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【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】
[244]森崎名無しさん:2018/04/08(日) 15:00:21 ID:??? ★フロッグアンドフライby岬 8+ クラブ8 = フロッグアンドフライby あずみ 13+ ダイヤ5 =★
[245]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:32:39 ID:s85CX2cM ★フロッグアンドフライby岬 8+ クラブ8 =16 フロッグアンドフライby あずみ 13+ ダイヤ5 =18★ ‐2=あずみ「やるじゃない。こんなに上手いのはあんたが初めてよ」 好感度UP ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― テレビには池の上に浮かぶ大きな葉っぱ。周りには青い空と青々とした木々の葉が (粗いドットで)描かれていて、先程までの暗い画面とは対照的な、涼やかささえ感じさせる 画面が映し出されていた。 あずみ「とりゃー!」 掛け声で意識はゲームプレイに移る。葉っぱの方に目を移すと灰色のカエルがちょこんと 座っている。灰色ガエルの反対側の葉っぱには何もいない。正確には赤いカエルが 反対側の葉っぱから飛び上がり、空飛ぶハエを捕まえようとしていた。 となると灰色のカエルが、僕だ。 それと心に気合を入れて、スティックを傾ける。飛んだ。飛んだはいいが勢いがあり過ぎて ハエを飛び越し、そのまま池に落下してしまった。 あずみ「池に落ちても自動で戻ってきてくれるから、落ち着いて狙って」 上級者らしい余裕を持って、アドバイスを暮れている。それを黙って受け取りながら、 葉っぱを這いあがったカエルを再びジャンプさせる。 ハエはどう見ても3点ぐらいでしか構成されていないが、グラグラとした動きや ちらつき具合からちゃんと羽ばたいて見える。そんな電子バエを今度はやすやすとキャッチする事ができた。 それからは日が暮れるまで黙々とハエ取り合戦である。ハエの飛ぶ位置は一定ではなく、 時々大きく落下したりと、捕まえる楽しさをかき立たせてくれた。 結局は最初のミスが響き、52対56の僅差で負けてしまったが、相手も充実した試合だったらしい。 あずみ「やるじゃない。このゲームでもここまでついてこれるなんてね。このゲームがこんなに上手いのはあんたが初めてよ……そうだ」
[246]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:33:50 ID:s85CX2cM 試合が終わった後、カートリッジを早々に抜きとって、またも新しいカートリッジを入れた。 絵を見る限りまたハエが出てくるみたいだが、先程に比べてメカメカしいハエである。 あずみ「ここまでついてきたあんたに、特別に紹介してあげる。あたしのお気に入りの シューティングゲーム、ヤーの復讐(Yars' Revenge)(※)!」 右手を高々と掲げる。その手には差し込んだのと同じ、口からビーム弾を撃ちまくる機械バエのカートリッジがあった。 あずみ「これはねー、普通のシューティングとは違うのよ!謎解きというか、ただ撃つだけじゃないの。 それとクリアした後の爽快感がたまらないわね。さ、百聞は一見に如かず、百見はワンプレイに如かず。やってみてよ」 ゲームが始まる。見たところ、ゲーム画面は2分割されている。 左にいるのは僕が操作する機械ハエだろう。右には壁に覆われたビーム砲がある。あれを破壊しろ、という事なのだろう。 奇妙なのは画面中央にバーコードの様な虹色の帯が広がっている。 あずみ「さ、ちゃっちゃとコティル(Qotile)を倒しちゃって!」 ※ジェームズ&マイク ATARI(part3) 続・名作編 6分10秒から8分26秒 http://www.nicovideo.jp/watch/sm25414318
[247]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:34:50 ID:s85CX2cM コティルと呼ばれるビーム砲を倒すべく、機械ハエを動かし、ボタンを発射する。 見る見るうちに防護壁は破壊され、敵は丸裸となった。打ち出される追尾弾もかわし とどめを指すべく発射した。だが、コティルは破壊されない。何発撃ってもやられる 気配さえ見えない。 そうこうするうちに敵が渦巻き弾を発射した。スピードは速いが事前に姿が見えているので 何てことはない。あっさりとかわす。それからも何十発も撃ち続けたが、何にも変わらない。 撃つ位置を変えたり、弾の着弾位置を変えたりしてみたが、何も変わらない。 そのうちに追尾弾の速度が速くなりはじめた。段々とかわす事に精一杯となり、ついには 逃げきれず撃ち落とされてしまった。 あずみ「あーあ、やっぱり気付かなかった」 ニコニコと嬉しそうに、僕に向かって語り掛ける。さすがにムッとして、あずみに問い質した。 岬「あんなのどうやって倒せばいいんだ」 あずみ「あら、もう少し利口だと思っていたんだけど、思ったより単純なのかな」 フフフとほほえむ。笑顔そのものに悪意は見えない。 あずみ「ま、見てなさい。謎解きをしてあげるから」 あずみは僕の隣に座り、コントローラーを取り上げてゲームを始める。
[248]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:35:59 ID:s85CX2cM あずみ「まずは敵のバリアをはがす」 弾をどんどん打ち込んでバリアを破壊する。ここまでは僕と同じだ。 あずみ「ここからよ。そんじょそこらのシューティングじゃみられないやっつけ方。 行くぞーっ、スーパーフライングカミカゼアターック!」 そう叫ぶや否や、あずみは追尾弾と渦巻き弾をかわし、 コティルに体当たりをかましてみたのだ。やられたかと思いきや何ともない。 いや、左端に何かチョークのようなものが現れた。 あずみ「出たぞ必殺ミサイル、ボルロン(Zorlon)キャノン、ファイヤーッ!」 ボタンを押すと同時に、チョークみたいなミサイルが発射される。 見事にコティルに衝突した。すると画面一面に淡いピンクの光がステージにかぶさり輝きだした。 あずみ「やったあ!」 岬「(ああ、あざやかだ)」 ゲーム画面か、あずみの腕か。よく分からないが、直観的にそう感じた。
[249]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:37:20 ID:s85CX2cM 薄い紫、薄い青、ライムグリーンと変化しながら縦に縮まり1本の線に収束して消えていく。 そして再びコティルが現れ、ゲームが再開された。 あずみ「このボルロンキャノン、敵への特攻以外にも出す方法があるのよ。それもハエっぽいやり方でね」 ハエっぽいやり方?なんだと思っているうちに、あずみはハエを今度はバリアに突っ込ませた。 あずみ「ヤーは手をする足をする、突っ込んでバリアを食わせても、ボルロンキャノンは出来るのよ。 あ、ヤーっていうのはこの宇宙バエね。そもそもヤーっていうのは 人類が滅亡した後に生まれた高度な知能と力を持ったハエのことで……」 あずみの蘊蓄を聞き流しながら、僕は今日の事を振り返っていた。 ゲームセンターやあずみの部屋でプレイしたゲーム。テンペスト、センチピード、アステロイド、 バトルゾーン、ルナランダー、ウォーロード、ドッジ・エム、フロッグアンドフライ、そして、ヤーの復讐。 日常では決してあり得ない架空の、それでいて心に思い描ける未知の世界。 宇宙船に乗り、戦車を操り、ロケットで月面着陸し、果てはカエルやハエになったりと、 様々な世界を移り渡り、なり切り、楽しめた。 岬「(とても良かった。もし先にサッカーに出会えてなかったら、ここでゲーム漬けになっていたかもしれない)」
[250]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:39:03 ID:s85CX2cM あずみ「お、なんかとっても良い顔してるね。凛々しくなったというかさ。そんなに面白かった」 ゲームを終わらせたあずみが僕に尋ねる。さっぱりとした気持ちのまま正直に答えてみた。 岬「うん。ここに来て初めてゲームの素晴らしさを知った気がする」 あずみ「ホント!うれしい!」 岬「うわ、あずみちゃん!ちょっと!」 あずみも相当嬉しかったのだろう!喜びの感情のまま僕に抱きついてきた! あずみ「良かった良かった!ホント、ゲームって楽しいんだから!もうあんたに恨みなんてない。 これからは友達、そして仲間よ。ゲーム仲間!」 岬「仲間、それは良かった。僕もあずみちゃんと仲間になれてうれしいよ。あ、あと…」 あずみ「その返事を待ってたわ、もうカンパはしてあげられないけど、また来てね!あ、そうだ」 そう言うなりあずみは後ろを向いて僕から離れ、後ろの棚からゲームソフトの入った箱を取り出し、僕に渡す。 岬「これは、ヤーの復讐。良いの、お気に入りじゃないの」 あずみ「良いの、あんたにはこのゲームを何回もプレイしてほしい。 それだけの価値はあるゲームだからね。ま、ぶっちゃけるとまだ部屋にヤーの復讐はあるから大丈夫」 岬「そうか、でも、そういえば僕まだアタリ2600持ってないんだけど」 あずみ「あーそれね、まあここで買ってもいいんだけど……」 そこまで言って言いよどむ。何かマズい事でもあるのだろうか。
[251]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:42:02 ID:s85CX2cM 岬「どうしたの?マズい事ならいいけど」 あずみ「違うの、いや、友達だからまあいいや実は近いうちにに新しいアタリのゲーム機が完成するの」 岬「新しいゲーム機?」 あずみ「そう、アタリの次世代機。今の奴は正直言ってゲーム内容はともかくグラフィックとか音とかはショボかったでしょ? 今度出るのはそれを大幅にグレードアップしたやつよ。しかも下位互換機能っていって、 今までのアタリ2600ソフトも扱えるから、ゲーム機買うならそれの方が良いかなって」 岬「そうなんだ。どうしようかな」 あずみ「まあそのソフトは気にしないでもらっていっちゃって。友達の証として、さ、ね」 岬「わかった。ありがとう、あずみちゃん」 *あずみの感情が以下のようになりました。 あずみ→(対等なゲーム仲間)→岬 *岬の所有物に『ヤーの復讐』が追加されました。
[252]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:44:33 ID:s85CX2cM こうして僕はゲームソフト『ヤーの復讐』を手に入れた。 その後、行きと同じように眼帯をつけさせられた後で、ゲームセンターに戻る。 岬「すっかり誰もいなくなったね」 あずみ「この時期のパリジャンパリジェンヌはみんなバカンスにいっちゃうし、移民の人達は 忙しくてゲームどころじゃないし、とっても退屈なんだ。だからまた来てね。また部屋にも来てゲームしよ」 岬「うん、必ず来るよ、約束す……」 ??????「「ちょっとまて→い!!」」 突如頭上から声がする。あずみと共に上を向くと、僕達よりさらに小さい 女の子2人が、筐体の上に立ってこちらを見下ろしていた。
[253]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/08(日) 19:48:43 ID:s85CX2cM 台上の2少女は鏡写しのようによく似ている。 ほんわかとした、だがとっても活発そうな童顔、ハート付きの イエローグリーンのパーカー、髪留めで結わえた短めのポニーテール。 左の子の髪留めが赤、右の子が紫と気付かなければ、 あっという間にこの双子の区別などつかなくなってしまうに違いない。 その双子がこれまた鏡写しになったようなライダーポーズをとりながら、僕に向かって告げた。 ???「あずみお姉ちゃんを誑かすあくと→め→!」 ???「天がゆるち地がみのがちても!」 ??????「「この双海→ズが許さないぞ→っ!とうっ!!」」 高らかに悪人退治を宣言した後、ためらいもなく筐体から飛び降りた。双子の身長の倍はある筐体だが、 落下の衝撃もものともせず着地し、飛ぶような勢いで僕に襲い掛かった。 ??????「「お姉ちゃんのて→そ→を汚す奴はちねアターック!!」」 そう言うなりこの双子姉妹はそれぞれ僕の両脚に飛び込み、ぎゅっとひっ捕まってくる。 別に痛くも何もないが、突然の幼き襲撃者に戸惑わざるを得ない。
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0ch BBS 2007-01-24