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【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】
[372]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/06/09(土) 20:29:09 ID:rOW+5SAk 長くなりそうなので、今日はここまでに致します。 今年は様々なゲームのミニ化や、まさかのゲーム機戦争再参入が相次いでいます。 ミニスーパーファミコン、ミニメガドライブ、アタリVCS(旧アタリBOX)、インテリビジョンW. 皆さんは何か買う予定はありますか?私としては、比較的安くて面白いゲームが多そうな メガドライブミニを買うつもりでいます。
[373]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/06/10(日) 17:05:28 ID:XoF1ytSU 第10話『クレイジーシャーマンサオリ』 岬「どうだった」 岬父「これからパリに向かうと言っていた。まあ明後日にはここにつくだろう」 岬「そうか、明後日には来ちゃうのか」 岬父「あれでも太郎の叔母さんで父さんの妹だ。そう悪く言うな」 父はあの人からの電話を受け、近日の来訪を告げる。 ついに来るべき時が迫って来たかと憂鬱な気分が出てくるのを抑えられない。 岬父「沙織が来る前に太郎だけどこかへ出かけるという手もある。まだ時間も……」 沙織「誰がどこへ出かけるって〜?」 岬「!」 現れた。僕の叔母にして自分勝手の化身、岬沙織が現れた。 岬父「どうしてここに?!これから日本をたつと言ったはずじゃ」 沙織「残念だったな、トリックだよ!あたしは「これから行く」っていっただけだけど? 大体、事前連絡なんてめんどくさい事する訳ないでしょ。 バス降りて兄さんの家の位置を地図で確認するまで、時間つぶしに電話しただけよ」 岬沙織。右手にキャリーバッグを引きずって現れた妙齢の女性。 背は父さんよりも頭半分ほど高く、髪はかかとまで届きそうなほど長く伸ばしている。 顔はやや面長、年は父さんと変わらないはずだが、20代後半と言われても疑わないほどの 円熟味を帯びた美しさを放っている。 だがしかし、何よりこの場での視覚的印象として目にひくのは、彼女の衣装であった。
[374]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/06/10(日) 17:06:40 ID:XoF1ytSU 8月だというのに純白の白衣を着け、その白衣を胸元の襦袢で押さえ、足の甲まで届きそうな 緋袴で腰と脚を覆い、足袋と草履で足元を締めている。 典型的な巫女装束であった。 岬「姉さん、その格好でここまで来たの」 沙織「そうよ。いやーフランス人にも巫女需要は旺盛ね!行く道々で野郎どもにナンパされるし写真は撮られるし。 用意していた神社予定地のレターカードがあっという間に無くなっちゃったわ」 そう、彼女は巫女である。それもただの巫女ではない。 父さんが言うには生まれつき神力が強かったらしく、手を握ると電気のような痺れを発したり、 気弾のような神力を発射して痴漢を撃退したりと、今まで起こした奇蹟は数知れない。 漫画のような超能力的な事だけではなく、彼女が神力をこめたお守りや祈祷によって、 大事故にも無傷で生還したり、高額宝くじをたったの1枚で当てさせてきたという。 なぜか東広島市の鏡山という僻地で神社を開いたため参拝者こそ少なかったが、 知る人ぞ知る奇跡の神社として、西条に住んでいた時はそんな話をよく聞いていた。 岬「姉さんは美人だから、きっとフランスでもやって行けるよ」 沙織「分かってるじゃなーい。いい子いい子」 彼女はこちらに向かい僕の頭を撫でる。3回撫でたあと、頭の手が肩に行き腕を沿って手に移る。 そして手と手が重なった瞬間、体から重みが消えた。 次の瞬間には、彼女に向けていたはずの視線が天井を向いている。 急いで頭を上げて胸をそらし、着地寸前に床を手で叩き、体への衝撃を抑え込んだ。 沙織「おっ、成長したわねえ受け身が取れるなんて。昔は涙目になっていたのに」 岬「会うたびに合気道の技かけるのやめてください。痛いです」 毎度恒例の儀式が終わった。一応抗議するものの。カラカラと笑うばかりで応じてくれそうにない。 しばらくして笑いを収めた後、彼女が本題を切り出した。
[375]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/06/10(日) 17:07:49 ID:XoF1ytSU 沙織「さて、挨拶も終わったし、要件2つ伝えるとしますかね。まず1つ目、今度私が神主になる無間神社の位置だけど」 そう言ってバッグからイル・ド・フランス地域圏の地図を取り出して机に広げ、×点のついたところに指をさした。 パリ市からそう遠くはないが、僕達が済んでいる所から反対側にある。とても徒歩ではいけそうにない。 沙織「ホントはパリ市内に建てたかったんだけどねー、色々規制とか厳しいし土地代もバカ高いし、 渋々郊外に建てる事にしたのよ。肝心の建立の日なんだけど……」 ★無間神社フランス分社建立時期 !card ★ JOKER→沙織「実はもうできているのだ!」岬・岬父「なにィ!?」 ダイヤ→沙織「今月の第4週位にはできるわね」 ハート→沙織「手伝ってくれたら今月中に出来るわよ」*さらに分岐 スペード・クラブ→沙織「なんとかクリスマスまでには間に合わせるわよ」岬「(あっ、これ手伝わされるな……)」
[376]森崎名無しさん:2018/06/10(日) 17:10:13 ID:??? ★無間神社フランス分社建立時期 ダイヤ4 ★
[377]森崎名無しさん:2018/06/10(日) 17:34:28 ID:??? 割と今までの引きが順調なのが怖いのだが… 後で揺り戻しが来そう
[378]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/06/10(日) 19:31:55 ID:XoF1ytSU ★無間神社フランス分社建立時期 ダイヤ4 ★→沙織「今月の第4週位にはできるわね」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 岬父「1カ月未満で?随分と早いな」 沙織「まあ事前に日本から人呼んで着工してたからね。もうじき完成よ。それで、次の話だけど」 そう言って彼女はバッグのチャックを開け、紙のようなものを取り出した。 封筒ほどの大きさに大きく「交通安全」と記されているお守りだった。 沙織「2つ目の要件は、ずばりこの新しいお守りのお披露目。 今までもあたしのお守りは霊験あらたかだったけど、 これは今までのお守りが紙切れに見える程の凄いものよ。 何てったってこのあたしが1週間、断食と水垢離と祈祷を重ねた上にできたお守りだから」 1週間も。この傍若無人女がそんな苦行までしたのか。そう思うと、この変哲もない紙から 神々しい光がうっすらと放たれてくるような気がした。 沙織「これは交通事故だけじゃなくて、とにかくありとあらゆる事故や怪我、凶悪犯による刃傷沙汰さえ 我が身を守ってくれる優れものよ。使い方は簡単、ポケットでもいいから、 肌身離さず付けていればいいだけ。こんな感じにね」 そう言って彼女はお守りの紐を(片隅に小さな穴が開いていて、そこから紐が輪になって通っている) 僕の首にかけ、シャツの下にお守りを押しこむ。 そして彼女は窓に行って大きく開けた後、再び僕の方へ向かった。 沙織「正直に言って。このお守り、1枚500フランするの。参拝客は買ってくれるかしら」 岬「うーん……無理だよ。7500円なんて、高すぎる」 沙織「そうよね。やっぱり効果が分からないと、異教の神頼みにそんな大金は払ってくれない。だから」 そう言うなり、いきなり僕の体を両腕で持ち上げる。何食わぬ顔で先程開けた窓に向かい、 僕に向かって宣言した。マズい。猛烈に嫌な予感がする。 沙織「これからその御神徳を、身をもって体験してちょうだい!」
[379]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/06/10(日) 19:33:13 ID:XoF1ytSU 異議を唱える間も逃げる間もなく、僕はアパルトマンの5階の窓から勢いよく外へ投げ出されてしまった。 何メートルも放物線を描きながら空に上がった後、勢いよく表通りの道路へ投げ出されようとする。 おわりだ。 目を堅く閉じて胸を押さえ、最期の時を迎えようとする。その時。 ガッシャアアアアアアアアアン! 下から激しい衝突音がし、その中に僕は叩き込まれる。 岬「(え!?)」 激しくたたきつけられ痛みを感じたが、特に骨が折れたような感じはしない。 恐る恐る目を開けて手足を見回すが、どこにも傷は見られない。 代わりに見えていたのは、四方八方を取り囲んでいるぬいぐるみと枕、そして綿の塊だった。 通行人「おーい大変だ!ベッドのトラックとぬいぐるみのトラックが正面衝突したぞー!」 外から人の声が聞こえる。わいわいがやがやと声が大きくなってきたところを見ると、 野次馬が続々集まってきたようだ。何とか這いあがろうと手を伸ばすと、ぬいぐるみをかき分け手が上から僕のを掴む。 そうして引きずり上げられた先には。諸悪の根源の顔が映っていた。 沙織「よしよし。怪我は無いわね。うん、流石あたし!」
[380]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/06/10(日) 19:34:37 ID:XoF1ytSU 謝罪の一言もないまま勝手に安堵している。 そんな様をいきなり見た野次馬達は状況が読み込めず、口々にあれこれと話している。 「あれ誰だ?キレイだな」「あの服装なんだ!分からないが……イイ!」 「ひょっとしてあれが話に聞くミコってやつじゃないか」 「ミコ?なんじゃそりゃ?」「ジャパニーズシャーマンってやつじゃないか」 あれこれと憶測を彼女に向ける中、彼女はそっと両手を前に添えてやや伏し目がちにしてこちらに顔を向け、 それから意を決したという風で、四方の紳士方に話しかける。 何も考えなければ花も恥じらう淑女といった風情だが、前後の状況を知っているだけに寒気を感じた。 沙織「ここに集まる皆様方、わたくしは日本から参りました、サオリ・ミサキと申します。 甥のタロウが危ない目にあっていたので、助けに参りました。 今月末からパリ郊外の……でミコ、ジャパニーズシャーマンとして、交通安全、商売繁盛、開運招来、恋愛成就など 皆様の運気上昇を応援させていただきます。お暇でしたらぜひ、ムゲンジンジャへお越しくださいませ」 「おおおおっ!カワイーーッ!」「話は分からなかったが俺は行くぜ!」 「マドモアゼル、よければこれからカフェにでも……」「マドモアゼル・ミサキ!儂の方にも顔を見せてくれい!」 「うーんまさに東洋の淑女……我が国の婦女子が失った奥ゆかしさを保っている……」 沙織「すみません。これから甥を病院に連れていかないといけないので……失礼いたします」 群がってこようとする野次馬達を柔らかにかわしながら、僕達は彼らから離れる。 しばらく走って彼らの姿が見えなくなると、彼女は元の姿に戻った。
[381]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/06/10(日) 19:36:24 ID:XoF1ytSU 沙織「ふーう、よくやった、つかみはバッチリね」 岬「ひどすぎますよ沙織さん、死ぬかと思いました」 沙織「死ぬわけないじゃない。あたしの作ったお守りを入れたんだから。死ぬ危険があるなら あんな事しないわよ」 いけしゃあしゃあと殺しかけた相手に表情も変えずに言ってのける。昔からこんな具合だった故にもう怒る気さえ起らない。 ただ、さすがに悪いと思ったのか、僕にサービスを申し出た。 沙織「でもまあ、あんなことして悪かったわね。代わりに今度最初に来たときは お守り代を100フランにサービスしてあげるわ。あと、降神巫もタダでしてあげる」 岬「こうしんふ?」 沙織「そう。あたしの体に神をおろして、未来を告げてもらうの。 これからの人生でどんな災難が起こるか、あらかじめ分かっていれば便利でしょ」 未来予知か。にわかには信じられないが、この神がかった神力を持った人が言うのだ。本当だろう。 岬「分かりました。それで辛抱します」 沙織「良かったわ!甥っ子に嫌われちゃあ3日は眠れなくなっちゃうわ。それじゃあそろそろここでお別れ」 岬「え、あの、バッグは……」 沙織「それなら大丈夫。兄さんにタクシーを呼んでもらえるように頼んであるし、 先にバッグをもって待ってもらえるように頼んでるから。うん、じゃあね」 言うだけ言ってとっとと去ってしまった。 ようやく嵐が過ぎ去ったような気がして、 近くの壁に寄りかかったまま、父さんが現れるまで身動きする事ができなかった。 *9月第4週以降、「無間神社」に訪問が可能になりました! ただし遠隔地のため、地下鉄の使用が必須となります。
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0ch BBS 2007-01-24