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【サッカーも】キャプテン岬3【ゲームも好き】
[239]森崎名無しさん:2020/02/16(日) 23:35:29 ID:??? ★校庭にいる人 ダイヤ8 ★
[240]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/15(日) 22:15:44 ID:JJAKh5fM 第4.1話『アミ―ウォーカーとマーミベイダー 84坪の大宇宙』 ――――― ――――――――― ――――――――――― 遥か彼方の大宇宙にて君臨する、惑星級宇宙要塞デス・スター。 その深奥部では銀河帝国の主たる皇帝パルパタインが、 反逆者たるジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーに電撃を浴びせ、罵っていた。 『この愚か者め!これで分かったであろう、おまえの子供だましの術など暗黒面には通用せぬ。 愚か者は報いを受ける。スカイウォーカーの息子よ、代償は高くつくぞ。おまえは死ぬのだ!』 狂ったような高笑いの後、一層激しく電光と雷鳴をうならせ、反逆者を痛めつけていく。 あまりの激しさにとうとう耐え切れず、ルークは床へと崩れ落ちた。 勝敗は明らかとなり高らかに笑いこけようと口を開きかけた時、 シスの暗黒卿ダースベイダーがやにわに立ち上がり、背後から皇帝を羽交い締めに押さえ込んだ。 四方に電撃を発しながら皇帝はあがき、不逞の部下を罵る。 だが悪運は既に尽き、皇帝は要塞炉心へ投擲され、炉心の爆炎によって跡形もなく消し去られたのであった…… ――――――――――― ――――――――― ―――――
[241]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/15(日) 22:17:59 ID:JJAKh5fM パリ16区のグリューズ通り、堂々とした邸宅の隙間にひっそりとたたずむ申し訳程度の校庭で、 今月上映された『スターウォーズ ジェダイの復讐』の大一番が脳裏に映しだされている。 どうしてこうなったか。この状況を詳しく述べると、こういう事だ。 散歩がてら教室を出て外の空気を吸おうと思い、靴を履き昇降口を出たところ、 顔に校帽をかけて校庭に仰向けになっている真美と、いかにも恐る恐るといった具合に ゆっくりとその帽子を取ろうとしている亜美の姿が見えた。 何をしてるかと近づいてみると、声をかける前に相手の方が気づいたらしく、 2人して駆け寄りそのままの勢いで僕の手を左右1人ずつ掴み、校庭へと引っ張り出した。 亜美「スターウォーズごっこやろ!にーちゃんはワルモノね!」 真美「じーさんがこう、ビュバーって電気出して、ルークをいたぶるところから!おまえはしぬのだ!って!」 キャッキャッと僕の都合は気にもかけず、映画館で見たであろう興奮をまくし立てているのだった。 これを聴いて自分の記憶が自然によみがえってきてしまったという事だ。 この2人に限らず、今月に入って新作がフランスで公開されてからというもの、 学校内は誰もかれもジェダイか反乱軍か帝国軍兵士になったような具合となっている。 教室隅の掃除用具入れは竹製のライトセイバー入れと化し、 休み時間や放課後は銀河の命運をかけた死闘が幾度も繰り広げられていた。 行き過ぎをたしなめる担任さえ、 丸山「おまえは暗黒面の力を見くびっておる……」コーホー この有様である。
[242]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/15(日) 22:20:41 ID:JJAKh5fM 小うるさい風紀委員長がその場にいて雷を落とすまでは、闘いが続いているのが日常となっていた。 まして好奇心と娯楽への欲求が人の皮をかぶっているような幼い姉妹が、 この世界的な理力(フォース)にとらわれないはずがなかった。 まあただ部活動までにはまだ時間はあるし、遊びに付き合ってやるのも悪くない。 そう思った僕は、新しい役者が見つかって嬉々とした2人が銀河帝国皇帝への即位を受託した後、 少し時をさかのぼらせ暗黒卿が善性を蘇らせる直前まで物語を巻き戻させた。 そうして84坪の校庭を舞台に物語は再開する。僕が腕を左右に動かすのに合わせて、 ルーク・スカイウォーカーこと双海亜美はうめきながら転げ回って次々に表情を変えていく。 頑張ってはいるがなまじ顔が可愛いだけに、衝撃に苦悶するというより 福笑いの目鼻が居場所に戻ろうと駆けずり回っているように見えたのが残念だった。 そうこうしているうちにダースベイダーこと双海真美が右脚に飛びつく。 脚にしがみつかれながらポカポカと小さなこぶしを感じた後、 投げのモーションに従って炉心とおぼしき窪みへと転がりのたうってから、 ドーンと爆発音を模した姉妹の掛け声に合わせ、動きを止めた。 そうしてお役御免となった後は、アミーウォーカーとマーミベイダーの和解の時に入る。 腹ばいになりながら、彼女達の物語を横からじっと見る事となった。
[243]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/15(日) 22:24:51 ID:JJAKh5fM 真美「われらは光輝ける存在なのだ、ルーク、醜き肉体に惑わされてはならぬ…… さあ行け、息子よ。わしを残して」 既にマスク代わりの校帽は顔から取り除かれ、亜美が自身の父親役となっている実の姉を見つめていた。 亜美「そんなことはできない。一緒に連れて行くよ。父さんを救いたいんだ」 真美「もう、救ってくれたんだよ、ルーク」 常におちゃらけている2人の印象とは違い、どこまでも真面目に本物のルークとダースベイダーになり切ろうとしている。 今の2人は技量こそ乏しいが、心は俳優であるかのように思われた。 亜美「父さんを置いてなんかいけない」 幼い息子がそう言った瞬間、戦艦内の爆発音を模した大声を2人が発した。その声が聞こえなくなった後、 これも幼き父が一層弱々しい声で、息子に告げたのだった。 真美「ルーク、おまえの言うとおりだ……わしが間違っていた……妹に伝えるのだ……お前が正しかったことを」 そう言っておもむろに目を閉じ、臨終の仕草を取った。 傍らにいる肉親は感極まり、堅く目を閉じて何も発せずうつむいてしまった。
[244]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/15(日) 22:28:10 ID:JJAKh5fM これは上手い。内心彼女達の評価を見直していた時、 スカイウォーカーもダースベイダーもすっかりいつものようにおちゃらけはじめ、 いつもの亜美と真美に戻って僕の元へとやってきたのだった。 亜美「どーだった、兄ちゃん!上手いでしょ!」 真美「真美達映画館で何回も映画見たし、ゲーセンでもあずみ姉ちゃんと一緒に復習したかんね!」 真美が復習した、というのは、スターウォーズが公開された翌日、 アタリフランスに新しく入ったスターウォーズ第1作をモチーフとしたゲームの事だろう。 「事前説明会」にて僕もプレイしたが、迫りくるTIEファイターの迫力や 映画の展開に沿った人工音声など、中々燃えるものだった。 真美達がのめり込むのも無理はないと思っていた時、その真美達から思いもよらぬ提案がかかってきた。 真美「でも兄ちゃん、真美達もうお小遣いピンチなんだよ。そこで相談なんだけど」 亜美「この間の賭け試合、亜美達も観戦してたんだよねー。 そこに一枚噛ませてくれれば、兄ちゃんたちも亜美達もハッピーになれるんだよ」 そう言っていかにも怪しげに2人寄り添って耳打ちする。その内容を聴いて、悪くない話だと思うのであった。
[245]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/15(日) 22:32:49 ID:JJAKh5fM ……といったところで本日はこれまでといたします。 作中で触れられていたアタリのスターウォーズはこちらをご覧ください。 ATARI Star Wars https://www.youtube.com/watch?v=zSwul6HaGag 「事前説明会」については後日、このスレ末に詳細を描写したいと思います。 最後に1月もの間放置した形となり、誠に申し訳ありませんでした。 今後もそう1週間に1度続きを投稿できれば御の字というペースとなりますが、 なにとぞご容赦を願うばかりです。それでもよければ、この世界の岬太郎君達に どうかご愛顧を願うばかりです。
[246]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2020/03/22(日) 20:08:00 ID:zE13oLCA 済みません、本日は投稿を休ませてください。 明日か明後日の夜に投稿出来るようにいたしますので、もうしばらくお待ちください。
[247]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/25(水) 22:14:31 ID:a9bc7WXI 第4.2話『フラグ』 亜美「岬兄ちゃんは亜美たちが他のフランスっ子とも遊んでるのは知ってるっしょ」 真美「サッカーも一緒にしたりしてね。そんでこれから、そのコーユー関係を利用して、それとなーく吹き込んでみるの!」 亜美「『ウチんとこのにーちゃんたちはちんちくりんでダメダメだよー!兄ちゃんたちならラクショーだよ!』とか!」 地球の裏側でとある穴掘り少女がくしゃみをしたが、関係のない子なので放っておく。 真美「ゼビウス星に行けるウソ技をパリ中に広げた真美たちのトークをなめちゃいかんよ!」 またも地球の裏側で、同人誌を制作するとあるゲーマーがくしゃみをしたが、これも関係が無い。 亜美「そんでそれで紹介した相手に兄ちゃんが勝ったら、その、ほんのちょっとでいいからおこづかいがほしーのよー、いいでしょ? おちごとちっぱいしたり、万一負けちゃったりしたらガマンするからさー」 スターウォーズの事はよく知らないが、こんなレイア姫はいないと思う。 そんな馬鹿げた感想を抱いているうちにもう片方も、体をこすりつけながら同様な猫なで声でおねだりをはじめてきた。 いくら彼女達が年端もいかぬといっても、話の話題は金だ。そう意識すると自分の頭が活発に動き出してくる。交渉の時間だ。
[248]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/25(水) 22:15:49 ID:a9bc7WXI 岬「コラコラ、何を勘違いしているんだか。僕は自分達がおいしい思いをしたくて試合をしたわけじゃない」 亜美「ホントかなー、亜美たちを仲間に入れてくれないなら、このコトを好きなようにいいふらしちゃおうかなー」 岬「いいよ。僕達はきっと、みんなに信じてもらえるから」 亜美「そしたらにーちゃ……え?」 思いもしない反応だったのだろう。えっと驚きの声を上げる。 大方こう言えば慌てて自分達の言い分を呑んでくれると思っていたのだろう。 亜美「え、えと、えっと」 真美「亜美!」 真美が亜美の袖をつかみ、物陰に隠れて善後策の協議をはじめた。 隠れれば密談が聞こえなくなると思っているのか、離れた僕の位置にまで聞こえている。 真美「ダメだよ亜美、兄ちゃんはああいうコトは考えないタイプだって、真美の言った通りじゃん」 亜美「うーん、意外とムッツリ、じゃなくてガッチリお金をつかむタイプだと思ったんだけどなー」 なかなか際どいところまでのぞかれていたようだ。こんな年下の女の子に感づかれるとは、用心せねば。
[249]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/03/25(水) 22:17:45 ID:a9bc7WXI 真美「ま、20連敗中のダメダメチームを初勝利に導いたえーゆーと、 ぷりちーとはいえ学校中に鳴り響くイタズラ双子じゃ、どっちを信じるかってコトなのだよ」 亜美「うあー、勝ち目ないじゃんそんなの。イインチョーにバレたらマズいし、やっぱりやめ」 岬「失礼」 亜美・真美「「うわあっ!!!!」」 好ましくない流れとなる前に乱入する。せっかく飛び込んできたいい条件、つかまねば。 亜美「に、にーちゃん……」 真美「あ、あの、真美は……」 不意の乱入に2人とも戸惑っている。今だ、混乱している相手に衝撃を与えれば、こっちのものだ。 岬「ありがとう」 亜美「ご、ごめ…え?」 真美「やっぱ…え?」 腰を下ろして2人に目線を合わせ、有無を言わせずたたみかける。 岬「あずみちゃんの家の会社、今だいぶ危なくなってきてるからね。 亜美ちゃん真美ちゃん達の前ではあの通りの振る舞いだけど、 以前僕の前で不安を打ち明けた後、アタリが危なくなってるの、なくなったらどうしようって泣き出しちゃったんだ」 亜美「ね、姉ちゃんが、泣いたの!?」 真美「そーいや、前にコレコ見せたときも、怒った後に……」
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0ch BBS 2007-01-24