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【SSです】幻想でない軽業師
[95]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/26(金) 22:19:12 ID:??? 曰く、こうである。 元々、西尾?もとい――カルツは確かにゲルマン民族であり、ゲルマン魂溢れたゲルマンっ子だ。 しかしながら、この守矢フルーツズにも愛着があり、そう容易くは離れがたいと考えていたという。 どうするか迷っていた訳ではある西尾?……改め、カルツ。 ハンブルグに残るか、それとも守矢フルーツズに残るか。 神奈子「ただ、ハンブルグに残ると何か嫌な事が起こりそうな予感がして……うちに残ってくれたみたいなんだよ」 反町「そ、そうなんですか……」 具体的には事無かれ主義のパサーやら人殺しシュート(反町の事じゃない)を打つMFが加入をしそうで、 心労が増えそうだという事だった。 やたら具体的だと思いながらも、一応は納得を示す反町。 反町「でも……良かったのか? えっと……西尾?」 西尾?「何がじゃ?」 反町「それは、外の世界を捨てるって事じゃないのか? 両親や、友達……寂しくないのか?」 西尾?「無論、寂しさはある。 じゃがの、郷土愛は死なずじゃ」 反町の質問に、西尾?はドン、と胸を叩きながら言う。 西尾?「神奈子さんはの、いざユース大会などが開かれる事があれば、ワシに国に戻ってもいいちゅうてくれとる。 ……言ってみれば、これはワシにとってはサッカー留学みたいなもんじゃ」 反町「サッカー留学……」 神奈子「勿論、反町くんにしてもそうだ。 日本で代表としてサッカーをしたいというなら、私が八雲紫にも話をつける」 反町「(全日本で……? …………)」 その提案は、あまり反町にとっては魅力的とは思えないものではあった。 元々、反町は西尾?のように郷土愛に富んでいる訳ではない。 日の丸をつけて闘うという事にある程度の憧れはあれど、そこまで熱心ではなかった。 むしろ反町が気になったのは、サッカー留学という言葉である。 反町「(海外サッカーでは……よく選手が移籍をして、そのチーム、その土地のいい所を吸収するって聞くもんな)」
[96]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/26(金) 22:20:55 ID:??? 西尾?「守矢はいいチームじゃぞ。 なんといっても、アットホームじゃき」 反町「………………」 それを言うなら、オータムスカイズもそうだ、と反町は返したかった。 ……妖精トリオとチルノ。風見幽香と静葉らといった問題点は抱えてはいるが。 それでも、皆が仲良くやっている……と、反町は思う。 神奈子「カル……じゃなかった、西尾?くんもうちにはいてくれる。 反町くんも、同じ外来人として、やりやすい環境ではあると思う。 ……すぐに答えは出さなくていい。 ただ、考えてみてくれないか?」 反町「………………」 元の世界に戻る。 元のチームに戻る。 それに代わる第三の選択肢――新たな環境に身を置く。 2つの選択肢で迷っていた少年は、更に新たな選択肢を提示され――そして、迷っていた。 迷う程に、3つ目の選択肢は彼にとって魅力的な提案だったという。 ……… ちなみに。 反町「あの……ところでなんで、あいつまた西尾?なんて名乗ってるんです?」 神奈子「ああ……なんでも、幻想郷の原風景を見ていたら、やはり和名を名乗るのが礼儀じゃろう……らしいよ。 本人曰く、『ワシはゲルマン育ちの静岡県人じゃ』らしいから」 西尾?「うーむ、やはりおでんは黒はんぺんに限るわい! それにしても美味いのう! 料理上手なゲルマ……大和撫子の早苗さんとよい仲になってるとは、反町も憎い奴じゃわい!!」 早苗「やだそんな……あ、西尾?くん、おかわりいりませんか? まだまだありますよ黒はんぺん! だし粉も!!」 諏訪子「(舞い上がってるなぁ、早苗……西尾?くんがゲルマンって言いそうになったのに突っ込み入れてない)」 夕食はなんとも賑やかに滞りなくとられたもよう。
[97]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/26(金) 22:22:24 ID:??? 一旦ここまで。 次回は反町の決断を書けたらと思います。
[98]森崎名無しさん:2018/01/27(土) 00:27:40 ID:??? カル…西尾?くん馴染み過ぎ シュナイダーも居なくなったし若林含め他のメンツよりはこっちのがやり易いかもしれませんね 反町が日本代表に復帰するのは考えて無かったなー。 復帰したらどうなるかもちょっとで良いから見てみたいです。
[99]森崎名無しさん:2018/01/27(土) 00:55:17 ID:??? そういえば今静岡県でハリネズミが野生化しちゃってちょっとした問題になってるんだよな 西尾?くんと何か因果関係が……?
[100]森崎名無しさん:2018/01/27(土) 01:27:16 ID:??? サイヤ人は商売種族だっ!!!! なめるなよーーーーーーーーっ!!!!!
[101]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/27(土) 23:55:04 ID:??? >>98 シュナイダーがハンブルグに残っていれば帰ったかもしれませんが、 原作程仲良くない若林しかいないなら(更にその後問題児が来るなら)守矢かなと思います。 このスレですと、三杉も中学時点で心臓病が完治している為、ユース編ではそれなりにパワーアップすると思うので、 それに加えて反町までとなるとチートクラスに強くなりそうですね……。 >>99 野生の西尾?くんが大量発生……?(難聴) >>100 ???「ホーッホッホ、見てごらんなさい、綺麗な閉店セールですよ!」 本日も更新は無しです。 多分大体2日に1回くらいのペースになっていくかなと思います。 のんびりとお待ちいただければ幸いです。
[102]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/28(日) 22:08:45 ID:??? その日の事である。 守矢神社での夕食を終え、早苗に送ってもらい帰路についた反町。 帰宅した頃は既にチームメイトの全員が(幽香だけは、Jrユース大会が終わってからも帰宅をいていなかったが)寝静まる中、 反町は自室でこれからの身の振り方について改めて考え直していた。 反町「(俺には3つの道がある。 1つは、外の世界に戻る事……)」 今更東邦学園に戻るというつもりは無い。 以前にも考えた事であるが、やはり日向が牛耳る学園に残るという気持ちは彼には微塵もなく。 しかし、外の世界には友人や両親も確かにいた。 どの高校に進学をするかはともかくとして、安寧に暮らすならばそれが1番最良の選択肢だっただろう。 反町「(2つ目は……この幻想郷に残って、オータムスカイズのキャプテンとしてこれからも活動を続けていく事)」 自分がこの幻想郷へと呼ばれたのは、正に自身の人生において1番大きな転機であった。 これからどんな分かれ道が現れようと、それは間違いのないものである。 きっとあのまま全日本Jrユースにいたままならば、自分は恐らく、十把一絡げのその他大勢役。 なんでもこなせるFWと言われながらその実ただの器用貧乏。 見る所のないまま、ユース世代で消えて行ってしまっていたと言っても過言ではない。 そんな自分が変われたのは、やはり幻想郷へとやってきたお蔭である。 オータムスカイズを設立し、このチームを、『和を大切にするチーム』として運営しようとし、 仲間たちと切磋琢磨をしてここまで大きくした。 結果、反町も……そしてチームも、名門と呼ばれる程にまで成長を遂げる事が出来た。 迷いながら、それでも、これまでの反町ならば2つ目の選択肢に比重がやや傾いていた。 ただ、今日、知ってしまった……3つ目の選択肢がある事に。 反町「(そして……3つ目。 幻想郷に残り……守矢フルーツズに移籍をする……)」 ………
[103]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/28(日) 22:09:54 ID:??? コンコンッ! 反町「え? は、はい!(誰だ?もうみんな寝てる時間だぞ)」 考え事をする室内に、やや大きめのノックの音が響く。 その音量に少しばかり驚きながらも、反町は返事をしてドアを開け……。 穣子「こんばんわ。 と、ついでにおかえりなさいね」 反町「穣子?」 そこにいたのは、秋穣子。 こんな時間にどうしたのだろうか、と首を傾げる反町に対し、穣子は苦笑しながら中に入れるかどうか問う。 立ち話というのもなんだし、と……反町は了承をし穣子を部屋の中に招き入れ……。 穣子「にしても……相変わらず殺風景ねぇ、あんたの部屋」 反町「うるさいなぁ……」 穣子はその部屋の中を見て、一つそう呟いた。 確かに反町自身、殺風景ではあると思う。 何せ部屋の中にあるのは既にいつでも寝る準備が出来るようにとしていたお布団。 それに簡易的な机と、時計くらいなものだ。 生活する上で必要最低限のものしか置いていない、と言えるだろう。 趣味や道楽に使っているような――人間味のある内装では、少なくとも無かった。 何せこれまで、この幻想郷に来て、ずっと反町は突っ走っていたのだ。 弱小チームを中堅に、強豪に――そして、名門へと育て上げるまで。 練習をし、練習をし、また練習をして。 弱い自分たちが強くなる為には練習をするしかないと、ただそう信じて時間のほぼ全てを練習へと注ぎ込んだ。 結果、反町がそれらしい装飾なりを買いそろえる時間は無かったと言える。 アルバイトなどを探し、ポケモンなどを売り払おうと考えた事もあったが、結局それも中途半端であった。
[104]幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/28(日) 22:10:55 ID:??? 穣子「ま、いいわ。 とりあえず座りなさいよ」 反町「俺の部屋だぞ? ……まあ座るけど」 穣子「うん、よろしい」 穣子に促されるまま、着席をする反町。 穣子もまた、その対面に座り……再び、口を開く。 穣子「で? 八坂様達に会ってきたのよね? ちゃんとご挨拶出来た? 粗相はしなかったでしょうね?」 反町「小学生じゃないんだぞ、そんな言い方ないだろ……まあ、緊張はしたけどちゃんと話は出来たと思う」 穣子「そう? なら、いいけど」 相も変わらず反町を子ども扱いしているとしか思えない言葉に辟易しながら、 ともかく今日あった事を反町は説明した。 早苗がわざわざ迎えに来てくれた事、諏訪子がにまにましながらも愛想よく反町を歓迎してくれた事、 カルツ――もとい、西尾?が謎の郷土愛を見せながら、守矢フルーツズに残っていた事。 そして――。 反町「神奈子さんから言われた」 最初は不機嫌そうで、反町に対してやけに敵意を剥き出しにしていた神奈子が――。 しかし、やがて、早苗についてのこれまでを語り……これからの事について語った事を。即ち……。 反町「……守矢フルーツズに、移籍をしないかって」 穣子「……そう」
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0ch BBS 2007-01-24