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【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】
[287]森崎名無しさん:2018/04/15(日) 22:39:21 ID:??? ★あずみ、泣き走る 14+ ハート6 +(激情+1)★
[288]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:10:55 ID:HA8Joy+M ★岬、あずみを追う 21+ ハート7 +(双海家初訪問‐1)=27★ ★あずみ、泣き走る 14+ ハート6 +(激情+1)=21★ X=6→部屋から出る前にあずみを捕まえられた! ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 激高した少女はクルリと後ろを向く。やはり立ち去ろうとしている。 ダンと荒く右足を踏みしめ脚をあげようとするところを、まず肩を掴み次いで両脇に僕の腕を挟み込んで抱き止めた。 あずみ「離して!」 かき抱いた僕の腕を振りのけようと、手足をばたつかせてもがく。 僕はただ黙って混乱している少女を抱き締め動きを抑える。心乱れている時は落ち着くまで待つのが良い。 多少の傷はつくかもしれないが、今後の目標のための、いたし方ない犠牲だ。 あずみ「いや、いや、離して、どいて、あたしは、アタリなんだ。あたしには、アタリしかないんだ……」
[289]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:12:41 ID:HA8Joy+M それから何分たったか。泣きながら暴れるあずみに対し、時には圧迫し、またある時は重心を ずらして動きを乱れさせ、すったもんだと立ち乱れた後、とりあえず大人しくさせる事ができた。 落ち着いたあずみは火の消えたロウソクのように、活気どころか生気もなくうつむいている。 そのあずみと向かい合う形になっている姉妹も、「自分たちがあずみお姉ちゃんを傷つけた」 と思っているのか、罪悪感あふれた表情で黙って座っていた。 あずみ「……あたしはアメリカのサンフランシスコの南にある、サンタクララって街で生まれた」 唇の間から漏れ出るようなか細い声で、言葉を発しはじめた。 あずみ「母さんはその頃からアタリで働いてた。あたしを背中でおんぶしながら、 ゲーセンで使う機械の基盤を設計したり、筐体を組み立てたりしてたんだって。 周りの人達はみんなマリファナ吸って、大声で歌ったり騒いだりしてうるさかったって、 楽しそうにあたしに話してくれた」 身の上話を耳にして、姉妹も僕も神妙な面持ちとなる。重要な情報だ。しっかり覚えておかなくては。 あずみ「あたしが7歳の誕生日に、母さんからプレゼントでアタリVCS、今日プレイした2600をもらったんだ。 やっとプレゼントができたぞーって言ってね。母さんはアタリ2600の開発者の1人だったから、 その頃は毎日いつ寝てるのか分からない位遅くまで頑張っていたわ。 VCSを手に入れてから、外ではゲーセン家では2600で毎日遊んでた。 新しいゲームができる前、テストプレイで何十個のゲームをプレイできた。 あたしの背丈が大きくなった頃から、アタリ以外の会社のゲームも出てきた。毎日楽しかったわ」 母の活躍を語るあたりから、あずみの顔に幾分か生気が戻ったように見えた。 が、それもつかの間だった。
[290]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:14:35 ID:HA8Joy+M あずみ「でもその頃から母さんは辛そうだった……アタリの偉い人達はバカな事ばかりしてるって。 ゲームを作るプログラマーさん達を何人もクビにしたり、 クリスマスに間に合わせるために開発途中のゲームを売り出させたり。 母さんは何回も反対して偉い人に直談判までしたんだけど、結局ダメ。 それで母さん、このフランスに飛ばされちゃった。母さんがリーダーになってた次世代機開発をはずさせられて。 母さん。大泣きしてた。どんなに仕事がきつくても涙どころか、疲れた顔さえ見せてなかったのに……」 あずみ「その後、フランスへ行く準備をしている間にどんどんアタリの調子が悪くなっていった。 毎日毎日山のようにゲームソフトが店から帰ってきた。毎日どこかの支社か直営店が店じまいしてた。 1年前に100ドルで飛ぶように売れてたアタリ2600が、今は40ドルでも売れなくなってた。 売れないゲームソフトをトラックに満載して砂漠に捨てたって噂もある。 小さいあたしでも分かったわ。このままじゃアタリが無くなっちゃうって」 岬「(そうか。初対面の僕にお金まで出して熱心に勧めていたのは、このためか)」 真美「あずみお姉ちゃん、ごめんなさい……」 亜美「そこまで、あずみお姉ちゃん、が追い詰められてた、なんて、思わなかったよ……」 話を続けるにつれ、哀愁が姉妹にも伝わって来たらしく、暗い面持ちになって謝りだす。 あずみは気づいていないのか、答える元気がないのか、返事をせずに言葉を発し続ける。
[291]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:15:52 ID:HA8Joy+M あずみ「アタリが無くなるなんて嫌だ。ビデオゲームを創ったのはアタリなんだ。 アメリカ中のテレビをコンピューターゲームに変えたのはアタリなんだ。 テレビの中でなんでも出来る、なんにでもなれる世界を作り出したのはアタリなんだ……」 最後はぼそぼそとした声でつぶやきながら、おもむろにあずみは立ち上がった。 あずみ「ごめんね真美、亜美、あんた達は何にも悪くない。あたしがバカなことを口走っただけ。 アタリに愛想を尽かしてなかったら、またゲーセンでプレイしても良いしあたしの部屋に来てもいい。 あのゲーム機だって性能は良いし、好きになるのも無理はないわ。でも」 ふらふらと後ろを向いて部屋を出ようとしている。先程とは異なり、僕はあずみを止めようと する気にはなれなかった。今触れると粉々にあずみの体が砕ける。幽霊のように動くさまを見て、 そう思ってしまったのだ。 あずみ「あたしはアタリのゲーセンとゲーム機のゲームしかやらない。 あたしからアタリが消えるなんて、あっちゃいけないんだ」 返事も待たず目を向けもせず、あずみは玄関を出て、家から消えてしまった。 僕も真美も亜美も、何もそれ以上口に出せなかった。
[292]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:17:03 ID:HA8Joy+M それから何十分たっただろうか。結局ゲームどころではなくなり、僕も双海家を出る事になった。 真美「それじゃあ、岬兄ちゃん、またね。せっかく来てくれたのに、真美のせいでこんなことになってごめんなさい」 亜美「あんなあずみお姉ちゃん初めて見たよ、亜美たちどうすればいいんだろう」 岬「真美ちゃん亜美ちゃん安心して。あずみちゃんも言ってたよ。2人とも悪くないって。 そんな湿っぽい顔してる方が、ますます悲しむよ」 真美「そ、そうだね。次会うときまでに元気になってるよ」 亜美「兄ちゃん、またここに来てくれる?今度こそ一緒にゲームしたいと思ってるんだ。 お姉ちゃんの気持ちも分かるけど、やっぱりコレコのゲームも遊びたいから」 岬「うん、また近いうちに遊びに来るよ。それじゃあね」 こうして、波乱に満ちた今日のゲーム体験は終わったのであった。 岬「(これもゲームの魅力、と言えるのかな。深くのめりこむからこそ悩み、苦しみ、悲しむ。 サッカーがただの球蹴りで終わらないように、ただの物理的運動で終わらない、人の心に響く ところがあるからのめりこむ……覚えておこう)」
[293]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:18:26 ID:HA8Joy+M 今日の事から教訓を引き出そうと思考を働かせながら、帰路途中にヴォルテール通りへと戻る。 あのアタリのゲームセンターを通りがかりながらふっと横を見ると、向かい側のビルに 横断幕が掲げられていた。1階はガラス張りで中が良く見え、その中はアタリと同じような ゲーム筐体が幾つも並べられている。そして横断幕には、こう書かれていた。 9/17,NAMCOLAND L'ouverture! 岬「(L'ouverture、たしか「開店」って意味だったな。それであの内装、となると)」 フランスでもあずみの苦悩はなかなか収まらないだろう。 少女の状況にただ同情するばかりであった。 *岬の訪問可能な場所に「アタリフランス」「双海家」が追加されました! *人間関係について、以下の関係・変更が追加されました! 真美・亜美→(姉的存在)→あずみ 真美・亜美→(あずみの友達)→岬 あずみ→(手のかかる妹)→真美・亜美
[294]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/21(土) 23:21:49 ID:HA8Joy+M というところで今日はこれまでにします。次回はトレーニングの選択から始めます。 ちなみに1983年9月17日は9月の第3週にあたります。 今更ながら気づきましたが、ここまで書いてようやく、 アイドルマスター出身キャラクターの紹介を全くしていませんでした。 かつて森崎板で東方をからめた外伝が発表され始めた頃、各キャラクターの簡単な説明がされていましたが、 ここでもアイマスキャラの説明は必要でしょうか?
[295]森崎名無しさん:2018/04/27(金) 20:27:42 ID:??? お願いいたします。
[296]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/04/28(土) 22:23:04 ID:EwNUVF4U これからこのスレにて登場してきたアイドルマスター出身キャラクターについて 紹介させてもらいます。ただこのスレ主は基本悪い意味でいい加減、興に乗ると自分勝手に 空を飛ぶような性格ですので、「またバカなこと言ってるぜハハハ」と笑い飛ばしながら おおまかなイメージを掴むぐらいにして読み飛ばしてください。 ・天ヶ瀬冬馬 アイドルマスター2(以下アイマス2)初出の男性アイドル。主人公勢のアイドル事務所「765プロ」と 敵対する「961プロ」に所属していた(その後移籍したそうですが省略)。 馴れ合いを嫌い、口は悪いが曲がった事が嫌いで「勝負事には常に正々堂々と挑む熱血漢」 それでいて趣味がフィギュア集めだったり、 3回対戦で2勝先取勝利のアイドルランクアップフェスティバルで必殺技的なものを使い切ったりと、 孫臏先生大歓喜な戦法を取っちゃったりする方です。 (現実の男性アイドルを全然知らないので)ゲームで例えると、目指しているのは グラディウスみたいなクールでカッコいいアイドルなんだろうけど、期せずしてにじみ出るとぼけた感じがいい感じ。 ・双海真美 双海亜美とは双子の姉。アーケード版アイドルマスターからのメンバーであり、若干12歳 (このスレの世界では8歳)。キャプテン翼の立花兄弟のように大抵双子キャラは キャラクター節約の為に大した区別をつけてもらえないケースが多いように思えますが、 こちらの双子は見た目こそ変わらないものの、声質や仕草なんかで不自然にならない程度に 差別化を図り、続編のアイマス2では髪型も変わり、前作では亜美の影武者扱いから 1人前の選択可能キャラクターとなった子。まるで徳川家康や句践です。
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0ch BBS 2007-01-24