞれの城壁が崩れたところで、僕の指はパドル操作に慣れてきた。だが。 あずみ「スマアアアアアアシュ!」 勢いよく、しかし丁寧に僕の騎士の逆を突いてボールを返し、大将を討ち取る。 ピカッと画面が黄色く光り、騎士がこの世に未練があるのだというように一瞬影のみ映って、消えた。 あずみ「よし!まずはあたしの勝ちね」 岬「強いなああずみちゃんは。動きに無駄がない」 あずみ「当然よ、今まで先輩後輩国籍問わず何十人も呼び込んで戦って鍛え上げられたあたしの腕、そう負けるわけないでしょ」 ふふんと得意げに鼻息を出している。その後もコンピューターを苦も無く片付け、第2回戦が始まった。
[235]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 13:38:31 ID:s85CX2cM カンコンカンコン城壁を崩しながら、あずみのプレイを画面で、そしてこっそりと手元を見る。 何か操作の癖でも見つけられないかと思ったのだが、見つからない。 ただ反応が早い。どんなに遠く離れていても即座にボールまでたどり着かせ、 決して自分に不利にならないよう、すぐボールが戻らない、敵陣の薄い箇所を的確につく 巧緻なプレイを見せてくれる。 ゲームの腕が自称では無い事が確認された頃には、またも城壁はほとんど引きはがされ、 あずみの猛攻をしのぐのに精一杯の状況に追い込まれていた。 こちらの反撃は思う所にさえ打ち返せないのに、あちらは迷いなく最速でボールにたどり着き、 打ち返すたびに手の届きにくい嫌らしい箇所へと反撃してくる。 十何回かラリーの応酬を繰り返したが、とうとうボールに騎士が追い付かず、またも討ち取られてしまった。 あずみ「なかなかやるけど、これで2勝。あと1勝であたしの勝利、せいぜいあたしを楽しませなさい」 余裕綽々なんだと僕に見せかけるように、自信をあからさまに見せつけてくる。 こう言われると何とか目にもの見せてやりたくなるが、単純に技量差が段違いなため 時間がたつごとにどんどん追いやられていく。 あずみ「ほらこっち!今度はここ!遅い、遅いわ!」 岬「(このままじゃやられてしまう。せめて他に誰か人間がプレイしていれば、 予想外の展開に乗じる事もできるけど、コンピュータじゃそれも無理だ。どうすれば……そうだ!)」
[236]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 13:39:48 ID:s85CX2cM 攻撃を防ぎながらなんとか打開策を考えているうち、ピカリとアイデアが閃いた。 岬「(そうだ!僕一人でコンピュータに予想外の展開を起こさせればいいんだ……今だ!)」 無我夢中でボールをはたき返す。 あずみ「苦し紛れ?それじゃこれで……」 岬「まだだ!」 勢いよくボールが真横にかっとんでいく。その進行方向上に、コンピューターの騎士が ボールから離れようとするように、横方向にあずみの方へ近づいていた。 ボールがコンピューター騎士にぶつかり、あずみの大将に向かってはじき出された。 あずみ「しまった!」 慌てて防ぎとめようとするも、ボールは騎士の端にあたり打ち返しきれず、内側に入って 大将に衝突、破壊されてしまった。 あずみ「やられた!……そんな!」 勝った。あずみに、僕よりもはるかに上手のゲームプレーヤーに勝てた。 敵将を討ち取った瞬間、サッカーでゴールを決めた時のような爽快感が、ギュンと体中に響き渡った。
[237]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 13:40:57 ID:s85CX2cM このまま歓喜にうちひしがれていたいところだが、まさかの敗戦で相手がいたく落ち込んでしまっている。 フォローをしようと声をかけようとすると、引き締まった表情に変貌した相手が遮るように告げてきた。 あずみ「やるじゃない。こんなに上手いのはあんたが初めてよ。正直あんな手ができる相手だとは思わなかった。だから」 こちらに指を向けて宣言する。 あずみ「これからは絶対に手加減も油断もしない。全力で、あんたを対等な相手として、迎え撃つ」 これから真剣の果し合いでもするかのような眼差しを発した後。ゲームが再開された。 これまでと同じように無防備状態になるまでボールを防ぎあう。 そして弾いたボールをあずみが受け止めようとした時。 あずみ「今よ、あたしが見つけた、初めてのとっておき……バースト、ファイヤー!」
[238]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 13:42:03 ID:s85CX2cM 必殺技らしきものを発した直後、ボールが騎士に触れる。だが、ボールは張り付いたままで、 今までのように弾き返される気配さえ見えない。 岬「(なにこ……れ!?)」 予想外の動きに戸惑った瞬間、急にボールがこちらめがけて放たれた。それも通常の 倍はあろうかという猛スピードであり、全く対応できず、討ち取られてしまった。 あずみ「ふーう、決まった。まさか、あたしの初めてを使う日が来るなんて……」 岬「凄いな、どうやったの。あんな事をどうやって」 未知のプレイに意表を突かれ、ぜひとも秘密を聞き出すべく尋ねる。相手は再び得意そうな 顔つきに戻りながら答えてくれた。 あずみ「楽しませてくれたお礼に、特別に話してあげるわ。 プレイ中に横の赤いボタン(※)を押しながら火の玉に触れると、 ボールをキャッチできる。ボタンを話すといつもより速いスピードで撃ちだすことができるのよ」 そうだったのか。分かってしまえばどうという事は無かった。だが、そうと分かればもっと取れる戦術も増えるだろう。 そう思っていた矢先、ウォーロードが抜き取られ、新たなカートリッジが差し込まれた。 ※:アタリ2600のパドルコントローラー https://ja.wikipedia.org/wiki/Atari_2600#/media/File:AtariPaddle2.JPG
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0ch BBS 2007-01-24