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【SSです】幻想でない軽業師
[77]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/24(水) 20:39:33 ID:??? 神奈子「いや、いや! 幻想郷基準で考える事は無いだろう、早苗は外の世界出身なんだぞ。 感性だって基本はそっちのままの筈だ。 やっぱり早すぎる」 諏訪子「……感性云々言ったらさぁ、常識に囚われなくなくなった時期あった時点で、 やっぱそういう尺度に当てはめるべきじゃないと思うんだけど」 神奈子「うぐぅ……」 神奈子と諏訪子。 両者はほぼ立場的には対等と言えたが、口の上手さでは諏訪子の方に分があるらしい。 致し方なく、神奈子は口を閉ざし……諏訪子と同じちゃぶ台に腰掛けると、懐から煙管を取り出す。 諏訪子「あれま、久しぶりに見た。早苗に『臭いです』って言われてからやめてたのに」 神奈子「…………」 茶化すような諏訪子の言葉を無視しながら、神奈子は肺の中の煙を吐き出す。 思い出すのは、早苗とのこれまでの記憶だった。 諏訪子と神奈子を祀る風祝として外の世界で生まれ、しかし、その頃の神奈子たちは既に神としての力を大きく失っていた。 信仰が薄まり存在すら消え失せようとする中、 しっかりと神奈子達と意志疎通が出来たのは早苗の生まれ持った才能だったのだろう。 事実、早苗の前の代――更にその前を遡っても、意志疎通はおろか、姿を見えた者も少ない。 故に、神奈子たちは早苗を可愛がったし、早苗は神奈子たちを慕った。 元々、神奈子たちが幻想郷へとやってきたのは外の世界で失われた信仰を取り戻す為。 そのお手伝いをしたいと自ら申し出、外の世界を捨ててまでついてきてくれたのが早苗である。
[78]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/24(水) 20:41:08 ID:??? 神奈子「(そうだ、早苗は私たちの為に外の世界まで捨ててついてきてくれたんだよ。 いわば私たちの子供――いや、それ以上の絆で結ばれていると言っても過言じゃない。 大事に思うのは当然だろう)」 結果、神奈子たちは早苗を溺愛した。 信仰が薄れ、存在すらあやふやになった中でようやく自分たちを見つけてくれた希望。 そして、自分たちが新たな世界へ向かう際、両親や友人――大切なものを捨ててついてきてくれた少女。 溺愛しない方がおかしい、と神奈子は考える。 諏訪子「まぁ落ち着きなよ、早苗に相応しいかどうか見極める為にこれから会うんでしょ。気に入らなけりゃ追い払いなよ」 神奈子「あ、あぁ……ふぅ……」 早苗「ただいま戻りましたーっ!!」 神奈子「!!!」 諏訪子「はーいはいはい、おかえりー」 そして、非常に元気な早苗の声が本殿(ぶっちゃけ日本家屋の普通の茶の間)に木霊した。 瞬間、神奈子は体を一層硬直させ――煙管に溜まった灰を思わずポロリと落とし。 逆に諏訪子は軽やかなステップで早苗の声の方へと向かっていく。
[79]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/24(水) 20:43:18 ID:??? それから数秒後。 諏訪子「やあやあいらっしゃい、こうしてサッカー以外で会うのはあんまり無かったね。 会ったのは……試合や、試合観戦の時偶然にとかそれくらいだった気がするもんね」 やたらと愛想のいい諏訪子を先頭に。 早苗「いえ、でも……ここに来ていただいた事もあるんですよ。 紅魔杯が終わった後に、その……」 頬を染めながら、その諏訪子の後ろにつける早苗が姿を現し。 反町「は、はい。 挨拶が遅れてすみませんでした」 最後に――問題の男。 早苗と付き合っている、と聞いている男がひょっこり顔を出した。 反町「お、お久しぶりです神奈子さん。 Jrユース大会ではお世話になりました」 神奈子「……うむ、よいよい」 神奈子の姿を見るや否や、頭を下げる反町に威厳たっぷりに豊満な胸を張り返す神奈子。 その瞳は、反町の事を値踏みするかのように、不躾にも上から下まで見やっている。 ――噂になる事数日。もはや隠すとかありえないレベルで広まった為、 早苗が反町との関係について説明する為に連れてくる――と告げていたのが、この日であった。 早苗「あっ! 神奈子様、また煙管を……!! それは臭いがつくからと、あれほど!!」 神奈子「あ、う、うん……ごめんよ。 と、とと」 なお、威厳たっぷりに決めた神奈子であったが、 目ざとく早苗に煙管を吸っていた事を注意されると慌ててポイした。
[80]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/24(水) 20:45:09 ID:??? 一旦ここまで。
[81]森崎名無しさん:2018/01/24(水) 22:46:02 ID:??? 完全におとんとおかんですなぁ ご両親にご挨拶とはなんとも気の早いことで そしてさりげなくディスられる咲夜さん可哀そう
[82]森崎名無しさん:2018/01/25(木) 07:56:23 ID:??? 昔は壊れたルイージとか言われたのに…… 人って変われるもんだねぇ
[83]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/25(木) 22:34:08 ID:??? 本日は更新無しです。明日には投下出来ると思います。 >>81 割とこのスレでの微妙に可哀想な咲夜さんは書いてて好きだったりします。 >>82 常識が戻らず、オーバーラップを繰り返したり寝釈迦をしたりする早苗さんも書いてみたかった……。
[84]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/26(金) 22:03:05 ID:??? 神奈子「ん、んん……」 いまいち恰好がつかない形となってしまったものの、そこはそれ。 一つ咳払いをしてから、神奈子は彼の人――反町に視線をやる。 頬をかきながら困ったように反町はその視線を受けつつ……しかし、自身の視線を彷徨わせる事はない。 彼自身としても、この場は一世一代の大舞台。 割と小心者ながら、精一杯情けない姿は見せないように――と頑張っているのだろう。 神奈子「(そういえばそんなのこの子の人となりは知らないんだよねぇ……。 見た感じは、真面目そうではあるんだが……早苗の常識を取り戻してくれた訳だし……)」 諏訪子「ほらほら早苗も反町くんも座って座って」 反町「は、はい! あ……よければこちら、皆さんで呑んでください」 神奈子「むっ!? それは!?」 諏訪子「あらら、気を遣わなくてもいいのに。 ありがとうね」 値踏みをする神奈子とは対照的に諏訪子が反町に腰掛けるよう勧め、 ようやく反町も立ったままの状態から人心地つく。 その際、手から下げていた荷物を差し出した。 呑んでください――という言葉通り、それは『日本酒』である。 この日、早苗と共に守矢神社へと来訪するにあたり、反町が事前に準備。 決して潤っているとは言えない懐事情ながらも、事前に人里の酒商店に行き、 そこの店員さんたちにお勧めを見繕ってもらった手土産だ。 ……こういった場合に、酒を手土産とするのはどうかと反町本人も迷いはしたが、 早苗との相談の結果、お菓子などよりはこちらの方が喜ぶと聞いての判断である。
[85]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/26(金) 22:04:06 ID:??? 神奈子「(あれは……銘酒『ふぁいなるふらっしゅ』!! 『びっぐばんあたっく』や『ぎゃりっくほう』はまだ市場に出回っているが……手に入れるのは相当困難な筈!)」 事実、神奈子は声には出さないものの内心は大層喜んでいた。 ――ちなみに、この酒を勧めてくれた店員さんは、口では文句を言いながらも、 手土産にするのならばこれくらいでなければならないだろうと格安で譲ってくれたという。 思わず今晩の晩酌が楽しみになる神奈子だが、それは表情には出さず。 腕を組んだまま対面に座る反町を見やる。 神奈子「(……少し近すぎるんじゃないか?)」 彼の隣には早苗が腰かけたのだが、些か距離が近い――ように思える。 実際は別にぴたりとくっついている訳でもなく、また、反町にとっては完全アウェーという状況の中、 早苗が彼の隣につけるのは何ら不思議ではないのだが……当然神奈子はそんな思考など持っていない。 その後、諏訪子がお茶を淹れ、4人に差し出し、それを一口啜った所で……。 反町「改めまして……オータムスカイズのキャプテンをやっている、反町一樹です。 その……東風谷早苗さんと」 早苗「…………」 すすっ、と反町の方に体を寄せる早苗。当然ムッとするが、黙っている神奈子。 諏訪子はにやにやしていた。
[86]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/26(金) 22:05:31 ID:??? 反町「お付き合いをさせていただいてます」 神奈子「………………」 知っていたことではある、が――やはりショックである。 隣で反町自身の口からそういった言葉が出た事で照れている早苗も含めて。 無論、神奈子とて反町の事が嫌いな訳ではない。 先に言ったように、反町のお蔭で早苗の常識は戻ったのだから……むしろ感謝をしているくらいである。 ただ、それとこれとは話が別なのだ。 保護者の心は色々と複雑である。 神奈子「うむ……うむ。 そうか」 よって、神奈子はそう返すだけが精いっぱいであった。 諏訪子「そうかいそうかい、いやぁ、こんなかっこいい子が早苗の彼氏なんて勿体ないねぇ」 反町「い、いえそんな! こちらこそ早苗さんのような人が俺を好きでいてくれるなんてまだ信じられないくらいで」 神奈子「(確かに顔は悪くないけど……特別よくもないだろう! 点数つけるなら6点が関の山だ!)」 やたらと親しみを込めて喜び言う諏訪子の言葉に内心反論しながら、それでも神奈子はぐっと堪えた。 奥歯をかみしめながら、腕を組んだまま反町に問いかける。 神奈子「……いつからだい?」 反町「その……紅魔杯が終わった後からです。 正式にお付き合いを始めたのは、幻想郷に戻ってきてからですが」 神奈子「1ヵ月以上前じゃないか。 私たちの所に挨拶に来るのが遅かったんじゃないか?」 どちらかと言えば、1ヵ月程が経過した時点で両親(的な存在)に挨拶に来る時点で早いくらいである。 ただ、幻想郷基準で言えば、やはり古式ゆかしい日本の風習が残っている。 好きあって付き合うだけでもお互いの家やらなにやらとの関係がややこしいくらい絡み合う為、 神奈子としてはもっと早く挨拶に来るのが礼儀ではないのかと指摘をした。 というか単純にイチャモンをつけたいだけだった。
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0ch BBS 2007-01-24