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【サッカーも】キャプテン岬3【ゲームも好き】
[283]森崎名無しさん:2020/04/13(月) 22:28:40 ID:??? ★待ち人はいずこ ハート6 ★
[284]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/14(火) 21:39:49 ID:ufl4OJsI ★待ち人はいずこ ハート6 ★⇒聖薇「……」岬「(何か本を読んでるな)」*さらに分岐 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 岬「(よかった)」 確認も取らずに出かけて無駄足になるかと心配していたが、 目当ての少女は期待を無下にする事無く居てくれてホッとした。 これから話しかけようとしていた当の聖薇は、ル・エストの玄関横に備えつけられた 木のベンチに腰かけ、無心に何かを読みふけっているようだった。 よほど夢中になっているらしく、彼女の元まで僕が近づき、 肩触れあいそうになる程近くに座っても反応さえしない。 この堅物少女がそこまで熱心になる本とはどんなものか。 気付かれないようにそっと、彼女が読むものをのぞいてみた。 先着で ★本を読む少女 !card★ と書き込み!とcardの間の隙間を埋めて下さい。スートで分岐します。 JOKER→岬「(あの神代文字……えっ!?)」聖薇「きゃっ!?」?「……よお」 本から発せられた波紋が聖薇の瞳に跳ね返り、筋骨隆々の精悍な男が現れた!? ダイヤK→聖薇「𪮷、抬、𪮷、𪮇、𪮷、抬、𪮷、𪮇……」 岬「(サムハラ、サムハラ……沙織さんの教本だ!)」 ハートK→聖薇「……みさきくん……」岬「(日記に……僕の顔?)」 ダイヤ・ハート→聖薇「父さん……樹里亜……」岬「(アルバムか……しかし随分小さい頃の写真だ)」 スペード・クラブ→岬「(本……小説か。題名は『初恋』、作者はイワン=ツルゲーネフ……)」 本日はこれで終わりといたします。なお、このところ毎日投稿できていましたが、 次からは内容を色々と吟味する必要があるため、いつも通りの最速週1投稿ペースに戻りそうです。 しかも今度の土日に投稿できるかもわかりませんが、何卒お許し願います。
[285]森崎名無しさん:2020/04/14(火) 22:17:29 ID:??? ★本を読む少女 クラブ5 ★
[286]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2020/04/19(日) 07:09:53 ID:oWtiwplU 今週分の投稿は、内容が固まっておりません為、お休みさせてください。 何とぞご了承お願いいたします。
[287]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2020/04/26(日) 21:31:27 ID:N9wFb0J2 済みません、今日はPCの具合がおかしいため、投稿できません。 ただ、早ければ明日から投稿が再開できそうですので、今しばらくお待ち願えないでしょうか。
[288]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/27(月) 21:21:00 ID:L9IjP/7s 第5話 『あのひとにとって、わたしはなんだろう?』 『わたしからほんの五、六歩離はなれた所――青々したエゾ苺の茂しげみに囲まれた空地に、 すらりと背の高い少女が、縞の入ったバラ色の服を着て、白いプラトークを頭にかぶって立っていた。 そのまわりには四人の青年がぎっしり寄り合って、そして少女は順ぐりに 青年たちのおでこを、小さな灰色の花の束たばで叩たたいているのだった。青年たちはさも嬉うれしそうに、てんでにおでこを差出す。 一方少女の身振りには(わたしは横合いから見ていたのだが)、 実になんとも言えず魅惑的な、高飛車な、愛撫するような、あざ笑うような、しかも可愛かわいらしい様子があったので、 わたしは驚きと嬉しさのあまり、あやうく声を立てんばかりになって、 自分もあの天女のような指で、おでこをはじいてもらえさえしたら、 その場で世界じゅうのものを投げ出してもかまわないと、そんな気がした……』 そっと聖薇の傍に座り、夢中になっている本を盗み見る。彼女が読み進める本の装丁は 図書館の奥深くに整然と備わっているような荘重なものだ。 岬「(主人公が相手にぞっこんになっている……恋愛小説かな?)」 しいんと秋の穏やかなひかりがあたたかくつつむ中、すっかり本の世界に入ってしまっているようだ。
[289]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/27(月) 21:23:02 ID:L9IjP/7s 聖薇「とうとう俺は、こうして彼女の前に坐っている」「俺は彼女と知合いになったのだ……なんという幸福だろう、ああ!」 興に乗っているのだろう、時折魂が本から飛び移って来たかのように、 彼らのセリフが聖薇の口からこぼれ出ていくのが、僕にも聞こえる。 聖薇「おお、めざまされた魂の、つつましい情感よ、その優しい響きよ、そのめでたさと静もりよ。 恋の初めての感動の、とろけるばかりの悦びよ――汝らはそも、今いずこ、今いずこ?」 岬「(相当だなあ。ここは興を冷まして機嫌を損ねたらマズいかな、いや、ここで切り出さないと曖昧になるかな。どうしよう)」 じいっと朗読に聴き入りながら、僕は…… A もう少し都合のいいタイミングを見計らって声をかける B 今声をかけてみる C その他、自由回答(要2票) 先に1票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 *短いですが、本日の投稿はこれで終わりといたします。
[290]森崎名無しさん:2020/04/27(月) 21:45:10 ID:28sATi5s A
[291]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/29(水) 14:52:14 ID:m5u4zQgk A もう少し都合のいいタイミングを見計らって声をかける ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 岬「(もう少し待ってみよう。集中している時に声をかけて気分を悪くさせたら後々面倒だ。 まだ出だしのあたりだし、声をかけるかかけないかはその時に考えても遅くない)」 そう思い定めてもうしばらく、聖薇の読書を眺めている事にした。 そうしてジッと話を追っていくうちに、物語は1つ目の山場に入ってきた。 この物語のヒロイン、公爵令嬢ジナイーダが主人公と下僕たち、 もといジナイーダに片想いの紳士方を自宅に呼び寄せ、「罰金ごっこ」や「縄まわし」に歌舞音曲…… 様々な遊びの中で主人公を含めた恋の下僕たちは ジナイーダに振り回され、道化にされながらもそれによって歓喜に打ち震えているといったあり様だった。 そうしていく中である興味深い影響を読み取る事ができた。これらの遊びの冒頭、「罰金ごっこ」の時だ。 ジナイーダが手に持つ男物の帽子の中にクジが入っており、その中に1枚だけ「キス」 と書かれた紙を引き当てた者は、想い人の手にキスができるという。 『「キス!」と、わたしは思わず大声を上げた。 「ブラヴォー!この人に当ったわ」と、令嬢がすかさず引取って――「まあ嬉しい!」―― そして椅子を下りると、なんともいえず晴れやかな甘い顔つきで、じっとわたしの眼をのぞきこんだので、 私の心臓はワッとばかり踊り立った。 「あなたは嬉しくって?」と、彼女は私にきいた。 ジナイーダは私の前に立つと、私を一層よく見ようとするかのように首を少し横にかしげ、いとも荘重に片手を差しのべた。 私は眼の中が暗くなった。片膝をつこうとしたが、べったり両膝ついてしまって、おそろしく不器用に唇をジナイーダの指に触ふれたので、 むこうの爪つめで自分の鼻さきに、かるい引っかききずをこしらえてしまったほどだった』
[292]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/29(水) 14:53:56 ID:m5u4zQgk この時だ。 より正確には「あなたは嬉しくって?」とジナイーダが尋ね、主人公が嬉しさに呆然としている時だ。 両手で本を持ち読んでいた聖薇がおもむろに右手を離し、日の光にかざすようにして目の前に手のひらを移した後、 右手のみがジナイーダとなったかのように厳かに彼女の口元に近づき、唇に軽く触れたのだった。 手が唇から離れた瞬間、陶然と、しかしどこか物憂げな様子の表情を浮かべて嘆息を漏らす様を見て、 僕の中に取りとめの無い思いが浮かぶ。 岬「(読書にしては思い入れが激しすぎるような……もしかして、実際に誰か好きな人でもいるのかな?)」 それからしばらくは思い入れが形として表れる事はなく、静かに読み進めていく。 聖薇に次の動きが見られたのは、物語が中盤に入り、即興の創作話をジナイーダが皆に披露するところだ。 その時聖薇は驚嘆すべき事に、目を閉じ一座の1人となって物語に聴き入っている表情で、 令嬢のつぶやきをよどみなく朗読してみせるのだった。
[293]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/04/29(水) 14:55:54 ID:m5u4zQgk 『さて女王は、そんなお追従に耳をかしたり、音楽を聴きいたりしているけれど、その実お客の誰だれ一人にだって、目もくれないの。 六つの大窓が、上から下まで、天井から床ゆかまで、すっかりあけ放たれて、 その外には、大きな星くずをちりばめた暗い夜空や、大きな木々の茂しげった暗い庭があります。女王は、その庭に見入っているの。 そこには、木立こだちのそばに噴水があって、闇やみの中でも白々しらじらと、長く長く、まるで幻まぼろしのように見えています。 女王の耳には、人声や音楽の合間々々に、静かな水音が聞えるのです。女王は、闇に見入りながら、こんなことを考えるの―― 皆さん、あなた方はみんな、貴い生れで、賢くて、お金持です。 あなた方は、わたしを取巻いて、わたしの一言一句を重んじて、わたしの足もとで死ぬ覚悟かくごでいらっしゃる。 つまりわたしは、あなた方の生死を、わたしの手に握っているわけです。 ……ところが、あの噴水のそばには、あのさわさわと鳴る水のそばには、 わたしの愛する人、わたしの生死をその手に握っている人が、たたずんで、わたしを待っているのよ。 その人は、おごった衣裳も着ていないし、宝石もつけてはいず、誰もその名を知る人はありません。 けれど、その人はわたしを待ち受けているし、また、わたしがきっと行くものと信じきっています。 ――ええ、わたしは行きますとも。 一旦わたしが、その人のところへ行って、一緒になろうと思ったら最後、 わたしを引留めるほどの力は、この世のどこにもありはしない。 そこでわたしは、あの人と一緒に、あの庭の暗がりへ、木立のそよぐもとへ、 噴水のさわさわ鳴る陰かげへ、姿を消してしまうの……』
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0ch BBS 2007-01-24