※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【サッカーも】キャプテン岬3【ゲームも好き】
[331]森崎名無しさん:2020/05/17(日) 12:29:14 ID:??? ★聖薇の過去 スペード3 ★
[332]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/24(日) 17:00:18 ID:rU+8pYsg 申し訳ありません。今週はお休みさせてください。
[333]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/28(木) 00:10:56 ID:WkquqaaE Twitterにてキャプテン岬のメインヒロインのうちの1人、早乙女聖薇さんの イラストを投稿いたしました。興味のある方はこちらよりご覧になってください。 なお、年齢は原作にちなんで高校生の頃の姿となっております。 ・セーラー服姿の聖薇さん https://twitter.com/sc3loyupbCmTqIC/status/1265659499253084161 ・ビキニ水着姿の聖薇さん https://twitter.com/sc3loyupbCmTqIC/status/1265660198909145088
[334]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/31(日) 16:57:13 ID:8HS4w75M ★聖薇の過去 スペード3 ★→過去に何があったか、なぜ風紀委員長になったかを、詳細に語る ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 聖薇「先にも言いましたが、私は早乙女財閥次期総帥の長女として、父母妹と4人、家族と共に日本で暮らしていました。 皆とても優しく穏やかで、一緒にいた日々が忘れられません。……離れ離れになったいきさつと共に」 岬「(会えなくなった?離婚でもしたかな)」 ドロドロとした話でも来るか、そう思った僕だったが、耳に聞こえてきたのはより奇怪な話だった。 聖薇「何年か前に日本で起こった、連続切り裂き事件は覚えてます?」 岬「まあ、テレビで見た位は」 もう何年前だったかも思い出せないが、東京のどこかの高級住宅地を中心に何度もバラバラ殺人が発生していた。 手がかりすらろくに見つからず一向に犯人が捕まらない事もあって、 「和製切り裂きジャック」だのあれこれ毎日のように騒いでいたんだっけ。 聖薇「その時私の家のすぐ近くでも起きたので父と母が心配して、 それまでの車での送迎に加えて、私のためだけにガードマンを3人もつけてくれたのです。 万が一にも危ない目に合わないようにって」 そこまで語ってから、聖薇は大きく深くため息をついた後、恐ろしい話を語りはじめたのだった。
[335]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/31(日) 16:58:18 ID:8HS4w75M ――― ――――― ――――――― ――――――――― 『うわっ!』 突然体が宙がえりになり、強かに落下して頭を「天井に」打ちつけてしまいました。 それも私だけではなく運転手も、そして山の大きいガードマン達も揃って打ちつけられてしまっていたのです。 瞬時のうちに私達を乗せた自動車が、空き缶を蹴飛ばすように激しく横転していたのでした。 打ちつけた頭の痛みにうめく暇もなく、非難のためガードマンに腕を引っ張られながら、なんとか外に出ました。 そして立ち上がってその場から立ち去ろうとした時、しぶきが顔にかかりました。 はじめは水しぶきだと思いました。その日は雨が降っていましたし、水たまりもあちこちにできていましたから。 ですが目元をぬぐった手が赤黒く染まり、目の前で運転手さんが金切り声を上げて倒れるのを見て、 私の顔にかかったのは血だと、理解させられました。 運転手さんが道路へ倒れ伏した先には、1人の男性が立っていました。それも様子が普通ではありません。 何しろ雨が降り続いているというのに、その人の周りには透明な膜でもあるかのように雨がドーム状によけて通っていたのですから。
[336]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/31(日) 16:59:52 ID:8HS4w75M その奇怪な現象と、鉄サビをこすり合わせたような不気味な笑い声を聞いて、この人が例の殺人鬼だと直感いたしました。 ガードマン達もそう思って私の前について身構えたのですが、その屈強な人達が全員、 かまいたちに切り刻まれる木の葉のように、何mも離れた相手に瞬時にズタズタにされ、断末魔を上げて倒れてしまいました。 周りの人達を音もなく殺してしまった後、その人は私を見て薄笑いを浮かべながら、私に向かって歩き出してきました。 その時私がどう思ったか!あの血の気の無い薄笑いは一生忘れることはないでしょう。 恐怖のあまり口が裂けそうになる程に叫んで、気を失ってしまいました。 ――――――――― ――――――― ――――― ――― そこまで語ったところで、聖薇にしてはらしくもない荒いため息が吐き出されていた。 僕がそっとティーポットを持ってカップに注いで渡しても、わずかにうなづく以外は反応する気力も残ってないようだった。 重く静まった聖薇の心情をかき乱さぬよう黙って待っているうちに、聖薇が語りを再開した。
[337]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/31(日) 17:03:01 ID:8HS4w75M 聖薇「意識が戻った時、私は病室のベッドで横たわっていました。 妹が泣き叫びながら飛びついて、父と母までが頬に涙を濡らしているのを見て、あの出来事は 夢でも幻でもなく現実に起こったの事なんだと、否応なく受け止めざるをえませんでした。 体の方はどういう訳か傷1つなく、検査を受けてもおかしいところはなかったのですぐに退院できました。 ですが家に返って静かな自分の部屋へ戻ってみると、 あの凄惨な光景がかえって鮮烈に蘇ってきて、絶えず恐怖に襲われるようになりました。 ドアが不意に空いただけでも叫び声をあげるぐらいで、悪夢はどれだけ見たか数え切れません。 外出はおろか外を眺めるのさえ怖くなって、家の中で閉じこもっていました。 ただただそうしてあの恐ろしい記憶が私をむしばみ続けていた頃のある日、母が私に告げました」 早乙女『聖薇、2人で一緒に、殺人鬼の追ってこれない所で過ごしましょう』 聖薇『2人で、って、母さんのお仕事は』 早乙女『辞めました』 聖薇『ええっ!?』 聖薇「母は私を元気にするために、大企業の社長の地位を投げ捨てて、 異国の地で2人きりで生活する道を選んでくれたのです。 日本にいる頃は仕事で月に1度も会えませんでしたのに。 他の家族と離れるのは寂しかったですが、母がいればきっと何とかなる、 漠然とですがそんな風に思って、パリに移り住む事になったのです」
[338]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/31(日) 17:05:00 ID:8HS4w75M 聖薇「そうして母と一緒に本を読んだり、料理を作ったり、あちこちを散歩したりしているうちに、 いつの間にか自分の内に怖いという気持ちが消えてなくなっていきました。 そして学校に通うようになってから、みんなにはこんな怖い思いはしてほしくない、 ずっと安心して過ごしていけるようになってほしいと思って、 風紀委員へと入り学校内の安全と安全を脅かすであろうモノについて、目を光らせていました」 明かされなかったこれまでの境遇と、その心。忘れないようにと 頭に今までの言葉を刻み込んでいると、またも言葉がかかってきた。 聖薇「ですから私が優君を護ろうというのは、ただ義務として、あるいは関心を引くためだけに行こうという訳では無いのです。 今の私のように、人生に悲惨な事があってほしくない、ずっと幸せでいてほしい。その一心だという事を信じてほしくて」 岬「う、うん、分かったよ」 聖薇の決意に同意したところで、自分の胸の内に置いていた疑問を晴らすべく、聖薇に尋ねてみた。 岬「そういえば、日本で襲われて気を失った時に、何か覚えていた事はある?」
[339]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/31(日) 17:07:08 ID:8HS4w75M 聖薇「あの時に、ですか?いえ全く」 岬「それじゃあ、この間の試合の後の事は?荒くれ達に向かって行った時の事」 聖薇「あの時……あの時も、ボールが私へと飛んできたのを見てから、記憶が途切れてしまってまして。 気付いた時には早川さん達に担がれて家に運ばれていました」 岬「(直接の記憶はなしか)お母さんからは、何か言われなかった」 聖薇「それですけど、何でも私がフランスの男の子達をいたぶっていたという話を聞かされたみたいで、 『あまりおてんばが過ぎないようにね』と、パリに来てからはじめて叱られてしまいました」 岬「(ははあ、あずみちゃんだな)」 快く思っていない相手だけに、聖薇がしでかしてしまった事を誇張して話してしまったのだろう。 あの母親の事だから本気にはしていないだろうが、後日機会を見つけて彼女をたしなめないといけないか。 そんな事を思いながら、話を核心へと進める。 岬「その記憶の無い時なんだけど、その時の早乙女さんは口調も態度も随分と漢っぽくなっていた。 しかも雰囲気だけの話じゃなくて、あの荒くれ達を全員、ボール越しに次々と吹き飛ばしていたんだ」 聖薇「え、わ、私が、あの人達を!?」 岬「そう、あっという間にね。まるでお話に出てくるような、もう1つの人格が発現したみたいに。 そして最後に、それとも違うような妙な事を言っていたね。『俺の愛のために』って」
[340]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/31(日) 17:08:34 ID:8HS4w75M 聖薇「俺の愛って、もしかして、母の」 岬「おそらくね。人格が違うというより、全くの別人のようだった。何か心当たりは」 聖薇「いえ、私も初耳でした。そんな不思議な事が私の身に起こっていたなんて。今日の夜にでも、母に尋ねてみます」 聖薇には何かが憑いている。しかし本人には全く意識も心当たりも無いという。 これ以上尋ねても進展は無さそうだったので、その後二言三言とりとめもない話を交わした後、帰宅する事にした。 別れの挨拶を口にして外に出る。ドアからカチリと鍵のかかる音を後ろにして立ち去ろうとした時、かけた鍵を外す音が聞こえ、 次いで慌ただし気にドアが開いて、聖薇が僕を呼び止めた。 聖薇「お待ちください。言い忘れていましたが、実は来月に私の誕生日がありまして。 もしお暇でしたら、お越しになりませんか」 そのあまりに嬉しげな、僕の訪問を期待した笑顔を見て、 普段の僕にはあり得ない事だが、考えもせずに行くと返事をしてしまった。 その後家路に着きながら、あずみちゃんの事を思い出す。まだ関係を整理していないのにと後悔しきりだった。 だが、すぐに悩む必要はなくなった。
[341]キャプテン岬の人 ◆ma4dP58NuI :2020/05/31(日) 17:10:27 ID:8HS4w75M 翌日の朝、服を着替え終わって朝食の準備に取り掛かろうとしたところで、電話が鳴った。 受話器を取ると聖薇の声が、気ぜわしげに耳に伝わる。 聖薇「すみません、今日から私、しばらく学校を休みます」 岬「今日から?どうして」 聖薇「ごめんなさい、すぐに切らないといけなくて、これから少なくとも1カ月は、日本に戻らないといけません。 詳しい話は日本に着いてから話しますので、それでは」 失礼しますと言い残し、電話を切られてしまった。聖薇らしからぬ乱雑とさえいえる説明不足と慌てぶり。 岬「(まあ、誕生会が中止になっただけでも良しとしよう)」 そう自分に言い聞かせて受話器を置いた直後、またもけたたましく電話が鳴り響く。 かけ直しかと思ったが、今度は電話越しにも分かるほど、心が浮き立っている人間の声が聞こえてきた。 沙織「ああ太郎くん!ビッグニュースよ!日本に戻って、いや私の人生で最大の、飛び抜けた上客から神おろしの依頼が!」 無間神社パリ分社を建立した後、運営が落ち着いてきたところで沙織さんは日本での様子を確認すべく一時帰国していたのだ。 その沙織さんに、飛び切り金払いのいい相手から依頼が来たという。その名を聞いて、僕は目を見開いた。 沙織「相手はなんと、早乙女電子の元社長さん!その娘さんにとり憑いているのは誰か、教えてほしいって!」
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24