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【SSです】幻想でない軽業師
[232]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:42:11 ID:??? 反町一樹は世界でも間違いなくトップのストライカーである。 世界中どころか幻想郷からも集められた選りすぐりの選手たちばかりでの大会において、 その圧倒的なシュート力で強敵たちと相対しながらも得点王に輝いた事からもそれは明白。 そんな反町が、幻想郷でも強豪として知られる守矢へと移籍をした。 これが何を意味するのか、頭の中が春ではない者ならばすぐさま理解出来る。 即ち、守矢一強時代の到来である。 元々守矢フルーツ自体は、先に述べた通り強豪クラス――名門と呼ぶには一歩及ばない程度のチームである。 FWの諏訪子は高い浮き球に強いポストプレイヤーであり足元の技術も十分だがシュートの火力は一流には及ばない。 MFの神奈子は高い能力を持ちながらも、やや帯に短し襷に長しといった、長所が見えづらい選手。 得意とするロングシュートも、十六夜咲夜や四季映姫など他に同じように得意とする選手がいた為に、 優れているがパッとしない、一流半の選手として認知されていた。 GKの早苗もまた、既にセービング技術ならば幻想郷どころか世界で見てもトップレベル。 しかしながらそのスタミナの無さと一対一での弱さという明確な弱点を持つが故に失点率も高いGKであった。 なら、ここに反町――そして彼が引き連れたオータムスカイズを離脱した選手を入れればどうなるだろう。 ポストプレイヤーである諏訪子は、己の力を最大限生かせるストライカーを得る事になる。 神奈子は広い中盤をヒューイと共に支配する事で、己の負担を減らす事が出来る。 そして、早苗はスタミナが切れた際のサブキーパー。 更にはそもそもスタミナが切れないよう――シュートを防いでくれる強力なブロッカーを手に入れた。 FW・MF・DF・GK。 全てのポジションに核とも言える選手を配置出来るようになった事が、何を意味するのか。 総合力において幻想郷でトップを取る。 それはやはり、一強の時代の幕開けを意味しているのである。
[233]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:43:28 ID:??? 無論、守矢フルーツズの選手たちに比較をし、より優れている選手は大勢いる。 今、苦々しげな表情で歯噛みをするレミリア=スカーレットもその内の1人だ。 トップレベルのシュート力と突破力、MFやDFとしても通用をする程の守備力。 間違いなく幻想郷でも有数の実力者。 更に彼女の元には時間制限付きとはいえ優れたテクニックを持つパチュリー=ノーレッジ。 幻想郷No.1ボランチとして名を馳せる十六夜咲夜。 そして、純粋なシュート力ではレミリアをも超えるフランドール=スカーレットもいる。 爆発的な攻撃力で相手を蹂躙するサッカー――それがレミリア率いる紅魔スカーレットムーンズのサッカーである。 ただ、このスカーレットムーンズ。シュートに対してすこぶる弱い。 咲夜が優れているのはあくまでもボールカットであり、打たれた後の対処は不得手。 元々GKであった紅美鈴はGKとしてはカカシ同然であり、フィールダーに転向した後の方がまだ活躍している始末。 他の選手たちは主に攻撃寄りな能力を持っているが為、とにかくシュートを打たれた後の対処法が無いに等しい。 爆発的な攻撃力で蹂躙をすると先ほどは書いたが、正しくはそうするしか勝つ手段が無いと言えるのだ。 そして、このような弱点を他のチームも多かれ少なかれ持っている。 だからこそ、幻想郷サッカー界は不安定ながらも不思議と均衡のとれたバランスの上で成り立っていた。 ただ、それが崩れ去ろうとしている――否、事実、まず間違いなく崩れるのだろう。 小悪魔「……でも、それでどうして留学に? 各勢力から1人ずつ、なんて事になれば一層私達の戦力が下がっちゃうじゃないですか」 レミリア「現状維持だろうが負けるなら、どうせだから外に飛ばすって腹積もりなんだろうさ」 小悪魔の問いかけに対して苛立たしげに、レミリアはそう吐き捨てる。 美鈴「え? でも、守矢の方も留学には参加をするんですよね? それじゃあ結局同じなのでは?」 パチュリー「……守矢側が今回の件で留学に出せる選手の選択肢はそう多くは無い。 まずもって、現状で大きなアドバンテージである反町を手放す事は考えられない。 そして八坂神奈子、洩矢諏訪子。 彼女たちが外界で3年間もいる、というのは彼女たちが幻想郷へとやってきた経緯を考えればこちらもあり得ない」 レミリア「そしてそいつらが残るならあの巫女モドキも残る。 結局守矢を形成する中枢は幻想郷を離れられないさ」
[234]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:44:54 ID:??? レミリアたちの予想では、守矢フルーツズが留学に向かわせる選手は妖怪の山に所属をする選手。 恐らくはあの鴉天狗あたりが妥当だろう、と考える。 美鈴「なんだかややこしいというか回りくどいというか……難儀ですねぇ」 パチュリー「(まぁ……選手を強くするという手段は留学以外にも数多にある。 ……先に述べたのもまたブラフ。 恐らく1番の目的は……『隔離』をする事でしょうからね)」 いずれにせよ面倒な話だと美鈴は目を回しそうになりながら呟くが、 生憎と賢者として知られる少女はそれすらもまやかしであると考えていた。 なんにせよ、八雲紫の真なる目的がどうであれ――本題は一向に片付いていない。 小悪魔「それで、結局私達は留学に誰を送るんでしょう? あ、いや、お嬢様のご意向では送らないつもりなのでしたっけ?」 レミリア「………………」 パチュリー「意地を張るのはよしなさい、レミィ。 話に乗っておいた方がいいというのは、あなたもわかってるでしょう」 紫の目的が彼女たちの予想通りなのだとすれば、その話に乗るというのは敵前逃亡に等しいものである。 だからこそ、プライドの高いレミリアはその案に易々とは乗る事が出来なかった。 頭では事実として守矢の過大な戦力が驚異的な事だと理解していても、 闘う以前より諦める事など紅帝である少女が許す筈もない。 パチュリー「……目先の戦いよりも、3年後を見据えた方がいいわ。 次の大きな大会は、外の世界で再び行われるユース大会なのでしょうから」 レミリア「………………」 それでも、親友であるパチュリーは昏々とレミリアを説得し、 レミリアは相変わらず苦々しげな表情を浮かべてはいたが――小さく頷いた。 かつて不夜城カップでは守矢に敗れ、Jrユース大会では反町のシュート力にストライカーとして敗北。 幻想郷中を見渡しても、彼らに対してリベンジの機会を待つレミリアにとっては、苦渋の決断であった。
[235]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:46:26 ID:??? パチュリー「(私が背中を押した結果とはいえ、いつものレミィならば『今この時も勝ち、3年後も勝つ』と反論する所。 にも拘らず留学の件を認めさせた辺り……やはり反町にしろ早苗にしろ、 レミィにとっては脅威であるという事ね……当然と言えば当然なのだけど)」 美鈴「えっと……それじゃあ誰が行くことになるんでしょうか?」 フラン「あっ、はいはーい! 私行きたい!」 そして話は誰を留学へと送るかという話題に差し掛かるのだが、 ここで手を挙げたのがここまで黙っていたフランドールであった。 元々、彼女はレミリアからのいいつけで基本的には館を出る事が叶わず、幽閉をされ続けていた。 そこを霊夢や魔理沙などの影響もあり――さまざまな途中の事情は割愛するが、ある程度屋敷の外を歩き回る事も許可された。 Jrユース大会においても、派遣選手としてイタリアJrユースに合流。 危険なプレイをしたが為に退場処分を受けながらも、それ以上にその得点力で貢献をした。 フランとしては、元々あった外に対する好奇心とイタリアで過ごした日々の楽しさがあり、 だからこそ今度の留学もきっと楽しいものなのだろうと考え立候補をしたまでである。 ただ――。 レミリア「フランは駄目よ! 1人で留学だなんて危険すぎるわ」 その留学を、妹を溺愛するレミリアが当然許す筈が無い。 フラン「ぶーっ、なんでよお姉さま! この前の大会で、私何も悪さしてないよ?」 レミリア「フランが悪さをするかどうか以上に、フランが誰かに悪さをされかねないわ。 海外は治安が悪い所も多いと聞くし、フランはまだ小さいのよ。 悪い大人に騙されて口に出すのも恐ろしいような事にでもなりかねないし、 何より外の世界に留学するとなれば男所帯に入る事になるわ。 こんなに可愛いフランを、餓えた男どもが見たら一体どうなるか……」
[236]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:47:26 ID:??? 頬を膨らませるフランドールに対してレミリアは矢継ぎ早に言葉を口にしていく。 それはフランを心から心配しての事であり、ともすれば過保護とも言える程のものではあったのだが、レミリアにとっては真剣そのもの。 495歳児と500歳児、500年程生きてきて5歳しか違わない姉妹といえど、レミリアにとってフランはまだまだ小さい妹なのである。 美鈴「(フランドール様が悪さされかねないって……いや、どうあがいてもそれは無理なんじゃないかなぁ……)」 小悪魔「(ま、まぁ留学されない方が安心なのは確かですよね。 あの大会から帰ってきて、少し大人しくはなられましたけど、 まだフランドール様は……その……とても無邪気ですから)」 パチュリー「(レミィもこれが無ければいい友人なのだけど……ああ、駄目、今のレミィの顔はとても他の勢力の代表には見せられない)」 因みに、周囲の者たちは心配する対象が違うのではないかと考えていたがレミリアにとっては些細な事である。 小悪魔「なら……パチュリー様はどうですか? 外のサッカーにも、興味があるんじゃないでしょうか?」 パチュリー「そうね、興味がある事はあるのだけど……」 小悪魔の問いかけに、パチュリーは肩を竦める。 知識欲の塊と言っても差支えない彼女にとって、先のJrユース大会は非常に興味深いものだった。 数多くの国と見知らぬ強敵。知らない戦術に予想だにしない作戦。 ありとあらゆるものがパチュリーにとっては新鮮であり……、 ならばこそ、更に長い期間をかけて外界で留学をし知識を蓄えたいという欲求も少なからずある。 ただ、パチュリーには幻想郷に残ってやっておきたい事もまたあった。 パチュリー「……本格的に、喘息を抑える方法を考えようと思っているのよ。 八意永琳にも協力をしてもらうつもりだけど……短期間で治せるものではないわ。 悪いけれど、私は行けないわね」 小悪魔「そうですか……あっ、それなら私もお手伝いします!」 パチュリー「当然、そのつもりよ」 生まれつきの喘息による制限されたプレイ――天才と呼ばれながらも、 パチュリーが超一流として活躍出来ていなかったのはその大きなハンデによる所が大きかった。 外界で勉強をするよりも先にそれを克服する必要があるのは周囲もわかっており、 パチュリーのこの選択に異を唱える者は1人としていなかった。
[237]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:48:59 ID:??? 美鈴「え? 小悪魔さんも残るんですか?」 そして、パチュリーが残るのならば当然その使い魔である小悪魔も残る。 フランは駄目、パチュリーと小悪魔も駄目となれば――いくら大所帯と言える紅魔館でも、そう多くの選択肢は残されていない。 つまり、いてもいなくてもそこまで差支えが無い適当な人材――。 美鈴「あ、あれ? もしかして――」 自分が選ばれるのだろうか?と、美鈴は期待と不安を綯交ぜにした表情でレミリアを見つめ……。 レミリア「……留学に行ってもらうのは決めてるよ。 勿論……」 美鈴「………………」 レミリア「咲夜だ」 美鈴「はいっ! が、がんば――あれぇ!?」 予想だにしないレミリアの言葉に、思わず素っ頓狂な声を上げてしまうのだった。 否――驚いていたのは、何も美鈴だけではない。 フランドールは目を丸くし、小悪魔は口を大きく開け……。 咲夜「私が……ですか?」 ここまでレミリアの背後にぴたりとつき、彼女の世話をしていた――今、名指しで呼ばれた当の本人。 自分が呼ばれる事はまずないだろうと考え、ここまで会議に参加をしていなかった十六夜咲夜ですら、 その胸に手を当てながら思わず聞き返していた。 主君の言葉に疑問を呈する――普段の咲夜からは、考えられない行動である。 レミリア「二度は言わないよ。 行ってもらうのは咲夜、お前だ」 咲夜「は……ですが」 パチュリー「理由くらいは説明してあげなさい、レミィ。 疑問に思うのはもっともでしょう」 そんな咲夜たちに、レミリアはキッパリともう一度宣言をし――。 しかし、説明不十分だろうとパチュリーからの言葉を受け、面倒くさげに口を開く。
[238]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:50:39 ID:??? レミリア「さっきも言ったように、こいつは八雲紫があの山の神社に対抗する為の策だ。 あの反町って男が入って誰がキャプテンになるのかは知らんが、 巫女モドキか反町か、どっちかが頭になるのは違いない。 実際、中心選手もその2人だからね」 早苗が変わらず守矢フルーツズを率いるのか、それとも反町がキャプテンを引き継ぐのか。 それは彼女たちにもわからないが、どちらかがなるというのは明白である。 留学は、そんな彼女たちに対抗をする為の策。 つまりは早苗と反町を倒しうるだけの戦力を備える為のものだ。 レミリア「相手は人間だ。 となれば、同じ人間に行かせるというのが道理というものだ」 この幻想郷でサッカーをする――トップレベルの世界でサッカーをする人間というのは少ない。 多くは力を持つ妖怪であったり、或いはそれに類する者たちばかりだ。 そんな中で、咲夜は希少とも言えるトップレベルの実力を持つ人間である。 役割は地味と言えるボランチを務めながらも、時にはオーバーラップをしてゴールを狙えるだけの攻撃力は持ち、 ボールカット能力においては幻想郷でも五指に入る程。 レミリア「守矢の人間でも、霊夢や魔理沙でもない。 ましてや冥界の半人半霊などでもない。 紅魔が誇る悪魔の狗こそが、最も優れたプレイヤーであると証明する。 その方が痛快だろう?」 故にレミリアは咲夜を選んだ。 彼女が外界で鍛え上げ、守矢フルーツズを打倒する為の切り札となる。 守矢への意趣返しとしては、これ以上の選択は無いとも言えた。 ちなみに、先に上げた人間の内、悲しい事にレミリアの言葉の中では軽業師さんについてはまるで触れられなかった。
[239]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:51:47 ID:??? レミリア「咲夜、いいね?」 咲夜「ええ、かしこまりましたわ」 無論、この紅魔館のメイド長であり実務関連のほぼ全てを執り行っている咲夜が留学に向かうというのは大きな不安が残る。 だが、それでもレミリアは咲夜を選んだのだ。 理由についても、己のプライド――紅魔館の誇りをかけて、同じ人間である咲夜に反町達以上の力を身に着けさせる為というもの。 レミリアの真意がわかった以上、咲夜が断る筈もなく、力強く頷いた。 フラン「いいなぁ、咲夜。 私も行きたかったなぁ……」 美鈴「(残念……なような、そうでもないような。 複雑ですけど……それ以上に……)」 小悪魔「(咲夜さんがいなくなって大丈夫でしょうか……色々と……)」 こうして決定した留学選手について、フランドールたちは思い思いの反応を見せる。 そんな一同を横目で見ながら、ふ、とパチュリーは虚空を見つめ思いを馳せる。 レミリアの言う通り、人間に対抗するのは同じ人間。 そんな条件を満たす男が、かつてはこの紅魔館に所属をしていた事に。 パチュリー「(三杉がいれば……私が推した所なんだけどね……)」 三杉淳――反町の言葉を受け、パチュリーが呼び出した外の世界の天才である。 心臓病という大きなハンデを持ちながらも一流と言えるサッカーセンスを持ち合わせ、 彼はパチュリーとそのハンデを解消する代わりに力を貸すという契約でこの紅魔館に身を寄せた。 元々、外界と幻想郷のサッカーにおける実力差というのは大きな剥離がある。 その中でも三杉は弛まぬ努力を積み重ね、パチュリーの期待通り――否、それ以上の実力者となり、 パチュリーと共に中盤の要としてチームになくてはならない選手となっていた。
[240]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:53:00 ID:??? そんな彼は――しかし、Jrユース大会後、紅魔館に残る事を選択しなかった。 没落したとはいえ、それでも彼はいい所のお坊ちゃんである事に違いない。 外の世界を捨てるかどうかという苦渋の選択を前に、彼はそれを選ぶ事が出来なかった。 幻想郷という土地で暮らすには、彼はあまりにも生まれが良すぎたのである。 パチュリー「(日本に戻るのはもう満足できない……とは言っていたけれど)」 幻想郷で過ごし、Jrユース大会では全日本で全試合フルタイム出場。 全日本の準優勝に大きく貢献をした彼は、その後の進路で幻想郷から離れる事を選んだ際にも、 しかし日本でサッカーを続けるのも出来る事ならばやめたいとパチュリーに告げていた。 彼は当然知っていた。サッカー後進国である日本で、高校という3年間を過ごす内、世界とどれだけの差が開いていくのかという事を。 パチュリー「(この話が、あいつが離脱する以前に来ていれば……ね)」 心臓病を克服し、これからは思う存分サッカーをする事が出来るようになった三杉。 彼が恵まれた環境で努力をする事が出来れば、果たしてどれだけの選手になるのか。 彼に対して強い信頼と、それと同程度の期待をかけていたパチュリー。 己の目で彼の成長を見る事が出来ないという事に、ただただ悔しく、残念に思うしかない。 パチュリー「(日本という環境は幻想郷に比較をしても劣っていると聞いたわ。 ……折角の才能を埋もれさせなければいいのだけどね)」
[241]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:54:46 ID:??? 咲夜「ですがお嬢様、私が留学中は屋敷の事は如何いたしましょう? ……妖精メイドはいずれも殆ど役に立ちませんが」 レミリア「あー……そこはあれ、美鈴、小悪魔、頑張りなさい」 美鈴「や、やっぱり私達が咲夜さんの穴埋めするんですか……」 小悪魔「こぁー……(パチュリー様の手伝いをしながら咲夜さんの仕事をこなすって、ベリーハードってレベルじゃないですよー……)」 一方、留学をするに当たり問題となる咲夜の不在中の館の管理であるが――。 そこは当然、レミリアの配下である美鈴。そしてパチュリーの使い魔である小悪魔へとお鉢が回ってきた。 上の都合で仕事を増やされる、それに対して文句も言えない。 ブラックではあるが悪魔の館である以上ブラックであるのも当然と言え、美鈴たちは聞き入れるしかない。 咲夜「では留学の日時まで2人には教育をしておきます。 お嬢様も私がいなくなったからといって、あまり朝更かしをされず規則正しい生活を」 レミリア「はいはい」 咲夜「それと食事中はあまり食事を零さないように注意下さい。 館内でのモケーレ・ムベンベごっこも控えるように。 お菓子は必ず3時に1日1回のみ。 外から帰ってきたら手洗い、うがいは忘れずに」 レミリア「う、うー?」 そして次に咲夜の心配は不在中のレミリアが果たして自分がいなくても無事に過ごせるかという事であった。 日ごろから何度か言われている小言を集中的に言われ、レミリアは思わずうーうー唸る。 唸るのだが、咲夜が己を心配して言っているのも理解しているので止めない――のだが。
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0ch BBS 2007-01-24