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【赤と8ビットの】キャプテン岬【物語《ロマン》】
[645]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:33:58 ID:1d+YvWAA シャルポワが指さした先には、僕と同じぐらいの全身スレンダーな少女がいた。 優と同じぐらい深い青みをおびた髪が肩よりも長く伸び、 上は水色のポロシャツ、下は灰色のスラックスとスニーカーを身に着けている。 そんな暗色系統の身づくろいの少女が、急に赤みを帯びはじめた。 それも桃や橙といった淡いものでは無く、赤旗のような正真正銘の赤色になってきている。 岬「(これは怒る寸前の顔だ。マズ……)」 少女「だっ、誰がバキュラよーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」 怒髪天を衝く。そんな言葉がふさわしい形相になって大いにヴォルテール通りを響かせる。 叫んだ後は口を閉ざしズンズンとこちらへと詰め寄り、むんずとシャルポワの胸倉をつかんだ。 少女「いきなり何のご挨拶?人の体を鉄板呼ばわりなんて、ねえ?」 口調こそ静かになっているが、シャルポワをつかみ上げる眼差しは傍目でも分かるほど、敵意に満ちている。 突然の因縁にシャルポワはあたふたしながら、ポケットからカートリッジを取り出す。 シャルポワ「な、何の事デスカ?バキュラとはゼビウスの第3ステージから出る敵キャラで」 少女「ぐるぐる回転する破壊不可能な銀色の板、でしょう。見ず知らずの人の胸を板呼ばわりなんて……」 そう言うなり目の前の少女は手に力を込め、グイとシャルポワを両手で持ち上げ上下にシェイクし始めた。 こんなほっそりとした体のどこにそんな力があるかと思える程、激しく体全体を揺らしている。 シャルポワ「ヒイッ!待ッテ!止めてクダサイッ!」 少女「ちょっと成長が早かったからって、思いあがらないようにね? 私だっていつかきっと、あなたみたいに立派に成長するんだから、ね?」 もはや殺意になったのではないかと思える程の気迫を敵にぶつけている。 どうしようかと手をこまねいていると、横から優が袖を引いて制止した。
[646]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:36:37 ID:1d+YvWAA 優「岬さん、今のお姉ちゃんに近づいちゃ危ないです」 岬「姉さん?あの人優の姉さんなの」 優「はい。いつもは優しいお姉ちゃんですけど、どうしてか時々あんなになって、 ああなると怖いですから、危ないです」 ギュッと掴んで離そうとしない。確かにあの鬼気迫る表情を見ると、下手に触ると こっちまで火の粉が飛んできそうだ。そう思って優と共に目の前のいざこざを眺めているうちに、 少女の手が勢い余ってシャルポワの手首をはたき、カートリッジが勢いよく宙を舞う。 あっ、と声を上げたのは優だ。そしてほとんど同時に、大事に抱えていたキャンパスなどの画材を僕に押し付ける。 優「すみません!」 言うなりバッと道路へ走り、最後はわき目もふらずに飛び込み2本とも無事にキャッチした。 だがそこは道路のど真ん中、それもパリ中心部の大通りである。車が来ない訳が無い。 グオオオオオオオオオオオオオオオオオッ! ギイイイイイッ! 案の定、大型トラックが優に向かってきている。相手も気付いたのだろう、 急いでブレーキを踏んでいるが、スピードが速すぎて到底間に合いそうにない。 1トンや2トンでは済まない大型車だ。轢かれたらひとたまりもないだろう。
[647]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:38:21 ID:1d+YvWAA 少女「優!」 シャルポワ「ユー!」 岬「優君!(どうする!?)」 緊急事態だ。トラックの勢いそのままに思考回路を叩きつけて思案する。 岬「(案その1。今すぐ僕が飛び込んで優君を助ける。 僕の運動神経と優君との距離、トラックのスピードから見て助けられる可能性が高いだろう。 だけどその代わり僕が轢かれる可能性が否定できない。轢かれたら大怪我は免れないだろう。 案その2。ここにあるキャンパスとイーゼルを蹴り飛ばして トラックのタイヤの間に挟ませ、トラックを強制的に挟ませる。 僕の身は確実に無事に済むけど、そうしたところでちゃんと止められるか怪しいし、止められたところで 大事なものを勝手に壊されたら、優君も素直には喜べないだろう。 案その3。何もできない。現実は非常である。これは僕がどうこうできる事ではないんだ。 ……女の子が助け出さないよう、取り押さえておくか)」 ほんの数瞬を何時間にも引き延ばしたように思考、逡巡、苦悩を何層にも折り重ね折り重ね、 人生の岐路になるであろう選択を、手遅れにならないうちに下した。
[648]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 00:40:17 ID:1d+YvWAA 案1:直接優君を助けに行く 案2:画材をトラックのブレーキにして止める事で優君を助ける 案3:何もしない。いや、何もできなかったんだ 案4:その他、自由回答(要3票) メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 人の生死に関わる判定であるため、今回に限り先に2票入った選択肢で進行します。 そして18日分の投稿は、これで終わりにいたします。 皆様、どうか熟慮の上投票をお願いいたします。
[649]森崎名無しさん:2018/08/19(日) 00:45:49 ID:/R4zQnFw 案1
[650]森崎名無しさん:2018/08/19(日) 00:52:13 ID:AOGDCg02 案1
[651]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 10:48:07 ID:1d+YvWAA 2レスだけ投稿します。続きは夜に出せると思います。 案1:直接優君を助けに行く ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 岬「これ、持ってて!」 シャルポワと見知らぬ少女へ投げるように画材を押し付ける。 飛び出そうとしていた少女にはキャンパスとイーゼルを放り込む。一緒に飛び込んで巻き添えにならないように。 これで何の憂いも無くなった。思い切り跳躍する。僕が優に近づく以上の勢いでトラックが優に迫ってきている。 岬「(間に合え!)」 奇跡的にもこのトラック以外には車は通っていない。これさえかわせば助かるはずだ。 優に飛びつくようにして体を引き上げる。 トラックは手を伸ばせばひき潰される位まで迫っている。止まろうとして発せられるブレーキ音が 地獄の轟音のように僕達へ襲いかかってくる。 岬「(飛べ!飛べ!飛べえええええっ!!)」 全身全霊、これからの人生の跳躍力全てを投げ込む勢いで、優を抱え跳躍した。そして……
[652]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 10:50:01 ID:1d+YvWAA 先着で ★岬たちよ 生きていてくれ! !card ★ と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。マークで分岐します。 JOKER→シャルポワ「トオッ!」後ろから来たシャルポワに助けられる! いつの間にか白いマントにコスチューム、鳥の帽子をかぶっているぞ? ダイヤ絵柄→グゴオオオオオッ! 突然シンクホールが発生!トラックは穴にはまり込み、岬と優は無事で済んだ ダイヤ〜スペード→岬の鍛え抜かれた脚力で脱出成功!優はキズ1つついていない クラブ絵柄→岬「(間に合わない!なら……)」岬、優を放り投げる!優は向かいの街路に投げ出され 無事だが、岬はトラックと接触し、怪我をしてしまう クラブ4〜10→岬「(間に合わない!なら……)」岬、優を放り投げる!優は向かいの街路に投げ出され 無事だが、岬はトラックに轢かれ、大怪我を負ってしまった クラブ2・3→岬「(間に合わない!)」岬、優共に轢かれてしまう。優は軽傷だが岬は大怪我を負ってしまった クラブA→岬「(間に合わない!)」岬、優共に轢かれてしまう。優は大怪我、そして…… BGM:Maximum Speed http://www.nicovideo.jp/watch/sm13279555
[653]森崎名無しさん:2018/08/19(日) 11:09:26 ID:??? ★岬たちよ 生きていてくれ! ダイヤA ★
[654]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2018/08/19(日) 21:14:50 ID:1d+YvWAA ★岬たちよ 生きていてくれ! ダイヤA ★→岬の鍛え抜かれた脚力で脱出成功!優はキズ1つついていない ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 行け! ただその一念そのものになって優を抱え、再び飛び出す。 道路から右足が離れる。体がピンと伸びて道路と平行になり、コンクリートとキスをする寸前 左足が着き力の限り蹴りだす。 トラックは既に止まっていた。僕と優は中央分離線を越え五体のどこにも衝撃を感じなかった。 岬「(助かった!)」 駆けた勢いでそのまま反対側の歩道へ渡り、アパルトメンの壁に手をつく。 抱き取った男の子が怪我無い事を確認した途端、体中から冷や汗が爆発する。 同時にまるで憑き物が落ちたかのように脱力し、壁に背をつけズルズルと下へ滑り落ちた。 岬「(助かった……あっ、優だ)はあっ、はあっ、だ、大丈夫、ケガはない?」 荒い息を吐きながら安否を尋ねる。トラックが来た時には既に離れていたはずだが、優君は ポカンと目を開けたまま返事をしない。 岬「(もしかしたらショックで意識を失った?)ゆうく」 優「あ!み、岬さん、カセットは大丈夫ですか!?」 急に大声で優が叫びだした。カセット。命をかけてまで守ろうとしたゼビウスのカートリッジの事だろう。 優が握りしめる両手を引き寄せ2つのカートリッジの具合を見る。本体も端子もカケラ1つ欠けていない。 岬「大丈夫。どっちも無事だよ」 優「そうですか、よかった」 ふうと大きく安堵のため息をついた後、僕の事に意識が向いたのか、 助けてくれてありがとうございますと、申し訳なさげにペコリとうなずきながらお礼をした。
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0ch BBS 2007-01-24