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【倒れるまで】鈴仙奮闘記43【戦え】
[46]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/02/12(月) 00:37:44 ID:??? 話を聞くと、霞はコーチとパチュリーの命を受け、試合中リアルタイムに、 各選手のデータと傾向を分析しながら試合に臨んでいたようだ。 霞は少しだけばつの悪そうな表情で色々な事を話してくれた。 霞「コーチは言ってました。これから魔界カップ。ひいては『幻想スーパーJr.ユース大会』まで、 私達に残された時間はそう多くない。そのため、鍛えるべき分野を可視化・細分化し。 ピンポイントで伸ばしていく事が必要になるだろう……と。それは、パチュリーさんも私も同意見でした。 ですが、具体的に皆さんがどんな強みと課題を持っていて、どこまで伸びる余地があるのか。 そこの根拠となるデータが足りなかったんです。それで……」 鈴仙「成程。それで、まずは紅白戦をやるって流れになったワケね。 私達の長所と短所を浮き彫りにしてから、長所の特化と短所の克服に効率よく時間を割いて行くと」 パチュリー「……そうよ。貴女もサンパウロとの戦いで身に染みて実感していると思うけれど。 今の私達は世界で充分戦える。しかし――今のままでは”戦える”だけで終わるでしょうね。 世界で”勝つ”には。世界の強豪相手を超えるには、もうワンランク上に成長する必要がある」 パチュリーは静かにそう言って天を仰ぐ。 彼女自身もまた、大空翼という才能に敵わず敗北した事実が、重くのしかかっている様子に見えた。
[47]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/02/12(月) 00:53:39 ID:??? ……と、言ったところで中途半端かつ短いですが今日はここまでにします。 本当はもう少し色々各キャラの講評を入れようと思いましたが、 紅白戦中でもされてますし、今後のイベントでも描写すると思うので、流石にくどいかな、と思い至りました(汗) 次回はにとりが復活して、簡単に今後の流れを説明して、それで練習フェイズに入っていければ、と思っています。
[48]森崎名無しさん:2018/02/12(月) 01:55:22 ID:??? 乙でした パチェさんが凄い有能でまともに見える いや、実際そうなんだろうけど凄い違和感がね
[49]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/02/13(火) 00:17:44 ID:??? ――と。ここまでは割と真剣ながらも和やかな雰囲気で来ていた一行だったが。 鈴仙「さ、あんたもいつまでも突っ立ってないで帰るわよ、にとり!」 鈴仙が、ゴール前で立ち尽くすにとりの背中をドンと小突いたところで、彼らは異変に気付いた。 にとり「」 ユラリ……バタンッ! 鈴仙「えっ!? ちょ、ちょっと大丈夫!? ……!? ――し、死んでる……!!」 そう。多くの者は敢えて気付かないフリをしていたのだが……。 にとりは、先の紅白戦で全エネルギーを出しつくしてしまった結果、生命活動を停止――死んだのだ。 鈴仙「だ、誰かAED持ってない!? 今から人口呼吸と心臓マッサージするから手伝って!」 そう周囲に助けを求めるが、内心では分かっていた。彼女は既に死後硬直が始まっている。 思えば、先の紅白戦でのミラクルセーブを起こした時点で、にとりは既に死んでいたのだ。 鈴仙「そんな……そんなぁ……!」 永遠亭に所属する鈴仙は、親しい者の死別という感覚が希薄であった。 というのも仕方がない事で、まず永琳も輝夜も蓬莱の薬を飲んだいわゆる”蓬莱人”であり、老いることも死ぬこともない。 輝夜あたりは良く死んだり妹紅に殺されたりしてるが、どうせすぐ生き返るし割とどうでも良い。 また、てゐは不老不死ではないがとてつも無い長命を自負しており、殺しても死なない感じである。 だから――鈴仙はにとりが試合中に死亡した事について鈍感になっており。 今こうして、にとりがもう二度と戻ってこないと知って、思い切り崩れてしまった。 (死後硬直について解説していた気がするが、普段輝夜や妹紅が死んでから生き返る姿を見ているが故に、 死後硬直=死、に結びつかなかったのだろう。たぶん……)
[50]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/02/13(火) 00:19:00 ID:??? 佳歩「あまりお話できませんけれど。惜しい人を亡くしました……」 つかさ「彼女はきっと、『ゴールを守る』という自らの仕事を、愚直に、どこまでも律儀にこなしたのだと思います。 その結果が、自らの命を落とす事になろうとも……」 てゐ「全く、誰もかれもが、死にたがり過ぎなんだよ……! 仕事で死ぬくらいなら、 仕事なんてやめてしまえばよかったのに。誰に後ろ指指されようとも、生きてるだけで充分立派なんだよ……!」 パチュリー「私は賢者だけど、蘇生魔法はまだ使えない……。今こそ、自分の無力さを呪った事はないわ」 アリスさん「(私も死ねば、こうやって色々と言われるのかな。アリスさんは生前こんな奴だったとか……) そんなのいやだ。――私は過去形にされるのはごめんだからな!!?!?!」 穣子「うわっ!? どうしたのアリスさん突然っ!?」 その様子に気付いた仲間達も、にとりの死体に群がってそれぞれに惜しむ声を上げる。 マイペースで自分勝手な癖して臆病者で。だけど、根は誰よりも真面目で一生懸命なにとりは、 決して皆からも蔑ろにはされていない。誰もが、彼女の事が好きだった――。 お燐「好きだったら、もっと早く人命救助すればよかったんじゃあ……ムググ」 さとり「お燐の気持ちは分かります。ですが今は、なんか、こう……そんな正論は赦されない場面なのです……」 慧音「(ルナティックスに居た頃は、そんな場面が日常的だったな……。ただ、姫君や妹紅と違って、 にとりは死んだら終わりだと思うが……。でも、それすらも何とかなるような気すらしてくるのが、不思議だ……)」 ――一部の者はもう少し冷静だったが、とにかく、多くのメンバーは仲間の死に直面して恐慌し、そして深い悲しみを見せていた。
[51]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/02/13(火) 00:20:01 ID:??? 鈴仙「……みんな。姫様とかと違って、にとりは蓬莱人じゃないから生き返らない。 だから、この死は絶対。……死んだ者は、二度と生き返らないのよ」 鈴仙はキャプテンとして、にとりの亡骸を抱えながら沈痛にそう言った。 鈴仙「でも大丈夫。これは決して別れなんかじゃない。にとりは……今も私達の心の中に生きている。 あいつのあの、うざったいけどなんか憎めない笑顔は。不真面目そうに見えて、実は誰よりも真面目な誠実さは。 私達の糧となって、私達をより強く、前へと進めてくれる筈なのよ……!!」 ――その時だった。 佳歩「…………? よ、夜ですか? 急に外が暗くなりましたけど……」 霞「ううん。時計はまだお昼前だから、違うと思うけれど……」 盲目の鈴仙は気付かなかったが、赤い昼空(魔界の空は常に赤い)が真っ暗になった。 そして、その刹那。にとりの死体が仄かに煌めいたと思うと――。 にとり「ハッ!??!?!? ど、ドリームだっ!!?!??」 ひょこり、と鈴仙の肩に埋もれた死体は起き上がって、そんな素っ頓狂な声を上げたのだった。 鈴仙「……う、ウソッ!? 生き返った……!?」 にとり「わ、私はまだ死んでないよ!? ……ちょっと、後半戦の最後らへん、意識が無かったけどさ……」
[52]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/02/13(火) 00:21:27 ID:??? パチュリー「近代の魔術体系では、人間の蘇生はまさしく大魔法の一つ。 ごく限られた血筋の術者が、数年にもわたる長い儀式と多くの術式を経て、 辛うじて出来るものだと称されていたけれど……魔界では、これが普通なのかしら……?」 アリスさん「……いえ。魔界は確かに周囲の魔力素――エーテルは豊富だし、 私達の世界よりは魔術理論も、魔術工学も発達してはいるけれど。 それでも、死者の蘇生はそう簡単には出来ないわよ。それこそ……神様でもなければ」 静葉「という事は、これはまさか、神様の手によるもの……なのかしら」 穣子「うっわぁ〜! 神様だって。凄いねぇ、会ってみたいねぇ……!!」 反町「(穣子さんは自分の事を何だと思ってるんだ……)」 にとり「ん? もーう、何だよお前らー。まるで私がゾンビか何かみたいなのを見る目してさー。 私はこのとおり、元気だってば! ほら、力こぶ、力こぶ!」 周囲が状況を呑み込めない中、力こぶと元気がどう関係あるのか分からないが、 にとりは自分で腕を曲げて力こぶを作り(なお全然こぶはなかった)、元気である事をアピールしている。 星「ああ。良かった……! 本当に生き返ったんですね……!」 ナズーリン「冗談みたいな展開だと思うけどね……」 ――その疑問に応えたのは、星とナズーリンの二人だった。 彼女達は鈴仙達の下に駆け寄ると、にとりの無事を確認しほっと胸を撫で下ろす。
[53]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/02/13(火) 00:23:05 ID:??? 鈴仙「え、ちょっと……。これって、一体どういう事なのよ……?」 ナズーリン「昔、魔界に行く前に色々と調べてたんだが……エソテリア近郊には、”ドラゴンスフィア”という名の魔石があるんだ。 それ一つでは何も起きやしないが、七つ集めると、強力な力を持つ龍が召喚される。 そして、その龍はどんな願い事でも1つだけ、叶えてくれるというが……まさか本当だったとはね」 彼女はそう言って空の彼方を指さす――鈴仙は気配でそれを察知して空を見る――と、 そこには。 ゴッドドラゴン「願いは叶えてやったぞ……」 鈴仙「……もう、何でもアリね……アハハ」 中国神話に出て来るような、蛇のように長い胴をした黄金のドラゴンが、鈴仙達を高くから見下ろしていた。 その龍は、鈴仙の乾いた笑いに呼応して。 ゴッドドラゴン「我はこの魔界の神によって造られた。よって、神の力を超える願いは叶えられぬ。 また、一度願いを叶えれば、1年はその力は失われる……我とて、絶対では無いのだ」 鈴仙「あ……説明、ありがとうございます……」 ――その強面とは裏腹に、割と親切に説明してくれた。 ゴッドドラゴン「それでは、さらばだ……!」 カッ! ゴオオオオッ……
[54]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/02/13(火) 00:24:14 ID:??? そしてその数秒後、ドラゴンの姿は掻き消えて、魔界の空には七筋の流星が流れた。 たぶんあれが、ドラゴンスフィアなるアイテムなのだろう。 それから更に数秒。……魔界の空は再び、黄昏時のような淡い赤色へと戻った。 にとり「う〜ん。良く分からんけど、これで一件落着だね!」 てゐ「あんたはホントに分かって無さ過ぎウサ……」 お燐「でもさ。こんな便利なアイテムがあるなら。幾らでも死んでも平気ってコト? まあ、1年かかるってデメリットはあるけど、凄く便利だねぇ〜」 星「それが、物事はそんなに甘くないんですよ、お燐さん。 ドラゴンスフィアで死んだ人を生き返らせるのは、1回こっきりだそうなんです。 にとりさんは今初めて死んだので生き返らせましたが、次に死ぬと、もう蘇らない……。 ――なので、やっぱり命ってのは大切なんですよ」 反町「(なんか。そんな設定の漫画をどこかで読んだ気がするんだけど……。 確か、Jr.ユースの合宿あたりで、来生とかがこれの話をしていたような……)」 鈴仙「(なんか色々と釈然としないけど……。まあ、これで良かった、のかな……)」 いつもの事ではあるが。鈴仙はもはや、突っ込む気力すら失っていた。
[55]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/02/13(火) 00:38:53 ID:??? …と、言ったところでここまでにします(汗) 色々アレな展開ですが、にとりも決して嫌われてる訳じゃない(好かれてるとは言ってない)事を伝えたく、文章を割いた格好です。 >>48 乙ありがとうございます。 互換元である後悔させない彼も、試合の引きは結構アレでしたがそれ以外の時は有能そうだったので、そんな感じです。
[56]森崎名無しさん:2018/02/13(火) 01:43:49 ID:??? 乙でした コーチ「ギャルのパンティーおくれー!」ってならなくて良かったねにとり コーチも自重してくれたと信じたい
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0ch BBS 2007-01-24