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【SSです】幻想でない軽業師
[202]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:25:53 ID:??? 魔理沙「よう」 小町「あれっ、魔理沙じゃないか?」 普通の魔法使い――霧雨魔理沙の姿が、そこにあった。 魔理沙「しかし……改めて見るとどういう集まりだこりゃ? 寺の連中はともかく、死神に人食い妖怪に白狼天狗。 とんと共通点が見当たらんぜ」 椛「まあ、話せば色々長いッスよ」 魔理沙「じゃあいいや。 そこまで興味はない」 魅魔「バカタレ、興味が無かろうが話くらいは聞いとけ。 少なくとも、あたしがそこそこ長い間滞在したチームの事だ」 パコッ 魔理沙「いてて」 相変わらずの憎まれ口を叩く魔理沙の頭を引っぱたきながら注意をする魅魔。 いつまでも師匠面されて嫌になる、と肩を竦める魔理沙だったが――その表情が実に楽しげに見えたのは錯覚ではないだろう。 魅魔と魔理沙の関係性について、命蓮寺に所属をする一同は既にあらかた説明されており、 なるほど、幻想郷へと戻ってきた彼女が魔理沙の元へと向かうというのもわかる話であった。 白蓮「昨夜は魔理沙さんの所にお泊りになられたんですか?」 魅魔「ああそうさ。 しかし酷いもんだったよ、そこら中に物が散乱してて寝るスペースすら取れやしない」 魔理沙「普通だぜ」 呆れた様子の魅魔も、しかし嬉しげであり……そんな中、視線を彷徨わせて縁側で佇む、もう1人の弟子に目をつける。
[203]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:27:08 ID:??? 魅魔「……あいつはまだあの調子かい」 大会後、魅魔が一旦命蓮寺のメンバーから離れ魔界へと向かった際、彼女の気がかりとなったのが佐野の事である。 試合中、点差が決定的となった時から糸が切れた人形のように脱力し、試合が終わってからも立ち直る素振りすら見せなかった。 果たしてそんな彼を置いていって大丈夫か――と、後ろ髪を引かれながらも、 しかし、今後を考えて神綺たちと共に魔界へと戻った。 その期間中に、佐野ならば地力で立ち上がってくれるだろうと考えてはいたのだが……。 生憎と、魅魔の期待通りにはならなかったのは、一目見ればわかってしまう。 魔理沙「……魅魔様」 魅魔「ん……」 それは魔理沙から見ても明らかなものだったのだろう。 殆ど言葉を交わした事が無いと言えど、魔理沙にとって佐野は弟弟子である。 今、佐野に何が必要なのか――姉弟子である彼女は誰よりも理解しており、視線で魅魔に訴えかけた。 それに魅魔はただ頷くだけで了承し、ふよふよと佐野の傍まで移動をする。 魅魔「どうした、しょぼくれて」 佐野「…………なんだ、師匠か」 魅魔「なんだとはなんだ、久しぶりに会った師匠に対して」
[204]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:29:14 ID:??? 軽く声をかけてみても、返ってくるのは上の空の返事。 一目魅魔を見て、しかしすぐに視線を虚空へと向けて溜息を吐く佐野を見て、いよいよもって重症だと魅魔は悟る。 魅魔「(落ち込む事こそあれど……こいつはそこまで引きずるタイプには思わなかったがねぇ。 ……まぁ、こういう事もあろうさ)」 体育座りこそしていないものの、ジメジメとした佐野の態度に眉を潜めながら、 それでも魅魔は佐野の隣へと腰かけた。 魅魔「……ちゃんと飯は食ってるかい?」 佐野「…………」 ムラサ「あ、今日の昼食はちゃんと2回おかわりしてたわよ」 魅魔「(……落ち込んでる割にはしっかり食ってるね)」 返事をしない佐野に代わってムラサが答える。 色々と言いたい事はあるが、ともかく、食欲があるのはいい事だとして魅魔は続ける。 魅魔「……そんなにショックだったかい、あの反町くんの事が」 佐野「………………」 無言ではあったが、反町の名を出した瞬間、佐野の体がピクリと震えるのを魅魔は見逃さなかった。 やはりあの大敗――そして、反町と己との格差というものが、彼の中では大きくのしかかっているのだろう。 佐野「………………」 魅魔「……お前さん、言ってたね。 自分と反町くんとやらは、元いたチームじゃ似たような立ち位置だったって」 反町一樹と佐野満。 両者は共に、全日本Jrユースへと召集をされたFWであった。 反町一樹は全国中学生サッカー大会の得点王。 そして、佐野満は初出場ながらもベスト8まで駒を進め、優勝チームである南葛を苦しめた比良戸の2年生FW。 大会でも両者ともに活躍をしたが、しかし、代表での扱いは決していいものではなかった。
[205]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:31:20 ID:??? 単純な力量不足ではあるものの、反町も佐野も十把一絡げの一員でしかなかった。 反町は単純に、雑魚チームを相手に得点を荒稼ぎしてなんとか得点王を取っただけの凡夫。 そして佐野はキープ力に関してはある程度目を見張るものがあるものの、FWとしては得点力の低さが目立ち、 おまけにそのキープ力についてもチーム内にはもっと上手いものがゴロゴロいるという有様だった。 圧倒的なシュート力を持ち、FWの中でも頭一つ抜けている日向小次郎の相方を任せるに足るサブFW。 その競争の中でも下位に位置をしていたのが両者である。 だが、この幻想郷へとやってきて両者は大きく変化を遂げた。 佐野はドリブルの精度を上げて更にキープ力を増し、不安だった得点力も(椛の力を借りてであるが)ある程度解消。 MFとしても十分通用をするだけのパス精度まで身に着けた。 ……守備については、まるで手つかずであったが。 少なくとも、今、全日本へと戻ればレギュラーが確約されるであろう程の実力は得た。 ただ、それ以上に劇的な変化を遂げたのが反町だった。 元々は帯に短し襷に長し……総合的な能力で言えば日向、来生に次ぐ実力者でありながらも、 尖った部分が無い――長所が無い故に目立たない選手であった反町。 そんな彼はこの幻想郷で、爆発的なシュート力を身に着けた。 必殺シュートを編み出そうとしてたまたま見つけた、ドライブ回転をかけたシュートへの適性。 地道にコツコツと、努力を重ねて身に付いたシュートの威力。 そして、それらを最大限に生かせるだけの精密過ぎるシュートコントロール。 天才とは及ばないまでも秀才とも言える頭脳も武器とし、彼は大きな進化を遂げた。 佐野がレギュラー確定とするならば、反町はまずエースストライカーとしてチームの中心となれる程。 それ程までに互いに力をつけ――そして、その差は開いていた。
[206]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:32:50 ID:??? 佐野「……俺と反町さんの何が違うってんだ」 魅魔「………………」 魅魔の言葉を聞き、そして、それが彼の何かに触れたのか。 ぽつりと、小さく――しかし、隣にいる魅魔が聞こえる程度の声量でそう呟く。 佐野と反町の何が違う――かつては、立場はそう変わらなかった。 ユース世代になれば共に切り捨てられるような、そんな不安定な立ち位置だった筈だ。お互いに。 佐野「俺だってこの命蓮寺にやってきて、自分なりに必死こいてやってきた。 師匠もいてくれて、チームメイトもどんどん増えて、キャプテンとして引っ張ってきたじゃねぇか」 魅魔「……ああ、そうだね」 それは事実だった。 佐野は確かに、このサッカーのど素人集団であった命蓮寺のメンバーを、キャプテンとして引っ張ってきた。 ともすれば少しばかり――いや、かなり頼りない所はあったが、 それでも持前の明るさと懸命さでチームを盛り立て、魅魔らに助けられながらも努力を重ねてきた。 その甲斐あって命蓮寺のメンバーも……今や、中堅から強豪と言える程の実力者が揃っている。 白蓮などに至っては、名門の選手とも遜色が無いレベルだ。 佐野「反町さんが華々しく大会で活躍してる時だって、大会に出るのは我慢して、練習に練習を重ねた!」 結局、佐野達が幻想郷のサッカー界でデビューを果たす事は無かった。 華々しい舞台を蹴ってでも、実力を上げる事を選択した。 それもこれも、最後には必ず笑う事が出来ると信じての選択である。 だが、結果はご存知の通りだった。
[207]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:34:32 ID:??? 佐野「俺と反町さんの何が違う……!」 魔理沙「………………」 いつしか大声となっていた佐野の言葉に、命蓮寺のメンバーは胸を締め付けられ、 そして、姉弟子である魔理沙もまた奥歯をギリとかみしめる。 彼女もわかっていた――立場が違えど、反町に苦しめられた者として……佐野の気持ちが痛い程わかる――。 佐野「なんで……なんで……!!」 魅魔「佐野……」 佐野「なんで反町さんに彼女が出来て!! 俺に出来ねぇんだよォォォオオオオ!!!」 ――筈だった。
[208]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:35:56 ID:??? 「「「………………」」」 ルーミア「かのじょ?」 佐野の絶叫を受けて、唯一、言葉を発する事が出来たのはルーミアだった。 基本的に能天気であり、性質としてはオータムスカイズのリグルなどに近いのが彼女である。 あまりにも予想外過ぎる佐野の言葉に、純粋に疑問を持てたのが彼女だけだった。 魔理沙「………………」 逆に他の者たちはといえば、絶句である。 二の句を継げないどころか、一の句すら発する事が出来ない。 あれ?さっきまで反町との格差についてあれほど悲痛に語ってたんじゃなかったっけ? 一同の脳内は混乱を極め、しかし、佐野は更に続ける。 佐野「そうだよ彼女だよ、俺もさぁ、聞いてたよ! 噂に聞いてたよ、反町さんに彼女出来たって!! でもなんだよこれさぁ! 見ろよホラ!!」 言いながら佐野は立ち上がると、ナズーリンが読んでいた新聞を広げた。 ナズーリンが言っていたように、一面には反町と早苗の記事。 当然その記事にはデカデカと、それはそれはお似合いのカップルの写真が写っている。 照れた様子の反町と、同じく早苗。その背後ではややムッとした表情の神奈子と、嬉しげな表情の諏訪子の姿も見える。 佐野「なんっっっでこんな可愛い彼女出来てんの!? ビックリするわ!!」 そう、早苗は可愛かった。 無論、佐野もフィールドで相対し、その顔を見た事もある。 だが写真に写る彼女の姿は正に恋する乙女。はにかむ姿はなんとも麗しく、 フィールドで奇跡のGKとしてゴールは絶対許早苗とか言う姿からはまるで想像できない。
[209]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:37:12 ID:??? 佐野「こんなの絶対おかしいよ……」 小町「あー……あー……えーっと、あれか。 つまり……」 星「……反町くんに、伴侶が出来たとあって落ち込んでいた、という事でしょうか?」 椛「いや、別に伴侶って訳じゃ……いや、もうどうでもいいッス……」 えぐえぐと、涙すら流し始めながら慟哭する佐野だったが――。 ここにきて、ようやく一同は気づいた。 佐野がここまで落ち込んでいたのは、とどのつまり、反町に彼女が出来たのに自分にはいないから――という事に。 ……無論、彼自身も試合に負けた事で、反町に完膚無きまでにボコボコにされた事で大いに凹んでいた。 凹んでいたが――割とすぐに立ち直ってもいた。 ただ、幻想郷へと戻ってくるなり、風の噂で聞いた反町に彼女が出来たという話。 これは大いに彼を混乱させ、迷走させ、そして奈落へと突き落とした。 佐野満、中学2年生、思春期。 割と彼女が欲しいお年頃である。 佐野「俺と反町さんの何が違うってんだよ……反町さんだってそんなにイケメンじゃないじゃん、整ってる方とは思うけど、 点数にしたら6点くらいだと思うぞ、ホント。 やっぱサッカーで活躍したから? したからなの?」 割とサッカーで活躍したからというのは正解ではあるが、佐野は答えを求めている訳ではないし、 何より誰も答えを知らない――というか知っていても言いたくない。 ムラサ「……そういえば、こういう子だったね佐野くんは」 ぬえ「(……心配したのがバカみたいだぬぇ)」 ナズーリン「佐野くん……」 佐野「うぅっ……な、ナズー……」 ナズーリン「君は……実にバカだなあ」
[210]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:38:35 ID:??? ……… …… … 佐野「……という事で、どうすれば俺に彼女が出来るか会議をこれから始めたいと思います」 ムラサ「却下」 小町「否決」 ぬえ「死ね」 佐野「あれ……なんかみんないつもより辛辣……」 落ち込みも、しかし溜まっていたものを全て吐き出してスッキリしたのか、佐野はすっかり元の調子に戻っていた。 ……あっさりと戻った事によって、今までの心配はなんだったんだと一同は思い切り肩すかしを食らい、 佐野への対応が冷たくなるのだがそれも致し方ない事だろう。因果応報である。 魔理沙「……魅魔様、これがホントに私の弟弟子か? なぁ……こんなのがか?」 魅魔「……まあ、うん。 バカ弟子同士仲良くやっとくれよ」 魔理沙「これと同じ尺度で語られるのは流石に勘弁願いたいんだが……」 一方、師匠である魅魔と姉弟子である魔理沙も――こちらはただただ、呆れかえっていた。 特に魔理沙としては、佐野とは殆ど面識も無い。 魅魔が新たに迎えた弟弟子がどんな奴だろうと、改めて話すこの機会をある程度楽しみにこそしていたのだが、 それがご覧の有様な為になんとも言えない表情で溜息を吐くばかりである。 椛「(とはいえ……あんだけ完膚無きまでにやられておきながら、すぐに立ち直って馬鹿馬鹿しい事考えられてるのはスゲェッスよ……。 ……真似したくないッスけど。 ……メンタルで言えばリグルとかに似てるんスかねぇ。 あぁ……やっぱ真似はしたくないッスね……)」 ほんの少しだけ、佐野の事を評価する者もいた。 無論、それはほんの少しだけであり――感情の9割9分方は呆れの方が優っていたが。
[211]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:39:36 ID:??? 魅魔「オホン……さて、まあそれはともかくとしてだ。 佐野、ちょいと話がある」 佐野「ん? なんだよ師匠?」 とにもかくにも、これでは話が進まない――と、魅魔はコホンと咳払いをしてから佐野に告げた。 うかうかしていると本格的に佐野が彼女を作りたい会議を始めかねない。 魅魔「その前にだ……割と心配だから一つ聞いとくよ。 ……お前さん、まだ反町くんと戦う意思はあるかい?」 佐野「ったりめーだろ! あんな可愛い彼女いる人にサッカーでまで負けてたまるか!! 大体二回負けたくらいで諦めてられっか!! 守矢だかヤモリだか知らんけど、今度の大会ではケチョンケチョンに仕返してやる!」 いずれにせよ、佐野の折れた心は既に修復をされていた。 完膚無きまでに負けた悔しさと屈辱は、こんな態度ではあるが佐野の心中にしっかりと刻まれている。 それでもなおバカバカしい事に意欲を傾けられる程には立ち直り、 そして必ずやリベンジを果たしたいという意思もある。 魅魔の言葉に鼻息荒くそう宣言する佐野に、魅魔は満足そうに頷く。 魅魔「ならいい、牙はまだ抜けてないようだ。 ……と、それはいい。 そこで1つ提案があるんだがね。 ……佐野、お前さん外界へ戻ってみないかい?」 佐野「ん?」 白蓮「あら……?」 魅魔「おや?」 そして魅魔が佐野に告げたのは――外界へと戻らないか、という誘いであった。 突然の言葉に困惑をする……訳ではない。 一同はつい今しがた、まったく同じような話を白蓮から聞いていたのだから。 即ち――。 佐野「それってサッカー留学の事か? さっき白蓮さん達が話してた」 外界へのサッカー留学。
[212]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/10(土) 00:41:09 ID:??? 一体どうして佐野の頭脳でピタリと目的を言い当てたのか、と魅魔は目を丸くして驚いていたが……。 しかし、佐野のみならず他の者たちの反応を見て、思い当たる。 魅魔「ははぁ、なるほど……どうやら、幻想郷の方でも同じ事をしてるようだね」 白蓮「幻想郷の方でも……と、いう事は魅魔さんは私達命蓮寺の持つ留学権を行使しての留学の事を言っている訳ではないのですね」 魅魔「ふん、そっちの口ぶりだと幻想郷の方は各勢力にそれぞれ留学させようって魂胆みたいだね。 ……ああ、私のは別件さ。 さっき言ったろ、魔界の方に用があったって」 つまるところ、魅魔の持ってきた話は魔界繋がりでの外界への留学であった。 話を聞いてみれば、内容についてもほぼ同じ。 おおよそ3年間の外界へのサッカー留学をもって、外界のサッカーを吸収し交流を深めて戻る。 そうする事で閉塞的な環境を打破する意図がある、というものだ。 魅魔「まあ、それに加えて3年間ってのは意味がある。 ユース大会を見据えての事だ。 八雲紫も、きっとそれを考えての案なんだろうね。 (恐らくもっと深い所でも考えてるんだろうが……ま、そっちはうちにゃ関係無い話だ)」 佐野「ユース大会……え? またユース大会に幻想郷と魔界が参加すんの?」 魅魔「そりゃするだろうさ。 Jrユースには参加したのにユースには参加しないなんて道理もなかろう」 割と無茶苦茶な話ではあるが、実際、Jrユース大会に参加をしたというだけでも無茶苦茶なのだ。 そこらへんは悪い大人――もとい、悪い妖怪さん達が考えているだろう事なので、 佐野も深くは考えなかった。 佐野「つってもなぁ……さっきの話聞いてる限りじゃ、命蓮寺の方も誰送るかで困ってんだろ?」 魅魔「おや? その口ぶりだと留学に行くこと自体は問題無いって事かい?」 佐野「まあな。 それで強くなれんだったらいくらでも行くさ。 ……まあ、ここを離れるってのも寂しい話だけど」 なんのかんのとこんな佐野を温かく迎えてくれている命蓮寺である。 当然、佐野当人としては愛着があるし、出来る事ならば離れたくは無かった。 とはいえ、強くなれる機会があれば是非ともそれに参加をしたい。 ――まるで性格は正反対だが、選択した道のりは守矢への移籍を決めた反町と似通っているものであった。
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0ch BBS 2007-01-24