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キャプテン森崎外伝スレ2


[141]タイトル未定:2008/09/23(火) 20:25:22 ID:ZN8LKLp2
そして、また病院へと話は戻る。

「君は、もう2度とサッカーができないんだ」
医師は3度、同じ言葉をつぶやく。
「君の腰は度重なる激戦で傷を負ってしまっている。正直、
現代医学では治しようがないんだ」
「そんな。だって、プロにも腰や脚に爆弾を抱えながらも
第一線で活躍している選手はいるじゃないですか。それに、
先生に診てもらってからずっと楽になったし、走ったり、
ジャンプしたりもできるんですよ」
「そうだ。君の体は日常的な運動はできる。いや、野球や
バレーボールといった他のスポーツならいくらでもできるんだ。
しかし、しかしだ。サッカーだけはできんのだよ」
「意味が分かりません!どういうことですか!?」
「……人間の腰には『サッカー筋』と呼ばれる筋肉がある。
サッカーボールを蹴る、ヘディングする、キーパーだったら
キャッチするといったときにだけ動く筋肉だ。これは損傷しても
日常生活に支障がないが、決して治ることはない。今まで損傷した
事例があまりに少なく、また治療の必要性も他の怪我に比べて
小さかったことから研究が不十分で、世界でも専門家はいない」
「そんな『きん肉マン』みたいな科学を信じろっていうんですか!?」
「信じようが信じまいが、それが事実だ。君がサッカーを二度と
できないということは変わらない」
厳しい顔をしながら医師は少年に世界で唯一というサッカー筋の
専門書を見せながら症状について丁寧に説明していった。
その態度は機械的であったが、どこか優しさが感じられた。
それが同情なのか、憐みなのか、もっと別の感情からきているのか
中学生の少年には分からなかったが。



0ch BBS 2007-01-24