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【サッカーも】キャプテン岬3【ゲームも好き】
[205]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:21:22 ID:kpfY5ppE 果たして支払うだろうか。敵陣を見やってみると、まさかの敗戦に呆然としていた面々の表情に、下卑た色が浮かんでいた。 クレベーユ「ダマれ、クズどもが!」 セルビー「誰が金など……!」 デュイソン「こうなったらセンコーもろとも、蹴って殴って口止めじゃあ!」 岬「(マズい!)」 このままでは喧嘩沙汰だ。異国のならず者相手に賭け事をするには根回しが足りな…… 聖薇「どういうことですかっ!!」
[206]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:22:43 ID:kpfY5ppE 3.2話『聖薇と、聖薇らしき者』 空気をビンビンに響かせる怒声が、シュッセ運動場へ鳴り響く。 あずみちゃんの大声と敵チームの罵声から、事態を察してしまったらしい。 聖薇「か、か、賭け事なんてっ!なんて不道徳な!それも心身を鍛え上げるためのスポーツで!」 小学生で風紀委員長になろうとする子だ。相当に潔癖らしく、 細い眉が鉄のようにピシリと硬く引き締まって、怒りをぶつけている。 亜美「ね、ねーちゃん」 真美「あぶないよ…」 後ろでは幼い姉妹が聖薇の袖を引き、彼女達なりに何とか静めようとしていたが、 聖薇「下がりなさい!」 亜美・真美「「ひ」」 大叫一喝、お前達の出る幕ではないと激しい怒りを叩きつけられ、塩をかけた青菜のように萎れてしまった。 立て続けの剣幕に、年上のはずの天ケ瀬達も気圧され、一言も発せずにいる。 先生さえ彼女相手に賭け事を承認した事を説得する自信が無いのか、黙ったままでいたままだ。
[207]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:24:14 ID:kpfY5ppE 周囲の反応を見た聖薇は、相手の方へ向き直そうとする。その途中で僕と目線があった瞬間、 ハッとした顔になり、次に困惑がかかった顔で、問い質した。 聖薇「岬君は、知っていたのですか!?」 火を噴くような勢いで向かってきた。だがそれも、話を重ねていくたびに怒りよりも不安の色が、顔にも声にも表れてきた。 聖薇「知らなかったのですよね?私は、岬君がこんな事に関わっていたなんて、聞きたくありません……」 どんどん勢いが衰えていくのが目に見えて分かる。これを機にどう切り抜けようか考えようとした矢先、 敵チームの1人が割り込んできた。 デュイソン「いやコイツ、自分からタカってきやがったんだよ、自分のウデは黙っておいてな」 責任をこっちに押し付け支払いを無かった事にしようとする気だ。この後も詐欺だ卑怯だと僕の活躍を悪し様に罵る。 その下卑た発想と言動が、聖薇の正義感を再点火させてしまった。 聖薇「黙りなさい、卑劣漢!」
[208]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:25:31 ID:kpfY5ppE 再び怒りが噴き上がってきたようだ。見るからに分かる荒くれ者達に、お構いなしに断言した。 聖薇「あなた達の思惑が分からないでと思っていたのですか! 分かりました、あなた達が岬君達を追い込んで、賭けをせざるを得ないようにしむけたのでしょう! よくもこの、ペテン師、泥棒、チンピラ、ゴロツキ、最低の屑、犯罪者!!」 デュイソン「なんだとォ!?」 怒りの感情をひたすらにぶつけた罵声に、傍目にも分かるほど 男達がハラワタを煮えくらせて、1人の少女に群がり、凄んできた。 セルビー「ほーお、聞き捨てならねえなあ」 クレベーユ「チンピラだゴロツキだよくもまあ、オシャベリがタッシャなもので!」 デュイソン「いい機会だ、実際に体験してみたらどうだ、自分のカラダでなあ!」 丸山「こ、コラ!やめなさい、下がりなさい!」 険悪を越えて危険と感じたに違いない。慌てて先生が間に割り入り、仲裁に入ろうとするが、 フォンテーヌ「ああ、とっとと失せやがれ!」 連中の1人が腹立ち紛れに、ボールを蹴りだしてしまった。
[209]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:26:57 ID:kpfY5ppE ボールは先生から見て死角の位置、近くに他の味方もなく聖薇が振り向いた時はもう目の前だ。 聖薇「あっ!」 岬「(ダメだ!)」 間に合わない。あの勢いでぶつかったら、当たり所によってはヒドイ怪我をしかねない。そう思った時。 バシイッ!! 乾いた衝撃音が運動場に響く。右手で日差しを遮るような形で聖薇がボールを受け止めている。少しも怪我はしていない。 聖薇?「……フン」 聖薇から、まるで周りを囲むならず者達のような、ふてぶてしい笑みが出た。 聖薇?「ルール違反だぜ、そいつぁ……」 彼女の口から、彼らと同じような伝法なセリフが発せられる。 セルビー「なっ」 聖薇?「こちとらサッカーという球けりにどんなルールがあるかごぞんじじゃねえが…… 一度決めたルールはてめえらに不利になっても、守り通さなきゃ成立しねえんじゃないのかい?」 クレベーユ「な、何を」 聖薇?「ま、多勢をたのんでか弱い乙女1人に寄ってたかるゴロツキどもにゃ、そもそも無理な注文だろうな」 岬「(あ、あれが聖薇か?まるで別人じゃないか!)」
[210]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:28:12 ID:kpfY5ppE ただ1人で向かって平然としているどころか、大勢のならず者を歯牙にもかけず 敵の気を呑んでしまった度量のある姿は、自分の知る聖薇とは思えなかった。 聖薇?「ところで、おフランスの紳士諸君よ」 今もかすかに薄笑いを浮かべながら、先生から離れ並みいる「紳士」達を挑発しだしている。 聖薇?「サッカーは紳士のスポーツだと聞く。 わざわざ野蛮に暴力でケリつけるより、か弱い乙女をエスコートしてやりゃ、 男の株も上がるってもんよ」 かかってきな。そう言わんばかりに右手の中指を立てクイクイと引き、呼びつける仕草をした。 こんな光景を見せつけられて、彼らが激昂しないはずがない。 セルビー「言ったな、クソアマ!」 クレベーユ「その高慢ちきな口を、カラダごと叩きのめしてやる!」 デュイソン「ヒイヒイ言わせるほど、たっぷりエスコートしてやるぜえ!」 うなり声をあげてならず者が聖薇めがけて責め立てに来た。 向かってきたはFW3人、左右中央から勢いよく滑りこみ、ボールを刈ろうとする。 聖薇?「さあ、行くぜ!」
[211]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:29:19 ID:kpfY5ppE 敵3人がまさに奪い取らんとした瞬間、少女から咆哮が響く。 クレベーユ「ぐわっ!」 セルビー「どべえっ!」 デュイソン「ぐわああっ!」 次の瞬間、彼らは空を飛んでいた。 タックルに向かった足が、ドリブラーの勢いに負けて吹き飛ぶ。サッカーでは相当な破壊力を持つ選手しかできない荒業が、 相手より2周りも小さい少女によって引き起こされているのだ! 「「な、なにィィィィィッ!!」」 敵味方揃って驚愕する。そして今相対している敵側は、そのまま呆然としている訳にはいかない。 テナルディエ「野郎ども後に続け!固めてツブすんだ!(なんなんだ、あの女は!)」 フランス人学校メンバー「「「「「「お、おう!!」」」」」」 女にはなんとしても負けられないと、火のような勢いで攻めかかってくる。だが倍以上の相手が向かってきても、 今の聖薇は顔色さえ変えず、世間話を交えながら襲い返してきたのだった。
[212]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:30:40 ID:kpfY5ppE 聖薇?「昔を思い出すねえ」 テナルディエ「ぐわっ!」 一番槍のテナルディエがFW達に続き宙を舞う。 聖薇?「青葉台のうらなり達がこうして球けりしてたもんだ」 フォンテーヌ「どわっ!」 モンモランシー「げえっ!」 続くMF2人は苦も無く薙ぎ払われる。 聖薇?「俺も少しはやっとけばよかったぜ、なんせ」 ドレセーヌ「う、うそおおおおおっ!?」 ブリュイ「いってえええっ!」 捨て身で飛びかかったDF2人の勇気は報われず、 聖薇?「ボール越しなら相手を殺してもノー・プロブレムだからよ!」 ブーアン「ぶあっ!」 マルタン「ごぶはあああっ!」 残り2人はボロ屑のように吹っ飛ばされた。
[213]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:35:04 ID:kpfY5ppE 聖薇?「最後は、たしかキーパーっていうんだったか?そこのキーパーさんよ、 か弱い乙女からのプレゼント、受け取ってくれな!」 ギャロス「ふ、ふざけんな!キサマなんかに……」 聖薇?「言い忘れたが、返送不可だ、行くぜ!」 ドクン! 岬「(な、なんだこの感じは!?)」 バギュウウウウンッ! 先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で以下のように書き込んでください。 ★聖薇? ????シュート(仮) 19(!card) +(!dice + !dice)=★ ★ギャロス パンチング 17(!card) +(!dice + !dice)=★ カードやダイスの結果で分岐します。★と★の間が1人分の判定になります。 MAX【攻撃側】−MAX【GK側】 ≧2→聖薇?の????シュート(仮)がゴールに突き刺さる! =1、0、−1→ギャロスさん、かろうじて弾く! ≦−2→ギャロスさんが何とかゴールを守った! 【補足・補正・備考】 聖薇?:????シュートは吹飛係数2
[214]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/11/24(日) 19:37:52 ID:kpfY5ppE 聖薇さんと思われる人がまさかの必殺シュート!ギャロスさんは果たして防げるか、 といった所で、本日はここまでといたします。 それにしても、なんという超展開。ただ、私としては聖薇さんをこの物語で活かしていくために どうしても入れたかった箇所であって、きょうこうやって描き切れて、とても充実しています。 シルキーズも、まさか彼女がこんな描写をされるとは夢にも思わなかっただろうな。
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0ch BBS 2007-01-24