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【SSです】幻想でない軽業師
[118]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/28(日) 22:32:35 ID:??? 穣子「反町と離れるなんて……やだよぉ……」 静葉「………………」 いつしか静葉のやや寂しい胸に顔を埋めながら、嗚咽し、穣子は呟いた。 静葉はやはり、黙ってその頭を撫でてやる。 静葉「よく頑張ったわね、穣子。 本当に……よく頑張ったわ」 穣子「うぅぅ……」 静葉「(ただ……穣子と一樹くんは、神と人としては、あまりにも近すぎた。 ……結果的には、これが良かったのかもしれない。 ……穣子には、残酷な事かもしれないけれど)」 穣子を慰めながら、そうも思う静葉。 確かに穣子と反町の関係は、近かった――近すぎた。 それを考えれば、反町がオータムスカイズから離れる事も、決して悪い事ばかりではないと。 彼女はまだ知らない、白熱した幻想郷サッカーブームが、これから更なる盛り上がりを見せていく事を。 静葉「(……後は、私が頑張る番ね。 穣子の為にも……このチームの為にも)」 彼女は知っていた、反町が守矢フルーツズに移籍する上で、何名かの選手が反町に続き移籍をする可能性を。 静葉「(このチームが得てきた名声を……失墜させる訳にはいかない)」 誰もまだ知らない、稔りに稔った秋の空に……静かに終焉の日が近づいていた事を。 反町一樹が守矢フルーツズへの移籍をチームメイトに発表したのは、その翌日の事である。
[119]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/28(日) 22:36:13 ID:??? 早苗「(ヒロインレースに)勝ったッ!第3部完!!」 という事で早苗さん大勝利で一旦ここまで。 ここまでの流れは賛否両論あると思いますが、多分、あの時あのまま続いていたとしても、仮にJrユース大会後の進路は、 反町は守矢移籍ルートになっていたかなと思います。 次回は、反町移籍を受けてのオータムスカイズチームメイトの動向などを書けたらと思います。 それでは。
[120]森崎名無しさん:2018/01/28(日) 23:33:03 ID:??? 乙です 穣子さんが良い女すぎる…妻として反町を支えてやってほしい
[121]森崎名無しさん:2018/01/29(月) 01:29:16 ID:??? 移籍の理由の一部としてシュート練習したいからってのがなんともシュート魔王らしいというか とはいえ、穣子が行かないでって言ったら残ったんだろうなぁ 穣子もそれが分かってて移籍しろって言ってるんだろうな
[122]森崎名無しさん:2018/01/29(月) 06:29:58 ID:??? 早苗さんルートだと移籍しか道がなかったんやなって…… 穣子ルートも見たかった
[123]森崎名無しさん:2018/01/29(月) 08:47:43 ID:??? メタ的に大妖精が練習に付き合ってくれないって結構影響あったんですか? これがプロチームの話しだったら大妖精が批判される案件だとは思うが
[124]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/29(月) 21:56:46 ID:??? >>120 乙ありです。 早苗「浮気は絶対許早苗」 >>121 行かないでと言っていたら……まぁ、残っていたでしょうねぇ。 結局の所はやや守矢移籍に傾いていたくらいなので、ぐいっと引き戻せばそちらに行っていました。 穣子さんはそこを逆に押し返しちゃった感じですね。 >>122 途中までは穣子をヒロインのつもりで書いていたんですけどね……。 >>123 練習に付き合ってくれない、付き合ってくれてもビビりまくってて罪悪感が半端無いって感じですね……。 批判とかもされないと思います。殆どの人は付き合いたくないと思うでしょうし。 実は大妖精の反町に対する感情とかは、本編の日向に対するタケシや反町のそれのオマージュのつもりでした。 反町「選べ、俺のオータムドライブを受けて全治不明の重体になるか、俺が敵を吹き飛ばす所を味方として見るか」 短いですが投下します。
[125]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/29(月) 21:57:51 ID:??? Act.4 終焉の秋 反町一樹が守矢フルーツズへの移籍を発表したその日である。 秋静葉は、所属をしているチームメンバーに召集をかけた……当人である反町を除いて。 機を失う訳にはいかないと、彼女の行動は迅速であった。 静葉「(一樹くんが移籍をすると発表して日を置けば置くほど、状況は悪くなる……対応は迅速に。 だけど、冷静に)」 橙「お、遅くなりましたにゃ……藍様に呼び出しを受けていて……」 静葉「いえ、時間通りよ。 さ、座って」 オータムスカイズの誇る右の俊足サイドハーフ、橙の謝罪を笑顔で許しながら、 静葉は橙に着席するよう促す。 橙はそれに至極申し訳なさそうにしながらも、ちょこんと空いていた席に腰掛ける。 静葉「…………レティ、風見幽香は?」 レティ「駄目ね、まるで便りも何もないわ。 ……あの大会から」 静葉「……そう(それも、ある程度は予想の範疇。 ……大丈夫、まだ大丈夫)」 Jrユース大会が終わってから、まるで姿を見せる事のない風見幽香。 かつて静葉や橙、にとりとひと悶着を起こし、 加入をしてからもそのルール無用の残虐ファイトで色々と物議を醸したチームの一員である。 魔界Jrユースとして戦ったその時より、一層その残虐性は磨かれ……。 或いはこのチームにはもう二度と戻ってこないのかもしれない、と、静葉はある程度の予想はつけていた。 オータムスカイズの中でも、疑いようの無い総合力を持っていた幽香の離脱。 反町の移籍同様、これもまた痛い。 ただ、その痛さはこの2人の純粋な戦力としての計算以上に波紋を呼ぶ事になる。
[126]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/29(月) 21:59:17 ID:??? リグル「幽香もいなくなっちゃったのかぁ……(反町もいなくなるんだよなぁ。つまんないなぁ……)」 メディスン「………………」 静葉「(一樹くん、それに風見幽香を慕う者も多い……)」 人当たりがよく、基本的には品行方正であった反町。 暴力的ではあるものの、カリスマ性を持ち多くのメンバーを率いてオータムスカイズへと加入した幽香。 彼らがいなくなる――そして、移籍をする。 これを受けてこのオータムスカイズからこれ以上の選手の漏洩を防ぐ……それが今、静葉に求められた役割であった。 静葉は己に求心力があるとは思っていない。 力があるともまるで思っていない。 それでも、秋の空と名付けられたこのチームの為に、昨日、辛い決断を下した妹の為に。 冷静に、顔には笑みを浮かべたまま、その口を開く。 静葉「皆も聞いたけれど、一樹くんが守矢フルーツズに移籍することになったわ」 サンタナ「そうそう、あれ、なんでなの!? あの妖怪の山の変態GKになんかされたの!?」 穣子「そういう訳じゃないわよ……反町も、色々考えての結論だわ」 静葉「ええ、一樹くんも色々考えて……そして、守矢フルーツズへと移籍をする事になった。 ………………」 そこまで言って、静葉は一拍置き、周囲を見回し……。 大妖精「あ、あの……他の選手で、オータムスカイズから守矢に移るのって……いいんでしょうか?」 静葉「(そこが1番手……か)いえ……幻想郷のチーム事情で言えば、選手のチーム間の移籍自体は何ら問題は無いわ。 誰かが移籍をしたいというのなら、それを止める事は誰にも出来ない」 大妖精「だ、だったらその……わ、私も守矢フルーツズに移籍したいかなぁ……って」 その大妖精の発言に、多くの者たちは驚きのまなざしを向ける。 ただ、これも――やはり静葉によっては予想の範疇であった。
[127]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/29(月) 22:00:50 ID:??? 静葉「(大ちゃんは一樹くんを恐れている……正確には、一樹くんのシュートを……だけど、まあそれは些細な事。 要は彼女は、一樹くんのシュートを受けたくない。 敵対したくない。 ただ従順にいるしかない、と考えている。 ……一樹くんのシュートで吹き飛ばされる側を選ぶか、それとも味方として一樹くんがゴールを奪う場面を見るか。 その二択を提示されれば、迷わず後者を選ぶのは自明の理ね……)」 大妖精自身は、幻想郷でもトップクラスのセービングを誇るGKである。 ただし、彼女はその実力に見合わない程にまで、気弱だった。臆病と言える。 そんな彼女がオータムスカイズに残るという選択肢を取る筈が無い。 ある意味ここまでは予定調和であると言え……。 大妖精「チ、チルノちゃんも一緒に行こう! ね!?」 チルノ「うぇ? あたい?」 静葉「(そう、そうなる……)」 問題はその後――即ち、大妖精がチルノを引き連れて守矢へ移籍しようとする事である。 チルノと大妖精の仲については、今更説明する必要も無いだろう。 勝気でおてんばで頭が弱くて、しかし誰よりもド根性があるチルノ。 そして、そんなチルノと何故か仲良く、誰よりも彼女を気にかけている大妖精。 大妖精の性格ならば自分だけがこのチームを離れるという事を良しとしなかっただろうし、 何よりもチルノの顔面が反町のシュートで粉々にされるなど許せる筈が無いだろう。 よって、大妖精が移籍をする際にチルノを誘うというのもまた、予想が出来た。 静葉「私としては……チルノには、残って貰った方がありがたいのだけど」 チルノ「ん?」 静葉「大ちゃんがいなくなれば……やはりゴールを守るのに不安は残るもの。 シュートに対して無類の強さを発揮するチルノがいてくれれば、それでも安心は出来るわ」 チルノ「ん……んん?」 リリーW「チルノはゴール前にて最強って言ってるですよー」 チルノ「そう! やっぱりあたいってばさいきょーね!!」
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0ch BBS 2007-01-24